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ももしきや古き軒ばのしのぶにもなほあまりある昔なりけり

作者:順徳院 出典:[百人一首]100/[続後撰和歌集18]1205
中公文庫版『日本語で一番大切なもの』p.74

地名に添える「や」から発展して、普通名詞に添える間投助詞「や」が出てきて、『新古今和歌集』では、普通名詞+間投助詞「や」の形が非常に多くなるが、この歌もそうした『新古今』時代の作。
「しのぶ」は「しのぶ草」と動詞「しのぶ」の両方が掛けてある。動詞「しのぶ」は「昔を偲ぶ」の意 (もともとは四段動詞、平安時代には上二段活用する例も出てきた)。

「しのぶ」は「隠す」を意味する上二段動詞である場合もあるが、その場合は連体形が「シノブル」となり、この歌の「しのぶにも」とは合致しない。

参考 (「シノブグサ」に「隠す」の意味の「しのぶ」が掛けてある例)
わが恋も今は色にや出でなまし軒のしのぶも紅葉しにけり (源有仁 [新古今和歌集11]1027)

本記事は、極めて長文である [nouse: 大野晋・丸谷才一『日本語で一番大切なもの』引用文索引] (2008年3月1日[土]) から同一引用文に係る項目を分離独立させたもので、内容に実質的な変化はない。

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