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花の色も常盤ならなむ弱竹の長きよに置く露しかからば

作者:清原元輔 出典:[拾遺和歌集18]1161
中公文庫版『日本語で一番大切なもの』p.229

「も」の下は願望の「なむ」だから (「花の色も永久であってほしい」)、不確定になっている。

参考 (詞書):九條右大臣五十の賀の屏風に竹ある所に花の木の近くあり
『日本語で一番大切なもの』で解は与えられていない。勿論、初二句で、「九條右大臣」の長寿を暗喩しているだけの歌なのだが、一応私なりのものを付けておくと、まず「かからば」は「かくあらば」であるが、「露」の縁語でもあることに注意。ただし、縁語であることを越えて、露が花にかかると云う含意はないとすべきだろう。なぜなら、もしそうだとすると、未然の条件つきで、長寿を願ってしまうことになるからだ (実を言うと、作者の意図はどうであれ、この歌の裏には長命を否定する予言が形成されている)。と云う訣で、つぎのようになるだろう:「この絵の中の弱竹(なよたけ) の長い節にも『かかる命の長き』露が降りているのですから、花の色も永遠であり続けますように」。

本記事は、極めて長文である [nouse: 大野晋・丸谷才一『日本語で一番大切なもの』引用文索引] (2008年3月1日[土]) から同一引用文に係る項目を分離独立させたもので、内容に実質的な変化はない。

補足
この「九條右大臣」は藤原師輔 (ふじわらのもろすけ 908年-960年) だろう。

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