カテゴリー「備忘」の64件の記事

メモ: [赤づきん] における [狩人] の役割に就いて (既投稿記事への補足)

本ブログ [メモ: 童謡 "I know an old lady who swallowed a fly" に就いて] (2018年3月31日 [土]) に於いて

さらに飛躍するなら、「あかづきん」では、オオカミは、[あかづきん] を呑み込む前に、その祖母を呑み込むことにも注意すべきだろう。オオカミは、[あかづきん] を呑み込むためには、その前に、[おばあさん] を呑み込んで、彼女と一体化する必要があったのだ。これは、[あかづきん] を呑み込むのが、[オオカミ-老婆] 複合体であることを意味する。そして、ここでも、オオカミは、たまたま通りかかった狩人 (Deus ex machina) により [あかづきん] 及び祖母の代わりに、腹の中に石を詰め込まれて、それがもとで死んでしまう。
--メモ: 童謡 "I know an old lady who swallowed a fly" に就いて
と書いたが、この [狩人] は、[切断者]・[分離者] の機能を有することを指摘しておくべきだった。

ギリシア神話を引き合いにだすなら、次のようになるだろう。

地母神複合体娘 (コレー)切断者・分離者
ウラノス+ガイア アプロディテ クロノス
クロノス+レア ? ゼウス
オオカミ+老婆 あかづきん 狩人

一応、注意しておくと、このことは [童話] としての 「赤づきん」誕生の歴史的経緯と、直線的に対応するものではない。アトラクター的な神話プロットには、物語がそれに近づいていく個別例が存在したと考える方が順当だろう。


補足の補足 (2018年8月7日[火曜])

「あかづきん」を呑み込んだのは「祖母を呑み込んだオオカミ」であるのと同時に、「オオカミの皮を被った祖母」でもある。

| | コメント (0) | トラックバック (0)
|

メモ: 童謡 "I know an old lady who swallowed a fly" に就いて

英語の童謡に "I know an old lady who swallowed a fly" と云う歌い出しで始まるものがある。a real Mother Goose と呼べるほど起源が古いものではないらしい。

日本にも既に紹介されており、ネット上でも記事が散見されるが、日本語版ウィキペディアでは、現在少なくとも独立した項目が立てられていない。対して、英文版 Wikipedia では "There Was an Old Lady Who Swallowed a Fly" (Wikipedia 12 March 2018, at 20:55) が存在する。 Nursery Rhymes のご多分に漏れず、変異形が存在するが、Wikipedia に採録されているのは次のものである。

There was an old lady who swallowed a fly;
I don't know why she swallowed a fly - perhaps she'll die!

There was an old lady who swallowed a spider;
That wriggled and jiggled and tickled inside her!
She swallowed the spider to catch the fly;
I don't know why she swallowed a fly - Perhaps she'll die!

There was an old lady who swallowed a bird;
How absurd to swallow a bird!
She swallowed the bird to catch the spider;
That wriggled and jiggled and tickled inside her!
She swallowed the spider to catch the fly;
I don't know why she swallowed a fly - Perhaps she'll die!

There was an old lady who swallowed a cat;
Imagine that! She swallowed a cat!
She swallowed the cat to catch the bird,
She swallowed the bird to catch the spider;
That wriggled and jiggled and tickled inside her!
She swallowed the spider to catch the fly;
I don't know why she swallowed a fly - Perhaps she'll die!

There was an old lady that swallowed a dog;
What a hog, to swallow a dog!
She swallowed the dog to catch the cat,
She swallowed the cat to catch the bird,
She swallowed the bird to catch the spider;
That wriggled and jiggled and tickled inside her!
She swallowed the spider to catch the fly;
I don't know why she swallowed a fly - Perhaps she'll die!

There was an old lady who swallowed a goat;
She just opened her throat and swallowed a goat!
She swallowed the goat to catch the dog,
She swallowed the dog to catch the cat,
She swallowed the cat to catch the bird,
She swallowed the bird to catch the spider;
That wriggled and jiggled and tickled inside her!
She swallowed the spider to catch the fly;
I don't know why she swallowed a fly - Perhaps she'll die!

There was an old lady who swallowed a cow;
I don't know how she swallowed a cow!
She swallowed the cow to catch the goat,
She swallowed the goat to catch the dog,
She swallowed the dog to catch the cat,
She swallowed the cat to catch the bird,
She swallowed the bird to catch the spider;
That wriggled and jiggled and tickled inside her!
She swallowed the spider to catch the fly;
I don't know why she swallowed a fly - Perhaps she'll die!

There was an old lady who swallowed a horse;
...She's dead, of course!

--There Was an Old Lady Who Swallowed a Fly (Wikipedia 12 March 2018, at 20:55)

why/fly/die, spider/inside her, absurd/bird, that/cat/catch, hog/dog, throat/goat, how/cow, が韻を踏んでいる。
「翻訳」には、到底なりえないが、原文の雰囲気を伝える程度のものを示しておく。

婆さんハエを呑み込んだ。
どうしてだかは分からない。
婆さん多分死ぬんだろう。

婆さんクモを呑み込んだ。
モゾモゾウロウロココチョコチョ腹の中
ハエ獲るクモを呑み込んだ。
最初にハエを呑み込んだ。
どうしてだかは分からない。
婆さん多分死ぬんだろう。

婆さんトリを呑み込んだ。
馬鹿げたことだが呑み込んだ。
モゾモゾウロウロコチョコチョの
クモ獲るトリを呑み込んだ。
ハエ獲るクモを呑み込んだ。
最初にハエを呑み込んだ。
どうしてだかは分からない。
婆さん多分死ぬんだろう。

