カテゴリー「備忘」の62件の記事

メモ:高田衛「国文学者の想像力」(日本經濟新聞 2006年6月3日)

日本經濟新聞 2006年6月3日 (日) 第45378号第32面 (文化) に掲載された、高田衛 (たかだ・まもる) 「国文学者の想像力」は読み応えがあった。

文化五年 (1808) 年正月下旬、時の勘定奉行 [松平信行] (1746--1821)が、身分を隠して、飯田町中坂 (現在の千代田区九段北辺り) に住んでいた [滝沢馬琴] (明和4年6月9日/1767年7月4日--嘉永元年11月6日/1848年12月1日) を突然訪問したが、馬琴は不在だった。訪問者は、懐紙に次のようにしたためて、馬琴の妻 [お百] に托す。

実は、松平信行は、かって元服前の馬琴が仕えていた主人だったのだ。しかし、彼は、父の死去に際して俸禄を半減した主家に落胆した兄が主家を去ったために家督を受け継いだものの、信行の子 [八十五郎] の横暴な振る舞いに堪え兼ねて十四歳の安永9年 (1780年) 十月に主家を退転してしまっていた・・・

  木がらしに
  思ひ立ちけり神の旅

といひし言の葉のむなしからで、今は東都にその名高し。

  名のらずに
  しる人ぞしる梅の宿

 

[ゑ]付言:「木枯らしに」云々は、滝沢少年が主家を脱走した際に、自室の障子に書き残した訣別の辞。

28年の歳月の後、かっての小身旗本は違例の出世を遂げて勘定奉行として幕府の中枢にある一方、その児小姓 (元服前の小姓) は、江戸で隠れもない戯作者に変身していた。

松平信行の行動は、今で言う「著名文化人」となっていた、過去の出奔者滝沢某に対して関係修復を図り、あわよくば、自家に取り込もうとする底意があったのだろう。それに対して、馬琴は一度は主家で催された小宴に伺候したものの、それ以降は息子を代理に立てて、自らは主家に赴くことは無かったと云う。

高田衛は、文章をこう結んでいる。

旧主家に対する敵愾心と、旧主家筋の権力性の対する誇りとの、隠された両義的な心情が、この戯作者の、『南総里見八犬伝』をはじめとする天下国家に立ち向かう物語の数々の見えない背後にあるように思われるのである。

老いた国文学者の想像は拡がる一方である。

 

[ゑ]付言:「旧主家筋の権力性」とは、松平信行の本家の当主が、天明から亨和、そして文化年間死去するまで老中として権勢を揮った [松平信明] (宝暦13年2月10日/1763年3月24日 -- 文化14年8月16日/1817年9月26日) を念頭に置いている。そして、高田衛は、松平信行の滝沢馬琴訪問の影に、この松平信明か、或いは、[根岸鎮衛] --[耳嚢] の著者-- の存在を推定している。

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私家版 [周期表記憶法]

自分用に、周期表を記憶するための語呂合わせを作ってみた。所謂「定番」(「水兵リーベ・・・」など) と一括して記録しておく。なお、以下において、特定の地名・組織名その他の名称と一致又は類似する音の並びがあっても、他意はないので悪しからず。

