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2010年5月の3件の記事

メモ: "Regiomonti" は「ケーニヒスベルク」(「カリーニングラート」)

先程、或るヨーロッパの古書の出版社情報を調べていたら、それらしき所に、"Regiomonti" と云う文字があった。

(固有名詞としての) 出版社名自体ではないらしい。何故なら、"Regiomonti" で検索してみたところ、確度を以って出版社名と推定できる文字列部分は変化していても、"Regiomonti" 部分は同じと云う例があるからだ。つまり「Regiomonti + (多分出版社名)」と云う形になっている。

"Regiomonti" には、(普通名詞としての)「出版社」、あるい「出版社所在地」と云った意味があるのだろうかと思ったりもしたが、"Regiomonti" を "regio monti" と分けるなら一応イタリア語として「王の山々」と解釈することができるから、イタリア系の家系名かもしれないと云う気もした。

もっとも "Regio monti" は(現代)イタリア語として少し奇妙で、普通なら順番が逆になるなどして "monti regi" だろう。単数形だと "monte regio"、一語にすると "monteregio" で、何処かで聞いたことがある言葉になる。

と云う訣で、少し行き詰まりかかったのだが、その後スグに解決してしまった。"Regiomonti" とはドイツ語名 Königsberg (ケーニヒスベルク) のことだ。ドイツ語で「王の山」を意味する (「王の山々」ではない) この都市は現在ロシア領になっていて Калининград, (カリーニングラート) と云う名称になっている ("Кёнигсберг" も参照)。

"Regiomonti" だけで検索しても、他の情報に紛れて見つけづらかったのだが、結局英文版ウィキペディア [Königsberg]の項に、次のように記載されていたのだ。

The later location of Königsberg was preceded by an Old Prussian fort known as Twangste (Tuwangste, Tvankste) as well as several Prussian settlements. During the conquest of the Prussian Sambians by the Teutonic Knights in 1255, Twangste was destroyed and replaced with a new fortress known as Conigsberg. Its name meant "King's Mountain" (Latin: castrum Koningsberg, Mons Regius, Regiomonti), honoring King Ottokar II of Bohemia, who paid for the erection of the first fortress there during the Prussian Crusade.
後にケーニヒスベルクとなる場所には、かって Twangste (Tuwangste, Tvankste) と云う古プロシア人の砦と、古プロシア人村落とが幾つかあった。ドイツ騎士団によるプロシア系サンビア氏族の征服中、1255年に Twangste は破壊されて、その跡には、新たに砦が建てられた。これが Conigsberg として知られているもので、その名は、「王の山」(ラテン名: castrum Koningsberg, Mons Regius, Regiomonti) を意味するが、これは北方十字軍のプロシア遠征中に、この地に最初の砦を建設したボヘミアのオタカル二世を讃えたのである。
--Wikipedia": Königsberg"

こうして見ると、"Regiomonti" はイタリア語として解釈するより、俗ラテン語として解釈すべきものなのだろうが、如何せん俗ラテン語に就いては全く不案内なので、確認のしようがない。

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メモ:「デイリーポータルZ:ダメドクロワッペンコレクション'10」

[@nifty] の [デイリーポータルZ] に [べつやく れい] さんが [ダメドクロワッペンコレクション'10/ダメな感じのドクロ柄のワッペンを集めている。そのコレクションをご紹介します。] (2010.05.06 11:00) と云う記事を書いていらして、面白かった。

ただ、それだけなら、いつも通りのことなので、感心したりはするものの、そこから先に進むことはない (とは言え、[デイリーポータルZ] は、後で読み返すことが結構ある。google のブックマークに [デイリーポータルZ] と云うホルダーを作ってあるくらいだ)。

しかし、今回は、[べつやく] さんが、記事の中で、ワッペン中の "DEATH BEFORE SCHOOL" (「ひどい目に合っている部門」) のロゴに就いて「(微妙に)意味がわからない」と書いていらしゃって、確かに私にも「意味がわからない」ので、つい調べてみた。

しかし google で検索してみても捗々しい結果が得られない。何なんでしょうね。

一応思いつくのは "LIFE AFTER SCHOOL" のモジリなんじゃないかと云うことぐらいだ。"LIFE AFTER SCHOOL" は、そのまま「放課後の生活」と云う意味で、「生徒」の側の発想内では「学校が終わってする色色なこと」ぐらいのニュアンスになるだろうけれども、教師を初めとする教育関係者が使う時には「充実した放課後活動/課外授業」と云うニュアンスになるに違いない。

"DEATH BEFORE SCHOOL" は、それに対するアンチテーゼではないだろうか。登校する時に、これから始まる「ガッコーのジュギョー」のことを考えると死ぬほどウンザリするといったところか。

[べつやく] さんは、もう一つ「どういう状況かわかりにくい部門」で "helmet laws/suck!" も「微妙に意味がわからない」とおっしゃっているが、これは、バイク運転時にヘルメット着用を義務づける法律 (アメリカ合衆国では州によって規制が異なり、それに反対する Helmet Law Defense League と云う組織も存在する) に対して "suck!" と言っているんでしょうね。ここでの "suck!" とは「くだらない」とか「無意味だ」とかを強意的に表わした罵倒の間投詞として使われているのだと思います。ワッペンの中のドクロ君が (イージー・ライダー風と言うか、ヘルズ・エンジェルズ風と言うか) ヘルメットを着用せず星条旗柄のバンダナらしきものを巻いてことにも注意。