婆さんネコを呑み込んだ
ネコだよ。ネコを呑み込んだ。
トリ獲るネコを呑み込んだ。
モゾモゾウロウロコチョコチョの
クモ獲るトリを呑み込んだ。
ハエ獲るモを呑み込んだ。
最初にハエを呑み込んだ。
どうしてだかは分からない。
婆さん多分死ぬんだろう。

婆さんイヌを呑み込んだ。
イヌだよ。イヌを呑み込んだ。
ネコ獲るイヌを呑み込んだ。
トリ獲るネコを呑み込んだ。
モゾモゾウロウロコチョコチョの
クモ獲るトリを呑み込んだ。
ハエ獲るクモを呑み込んだ。
最初にハエを呑み込んだ。
どうしてだかは分からない。
婆さん多分死ぬんだろう。

婆さんヤギを呑み込んだ。
口をアングリ、ヤギ呑んだ。
イヌ獲るヤギを呑み込んだ。
ネコ獲るイヌを呑み込んだ。
トリ獲るネコを呑み込んだ。
モゾモゾウロウロコチョコチョの
クモ獲るトリを呑み込んだ。
ハエ獲るクモを呑み込んだ。
最初にハエを呑み込んだ。
どうしてだかは分からない。
婆さん多分死ぬんだろう。

婆さんウシを呑み込んだ。
どうやったんだか分からない。
ヤギを獲るウシを呑み込んだ。
イヌを獲るヤギを呑み込んだ。
ネコ獲るイヌを呑み込んだ。
トリ獲るネコを呑み込んだ。
モゾモゾウロウロコチョコチョの
クモ獲るトリを呑み込んだ。
ハエ獲るクモを呑み込んだ。
最初にハエを呑み込んだ。
どうしてだかは分からない。
婆さん多分死ぬんだろう。

婆さんウマを呑み込んだ。
もちろん婆さん死んじゃった。

この童謡を知ったのは、多分2年ほど前のことだ。その切っ掛けが、今となっては記憶が曖昧なのだが、思い出そうとして立ち上がってくる頭の中の情景から判断するに、英文のコラムか何かを流し読みしていた際に、「 悪手を弥縫するために、更に酷い悪手を採る」例えとして、この童謡のなかの一句が使われていて、その出典として行き当たったのだと云う気がする。

それ以来、何かの時に、この童謡に就いて、このブログに記事を書いてみようと思ったまま放置してしまっていたものを、今取り出して書き始めているのだが、時間の経過による違和感が私自身にある。まとまりが悪くなりそうだが、このまま、進めることにする。

この童謡に、近代的な意味での「作者」がいた可能性は否定できないし、更に、その上で「作意」が存在した可能性があって、それが「 悪手を弥縫するために、更に酷い悪手を採る」ことへの風刺だったこともありうるだろう。

しかし、この童謡を聞いていてワクワクする感じは、童謡の結末で死んでしまうとは言え、次から次へと大きくなっているものを片端から呑み込んでいく「婆さん」のバケモノ性である。Wikipedia でも、この点を

The humour of the song stems from the absurdity that the woman is able to inexplicably and impossibly swallow animals of preposterous sizes without dying, suggesting that she is both superhuman and immortal;
この童謡の可笑しみは、老婆が、非常識な大きさの動物を、説明不能かつ実現ができる筈がない仕方で、死にもせずに呑み込めること (これは、彼女が超人間的かつ不死なる存在であることを示唆する) に基づいている。

--There Was an Old Lady Who Swallowed a Fly (Wikipedia 12 March 2018, at 20:55)
と的確に指摘している。つまり、この「婆さん」は変装した神 (より正確には地母神) なのだ。

しかし、Wikipedea で、上記引用部分のセミコロンに続いて

however, the addition of a horse is finally enough to kill her. Her inability to survive after swallowing the horse is an event that abruptly and unexpectedly applies real-world logic to the song, directly contradicting her formerly established logic-defying animal-swallowing capability.
しかし、最後にウマが登場して彼女は死ぬことになる。彼女が、ウマを呑み込んだ後生きていけないのは、それ迄彼女のものであった反論理的な動物を呑み込む能力に真っ向から矛盾する現実世界の論理が、突然予見不可能な形で、この童謡に適用されるからである。

--There Was an Old Lady Who Swallowed a Fly (Wikipedia 12 March 2018, at 20:55)
とあるのは、いただけない。

「最後に死ぬ」のも彼女に内在する論理の帰結だからだ。「死ぬのは最後に決まっている」と云う反論は、この場合当たっていない。死んだことで物語が終わるのでなく、死ぬことが、物語の重要なピースなのだ。何故なら、それは、原初的には永遠に循環する死と再生の物語、または、その変異形 (「母の死」ではなく「母から娘への代替わり」) の断片だからだ。

ギリシア神話では、主神が男性であるため、男性神間の代替わりの話になっているが、クロノスからゼウスへの「政権交代」では、クロノスはゼウス以前に生まれた自分の子供たちを次々に呑み込んでいる (対応するローマ神話をゴヤが絵画化しているのは良く知られている。「我が子を食らうサトゥルヌス」)。しかし、末子のゼウスは、母にしてクロノスの妻であるレアに救われる。レアは、夫のクロノスに、赤子だと偽って、[大きな石] を呑み込ませる (「呑み込む」は、「受精」と「埋葬」双方の隠喩になっている)。その後、クロノスはゼウスに討たれて、追放される。

