« 天つ風雲の通ひ路ふきとぢよ乙女の姿しばしとどめん | トップページ | 天飛ぶや鳥にもがもや »

天づたふ入日さしぬれ丈夫と思へる吾も敷妙の衣の袖は通りて沾れぬ

作者:柿本人麻呂 出典:[万葉集2]135
中公文庫版『日本語で一番大切なもの』p.142

已然形「さしぬれ」だけで、「ば」が附いていなくても、「夕日がさしたら」と云う意味を表わしている。長歌の終わりのところで「俺は一人前の男だと思っている私も、入日がさしたら、涙がこぼれて衣の裾が濡れてしまった」と言っている。

参考 ([万葉集2]135):
つのさはふ 石見の海の 言さへく 唐の崎なる 海石にぞ 深海松生ふる 荒礒にぞ 玉藻は生ふる 玉藻なす 靡き寝し子を 深海松の 深めて思へど さ寝し夜は 幾だもあらず 延ふ蔦の 別れし来れば 肝向ふ 心を痛み 思ひつつ かへり見すれど 大船の 渡の山の 黄葉の 散りの乱ひに 妹が袖 さやにも見えず 妻ごもる 屋上の [一云 室上山] 山の 雲間より 渡らふ月の 惜しけども 隠らひ来れば 天伝ふ 入日さしぬれ 大夫と 思へる我れも 敷栲の 衣の袖は 通りて濡れぬ (柿本人麻呂 [万葉集2]135)

本記事は、極めて長文である [nouse: 大野晋・丸谷才一『日本語で一番大切なもの』引用文索引] (2008年3月1日[土]) から同一引用文に係る項目を分離独立させたもので、内容に実質的な変化はない。

|
|

« 天つ風雲の通ひ路ふきとぢよ乙女の姿しばしとどめん | トップページ | 天飛ぶや鳥にもがもや »

『日本語で一番大事なもの』」カテゴリの記事

日本語/和文」カテゴリの記事

詩/文藝」カテゴリの記事

読み物・書き物・刷り物」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/40172/40387694

この記事へのトラックバック一覧です: 天づたふ入日さしぬれ丈夫と思へる吾も敷妙の衣の袖は通りて沾れぬ:

« 天つ風雲の通ひ路ふきとぢよ乙女の姿しばしとどめん | トップページ | 天飛ぶや鳥にもがもや »