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2007年9月の5件の記事

一般相対論によるサニャック効果の導出

(2008-11-10[月]補足):本ブログにおける、「サニャック効果」に就いての、現時点における最終的な議論は [nouse: ホロノミー (holonomy) としてのサニャック効果 (Sagnac effect): 物理篇] である。これも参照されたい。

ウィキペディア中「サニャック効果」を扱った記事を4件、訳してみた。その結果は以下の通り (なお、対応する日本語版ウィキペディアの記事は「サニャック効果」である。):

しかし、そのどれにも、一般相対論によるサニャック効果の導出が説明されていない (英文版では、線素の計量を示しているのに、それ以上は記載していない)。これは、やや意外だったが、「『教科書』には載っていないのかな?」と思って、披いてみた [場の古典論] でアッサリ見つかったので、これはこれで、やはり意外だった。もっとも、「サニャック効果」と云う言葉は出てこないのだが。

そして一番意外だったのは (むしろ「呆れた」のは)、サニャック効果は、一般相対論の初歩的議論で説明可能であり、しかも (少なくとも現状では) それ以外に説得力のある説明は不可能であるらしいにも関わらず、ウィキペディアに限らず、「特殊相対論の枠組内での説明」と称するものとか、更には、実質的にガリレイ・ニュートン的な説明が横行していることだった。


以下、[場の古典論] や "Introduction to General Relativity" (1997 Schäfer, G.) を参考にして、一般相対論によるサニャック効果の導出法を簡単にまとめておく。

一言、付け加えおくと、私が持っている翻訳の [(増訂新版) 場の古典論] (1964年。東京。東京図書。原書の第4版に当たるらしい) は、サニャック効果に就いて説明している見開き2ページ (pp.306-307) の間に、明らかな誤植が3箇所あると云う「豪の者」だが、今 (原書第6版) では直っているかもしれない。何れにしろ、一目で分かる誤植なので、気にすることもあるまい。

2011-07-01[金]補足:[場の古典論]原書第6版の和訳では、サニャック効果は第10章第89節 (pp.283--284) に解説されている。誤植は3箇所とも訂正済みである。

まず、実際の計算の前に、一般相対論の初歩の初歩をお浚いしておこう。

そのために、一般的な記法に従って、線素の計量の2次形式を ds^2 = g_{ij} dx^i dx^j と書くことにする (ただし g_{ij} は計量テンソル。添字 i, j は、0 から 3 に亘る)。

更に よくある「お約束」だが、添字 0 は時間軸のためのものとする。更に g_{00} の符号は ds^2 = c^2 d\tau^2 = g_{00} (dx^0)^2, つまり d\tau = (1/c) \sqrt{-g_{00}}\, dx^0 が成り立つ (\tau は固有時) ように取ってあるものとする。

ここで、式を dx^0 の2次方程式として整理すると:

ds^2 = g_{00} \left(dx^0 + \frac{g_{0\alpha}dx^{\alpha}} {g_{00}}\right)^2 - \frac{\left(g_{0\alpha} g_{0\beta} - g_{\alpha\beta} g_{00}\right) dx^\alpha dx^\beta} {g_{00}}

になる (添字 \alpha, は、 1 から 3 に亘る)。

この線素が、space-like な間隔を結ぶものである場合、その空間間隔の2乗 dl^2 は、上記の2次方程式の最小値 (負になる) の符号を逆転させた

dl^2 = \left( g_{\alpha\beta} - \frac{g_{0\alpha}g_{0\beta}}{g_{00}} \right) dx^{\alpha}dx^{\beta}

となる。

さて、空間間隔であるから、線素の両端間には因果性と云うか、時間の前後関係が成立せず (どちらにしろ微妙な言い方だが、ここでは気にしないでおく)、適切な局所慣性系を選んで、そこに投影して考えるならば、線素の両端は同時事象として扱えるようにできる。しかし、元の時空多様体では空間の歪み (計量テンソル) に応じた同時性からのズレが生じる。それを補正するために考え出されたのが、所謂 "Einstein synchronization" で、その値は、上記の2次方程式の2根の値の差を半分にし、更に c で割った

\frac{1}{c} \cdot \frac{g_{0\alpha}dx^{\alpha}} {g_{00}}

になる (ちなみに、ミンコフスキー空間では、g_{0\alpha} 成分は全て 0 になるから、固有時のズレは発生しないと云う当然の結果が得られる)。この固有時のズレは、経路に沿って積分することが可能だが、一般的には、その値は経路に依存する。

これで、サニャック効果の計算の準備が整った。

サニャック効果を計算するために、その円盤の回転軸を中心軸とする円筒座標系(z: 中心軸、r: 中心軸からの距離、\theta: 特定の半径方向を基準とする中心軸周りの角度)を考える。英語版ウィキペディア中の [サニャック効果] (Sagnac effect) にも示されているように、円筒座標系では、回転系の線素の計量は、回転の角速度 (一定) を \omega として:

ds^2 = (c^2 - r^2 \omega^2)\, dt^2 - dr^2 - r^2 d\theta^2 - dz^2 - 2r^2 \omega \, dt \, d\theta

と表わせる。従って、この座標系での線素両端での同時刻事象の計時のズレは

\frac{1}{c} \cdot \frac{r^2 \omega  (1/c) \, d\theta}{(c^2 - r^2 \omega^2) \cdot (1/c)^2} = \frac{r^2 \omega \, d\theta}{c^2 - r^2 \omega^2}

となる。この計時のズレを、経路全体全体にわたって積分すると (議論を簡単にするため、経路は単純閉曲線で、その z=0 平面への射影も単純閉曲線とする。実用では、光を導く光ファイバはコイル状でありうるだろう)、

\oint{\frac{r^2 \omega \, d\theta}{c^2 - r^2 \omega^2}} = \frac{1}{c^2} \oint{\frac{r^2 \omega \, d\theta}{1 - \frac{r^2 \omega^2}{c^2}}}

ここで、回転系の回転速度が、十分 (r\omega/c \ll 1 であって、r\omega/c の2次以上の項が無視できる程度に) 小さいならば、積分は

\frac{\omega}{c^2} \oint{r^2} d\theta = \pm \frac{2\omega}{c^2} S

となる。ただし、S は経路の z=0 平面への射影面積。プラスとマイナスの符号は線積分の経路の方向に依存する。この線積分の方向は、サニャック効果にあっては信号の伝搬方向のことであるから、出発点に戻った2つの信号の固有時の時刻の差は

\Delta t \approx \frac{4\omega}{c^2} S


位相シフトとしては、光線の波長を \lambda として

\Delta \psi \approx \frac{4\omega}{c \lambda} S


となる。特に経路が、z 軸を中心とした半径 R の円ならば時刻の差は:

\Delta t \approx \frac{4\pi R^2 \omega}{c^2}

位相シフトは:

\Delta \psi \approx \frac{8\pi^2 R^2 \omega}{c \lambda}

となる。これで、サニャック効果を示す式が導出された。


以下は、余談である。

話柄は「サニャック効果は、特殊相対論で説明できる」と云う主張に関する。

例えば、フランス語版のウィキペディア "Effet Sagnac" ("Dernière modification de cette page le 13 septembre 2007 à 07:06." ただし、下記引用部分は、私が訳した "31 août 2007 à 09:20" のものと同じ) には、次のような箇所がある:

En réalité, l'effet Sagnac s'explique parfaitement dans le cadre de la Relativité Restreinte. Elle peut conduire à des difficultés et à des paradoxes si on n'a pas bien compris que l'invariance de la vitesse relative de la lumière (et d'une façon plus générale la symétrie des effets relativistes) concerne exclusivement les mouvements relatifs de translation à vitesse constante dans un espace-temps de Minkowski (et n'est valide que localement si on passe en Relativité Générale).
実際には、サニャック効果は特殊相対論の枠組内で完全に説明できる。光の相対的速度の不変性 (そして、より一般的には、相対論的効果の対称性) が、ミンコフスキー時空内での一定速度での相対的並進運動のみに係ること (一般相対論に移行するなら局所的でのみ成立するものであること) を充分に理解していないと、特殊相対論は混乱と矛盾とに迷いこむことがあるのである。

酷なことを言うようだが、この文章は支離滅裂だ(実は、フランス語版ウィキペディアの "Effet Sagnac" は、まとまりの悪い箇所が多く、訳していてしばしばウンザリした)。要するに「サニャック効果は、一般相対論を考慮に入れれば、特殊相対論の枠組内で完全に説明できる」と云う話の持って行き方で、「特殊相対論の枠組内で完全に説明できる」ことを強調したかったのだろうが、実際に表現されていることは、「サニャック効果は、特殊相対論の枠組内で完全に説明できるが、一般相対論を考慮に入れれなければ、特殊相対論の枠組内では完全には説明できない」になってしまっていて、論理として破綻している。あっさりと、「サニャック効果は、一般相対論の枠組でなければ、完全には説明できない」と書くべきだったのだ。

このほかにも、岩波の [理化学辞典] (第5版 1998年。東京。岩波書店) の [サニャック効果] の項 (p.517) には

回転座標系で回転方向にそって光が1周する時間と, 逆方向に1周する時間とに差があることをいう。慣性系に対する角速度 \Omega, 1周する経路で囲まれる面積を S とすれば、回転速度が非相対論的な場合の近似で, これら2方向での時間の差は 4S\Omega /c^2 となる。この効果は特殊相対性理論の効果で、サニャック, G. が回転する円板にすえられた光学系で効果を実証した (1912).

