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またや見ん交野のみ野の桜がり花の雪散る春のあけぼの

作者:藤原俊成 出典:[新古今和歌集2]114
中公文庫版『日本語で一番大切なもの』p.131

助詞「や」の用例。「見ん (は) またや」と云う読みは不適。
大野晋の説明:「ぞ」や「か」は、古くからの伝統があるので、ひっくり返してみると、ちゃんと本へもどる形の例をもっているが、「や」は、係結びがそうとう発達したあとで、疑問の「か」の位置を占めたから、どうも古い形を持っていない。
なお、桜に関するさまざまな言葉がみんな使われている (「あけぼの」まで)。

現在の大阪府交野市北部から枚方市にかけてのなだらかな丘陵地は、平安時代「交野が原」と呼ばれ、皇室の遊猟地であり、また貴族達の桜狩りの名所であった。「天皇が狩りをすることもある交野が原での桜狩り。春の夜明けに花吹雪がして...もう一度見たいものだがな」(「またや見ん交野の」は「またや見がたし」を匂わせているだろう)。

参考 (皇室の遊猟地としての「交野」):
みかりする交野のみ野にふる霰あなかままだき鳥もこそ立て (崇徳院 [新古今和歌集6]685)

本記事は、極めて長文である [nouse: 大野晋・丸谷才一『日本語で一番大切なもの』引用文索引] (2008年3月1日[土]) から同一引用文に係る項目を分離独立させたもので、内容に実質的な変化はない。

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