本題に入る前に、「語呂合わせ」の前提として、周期表を掲げておく。

IA IIA IIIB IVB VB VIB VIIB VIII IB IIB IIIA IVA VA VIA VIIA 0
1 1
H
水素
2
He
ヘリウム
2 3
Li
リチウム
4
Be
ベリリウム
5
B
ホウ素
6
C
炭素
7
N
窒素
8
O
酸素
9
F
フッ素
10
Ne
ネオン
3 11
Na
ナトリウム
12
Mg
マグネシウム
13
Al
アルミニウム
14
Si
ケイ素
15
P
リン
16
S
硫黄
17
Cl
塩素
18
Ar
アルゴン
4 19
K
カリウム
20
Ca
カルシウム
21
Sc
スカンジウム
22
Ti
チタン
23
V
バナジウム
24
Cr
クロム
25
Mn
マンガン
26
Fe
27
Co
コバルト
28
Ni
ニッケル
29
Cu
30
Zn
亜鉛
31
Ga
ガリウム
32
Ge
ゲルマニウム
33
As
ヒ素
34
Se
セレン
35
Br
臭素
36
Kr
クリプトン
5 37
Rb
ルビジウム
38
Sr
ストロンチウム
39
Y
イットリウム
40
Zr
ジルコニウム
41
Nb
ニオブ
42
Mo
モリブデン
43
Tc
テクネチウム
44
Ru
ルテニウム
45
Rh
ロジウム
46
Pd
パラジウム
47
Ag
48
Cd
カドミウム
49
In
インジウム
50
Sn
スズ
51
Sb
アンチモン
52
Te
テルル
53
I
ヨウ素
54
Xe
キセノン
6 55
Cs
セシウム
56
Ba
バリウム
L
ランタノイド
72
Hf
ハフニウム
73
Ta
タンタル
74
W
タングステン
75
Re
レニウム
76
Os
オスミウム
77
Ir
イリジウム
78
Pt
白金
79
Au
80
Hg
水銀
81
Tl
タリウム
82
Pb
83
Bi
ビスマス
84
Po
ポロニウム
85
At
アスタチン
86
Rn
ラドン
7 87
Fr
フランシウム
88
Ra
ラジウム
A
アクチノイド
104
Rf
ラザホージウム
105
Db
ドブニウム
106
Sg
シーボーギウム
107
Bh
ボーリウム
108
Hs
ハッシウム
109
Mt
マイトネリウム
110
Ds
ダームスタチウム
111
Rg
レントゲニウム
112
Cn
コペルニシウム
113
Uut
ウンウントリウム
114
Uuq
ウンウンクアジウム
115
Uup
ウンウンペンチウム
116
Uuh
ウンウンヘキシウム
117
Uus
ウンウンセプチウム
118
Uuo
ウンウンオクチウム
L
ランタノイド
57
La
ランタン
58
Ce
セリウム
59
Pr
プラセオジム
60
Nd
ネオジム
61
Pm
プロメチウム
62
Sm
サマリウム
63
Eu
ユウロピウム
64
Gd
ガドリニウム
65
Tb
テルビウム
66
Dy
ジスプロジウム
67
Ho
ホルミウム
68
Er
エルビウム
69
Tm
ツリウム
70
Yb
イッテルビウム
71
Lu
ルテチウム
A
アクチノイド
89
Ac
アクチニウム
90
Th
トリウム
91
Pa
プロトアクチニウム
92
U
ウラン
93
Np
ネプツニウム
94
Pu
プルトニウム
95
Am
アメリシウム
96
Cm
キュリウム
97
Bk
バークリウム
98
Cf
カリホルニウム
99
Es
アインスタニウム
100
Fm
フェルミウム
101
Md
メンデレビウム
102
No
ノーベリウム
103
Lr
ローレンシウム

まず、横方向の並びの語呂合わせ。勿論、「水兵リーベ・・・」で始まっている。

第1巡-第3巡. (H)(He)(Li)(Be)(B,C)(N,O)(F,Ne)(Na)曲がる(Mg,Al)シップ(Si,P)(S)(Cl,Ar)入り。

  1. H: 水素 (hydrogen), He:ヘリウム。
  2. Li:リチウム, Be:ベリリウム, B:ホウ素 (boron), C:炭素 (carbon), N:窒素 (nitrogen), O:酸素 (oxygen), F:フッ素 (fluorine), Ne:ネオン
  3. Na: ナトリウム, Mg: マグネシウム, Al:アルミニウム, Si:ケイ素 (silicon), P:リン (phosphorus), S:硫黄 (sulfur), Cl:塩素 (chlorine), Ar:アルゴン

第4巡. (K)カァ(Ca)好かん(Sc)(Ti)(V)(Cr)マン(Mn)ジュウ、(Fe)(Co)(Ni)どう(Cu)? かん、くえん(Zn)! ガリ(Ga)っとしたのは。。。(Ge)!! (As,Se)臭い(Br)(Kr)

  1. K:カリウム, Ca:カルシウム, Sc:スカンジウム, Ti:チタン, V:バナジウム, Cr:クロム, Mn:マンガン, Fe:鉄 (ラテン語 ferrum), Co:コバルト, Ni:ニッケル, Cu:銅 (後期ラテン語 cuprum), Zn:亜鉛 (zinc), Ga:ガリウム, Ge:ゲルマニウム, As:ヒ素 (arsenic), Se:セレン, Br:臭素 (bromine), Kr:クリプトン

第5巡. 5丁目にあるビ(Rb)ストロ(Sr)「青い鳥(Y)」の青(Zr)臭う(Nb)盛り(Mo)、喰いてくねぇ(Tc)、帰るって(Ru)老人(Rh)、すきっ(Pd)(Ag)座の(Cd)イン(In)して、スズ(Sn)ラン(Sb)通りで遣ってる(Te)(I)食屋の季節(Xe)料理を食べた。

