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玉くしろ卷き寝る妹もあらばこそ夜の長けくも嬉しかるべき

作者:不詳 出典:[万葉集12]2865/2877
中公文庫版『日本語で一番大切なもの』p.164

連体形で結ぶ「こそ」の係結びの例。

大野晋の説明と解:当初形容詞には已然形は存在せず、奈良朝から平安朝にかけて形成されていった。従って奈良朝では形容詞の已然形は十分発達しておらず、「こそ」の係結びにも、形容詞の場合は已然形ではなく連体形が使われた。
この歌でも、後世ならば、動詞風に「嬉しかるべけれ」となるところだが、まだ『万葉集』の時代には、こういう場合は「べけれ」という形が発達していなかったから「嬉しかるべき」という連体形で応じている。
「腕で抱いて寝る彼女でもいればこそ、夜の長いのも嬉しいだろうけれど...(自分一人で寝ているから夜の長いのは少しも嬉しくない)」。

本記事は、極めて長文である [nouse: 大野晋・丸谷才一『日本語で一番大切なもの』引用文索引] (2008年3月1日[土]) から同一引用文に係る項目を分離独立させたもので、内容に実質的な変化はない。

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