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故郷も恋ひしくもなし旅の空みやこもつひのすみかならねば

作者:平重衡 出典:[平家物語10]海道下(かいどうくだり
中公文庫版『日本語で一番大切なもの』p.230

大野晋の説明:「も」は本来、不確定・不確実を表わすので、その後は否定や願望の言葉が続くことが多い。「故郷も恋ひしくもなし」でも、「も」の下が否定の言葉「なし」になっている。

参考 (『平家物語』[海道下]):
さらでもたびは物うきに、心を尽すゆふまぐれ、池田の宿にもつきたまひぬ。彼(かの)宿の長者、ゆやがむすめ、侍従がもとに其夜は宿せられけり。侍従、三位中将を見たてまッて、「昔はつてにだに思ひよらざりしに、けふはかゝるところに入らせたまふふしぎさよ」とて、一首のうたをたてまつる。
  旅の空はにふのこやのいぶせさにふる郷いかにこひしかるらむ
三位中将返事には、
  故郷もこひしくもなしたびのそらみやこもつひのすみかならねば
(岩波文庫『平家物語四』p.52)

本記事は、極めて長文である [nouse: 大野晋・丸谷才一『日本語で一番大切なもの』引用文索引] (2008年3月1日[土]) から同一引用文に係る項目を分離独立させたもので、内容に実質的な変化はない。

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