と、ハッキリ「特殊相対性理論の効果」と書いてあったりする...

もう一つ例を挙げておこう、日本語版ウィキペディアの [サニャック効果] (最終更新 2007年5月1日 (火) 17:48) では「サニャック効果」を

光路中を進む光の速度がその光路の運動に関係なく一定である(相対性理論)為に、光路の運動によって光路の長さが変わったかのように見える現象である。 角速度と位相シフトの関係を観察するための最初のリング干渉計の実験は、フランス人Georges Sagnacによって、1913年に行われ、その結果、彼にちなんでサニャック効果と名づけられた。

と説明しているが、[理化学辞典] とは異なり、回転座標系と慣性系の区別がされておらず ([理化学辞典] の記述は、サニャック効果が「特殊相対性理論の効果」だと憶断している以外は無難なものだ)、意味が取りづらいが、「光路中を進む光の速度がその光路の運動に関係なく一定」と云う言い方は、慣性系の視点であるらしいと思える一方、「光路の運動によって光路の長さが変わったかのように見える」は、回転座標系の視点であるらしいと受けとられることを考えあわせると、恐らく (「原因」が慣性系側の視点で捉えられているらしいことから)、サニャック効果は特殊相対論的であると云うことなのだろう。ついでに書いておくと、この説明では、「リング干渉計」に就いての言及があるとはいえ、信号が「出発点」に戻ると云う、サニャック効果にとり本質的な前提が曖昧になっている。

ここで一点重要な注意をしておくと、この説明からにしろ、[理化学辞典] の記載からにしろ (それどころか、一般相対論を「密輸入」したのではない、純粋に特殊相対論的な「説明」は全てそうではないかと思うのだが)、サニャック効果が光以外にも、音波や物質波でも成り立つと云う所謂「サニャック効果の普遍性」の導出は勿論、そこへの接点さえも見いだせない。

しかし、上記の [一般相対論による導出] から見て取れるように、サニャック効果の本質は、「加速度系/重力場」において、ある点から出発した [対象] が、その「出発点」に戻ってきた時に、対象の固有時による時刻と出発点での固有時による時刻とに差が発生すると云うものだ(通常のサニャック効果の場合、[対象] つまり波動信号が2つあって、逆向きに経路を進むため、固有時の差が2倍になる)。

サニャック効果では、加速度系の中を閉曲線に沿って移動する対象の固有時が問題になっているのだが、一般相対論の立場 (アインシュタインの等価原理) では、加速度系と等価である重力場の中を閉曲線に沿って移動する対象の振る舞いが問題となる事象が存在する。それは、惑星の近日点移動である。太陽の周りを公転する惑星 (歴史的に注目されたのは水星だが) は、重力場ポテンシャルの影響で、軌道上に定めた一点 (歴史上は近日点が問題になった) に復帰するのに、軌道を 2\pi を越える角度移動しなければならないのだ。

つまり、サニャック効果は、惑星の近日点の移動と同種なのだ。勿論、線素が異なるから、安易な類比は謹むべきだろうが、それでも、サニャック効果において円盤の回転方向と同じ方向に進む信号と同様、惑星もまた、トラックを一周してスタート=ゴールに戻ってきたと思ったら、試合途中にゴールが少し先に引き直されていたランナーのような目にあっていると考えて良いかもしれない。

ついでに、惑星の近日点移動の式を、ここに書き留めておこう ([場の古典論] や、英文版ウィキペディアの "Kepler problem in general relativity" (last modified 00:39, 17 August 2007) で採用されている形式):

\Delta \varphi \approx \frac{6\pi G M}{c^{2} A \left( 1 - e^{2} \right)}

ただし、ここで \Delta\varphi は、惑星周回毎の近日点の移動量 (ラジアン)、 G は万有引力定数、M は太陽質量、A は軌道の長軸半径、e は軌道の離心率である。この式をケプラーの第3法則を用いて、太陽質量及び万有引力定数が見えなくなるように書き換えると:

\Delta \varphi \approx \frac{24\pi~3 A^2}{c^{2} P^2 \left( 1 - e^{2} \right)}

ただし、P は惑星の公転周期である (アインシュタインの [相対論の意味] では、こちらの形が採用されている)。

殆ど悪戯に近いが、ここで惑星の軌道が真円だった場合を考えてみよう。すると、離心率 e は O になり、軌道の長軸半径は、円の半径になるから、軌道が描く円の面積を S とし、惑星公転の角速度を \omega とすると、惑星周回毎の「近日点」(と呼べるものは、もはや存在しないが、公転の周回をはかる基準の出発点を決めて、それ) の移動量は:

\Delta \varphi \approx \frac{6 \omega^{2}}{c^{2}} S

時間に換算すると、\omega が一つ取れて:

\Delta t \approx \frac{6 \omega}{c^{2}} S

となり、サニャック効果と結構似てきてしまうのだ。もっとも、サニャック効果と惑星の近日点移動では \omega の物理的内容が異なっている --と云うか、回転座標系の計量と、シュヴァルツシルト計量(Schwarzschild metric) とが全く異なっているから-- 単に「似ている」と云うだけのことなのだが...

ちなみに、シュヴァルツシルト計量の線素は、極座標で表現して
c^2 {d \tau}^{2} = <br />
\left( 1 - \frac{r_{s}}{r} \right) c^{2} dt^{2} - \frac{dr^{2}}{1 - \frac{r_{s}}{r}} - r^{2} d\varphi^{2} - r^{2} \sin^{2} \varphi \, d\theta^{2}<br />
ただし、ここで、\varphiz 軸からの角度、また r_{s} = \frac{2GM}{c^{2}} はシュヴァルツシルト半径。


実は、サニャック効果の論理構造は、[双子のパラドクス] とも似ていることも注意しておいて良いだろう。ただし、むしろ「似て非なる」と言っておいた方が良いかもしれない (2008-04-16 [水] 補足:この記述に関しては「nouse: 等角速度円運動の旅行者における「双子のパラドクス」 (2008年3月24日 [月])」を参照されたい)。[双子のパラドクス] では、航行者の速度が真空中の光の速度に対して (正確に言えば、v/c の2次の項が) 無視できないほど速くなってから、十分長い間航行した後、折り返し点のみで加速度が発生するようになっているが、サニャック効果では、v/c の2次以上の項は無視されるし、また、後述のようにサニャック効果のポテンシャルは、それほど素朴なものではないからだ。

上記「折り返し点のみで加速度が発生する」に対し付言しておくと、[双子のパラドクス] の構成には、航行者が [出発点/終着点] において [停止している/する] 必要はないから、[出発点/終着点] での [加速/減速] は、議論の本質とは関係ないので、なくても構わない。さらに、もし、[出発点/終着点] での [加速/減速] を行なうものとして計算に繰り入れたとしても、[出発点/終着点] では、ポテンシャルとしては小さいから、結果に影響しない。

ちなみに、英文版ウィキペディアの "Twin paradox (last modified 09:14, 16 September 2007) の節 "Accelerated rocket calculation" 中ので行なわれている、ロケットに搭載されてる時計の経過時間の計算は、[出発点/終着点] での [加速/減速] による寄与と、折り返し点での [加速/減速] による寄与を同一に見積もっており、私には理解不能である (...と云う「婉曲語法」は、この文章では通じないかもしれないので、ハッキリ書いておくと、私には「御託」を並べているとしか見えない)。