そして、クロノスの敗北とゼウスへの代替わりは、クロノスが、その父ウラノス (と母ガイア) により予言されていたことだった。語られた神話上では、予言の成就を阻止するために、クロノスは我が子たちを次々と呑み込んでいったとされている (そして、「阻止」に失敗する) が、これを目的論的にパラフレーズするならば、クロノスは、次世代の神々を、その主神の誕生まで留保するために自らの体内にとどめ、最後に [大きな石] を呑み込んで、それを次世代の主神ゼウスに metamorphosis させてから (これは、クロノスがゼウスとして転生することでもある)、それらオリュンポス諸神を産み出すのだ。つまり、神々たちの倒木更新がおきていると言える。

ここで連想されるのはグリム童話の「狼と七匹の子山羊」だ。そこでは、オオカミは、末っ子以外の6匹の子ヤギを呑み込むが、結局は、帰ってきた母親ヤギにより、呑み込まれた子ヤギたちと入れ替わりに腹の中に石を詰め込まれて、その重みで泉に落ちて死んでしまう。

この童話では、[6匹の子ヤギ/石] と云う二項対立と、[オオカミ/母親] と云う二項対立が存在して、オオカミと母親との間、子ヤギたちと石との間には緩い等価性が存在する (オオカミは [母親のフリ] をして子ヤギたちを騙す。石は子ヤギの代わりに、オオカミの体内 --むしろ、胎内-- に入れられる)。そして、[オオカミ/母親] は子ヤギたちの母であり、石を体内に蓄える存在として地母神に連なっている。

ここで、石の埋め込みと、子ヤギたちの再生の生起時間が、クロノス-ゼウス説話とは異なり、ほぼ同時であることには留意しておく (恐らく、表見的な相違点)。

ただし、これら2つの説話の平行性は既知。参考:「グリム童話 KHM5 オオカミと七匹の子ヤギ

さらに飛躍するなら、「あかづきん」では、オオカミは、[あかづきん] を呑み込む前に、その祖母を呑み込むことにも注意すべきだろう。オオカミは、[あかづきん] を呑み込むためには、その前に、[おばあさん] を呑み込んで、彼女と一体化する必要があったのだ。これは、[あかづきん] を呑み込むのが、[オオカミ-老婆] 複合体であることを意味する。そして、ここでも、オオカミは、たまたま通りかかった狩人 (Deus ex machina) により [あかづきん] 及び祖母の代わりに、腹の中に石を詰め込まれて、それがもとで死んでしまう。

ただし、「赤ずきん - Wikipedia」によるなら、「赤ずきんとおばあさんが狼のお腹から生きたまま救出されるというエピソードを追加したのは彼ら --引用者註:グリム-- 兄弟である」。

"I know an old lady who swallowed a fly" に帰るなら、この歌は、ピート・シーガー (Pete Seeger) や ピーター・ポール&マリー(Peter, Paul and Mary)などにより、カヴァーされている。詳しくは、上記 "Wikipedia の記事"における "Representative renditions" の項や、"References" の項を参照のこと。引用した2例に就いては、リンクを貼っておく。

  1. Pete Seeger. "Birds, Beasts, Bugs and Fishes (Little and Big) - Smithsonian Folkways"
  2. Peter, Paul and Mary. Peter, Paul and Mary - I Know an Old Lady Who Swallowed a Fly - YouTube

以下、参考になるかもしれないサイト。

  1. 08 I Know an Old Lady Who Swallowed a Fly) - YouTube
  2. I Know An Old Woman Who Swallowed A Fly - YouTube
  3. Burl Ives - I Know An Old Lady - YouTube
  4. There Was An Old Lady Who Swallowed A Fly Nursery Rhyme - YouTube
  5. BBC - School Radio - Nursery songs and rhymes - Nursery rhymes and songs: I know an old lady who swallowed a fly
  6. There Was An Old Woman
  7. I Know An Old Lady Lyrics
  8. Words for Life - There was an old lady
  9. Since 9-11 America’s Insane Foreign Policy — Continued Under Obama — Has Killed a Million and Created ISIS | Global Research - Centre for Research on Globalization
  10. There Was a Fed Chairman Who Swallowed a Fly | Euro Pacific Capital

| | コメント (0) | トラックバック (0)
|

メモ:高田衛「国文学者の想像力」(日本經濟新聞 2006年6月3日)

日本經濟新聞 2006年6月3日 (日) 第45378号第32面 (文化) に掲載された、高田衛 (たかだ・まもる) 「国文学者の想像力」は読み応えがあった。

文化五年 (1808) 年正月下旬、時の勘定奉行 [松平信行] (1746--1821)が、身分を隠して、飯田町中坂 (現在の千代田区九段北辺り) に住んでいた [滝沢馬琴] (明和4年6月9日/1767年7月4日--嘉永元年11月6日/1848年12月1日) を突然訪問したが、馬琴は不在だった。訪問者は、懐紙に次のようにしたためて、馬琴の妻 [お百] に托す。

実は、松平信行は、かって元服前の馬琴が仕えていた主人だったのだ。しかし、彼は、父の死去に際して俸禄を半減した主家に落胆した兄が主家を去ったために家督を受け継いだものの、信行の子 [八十五郎] の横暴な振る舞いに堪え兼ねて十四歳の安永9年 (1780年) 十月に主家を退転してしまっていた・・・

  木がらしに
  思ひ立ちけり神の旅

といひし言の葉のむなしからで、今は東都にその名高し。

  名のらずに
  しる人ぞしる梅の宿

 

