否と言へど語れ語れと詔らせこそ志斐いは奏せ強語と詔る
作者:志斐嫗(しひのおうな) 出典:[万葉集3]237/238
中公文庫版『日本語で一番大切なもの』p.169, p.313, p.318, p.324
「志斐」の読みは「しひ」、「奏せ」の読みは「まをせ」。「こそ」による係結びの例。「お断りいたしましたのに、私に向かって、話をしろ話をしろとおっしゃるからこそ、私、志斐嫗はお話を申し上げたのに、それを強語(しいがたり)とおっしゃるとは」。
p.313 では、助詞「い」が助詞「は」と重ねて「志斐いは奏せ」というようにして使われている例として引用されている。「お断りいたしましたのに、話をしろ話をしろとおっしゃるからこそ、志斐の嫗(おうな)はお話をしましたのに、それを無理に聞かせる話だとおっしゃるとは、なんてひどいんでしょう」。
p.318 では「志斐いは申せ」、p.324 では、「志斐いは」の形で引用されている。
本記事は、極めて長文である [nouse: 大野晋・丸谷才一『日本語で一番大切なもの』引用文索引] (2008年3月1日[土]) から同一引用文に係る項目を分離独立させたもので、内容に実質的な変化はない。
補足
「志斐」は sifï であり、「強」も sifï だから、志斐嫗は誰やらに「志斐がたり」ではなくて「強がたり」だと揶揄われたのであろう。
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