贅言すれば、[双子のパラドクス] は、たとえ、航行者が真空中の光速度に比較可能な (comparable) 程度の速度に達した上で、更に十分遠く迄 (「お話し」としては「光年」単位の彼方に) 行ってから折り返して来なければ、残留者との「年齢のとり方」の違いが目立たず、パラドクスとして精彩に欠けるものになってしまうが、サニャック効果は、ナビゲーションシステムとして実用可能となる程の短い経路で観測可能になる。

特殊相対論と一般相対論とは、排除しあうものではないと云う当たり前の事 (「世界地図帳」と「地球儀」の一方が「正しい」とか「優れている」とか言いたてて、他方を発売禁止にするのは馬鹿げている) をわざわざ言いたくはないのだが、以下のことを言う前に、「そうなのだ」と念を押しておいてから話を続けると、「[双子のパラドクス] は、特殊相対論では説明できず、一般相対論で初めて説明できる」と云うコンテキストや、「水星の近日点移動の解明によって一般相対論の正しさが実証された」と云ったコンテキストでは、サニャック効果は優れて「一般相対論的」である。

しかし、大切なのは、特殊相対論で説明した方が解かりやすければ、特殊相対論で説明すればよく、一般相対論で説明した方が解かりやすければ、一般相対論で説明すればよいだけと云うことだ。

さて、最後にサニャック効果を私なりに定式化して、それが一般相対論の文脈で解釈したほうが自然だと云うことを示しておく。とは言え、別段突飛な話をするつもりはない。

サニャック効果は、円筒座標系における線素

ds^2 = (c^2 - r^2 \omega^2)\, dt^2 - dr^2 - r^2 d\theta^2 - dz^2 - 2r^2 \omega \, dt \, d\theta

における Einstein synchronization \frac{1}{c} \cdot \frac{g_{0\alpha}dx^{\alpha}} {g_{00}} ヨリ具体的には \frac{r^2 \omega \, d\theta}{c^2 - r^2 \omega^2} を閉経路に沿って積分して結果であることは説明した通りである。

さて、まず古典的なポテンシャルが存在しない回転座標系内で運動する物体 (静止質量 m) の非相対論的なラグランジアン (Lagrangian):

L = \frac{mv^2}{2} + m \bm{v} \cdot ( \bm{\Omega} \times \bm{r} ) + \frac{m}{2} ( \bm{\Omega} \times \bm{r} )^2


を考える。ここで、\bm{r}, \bm{v}, \bm{\Omega} は、それぞれ、運動物体の位置、速度、及び角速度を表わすベクトルである。また、言うまでもなかろうが、\cdot\times とは、それぞれベクトルの内積と外積を表わす。

この運動の古典力学的な作用積分と、相対論的な作用積分との対応を考えてみよう。

一般に作用積分はラグランジアンの時間積分になるわけだが、相対論的には、物体の速度が 0 であっても、その物体の静止エネルギーの符号を逆転させた -mc^2 がラグランジアンに残っていなければならない (運動する粒子のエネルギーには、ラグランジアンの減算が含まれることに注意)。そこで、上記の回転座標系内で運動する物体のラグランジアンにも定数 -mc^2 を加えて:

L = -mc^2 + \frac{mv^2}{2} + m \bm{v} \cdot ( \bm{\Omega} \times \bm{r} ) + \frac{m}{2} ( \bm{\Omega} \times \bm{r} )^2

としてから (このラグランジアンもまだ古典力学的である)、その作用積分を求めると:

\int L dt = -mc \int \left( c - \frac{v^2}{2c} - \frac{\bm{v} \cdot ( \bm{\Omega} \times \bm{r} )}{c} - \frac{( \bm{\Omega} \times \bm{r} )^2}{2c} \right) dt


になる。

一方、局所ミンコフスキー時空における自由質点 (つまり、測地線に沿って運動する質点) の特殊相対論的な作用積分は

- mc \! \int \! ds

で与えられるから、非相対論的なラグランジアンから構成した

\left( c - \frac{v^2}{2c} - \frac{\bm{v} \cdot ( \bm{\Omega} \times \bm{r} )}{c} - \frac{( \bm{\Omega} \times \bm{r} )^2}{2c} \right) dt

は、世界間隔 ds と対応する。従って、上記の式の2乗は、c \to \infty の時、世界間隔の2乗

ds^2 = (c^2 - r^2 \omega^2)\, dt^2 - dr^2 - r^2 d\theta^2 - dz^2 - 2r^2 \omega \, dt \, d\theta

と一致する筈である。

計算を行なってみると、実際に一致することがわかるが、その際、古典的なラグランジアンにおける遠心力の項 \frac{( \bm{\Omega} \times \bm{r} )^2}{2c} は、線素第1項 dt^2 の係数の計量テンソル中の r^2 \omega^2 に対応し、コリオリの力の項 \frac{\bm{v} \cdot ( \bm{\Omega} \times \bm{r} )}{c} は、線素第5項 (最終項) dt d\theta の係数 r^2\0mega に対応することが分かる (ラグランジアンの \frac{v^2}{2c} には 線素第2項の係数 1 と線素第3項 d \theta^2 の係数 r^2 が対応する)。

サニャック効果は、r^2 \omega^2c^2 に対して無視できる程小さい (つまり、遠心力ポテンシャルが十分弱く無視可能である) ことが前提とされている。この場合、分母は c^2 で置き換えられる。これは、つまり、サニャック効果に寄与しているのは、コリオリ力のポテンシャルだけだと云うことである。

実際に、式で確かめてみよう。簡単のため、半径 R の円盤が角速度 \Omega で回転しており、その周囲を角周波数 f_a の波動信号が速度 V で伝搬しているものとする。

上記のラグランジアンから分かるように、この場合、コリオリの力を発生させる「ポテンシャル」は \pm V\! R\Omega である (信号の伝搬方向が、円盤の回転方向と一致するばあい符号はマイナス、反対方向ならばプラスになる)。

ここで、一般相対論の効果として著名な「重力場での時間の遅延」を適用する。この「重力場での時間の遅延」とは、具体的には、弱いポテンシャル \phi がある場の固有時間は、慣性系の固有時間に比して、ほぼ

\left(1 + \frac{\phi}{c^2} \right)

倍になると云うものである。従って、円盤の周囲を円盤と同一方向に進行する信号の固有時間は、慣性系上の観測者の固有時間に対して、 ほぼ

\left(1 - \frac{V\! R\Omega}{c^2} \right)

倍になる。逆に、円盤の周囲を円盤とは逆方向に進行する信号の固有時間は、慣性系の観測者上の固有時間に対してほぼ

\left(1 + \frac{V\! R\Omega}{c^2} \right)

倍になる。従って、円盤の一周した後のそれぞれの信号の固有時間は、出発点に静止している観測者 (慣性系に居る観測者と、円盤上に静止している観測者の固有時間の差は、サニャック効果の立場からは無視できる) の固有時に対して、ほぼ

\pm \frac{V\! R\Omega}{c^2} \times \frac {2\pi R}{V} = \pm \frac{2\pi R^2 \Omega}{c^2} = \pm \frac{2 \Omega}{c^2}S

となる (ただし、S は円盤の面積)。これから、両信号の到達時間の差

\frac{4\Omega}{c^2}S

が、得られる。

同じことを、信号の位相で考えると、この場合適用すべき一般相対論的効果は、「重力場での赤方偏移」である。信号の角周波数 f_a とすると、弱いポテンシャル \phi がある場の角周波数は、ほぼ

\left(1 - \frac{\phi}{c^2} \right)\! f_a

だから、円盤と同一方向に進行する信号の角周波数は、ほぼ

\left(1 + \frac{V\! R\Omega}{c^2} \right)\! f_a

となる(つまり、実際には所謂「青方偏移」になっていることに注意)。また、円盤とは逆方向に進行する信号の角周波数は、ほぼ

\left(1 - \frac{V\! R\Omega}{c^2} \right)\! f_a

従って、円盤の周囲を一周した後、それぞれの信号の位相は、ほぼ

\pm \frac{V\! R\Omega}{c^2}\cdot f_a  \cdot \frac{2\pi R}{V}= \pm \frac{2S\Omega}{c^2}f_a

ズレる。この最後の式は f_a = 2\pi V/\lambda (\lambda は波長) を使って、

\pm \frac{2S\Omega}{c^2}\cdot \frac{2\pi V}{\lambda} = \pm \frac{4\pi S\Omega}{c\lambda}\cdot\frac{V}{c}

