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浦廻より漕ぎ来し船を風早み沖つ御浦にやどりするかも

作者:不詳 出典:[万葉集15]3646/3668
中公文庫版『日本語で一番大切なもの』p.14

「かも」の用例。

大野晋の解:「浦のめぐりを漕いで来たけれど強い風がふくものだから、沖の方の浦に逃げて、こんなふうに宿りをしているのだなぁ」

参考 ([万葉集15]3644/3666 から [万葉集15]3651/3673 に対する詞書):
佐婆の海中にしてたちまち逆風に遭ひ、漲ぎらふ浪に漂流す。経宿の後に、幸くして順風を得、豊前の国の下毛の郡の分間の浦に到著す。ここに追ひて艱難を怛みし、悽惆しびて作る歌八首

本記事は、極めて長文である [nouse: 大野晋・丸谷才一『日本語で一番大切なもの』引用文索引] (2008年3月1日[土]) から同一引用文に係る項目を分離独立させたもので、内容に実質的な変化はない。

補足
[万葉集15]3644/3666-[万葉集15]3651/3673
  佐婆の海中にしてたちまち逆風に遭ひ、漲ぎらふ浪に漂流す。経宿の後に、幸くして順風を得、豊前の国の下毛の郡の分間の浦に到著す。ここに追ひて艱難を怛みし、悽惆しびて作る歌八首
大君の命畏み大船の行きのまにまに宿りするかも
(雪宅麻呂 [万葉集15]3644/3666)
我妹子は早も来ぬかと待つらむを沖にや住まむ家づかずして (作者不詳 [万葉集15]3645/3667)
浦廻より漕ぎ来し船を風早み沖つみ浦に宿りするかも (作者不詳 [万葉集15]3646/3668)
我妹子がいかに思へかぬばたまの一夜もおちず夢にし見ゆる (作者不詳 [万葉集15]3647/3669)
海原の沖辺に灯し漁る火は明かして灯せ大和島見む (作者不詳 [万葉集15]3648/3670)
鴨じもの浮寝をすれば蜷の腸か黒き髪に露ぞ置きにける (作者不詳 [万葉集15]3649/3671)
ひさかたの天照る月は見つれども我が思ふ妹に逢はぬころかも (作者不詳 [万葉集15]3650/3672)
ぬばたまの夜渡る月は早も出でぬかも 海原の八十島の上ゆ妹があたり見む [旋頭歌なり] (作者不詳 [万葉集15]3651/3673)

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