[ゑ]付言:「木枯らしに」云々は、滝沢少年が主家を脱走した際に、自室の障子に書き残した訣別の辞。

28年の歳月の後、かっての小身旗本は違例の出世を遂げて勘定奉行として幕府の中枢にある一方、その児小姓 (元服前の小姓) は、江戸で隠れもない戯作者に変身していた。

松平信行の行動は、今で言う「著名文化人」となっていた、過去の出奔者滝沢某に対して関係修復を図り、あわよくば、自家に取り込もうとする底意があったのだろう。それに対して、馬琴は一度は主家で催された小宴に伺候したものの、それ以降は息子を代理に立てて、自らは主家に赴くことは無かったと云う。

高田衛は、文章をこう結んでいる。

旧主家に対する敵愾心と、旧主家筋の権力性の対する誇りとの、隠された両義的な心情が、この戯作者の、『南総里見八犬伝』をはじめとする天下国家に立ち向かう物語の数々の見えない背後にあるように思われるのである。

老いた国文学者の想像は拡がる一方である。

 

[ゑ]付言:「旧主家筋の権力性」とは、松平信行の本家の当主が、天明から亨和、そして文化年間死去するまで老中として権勢を揮った [松平信明] (宝暦13年2月10日/1763年3月24日 -- 文化14年8月16日/1817年9月26日) を念頭に置いている。そして、高田衛は、松平信行の滝沢馬琴訪問の影に、この松平信明か、或いは、[根岸鎮衛] --[耳嚢] の著者-- の存在を推定している。

| | コメント (0) | トラックバック (0)
|

私家版 [周期表記憶法]

自分用に、周期表を記憶するための語呂合わせを作ってみた。所謂「定番」(「水兵リーベ・・・」など) と一括して記録しておく。なお、以下において、特定の地名・組織名その他の名称と一致又は類似する音の並びがあっても、他意はないので悪しからず。

本題に入る前に、「語呂合わせ」の前提として、周期表を掲げておく。

IA IIA IIIB IVB VB VIB VIIB VIII IB IIB IIIA IVA VA VIA VIIA 0
1 1
H
水素
2
He
ヘリウム
2 3
Li
リチウム
4
Be
ベリリウム
5
B
ホウ素
6
C
炭素
7
N
窒素
8
O
酸素
9
F
フッ素
10
Ne
ネオン
3 11
Na
ナトリウム
12
Mg
マグネシウム
13
Al
アルミニウム
14
Si
ケイ素
15
P
リン
16
S
硫黄
17
Cl
塩素
18
Ar
アルゴン
4 19
K
カリウム
20
Ca
カルシウム
21
Sc
スカンジウム
22
Ti
チタン
23
V
バナジウム
24
Cr
クロム
25
Mn
マンガン
26
Fe
27
Co
コバルト
28
Ni
ニッケル
29
Cu
30
Zn
亜鉛
31
Ga
ガリウム
32
Ge
ゲルマニウム
33
As
ヒ素
34
Se
セレン
35
Br
臭素
36
Kr
クリプトン
5 37
Rb
ルビジウム
38
Sr
ストロンチウム
39
Y
イットリウム
40
Zr
ジルコニウム
41
Nb
ニオブ
42
Mo
モリブデン
43
Tc
テクネチウム
44
Ru
ルテニウム
45
Rh
ロジウム
46
Pd
パラジウム
47
Ag
48
Cd
カドミウム
49
In
インジウム
50
Sn
スズ
51
Sb
アンチモン
52
Te
テルル
53
I
ヨウ素
54
Xe
キセノン
6 55
Cs
セシウム
56
Ba
バリウム
L
ランタノイド
72
Hf
ハフニウム
73
Ta
タンタル
74
W
タングステン
75
Re
レニウム
76
Os
オスミウム
77
Ir
イリジウム
78
Pt
白金
79
Au
80
Hg
水銀
81
Tl
タリウム
82
Pb
83
Bi
ビスマス
84
Po
ポロニウム
85
At
アスタチン
86
Rn
ラドン
7 87
Fr
フランシウム
88
Ra
ラジウム
A
アクチノイド
104
Rf
ラザホージウム
105
Db
ドブニウム
106
Sg
シーボーギウム
107
Bh
ボーリウム
108
Hs
ハッシウム
109
Mt
マイトネリウム
110
Ds
ダームスタチウム
111
Rg
レントゲニウム
112
Cn
コペルニシウム
113
Uut
ウンウントリウム
114
Uuq
ウンウンクアジウム
115
Uup
ウンウンペンチウム
116
Uuh
ウンウンヘキシウム
117
Uus
ウンウンセプチウム
118
Uuo
ウンウンオクチウム
L
ランタノイド
57
La
ランタン
58
Ce
セリウム
59
Pr
プラセオジム
60
Nd
ネオジム
61
Pm
プロメチウム
62
Sm
サマリウム
63
Eu
ユウロピウム
64
Gd
ガドリニウム
65
Tb
テルビウム
66
Dy
ジスプロジウム
67
Ho
ホルミウム
68
Er
エルビウム
69
Tm
ツリウム
70
Yb
イッテルビウム
71
Lu
ルテチウム
A
アクチノイド
89
Ac
アクチニウム
90
Th
トリウム
91
Pa
プロトアクチニウム
92
U
ウラン
93
Np
ネプツニウム
94
Pu
プルトニウム
95
Am
アメリシウム
96
Cm
キュリウム
97
Bk
バークリウム
98
Cf
カリホルニウム
99
Es
アインスタニウム
100
Fm
フェルミウム
101
Md
メンデレビウム
102
No
ノーベリウム
103
Lr
ローレンシウム