となる。ここで、信号が光であった場合は V=c だから

\pm \frac{4\pi S\Omega}{c\lambda}

となる。最終的には両信号の位相差は

\frac{8\pi S\Omega}{c\lambda}

となって、信号が光の場合のサニャック効果を表わす式が得られる。

しかし、式の導き方から分かるように、波動は光である必要はない (「サニャック効果の普遍性」)。そこで、波動が物質波 (ド・ブロイ波 "de Broglie 波") である場合の式を求めてみよう。

良く知られているように、質量 m が速度 v で運動している粒子の物質波の波長は、プランク定数を h として、\lambda = \frac{h}{mv} である。さらに、物質波の位相速度 V と、粒子の速度 (つまり、物質波の群速度) v との間には、関係 V \cdot v = c^2 が成り立つから、物質波について円盤周回後の位相のズレを計算すると、

\pm\frac{4\pi S\Omega}{c\lambda}\cdot\frac{V}{c} = \pm\frac{4\pi S\Omega}{(c^2/V)\cdot \lambda} = \pm\frac{4\pi S\Omega}{v \cdot (\frac{h}{mv})} = \pm\frac{4\pi mS\Omega}{h}

となる。この式は、

\pm\frac{2mS\Omega}{\hbar}

と書くこともできる。

つまり、サニャック効果の本質は、回転座標系中を進行する波動がコリオリ力のポテンシャルより、座標の回転と同一方向に進む場合は青方偏移、反対方向に進む場合は赤方偏移を受けることにあるのだ。

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オランダ語版ウィキペディア "Sagnac-effect" 訳文

以下はオランダ版版ウィキペディア中の [サニャック効果] の項 [Sagnac-effect (laatst bewerkt op 7 jul 2007 om 13:22.)] の訳文であるただし、オランダ語版でのカテゴリ等、編集上のタグは原則として採用していない)。なお、訳文部分の著作権は、原文と同様 [GNU Free Documentation License] に従う。


サニャックが使った干渉計

Het Sagnac-effect is de faseverschuiving die optreedt als een systeem van twee tegengesteld roterende golven in zijn geheel een rotatie ondergaat. Het is genoemd naar de Franse natuurkundige Georges Sagnac die het effect voorspelde en aantoonde in 1913. Dit effect wordt onder andere gebruikt om rotatie te meten voor navigatiedoeleinden.
サニャック効果」は、2つの逆向きに周回している波動の組が全体として回転する場合に、発生する位相シフトである。その名称は、この効果を、最初に予測し実証してみせた (1913 年) フランスの物理学者ジョルジュ・サニャック (Georges Sagnac) によっている。この効果は、とりわけ、ナビゲーション・システムにおいて回転検出のために利用されている。

[[訳註:"navigatiedoeleinden" の意味が確認できていない。一応「ナビゲーション・システム」と訳しておく。]]

Geschiedenis
Huygens-Fresnel
De Nederlandse natuurkundige Christiaan Huygens ontdekte al dat licht uit golven bestaat. Isaac Newton beweerde echter dat licht uit deeltjes bestond. Deze theorie werd algemeen aanvaard, tot experimenten van Thomas Young en Augustin-Jean Fresnel begin 19e eeuw Huygens' golftheorie bevestigde.
歴史
ホイヘンスからフレネルへ
オランダの物理学者クリスティアーン・ホイヘンス (Christiaan Huygens) は、光が波動からなることを発見していたが、アイザック・ニュートン (Isaac Newton) は、光が粒子からなると主張した。この理論は、19 世紀初頭にトマス・ヤング (Thomas Young) とオーギュスタン・ジャン・フレネル (Augustin-Jean Fresnel) とによる実験がホイヘンスの波動論を裏付けるまで、広く受け入れられていた。

Aangezien golven een medium nodig hebben om zich te verplaatsen, zoals lucht voor geluid en water voor deining, dacht men dat voor licht dit medium ether zou zijn. Ook de aarde zou zich volgens deze theorie door de ether bewegen.
音には空気、波には水のように、波動は、伝搬するのに媒質を必要とするから、光にとってエーテルがこうした媒質であるはずだと考えられた。しかも、この理論によれば、地球自身がエーテル内を通過している。

Maxwell
In 1865 formuleerde James Clerk Maxwell zijn vier natuurkundige wetten van het elektromagnetisme, de theorie van elektrische en magnetische velden en elektromagnetische straling; de Wetten van Maxwell. In 1888 werden deze bevestigd door experimenten van Heinrich Hertz. Hieruit bleek dat licht een elektromagnetische golf is. Volgens deze wet planten alle elektromagnetische golven in een vacuüm zich voort met de snelheid c.
マクスウェル
1965 年、ジェームズ・クラーク・マクスウェル (James Clerk Maxwell) は、電場・磁場・電磁波の理論である電磁気学に関する4つの物理法則 (マクスウェルの法則) を定式化した。1888 年、これらの法則は、ハインリヒ・ヘルツ (Heinrich Hertz) の実験により裏付けられた。このことから、が電磁波であることが明らかとなった。この法則によれば、全ての電磁波は、真空中において光速度 c で伝搬する。

Michelson-Morley
De beweging van de aarde door de ether zou het mogelijk moeten maken om een verschil in de snelheid van het licht te meten. Aangezien de aarde zich rond de zon beweegt, moet er in ieder geval een relatieve beweging ten opzichte van de ether zijn, tenzij de aarde het middelpunt van het heelal zou zijn, een theorie die al eeuwen achterhaald was. Metingen van de lichtsnelheid waren echter dusdanig onnauwkeurig dat een verschilmeting onmogelijk was.
マイケルソン-モーリー
地球のエーテル内通過に応じて、光の速度の違いが測定されるべき筈であった。地球は太陽の周りを公転しているから、地球が宇宙の中心であるべきものであると云う全く何世紀も時代遅れの理論が成り立っていない限り、いずれにせよ、エーテル存在に関する相対的運動がなければならない。しかし、光の速度の測定が、まことに不正確なものであったため、違いの測定は不可能であった。

Met het beroemde Michelson-Morley-experiment uit 1887 werd dit probleem opgelost door de lichtgolven met zichzelf te vergelijken. Dit werd gedaan met een interferometer waarbij licht met behulp van spiegels verschillende banen dwars op elkaar te laten volgen. Het licht dat zich in dezelfde richting beweegt als de aarde - die zich met plm. 30 km/sec rond de zon beweegt - zou een snelheidsverschil moeten hebben ten opzichte van het licht dat zich daar dwars van beweegt. Dit snelheidsverschil zou in de interferometer een faseverschuiving opleveren die zich zou uiten in een verandering van het interferentiepatroon. Deze verschuiving werd echter niet waargenomen, tot verrassing van velen, waaronder Albert Michelson en Edward Morley zelf.
1887 年以降の有名なマイケルソン・モーリーの実験 (Michelson-Morley-experiment) により、この問題は、光の波動を自分自身と比較させることで解決された。この実験は、鏡の助けを藉りて、光が交差する別別の軌道をとるようにされた干渉計により行なわれた。太陽の周囲を約 30 km/s で移動している地球と同じ方向に進行する光は、交差する方向に進行する光に対して異なる速度を有する筈である。この速度のズレは、干渉計において、干渉縞の変化として現われる位相シフトを引き起こねばならない。しかし、このズレは確認されず、アルバート・マイケルソン (Albert Michelson) 及びエドワード・モーリー (Edward Morley) 自身を含め、多くの人びとを驚かせた。


[[訳註:"waarbij licht met behulp van spiegels verschillende banen dwars op elkaar te laten volgen"
waarbij: (関係副詞)
met behulp van: 「の助けを藉りて」
op elkaar: 「重なって」
verschillend: 「異なった」、「様ざまな」
banen: baan (「軌道」) の複数形。
dwars: 「横切った」
op elkaar: 「重なって」
]]
[[訳註:"plm" は "plus minus" 又は "plusminus" の略語。概数を表わす「約」。オランダ語特有?]]

