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秋風のいたりいたらぬ袖はあらじただわれからの露の夕暮

作者:鴨長明 出典:[新古今和歌集4]366
中公文庫版『日本語で一番大切なもの』p.383

第3人称を承ける「じ」は「...ないだろう」を意味する。
春の色のいたりいたらぬ里はあらじ咲ける咲かざる花の見ゆらむ (読人しらず [古今和歌集2]93)」を引いている。
『新古今和歌集』の「秋歌上」所収だが、「秋風」、「袖」、「露」と揃っているから、恋の歌として解釈するのが素直というものだ。『日本語で一番大切なもの』には解が見当たらないので、私なりのものを付けておく:「秋風は誰の袖にも吹くだろうに、私の袖だけ濡れているのは、あの人の心に『飽き』の風が吹いて、私から涙の露が出ているこの夕暮れです」

本記事は、極めて長文である [nouse: 大野晋・丸谷才一『日本語で一番大切なもの』引用文索引] (2008年3月1日[土]) から同一引用文に係る項目を分離独立させたもので、内容に実質的な変化はない。

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