« 今日のうちに否ともうとも言ひ果てよ人頼めなることなせられそ | トップページ | 越えぬてふ名をなうらみそ鈴鹿山いとどまぢかくならむと思ふを »

今日はまたあやめの根さへかけそへて乱れぞまさる袖のしら玉

作者:藤原俊成 出典:[新古今和歌集3]221
中公文庫版『日本語で一番大切なもの』p.238

助詞「さへ」の用例。やはり「さへ」と「そへ」とが重出する。

丸谷才一の解:「いつも嘆きの涙でぬれているうえに、端午の節句の今日はまたさらにくす玉のあやめの根さえかけそえて(この「根」に泣く音の[ね]がかかっていて、つまり泣く音さえ添えて)、いっそう乱れる袖の涙の白玉であることよ」。

五節句のうちの一つ「端午」(5月5日) 、宮中では節会が行なわれ、天皇が武徳殿に出御して、菖蒲の鬘 (髪飾り) を掛けた群臣に薬玉を賜わり、近衛府の騎射が行なわれた。

参考:
[続日本紀17](天平19年/747年5月5日)
庚辰、天皇御南苑觀騎射・走馬。是日、太上天皇詔曰、「昔者、五月之節、常用菖蒲爲縵。比來、已停此事。從今而後、非菖蒲縵者、勿入宮中。」
庚辰、天皇、南苑に御(おは)しまして、騎射・走馬を觀(み)そなはす。是の日。太上天皇詔して曰はく、「昔者、五月の節には常に菖蒲を用て縵となす。比來(このころ)已(すで)に此事を停(や)めたり。今より後。菖蒲の縵に非ずは、宮中(うち)に入るること勿れ」とのたまふ。
(岩波新日本古典文学大系『続日本紀(三)』p.44, p.45)

本記事は、極めて長文である [nouse: 大野晋・丸谷才一『日本語で一番大切なもの』引用文索引] (2008年3月1日[土]) から同一引用文に係る項目を分離独立させたもので、内容に実質的な変化はない。

|
|

« 今日のうちに否ともうとも言ひ果てよ人頼めなることなせられそ | トップページ | 越えぬてふ名をなうらみそ鈴鹿山いとどまぢかくならむと思ふを »

『日本語で一番大事なもの』」カテゴリの記事

日本語/和文」カテゴリの記事

詩/文藝」カテゴリの記事

読み物・書き物・刷り物」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/40172/40449228

この記事へのトラックバック一覧です: 今日はまたあやめの根さへかけそへて乱れぞまさる袖のしら玉:

« 今日のうちに否ともうとも言ひ果てよ人頼めなることなせられそ | トップページ | 越えぬてふ名をなうらみそ鈴鹿山いとどまぢかくならむと思ふを »