  1. Rb:ルビジウム, Sr:ストロンチウム, Y:イットリウム, Zr:ジルコニウム, Nb:ニオブ, Mo:モリブデン, Tc:テクネチウム, Ru:ルテニウム, Rh:ロジウム, Pd:パラジウム, Ag:銀 (ラテン語 argentum), Cd:カドミウム, In:インジウム, Sn:スズ (ラテン語 stannum), Sb:アンチモン (ラテン語 stibium), Te:テルル, I:ヨウ素 (iodine), Xe:キセノン

第6巡. せし(Cs)めた(Ba)かりのラー(L)メン、ハーフ(Hf)タン(Ta)タン(W)(Re)麺。お酢(Os)入れ(Ir)ても、はっきり(Pt,Au)(Hg)足り(Tl)(Pb)ビー(Bi)ルはサッポロ(Po)あと(At)コーラドン(Rn)ドン持ってきて。

  1. Cs:セシウム, Ba:バリウム, L:ランタノイド, Hf:ハフニウム, Ta:タンタル, W:タングステン (ドイツ語 Wolfram), Re:レニウム, Os:オスミウム, Ir:イリジウム, Pt:白金 (platinum), Au:金 (ラテン語 aurum), Hg:水銀 (近世ラテン語 hydrargyrum 但し古典時代に hydrargyrus と云う語形での使用例がある), Tl:タリウム, Pb:鉛 (ラテン語 plumbum), Bi:ビスマス, Po:ポロニウム, At:アスタチン, Rn:ラドン

第7巡. フランス(Fr)ラジ(Ra)コン、空き地(A)で飛ばす。ラフ(Rf)越え、ドブ(Db)すぐ(Sg)ボッ(Bh)チャン。ハッ(Hs)とした、参った(Mt)ダーッと取りに行ったが、ダだった、こし遅かっ(Da)。取れん(Rg)かった。腹ペコペ(Cn)コ。

  1. Fr:フランシウム, Ra:ラジウム, A:アクチノイド, Rf:ラザホージウム, Db:ドブニウム, Sg:シーボーギウム, Bh:ボーリウム, Hs:ハッシウム, Mt:マイトネリウム, Ds:ダームスタチウム, Rg:レントゲニウム, Cn:コペルニシウム

ランタノイド. (La)(Ce)プラッ(Pr)ネオ(Nd)プロメテウス(Pr)(Sm)登場。(Eu)(Gd)に遣ってる(Tb)。食事済(Dy)ませて、(Ho)エール(Er)釣り(Tm)行って(Yb)るって(Lu)

  • La:ランタン, Ce:セリウム, Pr:プラセオジム, Nd:ネオジム, Pm:プロメチウム, Sm:サマリウム, Eu:ユウロピウム, Gd:ガドリニウム, Tb:テルビウム, Dy:ジスプロシウム, Ho:ホルミウム, Er:エルビウム, Tm:ツリウム, Yb:イッテルビウム, Lu:ルテチウム

アクチノイド. (Ac)(Th)プロ(Pa)恨ん(U)(Np)。タップリ(Pu)儲かる(Am)(Cm)(Ba)かり(Cf)か、真似たアイ(Es)ドル増える(Fm)。なめん(Md)(No)やめ(Lr)

  • Ac:アクチニウム, Th:トリウム, Pa:プロトアクチニウム, U:ウラン, Np:ネプツニウム, Pu:プルトニウム, Am:アメリシウム, Cm:キュリウム, Bk:バークリウム, Cf:カリホルニウム, Es:アインスタイニウム, Fm:フェルミウム, Md:メンデレビウム, No:ノーベリウム, Lr:ローレンシウム

縦方向の語呂合わせは以下の通り。

第IA族. エッチ(H)リッチ(Li)(Na)カー(K)ちゃん、ルビー(Rb)せし(Cs)めてフランス(Fr)へ。

    H: 水素 (hydrogen), Li:リチウム, Na: ナトリウム, K:カリウム, Rb:ルビジウム, Cs:セシウム, Fr:フランシウム

第IIA族. ベリ(Be)ッと破ったマグ(Mg)カル(Ca)タ、洗って干すと(Sr)(Ba)(Ra)バラに。

    Be:ベリリウム, Mg: マグネシウム, Ca:カルシウム, Sr:ストロンチウム, Ba:バリウム, Ra:ラジウム

第IIIB族. スカ(Sc)(Y)ラーク(L,A)は3B階。

    Sc:スカンジウム, Y:イットリウム, L:ランタノイド, A:アクチノイド

第IVB族. 外人の(Ti)が混じっ(Zr)てるハーフ(Hf)のブラザホー(Rf)

