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わが袖は手本とほりて濡れぬとも恋忘れ貝取らずは行かじ

作者:遣新羅使 出典:[万葉集15]3711/3733
中公文庫版『日本語で一番大切なもの』p.372

条件節を作る「ずは」の用例。「手元」の訓は「たもと」。「恋忘れ貝」は、それを拾うと恋の苦しさを忘れると云う貝。二枚貝のバラバラになった一方、又はアワビを指すと云う。

大野晋の解:「着物の袖が濡れてしまうとしても、私は恋忘れ貝を拾わずには行くまい」。

参考 (前2首及び後1首の中のこの歌):
家づとに貝を拾ふと沖辺より寄せ来る波に衣手濡れぬ (遣新羅使 [万葉集15]3709/3731)
潮干なばまたも我れ来むいざ行かむ沖つ潮騒高く立ち来ぬ (遣新羅使 [万葉集15]3710/3732)
我が袖は手本通りて濡れぬとも恋忘れ貝取らずは行かじ (遣新羅使 [万葉集15]3711/3733)
ぬばたまの妹が干すべくあらなくに我が衣手を濡れていかにせむ (遣新羅使 [万葉集15]3712/3734)


本記事は、極めて長文である [nouse: 大野晋・丸谷才一『日本語で一番大切なもの』引用文索引] (2008年3月1日[土]) から同一引用文に係る項目を分離独立させたもので、内容に実質的な変化はない。

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