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我のみや世をうぐひすとなきわびむ人の心の花とちりなば

作者:読人しらず 出典:[古今和歌集15]798
中公文庫版『日本語で一番大切なもの』p.129

「や」の用例。
大野晋による解:「あなたの心が花のように散ってしまって、私への思いを捨ててしまったならば、私だけは、世の中がつらいと泣いて力を落とすでしょうね」。
「世をうぐひす」と言う時には、「うぐひす」の「う」だけにかかるのか、あるいは、「憂し」にかかるのか、と云う丸谷才一の質問に対して、大野晋の回答は、「世をうぢ山と人はいふなり」では「世を」は語幹の「う」だけに係っているが、この歌の「世をうぐひす」では、「世を」は「うぐ」に係っていると看做すべきだが、それは長くかかるほうが自然だと云うことだけで、「う」だけに係ると考えてもよい。
私 ([ゑ]) なりにパラフレーズすると「あなたが私を思ってくれる心の花が散ったとしても、私の方はあなたを思い続けて、花を失った鴬が嘆き鳴くように、『この世は憂し』と嘆き泣くでしょうね」。

参考(『古今和歌集』での前後の歌):
色見えでうつろふ物は世中の人の心の花にぞ有りける (小野小町 [古今和歌集15]797)
思ふともかれなむ人をいかがせむあかずちりぬる花とこそ見め (そせい法師 [古今和歌集15]799)

本記事は、極めて長文である [nouse: 大野晋・丸谷才一『日本語で一番大切なもの』引用文索引] (2008年3月1日[土]) から同一引用文に係る項目を分離独立させたもので、内容に実質的な変化はない。

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