まず、横方向の並びの語呂合わせ。勿論、「水兵リーベ・・・」で始まっている。

第1巡-第3巡. (H)(He)(Li)(Be)(B,C)(N,O)(F,Ne)(Na)曲がる(Mg,Al)シップ(Si,P)(S)(Cl,Ar)入り。

  1. H: 水素 (hydrogen), He:ヘリウム。
  2. Li:リチウム, Be:ベリリウム, B:ホウ素 (boron), C:炭素 (carbon), N:窒素 (nitrogen), O:酸素 (oxygen), F:フッ素 (fluorine), Ne:ネオン
  3. Na: ナトリウム, Mg: マグネシウム, Al:アルミニウム, Si:ケイ素 (silicon), P:リン (phosphorus), S:硫黄 (sulfur), Cl:塩素 (chlorine), Ar:アルゴン

第4巡. (K)カァ(Ca)好かん(Sc)(Ti)(V)(Cr)マン(Mn)ジュウ、(Fe)(Co)(Ni)どう(Cu)? かん、くえん(Zn)! ガリ(Ga)っとしたのは。。。(Ge)!! (As,Se)臭い(Br)(Kr)

  1. K:カリウム, Ca:カルシウム, Sc:スカンジウム, Ti:チタン, V:バナジウム, Cr:クロム, Mn:マンガン, Fe:鉄 (ラテン語 ferrum), Co:コバルト, Ni:ニッケル, Cu:銅 (後期ラテン語 cuprum), Zn:亜鉛 (zinc), Ga:ガリウム, Ge:ゲルマニウム, As:ヒ素 (arsenic), Se:セレン, Br:臭素 (bromine), Kr:クリプトン

第5巡. 5丁目にあるビ(Rb)ストロ(Sr)「青い鳥(Y)」の青(Zr)臭う(Nb)盛り(Mo)、喰いてくねぇ(Tc)、帰るって(Ru)老人(Rh)、すきっ(Pd)(Ag)座の(Cd)イン(In)して、スズ(Sn)ラン(Sb)通りで遣ってる(Te)(I)食屋の季節(Xe)料理を食べた。

  1. Rb:ルビジウム, Sr:ストロンチウム, Y:イットリウム, Zr:ジルコニウム, Nb:ニオブ, Mo:モリブデン, Tc:テクネチウム, Ru:ルテニウム, Rh:ロジウム, Pd:パラジウム, Ag:銀 (ラテン語 argentum), Cd:カドミウム, In:インジウム, Sn:スズ (ラテン語 stannum), Sb:アンチモン (ラテン語 stibium), Te:テルル, I:ヨウ素 (iodine), Xe:キセノン

第6巡. せし(Cs)めた(Ba)かりのラー(L)メン、ハーフ(Hf)タン(Ta)タン(W)(Re)麺。お酢(Os)入れ(Ir)ても、はっきり(Pt,Au)(Hg)足り(Tl)(Pb)ビー(Bi)ルはサッポロ(Po)あと(At)コーラドン(Rn)ドン持ってきて。

  1. Cs:セシウム, Ba:バリウム, L:ランタノイド, Hf:ハフニウム, Ta:タンタル, W:タングステン (ドイツ語 Wolfram), Re:レニウム, Os:オスミウム, Ir:イリジウム, Pt:白金 (platinum), Au:金 (ラテン語 aurum), Hg:水銀 (近世ラテン語 hydrargyrum 但し古典時代に hydrargyrus と云う語形での使用例がある), Tl:タリウム, Pb:鉛 (ラテン語 plumbum), Bi:ビスマス, Po:ポロニウム, At:アスタチン, Rn:ラドン

第7巡. フランス(Fr)ラジ(Ra)コン、空き地(A)で飛ばす。ラフ(Rf)越え、ドブ(Db)すぐ(Sg)ボッ(Bh)チャン。ハッ(Hs)とした、参った(Mt)ダーッと取りに行ったが、ダだった、こし遅かっ(Da)。取れん(Rg)かった。腹ペコペ(Cn)コ。

  1. Fr:フランシウム, Ra:ラジウム, A:アクチノイド, Rf:ラザホージウム, Db:ドブニウム, Sg:シーボーギウム, Bh:ボーリウム, Hs:ハッシウム, Mt:マイトネリウム, Ds:ダームスタチウム, Rg:レントゲニウム, Cn:コペルニシウム

ランタノイド. (La)(Ce)プラッ(Pr)ネオ(Nd)プロメテウス(Pr)(Sm)登場。(Eu)(Gd)に遣ってる(Tb)。食事済(Dy)ませて、(Ho)エール(Er)釣り(Tm)行って(Yb)るって(Lu)

  • La:ランタン, Ce:セリウム, Pr:プラセオジム, Nd:ネオジム, Pm:プロメチウム, Sm:サマリウム, Eu:ユウロピウム, Gd:ガドリニウム, Tb:テルビウム, Dy:ジスプロシウム, Ho:ホルミウム, Er:エルビウム, Tm:ツリウム, Yb:イッテルビウム, Lu:ルテチウム

アクチノイド. (Ac)(Th)プロ(Pa)恨ん(U)(Np)。タップリ(Pu)儲かる(Am)(Cm)(Ba)かり(Cf)か、真似たアイ(Es)ドル増える(Fm)。なめん(Md)(No)やめ(Lr)

  • Ac:アクチニウム, Th:トリウム, Pa:プロトアクチニウム, U:ウラン, Np:ネプツニウム, Pu:プルトニウム, Am:アメリシウム, Cm:キュリウム, Bk:バークリウム, Cf:カリホルニウム, Es:アインスタイニウム, Fm:フェルミウム, Md:メンデレビウム, No:ノーベリウム, Lr:ローレンシウム