--2010-06-02 [水]補足
映画 [イージーライダー] を監督/に出演したデニス・ホッパーが 2010年5月29日朝、ロサンゼルスの自宅で亡くなった。享年74。
映画 [イージーライダー] の中で、ピーター・フォンダが演じている [ワイアット] が着用しているのは [星条旗柄のヘルメット] であるので注意。それから、今少しだけ調べてみたら、モーターサイクル・クラブとしての [Hell's Angels] の「構成員」がバンダナを頭に巻くと云う「習俗」はないようだ。ネットに流れている画像を見るかぎり、彼らはほぼ全員無帽である。
ミスリードする可能性があるので、上記該当記述を削除する。

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メモ:ヘブライ語で「神の賜物」を意味する人名

今朝程 (2010/05/05 04:45)、キーフレーズ [ヘブライ語で「神の齎すもの] で、このサイトを訪問された方がいらしたようだ。

これだけだと、条件が緩くて、何をお調べになっているのか忖度しかねるところがあるが、もしヘブライ語で「神の賜物」を意味する言葉をお探しであるというなら、人名化している筈だから、取り敢えずは、聖書中の人名を当たるのが基本なのではなかろうか。

ただ、よく知られているように、聖書では「神」の呼び方に2通りの流れがあって、(以下の話は、私の聞き齧り・読み齧りを、殆ど裏付けを取らないまま、書き流したものなので、その積もりで読んで戴きたい) その一つは、セム語族に共通して「神」を意味する言葉である、カタカナ語化すると「エル」や「イル」になる言葉 (אל)。ただし、聖書でイスラエル民族の「神」を指す時には、単数扱いながら強調の複数形が使われて אֱלהִים (エロイム) になる (英語聖書では "God" と訳されているようだ。対応して、日本語聖書中では「神」)。謂わば、普通名詞としての「神」だ (もっとも、本来は「エル」又は「イル」も、古代多神教時代の天空神の名前だったらしいが)。

もう一つは、モーセに尋ねられて、「神」が自ら明かしたとされる יהוה 、カタカナ語化すると「ヤハウェ」になる言葉 (こちらの方は、英語聖書では "the Lord" と訳されているようだ。対応して、日本語聖書中では「主」)。これは固有名詞としての神名といったところか (日本文化内だと「神」は、本質的には固有名詞としてしか存在しないので、唯一神を示す固有名詞と云うのは、概念上存在しえないから、説明しづらい)。

従って、「神の賜物」を意味するユダヤ人名は、「エル」系と「ヤハウェ」系がある。ただし,「ヤハウェ」系はそのママで使われることはなくて (だいたい、固有名詞としての神名は濫りに唱えてはならず、したがって、実際にはどのように発音されたかは実例らしいもの残っていないので、「ヤハウェ」と云うのも、現代の研究での推定によっている。以前は「ヱホバ」などとされていた) カタカナ語化すると「ヨハ」またはその類似音 (英語経由なら「ジョ」) が含まれる言葉になる。

で「賜物」の方は、(他にも言い方があるようだが) נָתָן (ナタン) あたりになる。この「ナタン」は独立して人名化していて、ゴットホルト・エフライム・レッシングの戯曲「賢人ナータン 」の主人公にもなっている。

と云う訣で、「神の賜物」は、取り敢えずは、「エル/ヨハ」と「ナタン」の組み合わせになる。(他にもあるらしいが面倒なので調べていない。)

したがって、「エル」系は נְתַנְאֵל (ナタニエル)。私なんぞが、最初に思いつくのはナタニエル・ホーソン (日本語版ウィキペディアでは「ナサニエル・ホーソーン」)。「緋文字」の小説家だが、読んだことはないな。

「ヤハウェ」系では「ヨナタン」。本来は יְהוֹנָתָן (ヤホナタン) 又は יְהוֹנָתָ (イェホナタン) と云う言葉だったらしい。英語なら Jonathan (ジョナサン) ですね。

聖書には登場しないようだが、אֱלִינָתָן (エリナタン) と云う人名もある由。これは「エル」系。

「エル」と云うのは国名としては「イスラエル」に含まれている。これは、聖書の記載上、もともとは「神」と相撲をしたヤコブに「神」が与えた名前で、聖書伝承上、ヤコブの十二人の (男性の) 子供の子孫である人々がイスラエル民族と呼ばれるようになり、それが国名になった訣だ。この「イスラエル」に就いて、[創世記]32:28 では「其人いひけるは汝の名は重ねてヤコブととなふべからずイスラエルととなふべし其は汝神と人とに力をあらそひて勝たればなりと」と説明されているが、これは、所謂「民間語源」であるらしく、とは言え、学問的にも微妙に疑義が残っているらしいのだが、「神は戦う」ぐらいの意味らしい。

新約聖書中でも「エル」系の言葉は表われる。ナザレのイエスが十字架上で最後に叫んだと云う「エリ、エリ、レマ、サバクタニ」がそれで、聖書自身の中で「わが神、わが神、なんぞ我を見棄て給ひし」と訳されている ([マタイ]27:46。[マルコ]15:34 では、少し異なる)。ただし、これはアラム語らしい。

「エル」又は「イル」は、同じセム語派に属するアラビア語でも使われている。ただし通常は定冠詞「アル」が付いているし、若干変形して、الله となる。カタカナ化すると「アッラー(フ)」(日本語としては「アラー」が普通だろう)。

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