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花の色はちらぬ間ばかり故郷に常にはまつの緑なりけり

作者:藤原雅正(まさただ) 出典:[後撰和歌集1]43
中公文庫版『日本語で一番大切なもの』p.229

大野晋の説明:「は」には「も」のような不確定・不確実な要素はない。「花の色は」は「ちらぬ間ばかり」のことと、はっきりと問と答を言っている。

『日本語で一番大切なもの』では解は与えられていないので、私 ([ゑ]) なりに改めて考えてみたが、歌の構成が歪んでいて、歌意が取りづらいことに気付いた (「常にはまつ」に引き摺られて、「深読み」しそうになるのだが、結局何処にも辿り着かない)。 まぁ、普通に想像するならば、「(目の前のこの) 花の色は咲いている間しか私を待ってくれないのだが、『なつかしいあの場所にある』松の緑は永遠に私を待ってくれるのだな」ぐらいのことなのだろうが...。「花の色はうつりにけりないたづらにわが身世にふるながめせしまに (小野小町 [百人一首]9/[古今和歌集2]113)」を踏まえてはいるのだろう。

参考 (『後撰和歌集』中の直前歌と):
  松のもとにかれこれ侍りて花を見やりて
ふかみどり常磐の松のかげにゐてうつろふ花をよそにこそ見れ
(坂上是則 [後撰和歌集1]42)
  おなじ心をよめる
花の色は散らぬ間ばかり故郷に常にはまつの緑なりけり
(藤原雅正 [後撰和歌集1]43)

本記事は、極めて長文である [nouse: 大野晋・丸谷才一『日本語で一番大切なもの』引用文索引] (2008年3月1日[土]) から同一引用文に係る項目を分離独立させたもので、内容に実質的な変化はない。

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