縦方向の語呂合わせは以下の通り。

第IA族. エッチ(H)リッチ(Li)(Na)カー(K)ちゃん、ルビー(Rb)せし(Cs)めてフランス(Fr)へ。

    H: 水素 (hydrogen), Li:リチウム, Na: ナトリウム, K:カリウム, Rb:ルビジウム, Cs:セシウム, Fr:フランシウム

第IIA族. ベリ(Be)ッと破ったマグ(Mg)カル(Ca)タ、洗って干すと(Sr)(Ba)(Ra)バラに。

    Be:ベリリウム, Mg: マグネシウム, Ca:カルシウム, Sr:ストロンチウム, Ba:バリウム, Ra:ラジウム

第IIIB族. スカ(Sc)(Y)ラーク(L,A)は3B階。

    Sc:スカンジウム, Y:イットリウム, L:ランタノイド, A:アクチノイド

第IVB族. 外人の(Ti)が混じっ(Zr)てるハーフ(Hf)のブラザホー(Rf)

    Ti:チタン, Zr:ジルコニウム, Hf:ハフニウム, Rf:ラザホージウム

第VB族. 鼻血(V)が出るほど匂う(Nb)(Ta)ドブ(Db)

    V:バナジウム, Nb:ニオブ, Ta:タンタル, Db:ドブニウム

第VIB族. (Cr)(Mo)天狗(W)死亡(Sg)

    Cr:クロム, Mo:モリブデン, W:タングステン, Sg:シーボーギウム

第VIIB族. (Mn)画家、テク無(Tc)(Re)載無(Bh)

    Mn:マンガン, Tc:テクネチウム, Re:レニウム, Bh:ボーリウム

第VII族-I. (Fe)を売るって(Ru)おっさ(Os)ハッス(Hs)ル。

    Fe:鉄, Ru:ルテニウム, Os:オスミウム, Hs:ハッシウム

第VIII族-II. 小林(Co)老人(Rh)炒り(Ir)卵うまい(Mt)

    Co:コバルト, Rh:ロジウム, Ir:イリジウム, Mt:マイトネリウム

第VIII族-III. (Ni)本のパラダ(Pd)イス、白金(Pt)のマダムスタチ(Ds)

    Ni:ニッケル, Pd:パラジウム, Pt:白金, Ds:ダームスタチウム

第IB族. (Cu)(Ag)(Au)れんと拳(Rg)骨よ。

    Cu:銅, Ag:銀, Au:金, Rg:レントゲニウム

第IIB族. 君に逢えな(Zn)い街(Cd)(Hg)コッペ(Cn)パン食べる。

    Zn:亜鉛, Cd:カドミウム, Hg:水銀, Cn:コペルニシウム

第IIIA族. 放送(B)ある(Al)(Ga)(In)たり(Tl)来ず。

    B:ホウ素, Al:アルミニウム, Ga:ガリウム, In:インジウム, Tl:タリウム

第IVA族. (C)(Si)ゲイ(Ge)すん(Sn)(Pb)

    C:炭素, Si:ケイ素, Ge:ゲルマニウム, Sn:スズ, Pb:鉛

第VA族. (N)(P)秘書(As)アンチ(Sb)(Bi)ジネス。

    N:窒素, P:リン, As:ヒ素, Sb:アンチモン, Bi:ビスマス

第VIA族. (O)代続く凄いおお(S)金持ちのセレ(Se)ブがやってる(Te)スポーツはポロ(Po)

    O:酸素, S:硫黄, Se:セレン, Te:テルル, Po:ポロニウム

第VIIA族. (F)漬け(Cl)っぱ臭い(Br)(I)アスタ(At)喰お。

    F:フッ素, Cl:塩素, Br:臭素, I:ヨウ素, At:アスタチン

第O族 (He)ネー(Ne)ちゃん、ある(Ar)クルッ(Kr)と回って奇声(Xe)あげたらドン(Rn)と打たれた。

    He:ヘリウム, Ne:ネオン, Ar:アルゴン, Kr:クリプトン, Xe:キセノン, Rn:ラドン

| | コメント (2) | トラックバック (0)
|

メモ: html での上付き文字と下付き文字の垂直アラインメント

[メモ:理科年表 [物理/化学部 旋光物質] における用語の誤りに就いて] (2012年4月8日[日) を書いた時に、普通に原稿を書くと、比旋光度の上付き文字と下付き文字が [α]20D と云うようにズレてしまうので、初め TeX で画像化する積もりだったが、「ナンダカメンドー」と思って、泥縄式で html の範囲内で処理した (もう誰かが既にヨリ優れたものを発表していると思う。ただ、チョット探したが見つからないので、自分で作っちゃった方が早そうだったのだ)。

私が現に使っている以外のシステムでは旨くいかないかもしれないし、ブラウザによっても表示がズレてしまう可能性があるが、今のところは私自身のモニタ上では、「コンナモンダロー」と云う結果が得られるので、使うことにした。

ついでに、度数単位の上付きの丸 "°" の後に出来る空白を詰めておいた。

備忘のため、処理方法を顕在化しておく。

  1. 未処理:コード [α]<sup>D</sup><sub>20</sub>/(&deg;) 結果 [α]D20/(°)

    処理済:コード [α]<sup>D</sup><sub style="margin-left:-0.7em">20</sub>/(<span style="letter-spacing:-0.7em">&deg;)</span> 結果 [α]D20/(°)