    Ti:チタン, Zr:ジルコニウム, Hf:ハフニウム, Rf:ラザホージウム

第VB族. 鼻血(V)が出るほど匂う(Nb)(Ta)ドブ(Db)

    V:バナジウム, Nb:ニオブ, Ta:タンタル, Db:ドブニウム

第VIB族. (Cr)(Mo)天狗(W)死亡(Sg)

    Cr:クロム, Mo:モリブデン, W:タングステン, Sg:シーボーギウム

第VIIB族. (Mn)画家、テク無(Tc)(Re)載無(Bh)

    Mn:マンガン, Tc:テクネチウム, Re:レニウム, Bh:ボーリウム

第VII族-I. (Fe)を売るって(Ru)おっさ(Os)ハッス(Hs)ル。

    Fe:鉄, Ru:ルテニウム, Os:オスミウム, Hs:ハッシウム

第VIII族-II. 小林(Co)老人(Rh)炒り(Ir)卵うまい(Mt)

    Co:コバルト, Rh:ロジウム, Ir:イリジウム, Mt:マイトネリウム

第VIII族-III. (Ni)本のパラダ(Pd)イス、白金(Pt)のマダムスタチ(Ds)

    Ni:ニッケル, Pd:パラジウム, Pt:白金, Ds:ダームスタチウム

第IB族. (Cu)(Ag)(Au)れんと拳(Rg)骨よ。

    Cu:銅, Ag:銀, Au:金, Rg:レントゲニウム

第IIB族. 君に逢えな(Zn)い街(Cd)(Hg)コッペ(Cn)パン食べる。

    Zn:亜鉛, Cd:カドミウム, Hg:水銀, Cn:コペルニシウム

第IIIA族. 放送(B)ある(Al)(Ga)(In)たり(Tl)来ず。

    B:ホウ素, Al:アルミニウム, Ga:ガリウム, In:インジウム, Tl:タリウム

第IVA族. (C)(Si)ゲイ(Ge)すん(Sn)(Pb)

    C:炭素, Si:ケイ素, Ge:ゲルマニウム, Sn:スズ, Pb:鉛

第VA族. (N)(P)秘書(As)アンチ(Sb)(Bi)ジネス。

    N:窒素, P:リン, As:ヒ素, Sb:アンチモン, Bi:ビスマス

第VIA族. (O)代続く凄いおお(S)金持ちのセレ(Se)ブがやってる(Te)スポーツはポロ(Po)

    O:酸素, S:硫黄, Se:セレン, Te:テルル, Po:ポロニウム

第VIIA族. (F)漬け(Cl)っぱ臭い(Br)(I)アスタ(At)喰お。

    F:フッ素, Cl:塩素, Br:臭素, I:ヨウ素, At:アスタチン

第O族 (He)ネー(Ne)ちゃん、ある(Ar)クルッ(Kr)と回って奇声(Xe)あげたらドン(Rn)と打たれた。

    He:ヘリウム, Ne:ネオン, Ar:アルゴン, Kr:クリプトン, Xe:キセノン, Rn:ラドン

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メモ: html での上付き文字と下付き文字の垂直アラインメント

[メモ:理科年表 [物理/化学部 旋光物質] における用語の誤りに就いて] (2012年4月8日[日) を書いた時に、普通に原稿を書くと、比旋光度の上付き文字と下付き文字が [α]20D と云うようにズレてしまうので、初め TeX で画像化する積もりだったが、「ナンダカメンドー」と思って、泥縄式で html の範囲内で処理した (もう誰かが既にヨリ優れたものを発表していると思う。ただ、チョット探したが見つからないので、自分で作っちゃった方が早そうだったのだ)。

私が現に使っている以外のシステムでは旨くいかないかもしれないし、ブラウザによっても表示がズレてしまう可能性があるが、今のところは私自身のモニタ上では、「コンナモンダロー」と云う結果が得られるので、使うことにした。

ついでに、度数単位の上付きの丸 "°" の後に出来る空白を詰めておいた。

備忘のため、処理方法を顕在化しておく。

  1. 未処理:コード [α]<sup>D</sup><sub>20</sub>/(&deg;) 結果 [α]D20/(°)