Sagnac
Nieuwe theorieën moesten dit fenomeen verklaren. George FitzGerald in 1889 en Hendrik Lorentz in 1892 kwamen onafhankelijk van elkaar tot de Lorentz-FitzGerald contractie hypothese, waarop Albert Einstein later zijn speciale relativiteitstheorie baseerde.
サニャック
新しい理論で、この現象を説明する必要があった。1889 年にはジョージ・フィッツジェラルド (George FitzGerald) が、そして、1982 年には、ヘンドリック・ローレンツ (Hendrik Lorentz) が、互いに独立して、ローレンツ-フィッツジェラルド収縮仮説に到達したが、これは、後にアルベルト・アインシュタイン (Albert Einstein) が、彼の特殊相対論の基礎としたものだった。

Een andere theorie was de emissie theorie van Walter Ritz. Volgens deze theorie is de snelheid van het licht relatief ten opzichte van de snelheid van de lichtbron. In 1913 publiceerde Willem de Sitter de bevindingen van zijn observaties van dubbelsterren. Hij had bij geen van de sterren de optica|optische effecten waargenomen die uit de theorie van Ritz volgden.
この他に、ワルテール・リッツ (Walter Ritz) による「放射理論」と云う物もあった。この理論に従えば、光の速度は、光源の速度に対し相対的である。1913 年、ウィレム・ド・ジッター (Willem de Sitter) は、連星に間する観測結果を発表した。どの星にも、リッツの理論に従った光学的効果と認められるものはなかった。

Al tussen 1893 en 1896 had Oliver Lodge het idee en de vergelijkingen van het Sagnac-effect. Hij liet een zware schijf roteren boven zijn interferometer die op zandsteen was geplaatst, zodat eventuele ether drag gedetecteerd kon worden. Ook bij zijn experiment trad geen faseverschuiving op, wat de ether drag theorie tegensprak.
既に 1893 年から 1896 年の間に、オリバー・ロッジ (Oliver Lodge) は、サニャック効果と類似したものを着想していた。彼は、発生するかもしれない「エーテルの引きずり (エーテルドラッグ)」が検出できるように、砂岩上に設置した干渉計の上方で重い円盤を回転させた。この実験でも、位相シフトは起こらず、エーテルドラッグ理論は否定された。

[[訳註:"het idee en de vergelijkingen van het Sagnac-effect" が、どうもピンとこないのだが、一応訳を当てておく。]]

In 1913 voerde Sagnac zijn experiment uit waarbij hij zijn interferometer zelf liet roteren, met 2 Hz. Volgens de emissietheorie zou er geen faseverschuiving optreden, aangezien de lichtbron met dezelfde snelheid ronddraaide als de detector. Dat er toch een faseverschuiving werd waargenomen betekende samen met de bevindingen van De Sitter het einde van de emissietheorie.
1913 年、サニャックは、干渉計自体を 2 Hz で回転させる実験を実施した。光源は、検出器と同一速度で回転している訣だから、放射理論によれば、位相シフトは発生しない筈だった。しかしながら、位相シフトは観測され、このことは、ド・ジッターによる結果と併せて、放射理論の破綻を意味した。

Sagnac had de faseverschuiving juist wel verwacht, op basis van de klassieke natuurkunde. Hij beschouwde zijn resultaten als een bewijs van het bestaan van ether. Speciale relativiteit en algemene relativiteit impliceren echter evenzeer dat het Sagnac effect zal optreden. Met andere woorden, het Sagnac effect is zo fundamenteel dat het een gemeenschappelijk fenomeen is van klassieke mechanica en relativistische mechanica.
サニャックは、古典物理学を根拠にして、位相シフトを正にその通りに予測していた。彼は、この結果を、エーテルの存在の証拠とみなした。それにも関わらず、特殊相対論と一般相対論とのどちらからでも、サニャック効果が起こるべきことが導かれる。換言すれば、サニャック効果は、極めて基本的であるために、一つの同じ現象が、古典力学的でも、相対論的力学的でもあるのだ。

Achteraf bleek dat Franz Harress het effect al in 1911 had waargenomen tijdens onderzoek naar Fresnel drag, maar hij schreef het effect aan iets anders toe. Uit zijn experimenten bleek wel dat het effect niet beïnvloed werd door refractie.
後に明らかになったことだが、既に 1991 年に フランツ・ハレス (Franz Harres) が、フレネルドラッグの研究中に、この効果を観測していた。しかし、彼は、この効果の原因を見損なってしまった。この実験から、この効果が屈折に影響されないことが判明した。

[[訳註:"toe|schrijven" 「(...に)帰する」]]

Michelson
In 1925 had Michelson samen met Henry Gale een interferometer gebouwd bij Clearing, Illinois in de Verenigde Staten om de aardrotatie te meten. De afmetingen waren 2010 bij 1113 voet waarbij gebruik werd gemaakt van waterleiding pijpen met een diameter van 12 inch die waren geëvacueerd tot een vauüm van 12 mm kwikdruk. Het experiment bevestigde de verwachte verschuiving van het interferentiepatroon overeenkomend met de aardrotatie.
マイケルソン
1925 年、マイケルソンは、ヘンリー・ゲール (Henry Gale) とともに、地球の自転を測定するため、米国イリノイ州クリアリング近郊に干渉計を建造した。その大きさは、2010×1113 フィートで、12 mmHg まで減圧した直径 12 インチの送水管が用いられた。この実験は、地球の自転に応じて存在すると予測されていた干渉縞のシフトを確認した。

Laser
Met de uitvinding van de laser in 1960 kreeg de optische Sagnac-interferometrie een nieuwe impuls. Militaire en commerciële toepassingen - zoals het ring laser gyrokompas en later het fibre optic gyrokompas, onder andere voor gebruik in traagheidsnavigatie - zorgden voor een enorme technische vooruitgang.
レーザー
1960 年のレーザー発明は、光学的サニャック干渉測定にとり、新たな刺激となった。軍事上及び商業上の利用--例えば、リング・レーザー・ジャイロスコープ及び、その後の光ファイバジャイロコンパス (特に慣性誘導装置 で利用されるもの)--は、巨大な技術的進展を引き起こした。

Opvallend hierbij is dat Sagnac zelf al toepassingen zag voor het naar hem vernoemde effect voor navigatiedoeleinden. Met behulp van drie interferometers - met een oppervlakte van tientallen vierkante meters - zouden de drie rotatie-assen gemeten kunnen worden, het slingeren, stampen en gieren.
ここで注目すべきなのは、サニャック自身が、彼に因んで名付けられたこの効果をナビゲーション・システムに利用することを、既に予想していたことである。数十平方メートルの面積を有する干渉計3つの助けを藉りれば、横揺れ (ローリング)、縦揺れ (ピッチング)、左右揺れ (ヨーイング) の3つの回転軸での測定が可能となる筈だと云うものだった。

Werking
Het Sagnac-effect treedt op in een roterende Sagnac-interferometer. Voor rekenkundig gemak wordt er in dit voorbeeld vanuit gegaan dat het licht volgens een cirkel loopt. Vanuit een lichtbron komt een lichtstraal met golflengte λ in de ring bij punt P waar het gesplitst wordt in beide richtingen. Als de spoel stationair is, is de af te leggen afstand gelijk voor beide lichtstralen, zodat ze beide tegelijk bij P arriveren en de ring weer verlaten zonder faseverschuiving.
動作
サニャック効果は、回転するサニャック干渉計において発生する。計算を簡単にするために、この例では、光が円に沿って進むものとする。光源から来た波長 λ の光線は、点 P でリングの中に入り、そこで2つの方向に分割される。回動台が静止している場合、双方の光線が進むべき道のりは等しいから、両光線は P に同時に到達して、位相シフト無しにリングから出ていく。

[[訳註:"Er wordt vanuit gegaan dat ..." は、「dat 節の内容を仮定する」の意。"Online Dutch Grammar Tutorial:'Er' as a subject" 参照]]
[[訳註:"spoel" は「回動台」と訳しておく。]]


Een observator die niet meedraait met de interferometer neemt geen frequentieverandering waar, alleen het faseverschil. De lichtstraal die in dezelfde richting draait als de interferometer, rood in dit voorbeeld, moet een langere weg afleggen dan de tegengesteld draaiende lichtstraal, blauw in dit voorbeeld. Voor de duidelijkheid is hier een hoekverandering van 30º gekozen, wat een extreem grote waarde is, aangezien de lichtsnelheid zo groot is.
干渉計とともに回転していない観測者は、周波数の変化を認識せず、ただ位相シフトのみを認識する。干渉計と同一回転方向に進行している光線 (例図では赤で表示) は、逆向きの回転方向に進行している光線 (例図では青で表示) よりも長い道のりを進まねばならない。光の速度は非常に大きいので、解かりやすくするために、ここでは角度変化は、極端に大きな値である 30º に選択された。
[[訳註:"meedraait" (meedraaien) は、当然「ともに回転する」と云う意味だろう。]]