  2. 未処理:コード [α]<sup>22</sup><sub>D</sub> 結果 [α]22D

    処理済:コード [α]<sup>22</sup><sub style="margin-left:-1em">D</sub> 結果 [α]22D

margin-left や letter-spacing の値は、フォントによって微妙に変える必要が出てくるだろう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)
|

平成壬辰年還暦所感

馬齢六十を重ね
豈猶能く龍馬たらむや
駑馬は一歩を継ぐに一歩を以てし
一簣の後に一簣を覆すのみ

| | コメント (0) | トラックバック (0)
|

ブログテンプレート変更

previous template of nousenew template of nouse本ブログ (nouse) のテンプレートを、2007年4月21日(土) から使用してきた [ノート(2列左)] から [シンプルコレクション2/ブラウン(2列左)] に変更した。記事本体部分の幅をひろくするのが目的である。

対比のため、以前のテンプレートによるイメージを左側に、新しいテンプレートによるイメージを右側に示しておく。

| | コメント (0) | トラックバック (0)
|

メモ:物理化学の用語 "partial molar volume" の対応日本語

1種類以上の化学的・物理的「成分粒子」の統計物理学的 (熱力学的) 多数からなる集団を、その集団以外から区別して対象化して「系」と呼び、系 (これは統計物理学的に均一であっても、不均一であってもよい) 内での個々の成分粒子全体の統計物理学的状態を表わすパラメータを「状態量」と呼ぶ時、状態量は複数考えられるが、それらは一般には独立していないので、或る1個の状態量に着目するなら、その特定の状態量を、他の状態量を変数とする関数 (所謂「熱力学的関数」) として表わすことができることがある。

そうした場合において、その変数状態量の中に「成分粒子のモル量 (0.012kg の炭素12に含まれる炭素原子と同一個数の同一種粒子からなる物質の量を、その物質の「1モル」と呼ぶ)」がある時、その変数成分モル量による、系の関数状態量の偏微分 (partial derivative) を、英語ではその成分の "partial molar quantiy" と謂い, 日本語では「部分モル量」と呼ぶ ("partial molar property" と云う言い方もある。ただし、この場合は「部分モル特性」と云う訳語も存在する)。

特に、系の状態量として系全体の体積を選んだ時の 「部分モル量/"partial molar quantiy"」 は "partial molar volume" と呼ばれるが、その対応日本語は、以下の通り種種あって、時には同一文献内であってさえも混在して用いられている。しかも、それらが同一概念であることの注意、或いは、別の言い方があることへの注意が、喚起されていないことが多いようだ。(さすがに、辞書系のサイトでは、いくつかの形を列挙していることがあるけれども。)

  1. "部分分子体積" - Google 検索 12 件 (0.05 秒)
  2. "部分分子容積" - Google 検索 1 件 (0.04 秒)
  3. "部分分子容" - Google 検索 約 40 件 (0.04 秒)
  4. "部分モル体積" - Google 検索 約 5,770 件 (0.07 秒)
  5. "部分モル容積" - Google 検索 約 84 件 (0.05 秒)
  6. "部分モル容" - Google 検索 9 件 (0.12 秒)

ちなみに、"partial molar volume" をグーグル検索すると
"partial molar volume" - Google 検索 約 390,000 件 (0.23 秒)
となる。

贅言すれば "partial molar quantiy" を「部分分子量」と訳すようなことはされていないようだ。用語「分子量」には慣例として分子1個の質量を表わす為に用いられているから、それとの混同をさける処置として当然だろう (ウィキペディア記事 [分子量 - Wikipedia] を参照)。

| | コメント (0) | トラックバック (0)
|

メモ:映画 [戦艦ポチョムキン] 中の「全員は一人のために 一人は全員のために 」

このブログの記事 ["One for all, and all for one" (「一人は万人のために、万人は一人のために」) に就いて] (2007年1月30日[火]) において、

"Один за всех" "все за одного" が、Сергей Михайлович Эйзенштейн (セルゲイ・エイゼンシュテイン)の 映画 "Броненосец Потёмкин" (「戦艦ポチョムキン」)に出てくるらしいが、未確認(ただし "Battleship Potemkin: Scenario and script by Sergei Eisenstein" 参照)。
--["One for all, and all for one" (「一人は万人のために、万人は一人のために」) に就いて] (2007年1月30日[火])

と書いたが、現在 YouTube には、この映画が、以下のように8つに分割された形でアップロードされている。

  1. Battleship Potemkin / Броненосец ≪Потёмкин≫ - 1/8
  2. Battleship Potemkin / Броненосец ≪Потёмкин≫ - 2/8
  3. Battleship Potemkin / Броненосец ≪Потёмкин≫ - 3/8
  4. Battleship Potemkin / Броненосец ≪Потёмкин≫ - 4/8
  5. Battleship Potemkin / Броненосец ≪Потёмкин≫ - 5/8
  6. Battleship Potemkin / Броненосец ≪Потёмкин≫ - 6/8
  7. Battleship Potemkin / Броненосец ≪Потёмкин≫ - 7/8
  8. Battleship Potemkin / Броненосец ≪Потёмкин≫ - 8/8

その「尺」は、"1" から "7" までが10分間、"8" が3分9秒で、これに対し英文版ウィキペディアの [The Battleship Potemkin] に示されている総時間は75分だから、ほぼ全体が再現されているとみなしてよいだろう。