    処理済:コード [α]<sup>D</sup><sub style="margin-left:-0.7em">20</sub>/(<span style="letter-spacing:-0.7em">&deg;)</span> 結果 [α]D20/(°)

  2. 未処理:コード [α]<sup>22</sup><sub>D</sub> 結果 [α]22D

    処理済:コード [α]<sup>22</sup><sub style="margin-left:-1em">D</sub> 結果 [α]22D

margin-left や letter-spacing の値は、フォントによって微妙に変える必要が出てくるだろう。

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平成壬辰年還暦所感

馬齢六十を重ね
豈猶能く龍馬たらむや
駑馬は一歩を継ぐに一歩を以てし
一簣の後に一簣を覆すのみ

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ブログテンプレート変更

previous template of nousenew template of nouse本ブログ (nouse) のテンプレートを、2007年4月21日(土) から使用してきた [ノート(2列左)] から [シンプルコレクション2/ブラウン(2列左)] に変更した。記事本体部分の幅をひろくするのが目的である。

対比のため、以前のテンプレートによるイメージを左側に、新しいテンプレートによるイメージを右側に示しておく。

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メモ:物理化学の用語 "partial molar volume" の対応日本語

1種類以上の化学的・物理的「成分粒子」の統計物理学的 (熱力学的) 多数からなる集団を、その集団以外から区別して対象化して「系」と呼び、系 (これは統計物理学的に均一であっても、不均一であってもよい) 内での個々の成分粒子全体の統計物理学的状態を表わすパラメータを「状態量」と呼ぶ時、状態量は複数考えられるが、それらは一般には独立していないので、或る1個の状態量に着目するなら、その特定の状態量を、他の状態量を変数とする関数 (所謂「熱力学的関数」) として表わすことができることがある。

そうした場合において、その変数状態量の中に「成分粒子のモル量 (0.012kg の炭素12に含まれる炭素原子と同一個数の同一種粒子からなる物質の量を、その物質の「1モル」と呼ぶ)」がある時、その変数成分モル量による、系の関数状態量の偏微分 (partial derivative) を、英語ではその成分の "partial molar quantiy" と謂い, 日本語では「部分モル量」と呼ぶ ("partial molar property" と云う言い方もある。ただし、この場合は「部分モル特性」と云う訳語も存在する)。

特に、系の状態量として系全体の体積を選んだ時の 「部分モル量/"partial molar quantiy"」 は "partial molar volume" と呼ばれるが、その対応日本語は、以下の通り種種あって、時には同一文献内であってさえも混在して用いられている。しかも、それらが同一概念であることの注意、或いは、別の言い方があることへの注意が、喚起されていないことが多いようだ。(さすがに、辞書系のサイトでは、いくつかの形を列挙していることがあるけれども。)

  1. "部分分子体積" - Google 検索 12 件 (0.05 秒)
  2. "部分分子容積" - Google 検索 1 件 (0.04 秒)
  3. "部分分子容" - Google 検索 約 40 件 (0.04 秒)
  4. "部分モル体積" - Google 検索 約 5,770 件 (0.07 秒)
  5. "部分モル容積" - Google 検索 約 84 件 (0.05 秒)
  6. "部分モル容" - Google 検索 9 件 (0.12 秒)

ちなみに、"partial molar volume" をグーグル検索すると
"partial molar volume" - Google 検索 約 390,000 件 (0.23 秒)
となる。

贅言すれば "partial molar quantiy" を「部分分子量」と訳すようなことはされていないようだ。用語「分子量」には慣例として分子1個の質量を表わす為に用いられているから、それとの混同をさける処置として当然だろう (ウィキペディア記事 [分子量 - Wikipedia] を参照)。

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メモ:映画 [戦艦ポチョムキン] 中の「全員は一人のために 一人は全員のために 」

このブログの記事 ["One for all, and all for one" (「一人は万人のために、万人は一人のために」) に就いて] (2007年1月30日[火]) において、

"Один за всех" "все за одного" が、Сергей Михайлович Эйзенштейн (セルゲイ・エイゼンシュテイン)の 映画 "Броненосец Потёмкин" (「戦艦ポチョムキン」)に出てくるらしいが、未確認(ただし "Battleship Potemkin: Scenario and script by Sergei Eisenstein" 参照)。
--["One for all, and all for one" (「一人は万人のために、万人は一人のために」) に就いて] (2007年1月30日[火])

