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魏曹操「短歌行」

今年の年賀状の文案で「没」になったものをリサイクルする。

魏の曹操の「短歌行」と言えば、漢詩のアンソロジーを編むならば、その定番作品となるべき素材と言える。その文の冒頭、酒に及ぶを以って、それなりの料理をするならば、賀詞になりうるかと工夫してみたのだが、うまくいかなかった。

悪筆の私としては、年賀状を色紙に見立てる訣にはいかないので、原文を書いただけでは収まらない。烏滸がましくも、訳詩めいたものを作ったわけだが、それも無駄骨に終わった。ここでは、waste recycling の積りで、その時に作成したものに若干手を入れて、今回の記事とする。

魏曹操「短歌行」

對酒當歌
人生幾何
譬如朝露
去日苦多

慨當以慷
憂思難忘
何以解憂
唯有杜康

眼の前には酒がある。飲むしかないではないか。
人と生まれた、この命
譬えてみれば、朝の露。
それも随分過ぎ去った。

嘆きはつのる。つのった嘆きは言葉となる。
それでも憂いは消えはせぬ。
どうしようもないのをどうしよう。
酒を飲むしかないではないか。

「烈士暮年壮心不已」(歩出夏門行)とは真逆の沈淪ぶりで、思わず「君もそーかね」と言いたくなるが、しかし、「短歌行」の後続部分は、「青衿」(「有意の若者」ぐらいの語感か) に対する recruitment song なのだ。「短歌行」は、組織のトップの個人的感慨 (「歡樂極兮哀情多 少壯幾時兮奈老何」漢武帝「秋風辭」) と、組織人としての前進の志向 (「安得猛士兮守四方」漢高祖劉邦「大風歌」) が一身の中で同居している訣で、興味深い。

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