« 高木貞治 [代数学講義改訂新版] pp.276-277 に於ける叙述・記号の混乱 | トップページ | メモ: H.フランダース「微分形式の理論」第X章 問題7「サンヴナンの適合条件」(p.234) の前提に就いて。付け足し: 第X章 問題2 及び 問題3 (p.233) に就いての個人的述懐 »

フェルミ、ハイゼンベルク、パウリ3人のカイラリティ

数年前のことになると思うが (2012年のことだったらしい)、近くの図書館で、「アインシュタインの反乱と量子コンピュータ」(発行年:2009年 著者:佐藤文隆 発行:京都大学学術出版会) と云う本を借りて通読したことがある。

「残念! 」と云う読後感だけが残っている (私としては、これは非常に珍しい「症例」)。たしか、著者自身も、内容について弁明めいたものを書いていたようだ。しかし、それだけなら、「『残念感』を味わいたい方には最適」と言う訣にもいかず、ここで取り上げるには及ばない。

しかし、ある一点で、私の記憶の底にコビリついたままのものがあるので、それを書いておく。まぁ、私自身のための厄落としである。

この本の第36ページに、3人の物理学者 (「マスコミ」風に言うと「天才物理学者」) の、所謂「スリーショット」写真が掲げられている。そのキャプションに曰く

1927年にイタリア・アルプスのコモ湖畔で開かれたボルタ記念集会での (左から) フェルミ、ハイゼンベルグ、パウリ。

これを見たとき「オイ・オイ・オイ」と突っ込みましたね。私は、人の顔・名前を記憶するのが病的に苦手なんだが、それでもパウリ (Wolfgang Ernst Pauli/ヴォルフガング・パウリ) の顔は識別できる。左端にいるのは、フェルミ (エンリコ・フェルミ/Enrico Fermi) ではなく、まごうことなく、パウリなのだ。ハイゼンベルグ (ドイツ語風に言うなら「ハイゼンベルク」だが。Werner Heisenberg/ヴェルナー・ハイゼンベルク) もなんとなく分かる。これは、確かに真ん中にいる。フェルミの顔は、申し訳ない知らなかった (と言うか、覚えられていなかった)。

そう言えば、かって、コペンハーゲン (København) にあった「理論物理学研究所/Københavns Universitets Institut for Teoretisk Fysik」での1932年の会議の余興として演じられたと云う「ファウスト」のパロディの中で、パウリはメフィストフェレスを当て書きされていた (ちなみに「主」つまり、「全能の神」は勿論ニールス・ボーア/Niels Bohrである)。少なくとも顔を含めてイメージとしてだけなら、「パウリのメフィストフェレス」は、ハマり役だったろう。

「えっ!? 」と思って、その写真を、二度見してみると、右端のフェルミ (私にとっては「フェルミらしき人」) の胸ポケットが向かって左側(つまり、右胸側) に着いていることに気が付いた。フラワーホールらしきものも向かって左にある。

「なんだ。裏焼きジャン」

しかし、物理学者が書いた書籍中において、「くどいようだが、マスコミ風に言うと天才」物理学者のスリーショットで、裏焼きに気づかないことがありうるのか?

思わず、調べてしまいましたね (当時の話)。

そしたら、CERN (欧州原子核研究機構) の [PAULI-ARCHIVE-PHO-0​18] がマンマ裏焼きになっていた。これは想像だが、親亀がコケタので、子亀だか孫亀だかヒーィッマゴガメだかもコケタのだ (旧い譬えで申し訣ない)。

次を参照のこと。

  1. CERN のアーカイヴ中にある当該の写真:Wolfgang Pauli on a boat on Como lake - CERN Document Serve
  2. 写真に対する私のコメント (今回調べ直して、公表されているのに初めて気付いた):Wolfgang Pauli on a boat on Como lake - CERN Document Server
  3. 正しい向きの写真:Fermi, Heisenberg and Pauli - Stock Image H400/0132 - Science Photo Library

|
|

« 高木貞治 [代数学講義改訂新版] pp.276-277 に於ける叙述・記号の混乱 | トップページ | メモ: H.フランダース「微分形式の理論」第X章 問題7「サンヴナンの適合条件」(p.234) の前提に就いて。付け足し: 第X章 問題2 及び 問題3 (p.233) に就いての個人的述懐 »

どうでもいいこと」カテゴリの記事

物理学」カテゴリの記事

読み物・書き物・刷り物」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/40172/64266980

この記事へのトラックバック一覧です: フェルミ、ハイゼンベルク、パウリ3人のカイラリティ:

« 高木貞治 [代数学講義改訂新版] pp.276-277 に於ける叙述・記号の混乱 | トップページ | メモ: H.フランダース「微分形式の理論」第X章 問題7「サンヴナンの適合条件」(p.234) の前提に就いて。付け足し: 第X章 問題2 及び 問題3 (p.233) に就いての個人的述懐 »