と書いたが、現在 YouTube には、この映画が、以下のように8つに分割された形でアップロードされている。

  1. Battleship Potemkin / Броненосец ≪Потёмкин≫ - 1/8
  2. Battleship Potemkin / Броненосец ≪Потёмкин≫ - 2/8
  3. Battleship Potemkin / Броненосец ≪Потёмкин≫ - 3/8
  4. Battleship Potemkin / Броненосец ≪Потёмкин≫ - 4/8
  5. Battleship Potemkin / Броненосец ≪Потёмкин≫ - 5/8
  6. Battleship Potemkin / Броненосец ≪Потёмкин≫ - 6/8
  7. Battleship Potemkin / Броненосец ≪Потёмкин≫ - 7/8
  8. Battleship Potemkin / Броненосец ≪Потёмкин≫ - 8/8

その「尺」は、"1" から "7" までが10分間、"8" が3分9秒で、これに対し英文版ウィキペディアの [The Battleship Potemkin] に示されている総時間は75分だから、ほぼ全体が再現されているとみなしてよいだろう。

これをザッと眺めてみると (ロシア語字幕付きサイレント映画だが、YouTube のものには字幕に英文のスーパーインポーズが付いている)、"Все за одного" (全員は一人のために) そして "ОДИН ЗА ВСЕХ" (一人は全員のために) と云う字幕が出てくるのは、"4" と "5" の丁度境目のところに1回だけだった。もうすこし厳密に言うと "4" の9分53秒あたりに "Все за одного" が 現れ、9分58秒あたりに "ОДИН" のみが現れて ("5" の0分0秒にも重複して現れる)、"5" の0分2秒に "ЗА ВСЕХ" が現れる。つまり「一人は全員のために」の方は、少し「タメ」が有るわけだ。そして、"Все за одного" が冒頭のみに大文字が使われていのに対し、"ОДИН ЗА ВСЕХ" では全てが大文字になっている。

これはなかなか面白い。この字幕処理がエイゼンシュテイン本人の通りであるかどうか (もし「だとすると」、それも「モンタージュ」の一つだろう) 私には確認する手段はないが、この「演出」は、「全員は一人のために」よりも「一人は全員のために」を明確に強調している。と言うか、踏み込んで言うなら「全員は一人のために」は「一人は全員のために」を引き出す為の「ダシ」に使われているだけだ。

その他、幾つかを備忘しておく。

  1. "1" の6分44秒あたりに "В Японии русских пленных лучше кормят, чем нас!" (日本のロシア人捕虜の方が俺達よりも良いものを食っているぜ!) と云う台詞が有る。これは、映画の中で「戦艦ポチョムキンの反乱」のキッカケとなった粗悪な料理、と言うか、その素材の「蛆虫がわいた牛肉」(実際にも、昼食のボルシチに使われた肉が腐敗していたのが始まりだったと云う) を目の前にした水兵の言葉なのだが、ポチョムキンにおける反乱の発生 (新暦1905年6月27日) が、日露戦役中、それも所謂「日本海海戦」(1905年5月27日及び28日) の直後であったことを考えあわせると、ヤヤ興味深い。
  2. "5" の1分51秒あたりで、ユダヤ人への差別的発言をした男性が周囲から袋だたきに遭っている。
  3. "5" の8分57秒あたりから、映画史上有名な「オデッサの階段」シーンが始まる。特に、「乳母車の階段落ち」シーンは "6" の4分52秒前後から。
  4. "8" の0分14秒あたりには "Все на одного" と云う字幕が現れ、0分42秒あたりには "ОДИН НА ВСЕХ" と云う字幕が現れるが、これは「ポチョムキン1隻」対「艦隊全部」を対比させた表現だろう。

YouTube 映像は取り消される可能性が有るので、私が実物を見たものではないが、ブルーレイディスク/DVD へのアマゾンリンクを貼っておく。

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メモ:"Modus Ponens" その他

以下は、現在作成中の「例の tex ファイル」に脚註として組み込んだもの (最終稿に残るかどうか不明) に、若干の補足を付け加えたものである。

現代の数理論理学に生き残っている古典論理学の推論規則に "Modus Ponens" と云うものがある。「『AならばBである』が成り立っている時に、更に『Aである』が成り立っているなら『Bである』が成り立つ」と云うものだ。

三段論法ならぬ 1.5段論法ぐらいの基本的推論規則だが、この "Modus Ponens" ("MP" と約されることもある) は、ラテン語の "modus ponendo ponens" に拠っている。

