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今ぞしる思ひ出でよと契りしは忘れんとてのなさけなりけり

作者:西行 出典:山家集/[新古今和歌集14]1298
中公文庫版『日本語で一番大切なもの』p.109

「ぞ」による係結びの例。丸谷才一の解は「あなたが思い出してくださいと約束したのは、私を忘れようとしてのお心だったということが、いまになってわかる」。

この歌、一読すると西行が何を言いたいのか直に感じ取ることができるのだが (もっとも、その「感じ」の内容は読む者により読む者の数だけ異なるかもしれない)、それを言語化するのにしばらく時間がかかる。私 ([ゑ]) の場合は、こうなる:「私も思い出しますから、あなたも『思い出してください』と約束し、約束させられたのは、結局お互い忘れることになるのだからと云う心づかいだったことが、あなたに忘れ去られた今分りました」。

参考 (『新古今和歌集』中の直前歌):
疎くなる人をなにとて恨むらむ知られず知らぬ折もありしを (西行 [新古今和歌集14]1297)

本記事は、極めて長文である [nouse: 大野晋・丸谷才一『日本語で一番大切なもの』引用文索引] (2008年3月1日[土]) から同一引用文に係る項目を分離独立させたもので、内容に実質的な変化はない。

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