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『雪濤小說』(明・江盈科) 中の「鼠技虎名」

今日、午後 (2008/04/14 16:14:51)、キーフレーズ [雪 小説 楚人 虎 鼠] で、このサイトを訪問された方がいらしたようだ。

これだけで喋喋するのは、まさしく「大きなお世話」と言うべきだろうが、一応書いておくと、明代の江盈科が著わした『雪濤小說』中の「鼠技虎名」あたりが参考になるのではないかと思う。一応、ネット上に見られるテキストを再録しておこう:

鼠技虎名
  楚地的人稱老虎為老蟲,蘇州人稱老鼠為老蟲。我在長洲做縣令的時候,因為有事到了婁東,住在客棧裡,把燭吹滅我就睡了。忽然聽得碗碟叮噹有聲,我便問看門的童子是怎麼回事,童子答道:「是老蟲鬧騰。」我是楚地人,一向稱老虎為老蟲,聽說是「老蟲」,很是害怕,說:「城裡怎麼會有這種野獸?」童子說:「不是別的獸,是老鼠。」我問他:「老鼠為什麼叫老蟲?」童子說這是吳地的風俗,世世代代都是這麼叫這麼傳下來的。
  啊哈!老鼠冒老虎之名,致使我嚇得要逃走,真是可笑。然而今日天下冒虎名以欺世的也真不少:那些堂而皇之戴官帽穿官服掌大印披綬帶的有權有勢的人,果真能阻止邪惡萌生、抑制權貴、打擊豪強嗎?軍營之內,那些戴高帽、佩長劍,左邊拿著斧鉞右邊握著大旗的人,威風凜凜,但能夠抵禦強盜,北阻北鄰部落入侵,南擋南方部族冒犯,如同古代良將孫武、吳起、王翦那樣的有勇有謀嗎?猛然間聽到這些文臣武將的大名,真可謂大名鼎鼎,聲震遠近,令人懼怕得很,如同見了老虎一般;但慢慢地就品出味道來了,這些人充其量,不過是玩弄鼠輩的伎倆而已。哎!那些以鼠輩伎倆,而冒充虎之威名的權黨們,都是騎在民眾頭上作威作福的鼠輩啊,這關係到天下危亡的大事怎麼能不叫人擔憂呢?
——明﹒江盈科《雪濤小說》
--熾天使書城--- 嘲諷類

『雪濤小說』は、2004年の大学入試センター試験に出たらしいから、ご存じの方も多いだろうが、浅学懶惰な私には「江盈科」も『雪濤小說』も初耳だった。

一応、『雪濤小說』は寓話文学に位置づけられるらしいのだが、「鼠技虎名」の内容は、「寓意」への繋げ方が強引すぎるきらいがあるとは言え、現代日本の「ライトエッセイ」に近いかもしれない。あるいは、もう少し酷なことを言うなら、現代日本の新聞にみられる「天声人語」風の詰まらない雑文にも似ている (瞥見による比較の限りでは、「天声人語」はまだマシな方だけれども)。

おそらく、これは江盈科の実体験であったのだろう。彼は、「桃源の人」つまり、「楚地人」である。しかし、ここで、「楚地」と「蘇州」との文化的格差に就いて論じるのは、私の手に余るし、また、この文章を素材にしても、(私自身の非才は無視して言うのだが)大したことは出来なそうな気がするので、やめておくことにしよう。

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