そのうち、男性名詞 (単数主格形) "modus" は「尺度」の意味から「基準」・「規則」・「方法」・「様式」を意味するようになった言葉で、ここでは「方法」又は「様式」の意味だろう。英語の "mode" の語源。

"ponendo" は、「脇に置く」から「設置する」・「断言する」・「提言する」・「肯定する」を意味するようになった動詞 "pono" (能動相直説法現在単数形。不定形は "ponere"。英語 "position, positive" の語源) の Gerundium (大雑把に言えば「動名詞」) の単数奪格。奪格は、この場合「手段」を含意して「肯定することにより」ぐらいの色彩を帯びさせる。"ponens" は同じく動詞 "pono" の能動現在分詞で、"modus" を形容詞的に修飾して「肯定する方法」と云う意味を形作る。当然男性単数主格形。

全体の意味としては「(Aを) 肯定することにより (Bを) 肯定する方法」になる。

この外に、ラテン語で表わされる推論規則としては、"MT" と約されることがある "Modus Tollens" (詳しくは "modus tollendo tollens") もそうで、「『AならばBである』が成り立っている時に、更に『Bではない』が成り立っているなら『Aではない』が成り立つ」と云うないようである。

ここで "tollend" は、「持ち上げる」から、「受容する」・「載せる」の他に「取り消す」・「否定する」を意味する動詞 "tollo" (能動相直説法現在単数形。不定形は "tollere") のGerundiumの単数奪格で「否定することにより」ぐらいになる。 "tollens" は動詞 "tollo" の能動現在分詞 (男性単数主格形) で、やはり "modus" を形容詞的に修飾して「否定する方法」と云う意味になる

全体としては「(Bを) 否定することにより (Aを) 否定する方法」である。

ちなみに日本語版ウィキペディアの [モーダストレンス] の項で、「モーダストレンス(英: Modus ponendo tollens, MT)は・・・」としているは誤り。"Modus ponendo tollens" と "modus tollendo tollens" は別のものである。

では "Modus ponendo tollens" はどのようなものかと謂うと、「『Aであり、且つBである』ことがあり得ない時、更に『Aである』が成り立っているなら『Bではない』が成り立つ」と云う内容である。つまり「(Aを) 肯定することにより (Bを) 否定する方法」 である。

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katex 事故その後

[xyzzy で事故2件: バッファタブが消え、katex.l のバイトコンパイルが出来なくなった。] (2010年7月17日[土]) で報告した katex の異常な振る舞いは、試行錯誤しているうちに数日してなくなった。おそらく原因は、outline-tree2 のインストールを正しくしなかった報いなのだろう。

outline-tree2 そのものは便利なので、今だにもう一度使つてみたい気はあるのだが、また何か失敗して、katex が使えなくなることを考えると二の足を踏んでしまう。

そもそもが、「タウバー型定理についてもザックリと纏めておこう」と、自分でも意図が良く説明が付かないことを始めたのがキッカケだった。しかし、タウバー型定理の説明は、原稿のあちらこちらに散らばってしまって、話の流れに乗りつつ、整合性のある叙述をしようとすると、原稿の「あちら」や「こちら」や、そして「あちら」・「こちら」以外の箇所を何度も経巡る必要が出てきたのだ。

「マーク」を使えば良いと言う訣にはいかなかった。「マーク」だと文脈が見えづらいのだ。

そこで outline-tree2 を導入してみたのだが、その結果は良好だった。「事故」が起こったのは、私が一度インストールに失敗したときに、うまくアンインストールできなかったせいだろう。それにしても xyzzy で tex ファイルを作っていて katex が言うことを聞かないと云う状況は、「鱠を吹かせる」のに十分な打撃だったのだ。

作成中の tex ファイルが大きくなりすぎて、いま再び「事故」を起こす訣にはいかないと云う思いもある

その tex ファイルは、ついに 500KB を超えてしまった。dvi ファイル化すると 1150KB超。pfd ファイルでは 1220KB超である。つまり、少なとも、現時点であってさえ、そのままの形ではココログでの発表は不可能だと云うことだ (アップロードできる限界は、多分1024KB付近)。こうした制限を設けることでニフティは見す見す商機を逸していると思うのだが、ことは私企業の経営判断に属することなので、とやかくや言うまい。