Als de ring bijvoorbeeld in de richting van de klok beweegt, dan zal de lichtstraal die in dezelfde richting beweegt een grotere afstand afleggen dan de lichtstraal die zich in de tegengestelde richting beweegt. Hierdoor hebben ze een faseverschil φs, het Sagnac-effect.
リングが、例えば、時計周り方向に回転している場合、同一方向に進行する光線は、逆方向に進行する光線よりも長い道のりを進まねばならない。このために、両光線では、サニャック効果 φs 分だけ位相シフトが起こる。

Een meedraaiende observator neemt niet alleen een faseverschuiving waar, maar ook een frequentie-verandering. De lichtstraal die in dezelfde richting draait als de interferometer, moet een langere weg afleggen en krijgt een lagere frequentie of roodverschuiving. De tegengesteld draaiende lichtstraal legt een kortere weg af en krijgt een hogere frequentie, of blauwverschuiving. Paars en groen zijn de lichtstralen bij een stilstaande interferometer. ともに回転している観測者は、位相シフトだけではなく、周波数の変化も認識する。干渉計と同一回転方向に進行している光線は、ヨリ長い道のりを進みまねばならず、低い周波数、つまり赤方偏移の周波数を獲得する。逆向きの回転方向に進行している光線は、ヨリ短い道のりを進み、高い周波数、つまり青方偏移の周波数を獲得する。干渉計が静止している場合の光線は、紫と緑とで表示してある。

Faseverschuiving
Het licht dat zich in dezelfde draairichting beweegt als de ring, legt een iets langere weg af dan het licht dat zich in de tegenovergestelde richting beweegt. Het arriveert dus later in P.
位相シフト
リングと同一回転方向に進行する光は、反対回転方向に進む光よりも道のりが若干長いため、P に到達するのが遅れる。

De groene staande golf wordt waargenomen bij een stilstaande ring en door een stationaire observator. Een meedraaiende observator zal twee verschillende frequenties waarnemen zodra de ring roteert. Er treedt een roodverschuiving op bij het licht dat zich in dezelfde richting beweegt als de ring. Het licht dat zich in tegengestelde richting beweegt, ondervindt een blauwverschuiving.
緑色の定常波は、静止しているリングの場合は、静止している観測者により観測される。同一回転方向に進行している観測者は、リングが回転しだすとすぐに、2通りの周波数シフトを観測する筈である。リングと同一回転方向に進行する光の場合、赤方偏移が発生する。逆の回転方向に進行する光は、青方偏移を起こす。


De spoel draait met hoeksnelheid ω. Op het moment dat de lichtstralen weer in P aankomen, hebben ze een hoek afgelegd van respectievelijk:

met c als lichtsnelheid en R als radius
waarbij:

回動台は、角速度 ω で回転している。光線が P に戻ってくる瞬間には、それぞれ、次の角度を経過してきている:

ただし、c は光速度であり、R は半径であって:

であるものとする。

Dit geeft:

この結果、次のようになる:

Aangezien v = ω * R volgt hieruit:

v = ω * R であるから、以下が得られる:

Het verschil in afgelegde afstand is:

従って、経過した道のりの差は:

である。

De verschuiving van de interferentie, de Sagnac-fase, is:

干渉のシフト (サニャック位相) は

となる。

Als ω * R << c is, dan kan als benadering geschreven worden:

ω * R << c であるなら、近似値として以下のように書ける:

De laatste formule geldt ook voor interferometers waarbij het licht een driehoekig of rechthoekig pad volgt, als de oppervlakte van de driehoek of vierkant ingevuld wordt. (The Sagnac Effect)
最後の式は、光が三角形又は矩形の経路を取る干渉計に対しても、三角形又は矩形の面積を代入することで、有効となる ("The Sagnac Effect" 参照)。

[[訳註:原文の説明では、L が経路の長さ、A が経路が囲む面積であることが説明されていないので、それを補って読む必要がある読む必要がある。上記パラグラフは、経路が円形でなくても、その経路長及び経路が囲む面積の値を、それぞれ L 及び A に代入すればサニャック効果の値が得られると云うこと。]]
[[訳註:上記の "(The Sagnac Effect)" の部分は、オリジナルでは、上付き数字による参照になっている。]]

Ring laser
Bij een interferometer wordt het licht van buitenaf in de interferometer gebracht. Bij een ring laser is de lichtbron, een [[laser (licht)|laser]], in de ring opgenomen. De ring is gevuld met een medium, over het algemeen een helium-neon mengsel, zodat deze geheel als trilholte fungeert. Als gevolg van de eigenschappen van een laser moet er een integer aantal golflengtes in de trilholte passen en zal er een staande golf in de ring ontstaan.
リングレーザー
干渉計では、光は外部から干渉計内に導かれる。リングレーザーでは、光源であるレーザーがリング内に組み込まれる。リングには、通常ヘリウム・ネオン混合物が媒質として充填されているため、全体として共振器として働く。レーザーの特性の結果として、共振器が波長の整数倍の長さと一致し、リングには定常波が発生しなければならない。

[[訳註:"over het algemeen":「普通」]]

Voor een stationaire observator zal er niets veranderen aan de staande golf als de ring roteert. In tegenstelling tot bij een interferometer treedt er geen faseverschuiving op; het aantal golflengtes in de ring blijft gelijk. Voor een meedraaiende observator verandert de frequentie. Het licht dat in dezelfde richting beweegt als de ring, legt een kortere weg af, zodat de golflengte kleiner wordt. Er treedt een [[blauwverschuiving]] op. Het licht dat zich in de tegengestelde richting beweegt, legt een langere weg af, zodat de golflengte langer wordt. Er treedt een [[roodverschuiving]] op.
静止している観測者にとっては、リングが回転しても、定常波に変化は起こりえない。逆方向に進行しても、干渉計に至るまで、位相シフトは発生せず、リング内に含まれる波長の数は同じままである。同一回転方向に進行している観測者にとっては、周波数は変化する。リングと同一回転方向に進行する光は、道のりが短くなり、波長が短くなって、青方変位が発生する。逆方向に進行する光は、道のりが長くなるので、波長が長くなって、赤方偏移が発生する。

[[訳註:"In tegenstelling" の意味が取りづらいが、一応訳を当てておく。]]

Als de beide lichtstralen samengevoegd worden, resulteert het verschil in frequentie in een zweving.
2つの光線が統合されるなら、その周波数の違いによる「うなり (ビート)」が起こる。

[[訳註:"zweving" は「うなり」。"zweving - WikiWoordenboek" 参照。]]

Aangezien de afgelegde afstand een integer aantal golflengtes moet zijn, geldt:

waarbij n een integer getal is. Als de afgelegde afstand verandert met ΔL dan verandert de golflengte met:

経過した道のりは、波長の整数倍でなければならないから、次のように記される:

ここで、n は整数。進行した道のりが ΔL だけ変化するなら、波長も以下の分だけ変化する:


[[訳註:この節「リングレーザー」の以下の内容、特に式は、混乱していて、殆ど読むに値しない。]]

De frequentieverandering is:

そこで、周波数の変化は:

となる。

[[訳註:この式は意味不明。記号 v が使われているが、ここで、回転速度 v がでてくる謂われはなく、周波数でなければならない。あるいは、参考にした本に記号 ν (ギリシャ文字「ニュー」) が書いてあったものを読み違えたか? (訳文の方では ν を採用した)。第2辺と第3辺との間は、等号ではないだろう。]]

Aangezien de twee lichtstralen dezelfde frequentieverandering ondergaan, maar in tegengestelde richting, wordt de zwevingsfrequentie:

2本の光線には、方向は逆になるが、同一の周波数偏移が起こるので、「うなり」の周波数は:

となる。

[[訳註:この式も意味不明。記号 v は、やはり ν とすべき。しかも、この式で求められているのは、Δν であるので、わざわざ f 等と云う紛わらしい記号を使っている意味が分からない。そして、「ダメ押し」と言いたいのは、この式の値の値は、この節のような訣の分からない計算をしなくても、前節の最後の式を 2π で割れば簡単に得られると云うことだ。]]

De resonantie conditie is:

共振の条件は次の通り:

[[訳註:この式は、唐突過ぎて、何のために書かれたのか不明。あるいは、Δω/ω ≈ Δν/ν 或いは、Δν/ν ≈ ΔL / L のつもりか?]]

