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象潟や雨に西施がねぶの花

作者:芭蕉 出典:[奥の細道]象潟
中公文庫版『日本語で一番大切なもの』p.73

俳諧の切字「や」の例。地名+「や」の形。

参考 ([奥の細道]象潟):
江山水陸の風光數を盡して、今象潟に方寸を責む。酒田の湊より東北の方、山を越磯を伝ひ、いさごをふみて其際十里、日影やゝかたぶく比、汐風眞砂を吹上、雨朦朧として鳥海の山かくる。闇中に莫作して雨も又奇也とせば、雨後の晴色又頼母敷と、蜑の苫屋に膝をいれて、雨の晴を待。其朝天能霽て、朝日花やかにさし出る程に、象潟に舟をうかぶ。先能因島に舟をよせて、三年幽居の跡をとぶらひ、むかふの岸に舟をあがれば、花の上こぐとよまれし櫻の老木、西行法師の記念をのこす。江上に御陵あり。神功后宮の御墓と云。寺を干満珠寺と云。此處に行幸ありし事いまだ聞ず。いかなる事にや。此寺の方丈に座して簾を捲ば、風景一眼の中に盡て、南に鳥海、天をさゝえ、其陰うつりて江にあり。西はむやむやの関路をかぎり、東に堤を築て秋田にかよふ道遙に、海北にかまえて、浪打入る所を汐ごしと云。江の縦横一里ばかり、俤松島にかよひて又異なり。松島は笑ふが如く、象潟はうらむがごとし。寂しさに悲しみをくはえて、地勢魂をなやますに似たり。
  象潟や雨に西施がねぶの花
  汐越や鶴はぎぬれて海涼し
祭禮
  象潟や料理何くふ神祭   曾良
  蜑の家や戸板を敷て夕涼   みのゝ国商人低耳
岩上にみさごの巣を見る
  波こえぬ契ありてやみさごの巣   曾良
岩波文庫『奥の細道』p.42

本記事は、極めて長文である [nouse: 大野晋・丸谷才一『日本語で一番大切なもの』引用文索引] (2008年3月1日[土]) から同一引用文に係る項目を分離独立させたもので、内容に実質的な変化はない。

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