取り敢えず、現在の私が気になっているのは、いつになったら原稿が完成するのかと云うことだ。自分で書いていて、予測が付かないのだから、情けないと言えば情けないのだが、どうにも仕方がない。一応、峠は越している筈なのだが、原稿が書き終わってからも見直す必要がある。今までの経験から言うと、そこでまたドッサリと訂正が入ることになるのだ。ヤレヤレ。

tex ファイルと言えば、katex 支配下で入力していて (或いは、 tex モードと言うべきかもしれない。正確なところを私は知らない)、"&" を打ち込むと、エスケープも文字が付いて "\&" がバッファに示される。これは TeX の仕様として、基本としては当然そうであるべきなのだが、コントロール文字としての (つまりエスケープ文字が付かない) "&" が必要な時も "\&" なることがある。これも "\&" を出してから "\" を消去すれば、その場しのぎの解決にはなる。しかし、何度も繰り返して "&" が使われる局面だと、それ専用の関数 [(defun put-ampersand () "put an ampersand character" (interactive) (insert #\&)) みたいな感じ] を作って、global-set-key で適宜のキーにバウンドした方が良いようだ。

もっもと、そのキーはストローク数が少なくないと意味がない。ミニバッファに "quote-char" を呼び出して、そこから "&" を入力することができるからである。

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xyzzy で事故2件: バッファタブが消え、katex.l のバイトコンパイルが出来なくなった。

今作っている tex ファイルが大きくなりすぎて (現在 430KB 超)、編集箇所の移動が面倒になったので outline-tree2を xyzzy に入れた。

outline-tree そのものは便利で、有り難かったのだけれども、どう云う訣か、バッファタブが消えてしまった。

しかし、これは「仕様」ではないらしい。何故なら、作成者 OHKUBO Hiroshi さんの紹介している outline-tree2 のスクリーンショットではバッファタブが見えるからだ。

インストールの手順 (NetInstaller で、旨くインストールできなかったので、OHKUBO 氏のウェブページ「xyzzy 関連」に従って手動でインストールしたのだが、そこで手違いをした可能性はある) か、設定を間違えたのかしらん、と、思いつつも、そして、かなり不便であったのは事実なのだが (バッファの選択は、ツリー表示されているバッファをクリックしても可能なのだが、ノード数が多すぎると、フレームから外れてしまう)、それ以上に大きななファイルの編集を行ないやすくなる利便性の方が勝っていたので、使い続けていた。今行っている tex ファイル作成が済んだら、outline-tree2 をアンインストールすれば良いと思っていたのだ。

しかし、ここで、dviファイルも大きくなって、閲覧が目次だけではしづらくなったため、索引も付け加えることにした。ところが katex のディフォルトの索引作成プログラムは makeindex だったのだな。それを mendex に変えるよう katex.l を書き直して、byte-compile したら「IFフォームの形式が不正です」と云うエラーメッセージがでて、コンパイルが止まってしまった。。。

「これは仕方がない」と、katex.l の変更を元に戻して、念のため、それを byte-complie したら、やはり「IFフォームの形式が不正です」と云うエラーメッセージがでて、コンパイルが止まってしまった。「え!?」と思ったが、原状回復し切れていないか、或いは、気付かないうちにファイルを変更してしまったか、と云う可能性があるから、それを確かめるため、アーカイヴファイルから、katex.lを抜き出して、それをバイトコンパイルしてみたのだが、同じ症状が出る。

mendex のことは、取り敢えず脇に置いておくにしても、さすがに、この事態は放置できないので、どうにかしようと思ったが、残念ながら、私には現象の裏で何が起こったのか、サッパリ分からない。

因果関係がハッキリしているわけではないが、最近 xyzzy がらみで行った変更と言えば、outline-tree2 の導入だけだから、対処法としては、それをアンインストールするしか思いつかないが、ネット上を調べても、アンインストール手順に就いての情報が見当たらない (OHKUBO 氏さえ、書かれていないようだ)。

そこで、outline-tree2 の導入時に xyzzy フォルダや、そのサブフォルダに入れたプログラムを移動して、.xyzzy 中の outline-tree2 設定をコメントアントしたしてみた。勿論、xyzzy 上からは outline-tree2 は消えたのだが、バッファタブは復活せず、そして katex.l のバイトコンパイルもできないままでいる。

頭を抱えている。

[補足]2010-07-18 [日]
バッファタブが消えた件は解決した。

\xyzzy\usr フォルダ下にある .xyzzy.history ファイルを削除した所、今までディスエーブルであったメニューの[表示>ツールバー]がアクティブになり、そこの[バッファ]にチェックを入れると、バッファタブが表示されるようになった。

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