Doordat de de frequentie van licht extreem hoog is, is dit frequentieverschil aanmerkelijk groter dan het verschil in afgelegde afstand. Hierdoor is de schaalfactor veel groter dan die van een Sagnac-interferometer.
光の周波数は極めて高いので、周波数のズレは、進行した道のりのズレに比べて相当大きくなる。このため、拡大率が、サニャック干渉計の場合よりも非常に大きくなる。

[[訳註:このセンテンスも、意味不明。この稿では ω は、光の周波数 (又は、角振動数) ではなく、円盤の角速度である。安定発振 (ロックイン?) の条件を表わした式とするなら、文脈とは無関係だろう。逆に、もし光の振動数 (又は、各振動数) のつもりで使われているとするなら、サニャック効果の一般的な式として、レーザーリングだけでなく、干渉計にも当てはまる。ひとつ前のセンテンスの式が、Δν/ν ≈ ΔL / L のつもりだったら、一応つながるが、ここで問題にすべきなのは、ΔL ではなくて、Δω だろう。]]

Universaliteit van het Sagnac-effect
De universaliteit van het Sagnac-effect blijkt uit het feit dat het niet alleen opgaat voor lichtgolven, het geldt voor alle elektromagnetische golven. Daarnaast is in experimenten aangetoond dat het ook geldt voor Cooper-paren (1965), neutronen (1984), 40Ca atomen (1991), elektronen (1993) en superfluïde vloeistoffen en ionen ([[1997]]).
サニャック効果の普遍性
サニャック効果が、光の波動だけでなく、全ての電磁波に成立すると云う事実から、この効果の普遍性が明らかになっている。それ以外にも、サニャック効果が、クーパー対(1965 年)、中性子(1984 年)、40Ca 原子(1991 年)、電子 (1993 年)、そして超流動体及びイオン(1997 年)にさえ当てはまることが実験により証明された。

De Compton golflengte is:

waarbij h de constante van Planck is en m de rustmassa is van een deeltje. Ingevuld in de eerdere formule van het Sagnac-effect geeft dat:

コンプトン波長は、hプランク定数m を粒子の静止質量とすると:

だから、上記のサニャック効果の式に代入すると、次の式が得られる:

Door het enorme verschil in massa met fotonen is de schaalfactor veel groter dan bij optische interferometers. (ref: Ring-laser tests of fundamental physics and geophysics, G.E. Stedman, 29 Januari 1997)
光子とは質量が大きく異なるため、光干渉計の場合よりも、拡大率が非常に大きくなる (Ring-laser tests of fundamental physics and geophysics, G.E. Stedman, 29 Januari 1997 参照)。

    関連記事 (本サイト内):
  1. nouse: 英語版ウィキペディア "Sagnac effect" 訳文
  2. nouse: ドイツ語版ウィキペディア "Sagnac-Interferometer" 訳文
  3. nouse: フランス語版ウィキペディア "Effet Sagnac" 訳文
  4. nouse: 一般相対論によるサニャック効果の導出

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フランス語版ウィキペディア "Effet Sagnac" 訳文

以下はフランス語版版ウィキペディア中の [サニャック効果] の項 [Effet Sagnac (Dernière modification de cette page le 31 août 2007 à 09:20.)] の訳文であるただし、フランス語版でのカテゴリ等、編集上のタグは原則として採用していない)。なお、訳文部分の著作権は、原文と同様 [GNU Free Documentation License] に従う。

L'effet Sagnac est un phénomène physique découvert par Georges Sagnac en 1913. C'est une asymétrie de la vitesse relative de signaux lumineux parcourant en sens inverse la circonférence d'un disque en rotation.
「サニャック効果」は、1913年にジョルジュ・サニャック (Georges Sagnac) により発見された物理現象である。それは、回転する円盤の周囲を逆向きに進行する光信号の相対的速度が非対称であると云う現象である。

Introduction et présentation succincte de l'effet Sagnac
On appelle "Effet Sagnac" le décalage temporel de la réception de signaux lumineux "tournant en sens inverse" quand ils sont émis par un émetteur-récepteur fixé sur un disque tournant. En effet, si un émetteur placé sur un disque en rotation envoie deux signaux lumineux contraints de suivre la circonférence du disque, chacun dans un sens, les deux signaux reviennent à l'émetteur après un tour complet mais avec un léger décalage temporel qui dépend de la vitesse de rotation du disque. Ce décalage temporel entre les instants d'arrivée des deux signaux lumineux tournant en sens inverse est très facile à calculer.
サニャック効果の紹介と概要
サニャック効果とは、回転する円盤上に固定された発光・受光器から発射された光信号が戻ってくる時間が、周回の向きが逆だと食い違うと云うものである。実際、回転する円盤上に置かれた発光器が、円盤の外周を、其ぞれ逆向きに辿るようにされた2本の光信号を発射したとすると、その2本の信号が円盤外周を一周して発光器に戻って来る時間には、円盤の回転速度に応じた僅かなズレが生じる。逆方向に周回する2本の光信号の到着時間の差は、非常に簡単に計算できる。

Pour cela, le long de la circonférence d'un disque de rayon R tournant à la vitesse v = ωR (au niveau du rayon R) on fait tourner :


  • un rayon lumineux dans le même sens que le disque (il tourne alors à la vitesse relative c - v par rapport à ce disque et en fait donc le tour en un temps 2πR/(c - v))

  • un rayon lumineux dans le sens opposé à celui du disque (il tourne alors à la vitesse relative c + v par rapport à ce disque et en fait donc le tour en un temps 2πR/(c + v))


つまり、半径 R であって、速度 v = ωR で回転する円盤の外周 (半径 R と同じ高さ) に沿って周回するのは:

  • 円盤と同方向に回転させられる光線 (円盤に対する相対回転速度 c - v であるから、一周にかかる時間は 2πR/(c - v)) と、

  • 円盤と逆方向に回転させられる光線 (円盤に対する相対回転速度 c + v であるから、一周にかかる時間は 2πR/(c + v)) とである。

L'anisotropie de la vitesse relative de la lumière par rapport au disque tournant est mise en évidence par le décalage temporel δT (appelé effet Sagnac) entre les instants d'arrivée des deux signaux lumineux :


  • pour un observateur inertiel

  • pour un observateur tournant situé au rayon R.


回転円盤に対する光の相対速度の方向依存性は、2つの光信号の到着時間にズレ δT があることから (サニャック効果) から明らかとなった。この時間的ズレは:

  • 慣性系の観測者にとっては であり、

  • 半径 R 上で回転する観測者にとっては である。

Dans le cas où le signal lumineux se propage dans un milieu réfringent (par exemple une fibre optique faisant le tour du disque) avec une vitesse c'= c/n (où n>1 désigne l'indice de réfraction), on doit tenir compte du fait que, par rapport au référentiel inertiel R où tourne le disque, la vitesse c1 du signal lumineux tournant dans le sens de rotation du disque et la vitesse c2 du signal lumineux tournant en sens inverse ne valent plus c mais, conformément à la loi de composition relativiste des vitesses et . On a alors :

Une fois le calcul fait, on obtient le même résultat que ci-dessus (l'effet Sagnac ne dépend pas de l'indice de réfraction n).
光信号が、屈折媒質内を、速度 c'= c/n (ここで、n>1 は屈折率) で、伝搬する (例えば、光ファイバが円盤を一周している) 場合、円盤が回転している慣性基準系に関しては、円盤の回転方向と同方向に回転する光信号の速度 c2 と、円盤の回転方向と逆方向に回転する光信号の速度 c1 との値は c ではなくなり、速度の相対論的合成則に従って 及び となることを考慮する必要がある。この場合:

となる。この計算を行なえば、上記と同一の結果が得られる (サニャック効果は、屈折率に依存しない)。

[[訳註:原文の δT の式は、誤り。訳文のように訂正しなければならない。(速度の加算は、c1 及び c2 に織り込まれている。) なお、フランス語原文では、c1 及び c2 の含意が、地の文と式とで喰い違っていたので、これも訳文では補正した。]]

On mesure ce décalage temporel par une expérience d'interférence entre les deux signaux lumineux (en leur point de réception sur le disque tournant). Ce décalage des instants d'arrivée des deux signaux lumineux (tournant en sens inverse le long de la circonférence du disque tournant) provoque en effet un décalage des franges d'interférence mettant ainsi en évidence l'anisotropie de la vitesse relative de la lumière par rapport au disque tournant.
この時間のズレは、2つの光信号間に (回転円盤上の受信点での) 干渉を起こさせれば測定される。(回転円盤の外周に沿って対向する方向で周回した) 2つの光信号の到着時間がズレるため、干渉縞にシフトが生じるが、これは、円盤に対する光の相対的速度が方向により異なることを証明してもいる。