これをザッと眺めてみると (ロシア語字幕付きサイレント映画だが、YouTube のものには字幕に英文のスーパーインポーズが付いている)、"Все за одного" (全員は一人のために) そして "ОДИН ЗА ВСЕХ" (一人は全員のために) と云う字幕が出てくるのは、"4" と "5" の丁度境目のところに1回だけだった。もうすこし厳密に言うと "4" の9分53秒あたりに "Все за одного" が 現れ、9分58秒あたりに "ОДИН" のみが現れて ("5" の0分0秒にも重複して現れる)、"5" の0分2秒に "ЗА ВСЕХ" が現れる。つまり「一人は全員のために」の方は、少し「タメ」が有るわけだ。そして、"Все за одного" が冒頭のみに大文字が使われていのに対し、"ОДИН ЗА ВСЕХ" では全てが大文字になっている。

これはなかなか面白い。この字幕処理がエイゼンシュテイン本人の通りであるかどうか (もし「だとすると」、それも「モンタージュ」の一つだろう) 私には確認する手段はないが、この「演出」は、「全員は一人のために」よりも「一人は全員のために」を明確に強調している。と言うか、踏み込んで言うなら「全員は一人のために」は「一人は全員のために」を引き出す為の「ダシ」に使われているだけだ。

その他、幾つかを備忘しておく。

  1. "1" の6分44秒あたりに "В Японии русских пленных лучше кормят, чем нас!" (日本のロシア人捕虜の方が俺達よりも良いものを食っているぜ!) と云う台詞が有る。これは、映画の中で「戦艦ポチョムキンの反乱」のキッカケとなった粗悪な料理、と言うか、その素材の「蛆虫がわいた牛肉」(実際にも、昼食のボルシチに使われた肉が腐敗していたのが始まりだったと云う) を目の前にした水兵の言葉なのだが、ポチョムキンにおける反乱の発生 (新暦1905年6月27日) が、日露戦役中、それも所謂「日本海海戦」(1905年5月27日及び28日) の直後であったことを考えあわせると、ヤヤ興味深い。
  2. "5" の1分51秒あたりで、ユダヤ人への差別的発言をした男性が周囲から袋だたきに遭っている。
  3. "5" の8分57秒あたりから、映画史上有名な「オデッサの階段」シーンが始まる。特に、「乳母車の階段落ち」シーンは "6" の4分52秒前後から。
  4. "8" の0分14秒あたりには "Все на одного" と云う字幕が現れ、0分42秒あたりには "ОДИН НА ВСЕХ" と云う字幕が現れるが、これは「ポチョムキン1隻」対「艦隊全部」を対比させた表現だろう。

YouTube 映像は取り消される可能性が有るので、私が実物を見たものではないが、ブルーレイディスク/DVD へのアマゾンリンクを貼っておく。

| | コメント (0) | トラックバック (0)
|

メモ:"Modus Ponens" その他

以下は、現在作成中の「例の tex ファイル」に脚註として組み込んだもの (最終稿に残るかどうか不明) に、若干の補足を付け加えたものである。

現代の数理論理学に生き残っている古典論理学の推論規則に "Modus Ponens" と云うものがある。「『AならばBである』が成り立っている時に、更に『Aである』が成り立っているなら『Bである』が成り立つ」と云うものだ。

三段論法ならぬ 1.5段論法ぐらいの基本的推論規則だが、この "Modus Ponens" ("MP" と約されることもある) は、ラテン語の "modus ponendo ponens" に拠っている。

そのうち、男性名詞 (単数主格形) "modus" は「尺度」の意味から「基準」・「規則」・「方法」・「様式」を意味するようになった言葉で、ここでは「方法」又は「様式」の意味だろう。英語の "mode" の語源。

"ponendo" は、「脇に置く」から「設置する」・「断言する」・「提言する」・「肯定する」を意味するようになった動詞 "pono" (能動相直説法現在単数形。不定形は "ponere"。英語 "position, positive" の語源) の Gerundium (大雑把に言えば「動名詞」) の単数奪格。奪格は、この場合「手段」を含意して「肯定することにより」ぐらいの色彩を帯びさせる。"ponens" は同じく動詞 "pono" の能動現在分詞で、"modus" を形容詞的に修飾して「肯定する方法」と云う意味を形作る。当然男性単数主格形。

全体の意味としては「(Aを) 肯定することにより (Bを) 肯定する方法」になる。

この外に、ラテン語で表わされる推論規則としては、"MT" と約されることがある "Modus Tollens" (詳しくは "modus tollendo tollens") もそうで、「『AならばBである』が成り立っている時に、更に『Bではない』が成り立っているなら『Aではない』が成り立つ」と云うないようである。

ここで "tollend" は、「持ち上げる」から、「受容する」・「載せる」の他に「取り消す」・「否定する」を意味する動詞 "tollo" (能動相直説法現在単数形。不定形は "tollere") のGerundiumの単数奪格で「否定することにより」ぐらいになる。 "tollens" は動詞 "tollo" の能動現在分詞 (男性単数主格形) で、やはり "modus" を形容詞的に修飾して「否定する方法」と云う意味になる

全体としては「(Bを) 否定することにより (Aを) 否定する方法」である。

ちなみに日本語版ウィキペディアの [モーダストレンス] の項で、「モーダストレンス(英: Modus ponendo tollens, MT)は・・・」としているは誤り。"Modus ponendo tollens" と "modus tollendo tollens" は別のものである。

では "Modus ponendo tollens" はどのようなものかと謂うと、「『Aであり、且つBである』ことがあり得ない時、更に『Aである』が成り立っているなら『Bではない』が成り立つ」と云う内容である。つまり「(Aを) 肯定することにより (Bを) 否定する方法」 である。

| | コメント (0) | トラックバック (0)
|

より以前の記事一覧