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思ふどちひとりひとりが恋しなば誰によそへて藤衣きむ

作者:読人しらず 出典:[古今和歌集13]654
中公文庫版『日本語で一番大切なもの』p.301

「が」の上下は体言又は体言相当であるのが原則だが、例外があって、下に、未然形+「ば」が付くことがある。これは、其の一例で、「ひとりひとりが」と言って、下が「恋しなば」になっている。

「ひとりひとりが」の「が」の使い方は、絶対にないことはないが、新しい用法に見えるから、当時の人にはきっと耳に立ちすぎたために、余り使われていない。この歌は、一首のブラックユーモアなので、口語的な言い回しがされているのだろう。
「藤衣」は「喪服」のこと。

丸谷才一の解:「相思っているどちらか一人が恋のせいで死んだならば、二人の仲は世間に知られていないのだから、残って一人は、恋人が死んだのでと喪服を着るわけにはいかない。いったい誰にかこつけましょうか」。詞書「橘清樹(たちばなのきよき)が忍びにあひ知れりける女のもとよりおこせたりける

本記事は、極めて長文である [nouse: 大野晋・丸谷才一『日本語で一番大切なもの』引用文索引] (2008年3月1日[土]) から同一引用文に係る項目を分離独立させたもので、内容に実質的な変化はない。

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