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たがために引きてさらせる布なれや世をへて見れど取る人もなき

作者:承均法師 出典:[古今和歌集17]924
中公文庫版『日本語で一番大切なもの』p.148

已然形の用法。「なれ」+「や」で「なれや」の場合。

「承均」は「そうく」または「ぞうく」。

吉野川の宮滝にある白い激流を布に見立てたものである(詞書:「吉野のたきを見てよめる」)。「この布は誰のために引いてさらしたと云うのだろう。長年見てきたが持っていった人はいなかった」。

大野晋の説明によれば、この歌は平安朝に入ってからの歌の形をしている。奈良朝だと、「や」の上には「誰」と云うような不定詞はとらない。

なお、「昔見し象(さき)の小川を今見ればいよよさやけくなりにけるかも (大伴旅人 [万葉集3]316/319)」(『日本語で一番大切なもの』p.28 参照) にも注意。

本記事は、極めて長文である [nouse: 大野晋・丸谷才一『日本語で一番大切なもの』引用文索引] (2008年3月1日[土]) から同一引用文に係る項目を分離独立させたもので、内容に実質的な変化はない。

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