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ささなみの国津美神のうらさびて荒れたる京見れば悲しも

作者:高市古人 出典:[万葉集]33
中公文庫版『日本語で一番大切なもの』p.261

助詞「つ」の用例。「ささなみの国津美神」は「ささなみの国にいる神様」。「楽浪 (ささなみ)」は琵琶湖南西部沿岸の古名とされている。天智・弘文二代の都、大津宮があったが、この都は壬申の乱後荒廃した。「国津美」は、海神を「わたつみ」又は「わだつみ」、ヤマの神を「やまつみ」と言うのと同じで、クニの主神を意味すると考えられる。「国津美神」は「『クニツミ』である神」。
これを「国つ御神」と解釈しても間違いとは言えまいが、意味が不鮮明になる。
「クニツミ神」にしろ「国つ御神」にしろ、「国つ神」に収斂する言葉なのだが、「国つ神」では顕になっている「天つ神」との対立性が希薄な「クニツミ神」の方が古代性が生き生きとしている。
「楽浪のクニのヌシの神の生命力は衰えてしまった。大津のミヤコは荒れてしまった。それを見たので私の思いは痛切だ」

本記事は、極めて長文である [nouse: 大野晋・丸谷才一『日本語で一番大切なもの』引用文索引] (2008年3月1日[土]) から同一引用文に係る項目を分離独立させたもので、内容に実質的な変化はない。

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