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あはしまの逢はじと思ふ妹にあれや安眠もねずて吾が恋わたる

作者:遣新羅使 出典:[万葉集15]3633/3655
中公文庫版『日本語で一番大切なもの』p.381

一人称を承ける「じ」は「...ないつもりだ」「...しまい」を意味する。

「逢うまいと思っている女、それほど自分が執着している女だというわけでもないのに、うとうとしながら私が恋つづけることだ」と丸谷才一は解する。が、これは丸谷才一の失策。反語「あれや」を見落としている。

普通に解するとこうなるだろう:「もう逢うまいと思っているあの人だろうか。(そのような訣はない。帰ったら必ず逢うつもりだから、逢えるのに決まっているのに、まるでもう逢えないかのように)ぐっすり眠ることもなく、あの人への慕情を募らせている。」

本記事は、極めて長文である [nouse: 大野晋・丸谷才一『日本語で一番大切なもの』引用文索引] (2008年3月1日[土]) から同一引用文に係る項目を分離独立させたもので、内容に実質的な変化はない。

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