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西の海立つ白波のうへにしてなにすぐすらん仮のこの世を

作者:宇佐神宮神託 出典:[新古今和歌集19]1864
中公文庫版『日本語で一番大切なもの』p.338

「を」の用例。「仮のこの世」に対する思い入れが感じられる。丸谷才一の説明では、この歌は、和気清麻呂に与えた宇佐神宮の神託とされているとのこと。「(道鏡は坊さんなのに) 仮のこの世をいったいどうしてうかうか過ごしているのか」。神託とされているのに、「なにすぐすらん」では、古い歌らしくないせいか日本史ではあまり扱われない。

『日本語で一番大切なもの』の解釈では、序詞でもない「西の海立つ白波のうへにして」の意味が落ち着かない。この歌は、和気清麻呂が神託を受けに宇佐八幡へと出発する際に詠んだと云う説話もあり、そうだとすると解が異なってくるが、その場合も意味の繋がりが悪い。つまり、どう解釈しようとしても意味の据わりが悪い歌だ。

本記事は、極めて長文である [nouse: 大野晋・丸谷才一『日本語で一番大切なもの』引用文索引] (2008年3月1日[土]) から同一引用文に係る項目を分離独立させたもので、内容に実質的な変化はない。

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