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年の内に春は来にけりひととせを去年とやいはむ今年とやいはむ

作者:在原元方 出典:[古今和歌集1]1
中公文庫版『日本語で一番大切なもの』p.80, p.209

p.80 では、助詞「や」の用例として引用されている。この「や」は他人に対する質問と云うより自分自身に対する疑問。これは「か」が古くなってきて、用法が非常に限定されてきたから。かわりの言葉を求めるようになった。平安時代になると「か」の代わりとして「や」の使い方が非常に広くなって、「か」の領域にまで入り込んでくる。

p.209 では、丸谷才一が、助詞「は」の「主格であること」が「はっきりわかる」例として引用されているだけで、議論の中で放置されている。しかし、この「は」は「年の内の春」と云う「お題」を作っているから「提題の『は』」だろう。対談のこのあたりで、丸谷才一は英文法的な発想に囚われていて、大野晋を手古摺らせている。
「元旦になる前に立春してしまっているではないか。今のことを「去年」と呼んだらよいのやら「今年」と呼んだらよいのやら」。

本記事は、極めて長文である [nouse: 大野晋・丸谷才一『日本語で一番大切なもの』引用文索引] (2008年3月1日[土]) から同一引用文に係る項目を分離独立させたもので、内容に実質的な変化はない。

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