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ますらをが山かたつきて住む庵の外面にわたす杉のまろ橋

作者:順徳院 出典:[風雅和歌集16]1768
中公文庫版『日本語で一番大切なもの』p.297

助詞「が」の用例。「外面」の訓は「そとも」。丸谷才一の説明と解:おそらく順徳院が佐渡に流されてからの歌。それで、自分のことを「ますらを」と言っている。「身分の低い男である私が、山の近くに住んでいる庵のすぐ外のところに渡してある杉の丸太橋」。

[ゑ]補足:『日本語で一番大切なもの』では「ますらを」を簡単に「身分の低い男」と云う説明で済ましてあるが (勿論、会話の流れの中ではそれで構わない)、実際は、漁師・猟師・農夫など、もう少し具体的イメージのある言葉である。ただし、困ったことに、この歌の場合は、それほど具体的なイメージでは歌われていない。身分の落差を強調するため使われているだけである。それでも、なお、この「ますらお」には「身分の低い男」に留まらないイメージの喚起力がある。
要するに、落剥して男 (私) が暮している庵の裏手には山が迫り、正面には渓流が流れていて、そこに杉の丸太橋が渡してある、と云うことなんだが、これを体言止めである程度絵画的に纏めようとすると難しい。逆に、それで順徳院の手練の見事さが分かる。

本記事は、極めて長文である [nouse: 大野晋・丸谷才一『日本語で一番大切なもの』引用文索引] (2008年3月1日[土]) から同一引用文に係る項目を分離独立させたもので、内容に実質的な変化はない。

補足
読み返すと、私 ([ゑ]) の説明が「説明」になっていないような気がしたのだが、しかし、どこを直すと云う訣にもいかないようなので、しばらくはこのままにしておく。

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