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川上の根白高萱あやにあやにさねさねてこそことに出にしか

作者:東歌 出典:[万葉集14]3497/3518
中公文庫版『日本語で一番大切なもの』p.174, p.178

「こそ」による係結びの 例。「川上の根白(ねじろ)高萱(たかがや)」は序。

大野晋の説明:「あやにあやにさねさねてこそ」は「目も眩むようにして一緒に寝たからこそ」。「ことに出にしか」(「しか」は「き」の已然形) は「噂に出たのに」。「のに」の感じが大事。男に対する怨みがある。

参考 (『万葉集』原文):「可波加美能 祢自路多可我夜 安也尓阿夜尓 左宿佐寐弖許曽 己登尓弖尓思可

『日本語で一番大切なもの』における説明が、今ひとつピンとこない。「川上の根白高萱」が序であるのはたしかだろうし、また何故それが「あや(に)」を導くかの説明がないことにも(まぁ、「萱」と「あや」は韻を踏んでおり、また、「高」・「萱」・「あや」は、母音「あ」が通じているのは誰でもすぐ気付くだろうが)、取り敢えずは拘らないにしても、「あやにあやに」を「目も眩むほど」と解釈した根據が見えない。これは、普通に「奇妙なほど」・「不思議な気がするほど」ぐらいで良いのではないか。ちなみに「さねさねてこそ」は「何度も共寝したからこそ」の意。
今の段階での私 ([ゑ]) の解を付けておく:「不思議な気がするほど何度も共寝したからこそ噂になってしまったのに」

本記事は、極めて長文である [nouse: 大野晋・丸谷才一『日本語で一番大切なもの』引用文索引] (2008年3月1日[土]) から同一引用文に係る項目を分離独立させたもので、内容に実質的な変化はない。

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