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宮柱したつ磐根にしきたてて露もくもらぬ日のみかげかな

作者:西行 出典:[新古今和歌集19]1877
中公文庫版『日本語で一番大切なもの』p.262

助詞「つ」の用例。丸谷才一の説明:「したつ磐根(いはね)」は『時代別国語辞典』にもないが、西行の独創ではなく大祓の祝詞にある。この場合の「したつ磐根」は、まさに自分の外界にある。

参考:
六月晦大祓〔十二月も此に准へ〕
集侍はれる親王 諸王 諸臣 百官人等諸聞食せと宣る
天皇が朝廷に仕奉る 比礼挂くる伴男 手襁挂くる伴男 靫負ふ伴男 剱佩く伴男 伴男の八十伴男を始めて 官官に仕奉る人等の 過犯しけむ雑雑の罪を 今年の六月の晦の大祓に 祓給ひ清給ふ事を 諸聞食せと宣る
高天原に神留り坐す 皇親神漏岐神漏美の命以ちて 八百万の神等を 神集に集賜ひ 神議に議賜て 我が皇孫之尊は 豊葦原の水穂の国を 安国と平けく所知食と事依し奉き
如此依し奉し国中に荒振神達をば 神問しに問し賜ひ 神掃に掃賜ひて 語問し磐根樹の立草の垣葉をも語止て 天磐座放ち 天の八重雲を伊頭の千別に千別て 天降依し奉き
如此依さし奉し四方の国中と 大倭日高見之国を安国と定奉て 下津磐根に宮柱太敷立て 高天原に千木高知て 皇御孫之命の美頭の御舎仕奉て 天之御蔭日之御蔭と隠坐て 安国と平けく所知食む国中に成出む 天の益人等が 過犯けむ雑々の罪事は
天津罪と 畦放 溝埋 樋放 頻蒔 串刺 生剥 逆剥 屎戸 許々太久の罪を 天津罪と法別て
国津罪と 生膚断死膚断 白人胡久美 己が母犯罪己が子犯罪 母と子と犯罪子と母と犯罪 畜犯罪 昆虫の災 高津神の災 高津鳥の災 畜仆し蟲物為罪 許々太久の罪出でむ
如此出ば 天津宮事を以て 大中臣天津金木を本打切末打断て 千座の置座に置足はして 天津菅曾を本苅断末苅切て 八針に取辟て 天津祝詞の太祝詞事を宣れ
如此乃良ば 天津神は天磐門を押披て 天之八重雲を伊頭の千別に千別て所聞食む 国津神は高山乃末短山之末に登坐して 高山の伊穂理短山の伊穂理を撥別て所聞食む
如此所聞食てば 皇御孫之命の朝廷を始て 天下四方国には 罪と云ふ罪は不在と 科戸之風の天之八重雲を吹放事之如く 朝之御霧夕之御霧を朝風夕風の吹掃事之如く 大津辺に居る大船を 舳解放艫解放て大海原に押放事之如く 彼方之繁木が本を焼鎌の敏鎌以て打掃事之如く 遺る罪は不在と 祓賜ひ清賜事を 高山之末短山之末より 佐久那太理に落多支都速川の瀬に坐す瀬織津比咩と云神大海原に持出なむ 如此持出往ば 荒塩之塩の八百道の八塩道之塩の八百会に坐す速開都比咩と云神 持可可呑てむ 如此可可呑ては 気吹戸に坐す気吹主と云神 根国底之国に気吹放てむ
如此気吹放ては 根国底之国に坐す速佐須良比咩と云神 持佐須良比失てむ
如此失てば 今日より始て罪と云ふ罪は不在と 高天原に耳振立聞物と馬牽立て 今年の六月の晦日の 夕日之降の大祓に 祓給ひ清給ふ事を 諸聞食せと宣る
四国の卜部等 大川道に持退出て祓却と宣る
--六月晦大祓祝詞 - Wikisource

本記事は、極めて長文である [nouse: 大野晋・丸谷才一『日本語で一番大切なもの』引用文索引] (2008年3月1日[土]) から同一引用文に係る項目を分離独立させたもので、内容に実質的な変化はない。

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