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さむしろや待つ夜の秋の風ふけて月をかたしく宇治の橋姫

作者:藤原定家 出典:[新古今和歌集5]420
中公文庫版『日本語で一番大切なもの』p.73

地名に添える「や」から発展して、普通名詞に添える間投助詞「や」が出てきた。『新古今和歌集』では、普通名詞+間投助詞「や」の形が非常に多くなる。この歌は、その一例。

多数のイメージが込められている。
「松」と「秋の風」と「月」。
「男を待つ」と「夜が更ける」と「風が吹く」と「月が傾く」と「寒い・淋しい」。
「男は女に飽きている」と「女はさむしろの上で一人寝ている」と「さむしろは女の涙で濡れているため月の光がそこに宿る」。
「宇治の橋姫が月をさむしろにして一人寝ながら男を待っている」。
さむしろに衣かたしきこよひもや我をまつらむ宇治の橋姫 (読人しらず [古今和歌集4]689)」の本歌取り。

本記事は、極めて長文である [nouse: 大野晋・丸谷才一『日本語で一番大切なもの』引用文索引] (2008年3月1日[土]) から同一引用文に係る項目を分離独立させたもので、内容に実質的な変化はない。

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