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おともせずなりもゆくかな鈴鹿山こゆてふ名のみ高くたちつつ

作者:読人しらず 出典:[後撰和歌集14]1041
中公文庫版『日本語で一番大切なもの』p.341

女から男に贈った歌。その返しが「越えぬてふ名をなうらみそ鈴鹿山いとどまぢかくならむと思ふを (読人しらず [後撰和歌集14]1042)」。「音」、「なり」、「鈴」、「高く」が縁語。「音」は「おとなひ」、「おとづれ」の「おと」。「なり」には「鳴る」と「事態が推移する」を掛けてある。詞書は「男のとはずなりにければ」。大意は「鈴鹿山をこえるくらいの『大変なことをした』と云う評判ばかりたかくなっているのに、あなたの「おとづれ」は頂かないままになり続けています」

参考 (鈴鹿山を越える):
  円融院の御時斎宮くだり侍りけるに、母の前斎宮もろともにこえ侍りて
世にふれば又も越えけり鈴鹿山昔の今になるにやあるらむ
(徽子女王 [拾遺和歌集8]495)

本記事は、極めて長文である [nouse: 大野晋・丸谷才一『日本語で一番大切なもの』引用文索引] (2008年3月1日[土]) から同一引用文に係る項目を分離独立させたもので、内容に実質的な変化はない。

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