Cet effet fut parfois considéré comme une mise en défaut de la relativité restreinte, en particulier par Sagnac lui-même mais aussi, encore récemment, par Franco Selleri et d'autres dans le courant des [nnées 1990. En effet, ce décalage dans l'arrivée des signaux est constaté avec des signaux lumineux qui ont, dans le repère tournant, la même distance à parcourir (la circonférence du disque). La Relativité Restreinte nous dit que la vitesse de la lumière dans le vide est invariante. Cela semble mettre en évidence un désaccord avec la relativité.
特にサニャック自身がそうであったし、最近では 1990年代にフランコ・セレリ (Franco Selleri) がそうしたように、この効果が特殊相対論の破綻を示すものとみなされることがあった。確かに、信号の到着のズレは、回転する座標系の中では同一距離 (円盤の外周) を伝わる信号の間に起こっている。特殊相対論によれば、真空中での光の速度は不変と云うことになっているから、この効果は、相対論との矛盾を示すように見える。

En réalité, l'effet Sagnac s'explique parfaitement dans le cadre de la Relativité Restreinte. Elle peut conduire à des difficultés et à des paradoxes si on n'a pas bien compris que l'invariance de la vitesse relative de la lumière (et d'une façon plus générale la symétrie des effets relativistes) concerne exclusivement les mouvements relatifs de translation à vitesse constante dans un espace-temps de Minkowski (et n'est valide que localement si on passe en Relativité Générale).
実際には、サニャック効果は特殊相対論の枠組内で完全に説明できる。光の相対的速度の不変性 (そして、より一般的には、相対論的効果の対称性) が、ミンコフスキー時空内での一定速度での相対的並進運動のみに係ること (一般相対論に移行するなら局所的でのみ成立するものであること) を充分に理解していないと、特殊相対論は混乱と矛盾とに迷いこむことがあるのである。

L'analyse plus détaillée de l'effet Sagnac présentée ci-dessous nécessite des outils plus élaborés que ceux utilisés habituellement en Relativité Restreinte. Une lecture superficielle de ce qui suit peut donc laisser croire que l'effet Sagnac est compliqué. En fait il n'en est rien. Une bonne compréhension physique de cet effet est possible avec ce que l'on en a dit ci-dessus donc sans rentrer dans les nombreux détails qui suivent. Cela suffit pour éliminer les erreurs d'interprétation de l'effet Sagnac dues à une mauvaise compréhension intuitive de la relativité ; en particulier l'idée erronée selon laquelle la réciprocité des effets de la Relativité Restreinte (contraction de Lorentz des distances, dilatation temporelle de Lorentz, isotropie de la vitesse de la lumière, relativité de la simultanéité) s'appliquerait globalement à tous les types de mouvements ou encore la confusion fréquente entre symétrie globale vis à vis des actions du groupe de Poincaré (applicable en Relativité Restreinte) et symétrie seulement locale (applicable en Relativité Générale).
以下に示したサニャック効果をより詳細な分析には、特殊相対論で通常利用されているのよりも精巧な道具立てが必要である。以下の記述を表面的にだけ見るのなら、サニャック効果が複雑だと信じられてしまうこともありうる。しかし、そのようなことは全くない。この効果を物理的に正しく理解するのは、上記の説明だけで可能であって、以下の多岐にわたる詳細な説明はなくても良いのである。そのためには、相対性を直感的で粗雑に理解することによるサニャック効果の解釈の誤り、特に、特殊相対論的効果の相互性 (距離のローレンツ収縮、時間のローレンツ遅延、光の速度の等方性、同時性の相対性) を全ての種類の運動に大域的に適用してしまうこと、換言すれば、ポアンカレ群の作用対象である (特殊相対論が適用される) 大域的対称性と (一般相対論が適用される) 局所的であるのみの対称性との間にしばしば見られる混同を解消すれば足りるのである。

Présentation détaillée de l'effet Sagnac
Description du phénomène
L'effet Sagnac consiste à émettre, en même temps et en sens inverse, deux signaux lumineux à l'aide d'un émetteur-récepteur fixé sur un disque tournant, en les contraignant à suivre la périphérie du disque tournant, puis à mesurer le décalage temporel entre les instants de réception de ces deux signaux sur l'émetteur-récepteur. Pour bien comprendre, il est utile de comparer ce cas à celui ou les deux signaux sont envoyés et reçus par un observateur O au repos dans le repère inertiel où tourne le disque.
サニャック効果の詳細
現象の説明
サニャック効果は、回転する円盤状に固定された発光器-受光器により、同時に2つの光信号を逆方向に発信し、回転円盤外周を巡らせて、その2つの信号が発光器-受光器に到達する瞬間の時間的ズレを測定すると現われる。理解を深めるには、このような場合と、円盤が回転している慣性座標系内に静止している観測者 O により2つの信号が発信され・受信されると云う場合とを比較するのが有用である。

[[訳註:"comparer ce cas à celui ou" を "comparer ce cas à celui où" と読み替えた。]]


Un observateur O immobile envoie deux signaux 1 et 2 autour d'un disque de rayon R en rotation à la vitesse angulaire ω. Chaque signal fait le tour du disque.
静止した観測者 O は、角速度 ω で回転している半径 R の円盤の外周を回るように信号 1 及び 2 を送り出す。

Pour cela, on peut utiliser des miroirs, des fibres optiques ou d'autres dispositifs. Voici un dispositif possible (schématisé).
光を周回させるためには、鏡、光ファイバその他の手段を利用すれば良い。ここに手段の一例を示す (概念図)。

Il existe bien d'autres configurations possibles, par exemple employant des fibres optiques, avec des sources en rotation ou pas et des détecteurs interférométriques en rotation ou pas. On peut aussi faire interférer les deux rayons sur l'anneau lui-même de manière à obtenir une onde stationnaire en utilisant deux faisceaux de fréquences légèrement différentes. Cela peut se faire automatiquement en intégrant la cavité laser dans le circuit et en renvoyant les faisceaux dans la cavité après un tour. Ces dispositifs à verrouillage de phase sont les plus précis.
この他にも多くの構成が可能であって、例えば、光ファイバを採用するに際して、これと共に、回転する発光源を用いても用いなくても良いし、回転する干渉検出器を用いても用いなくても良い。また、リング自体において2本の光を干渉させる場合に、僅かに周波数が異なる光束を用いて、定常波を得るようにしても良い。これは、周回構造内にレーザー発振器を一体化し、周回後に発振器へ光束を送り返すことで自動的に行なえる。この「位相拘束 (ロックイン)」手段は、非常に正確である。

Revenons à la disposition circulaire. Nous supposerons dans un premier temps que ce sont deux signaux lumineux se propageant à la vitesse c (comme dans le vide).
円形の配置に戻って論ずることにする。取り敢えずは、2つの光信号が、(真空中と同じに) 速度 c で伝搬するものと仮定しておく。

Évidemment, pour le moment, la rotation du disque n'a pas d'importance. Les deux signaux partis simultanément de O reviennent, après un tour, en O en même temps.
明らかに、今のところは、円盤の回転は重要ではない。同時に O を出発した2つの信号は、一周した後、同時に O に戻ってくる。


Considérons maintenant un observateur O' situé en périphérie du disque et en rotation avec celui-ci. Nous choisissons O' pour qu'il soit en O au moment où les deux signaux sont émis.
さて、円盤の縁にいて一緒に回転している観測者 O' を考える。O' は、2つの信号が発射された瞬間には O と同じ位置にあるように選んでおく。

Comme O' se déplace, lorsque les signaux se rencontrent en O, O' n'est plus au même endroit. O' va à la rencontre du signal 2 qui arrive en O' un peu plus tôt et il fuit le signal 1 qui arrive en O' un peu plus tard.
O' は移動するので、信号が O に戻る時には、O' は、もはやそこにはいない。O' は、信号2を迎えにいくので、信号2とは、やや早く出会い、信号1からは逃げるので、信号1とは、やや遅く出会う。


Voyons ce qui se passe dans le repère de O', c'est-à-dire du point de vue de O'.
以下、O' の座標系で起こることを見ることにする。つまり「O' の視点」で見てみよう。

Dans le repère de O', le disque n'est pas en rotation (O' est immobile dans son propre repère et il est solidaire du disque). Les deux signaux font le tour et se retrouvent en O' après un tour. Mais contrairement au cas de la première figure, comme nous venons de le voir, les deux signaux n'arrivent pas en même temps. Le signal 1 arrive après le signal 2. Pour O', le signal 2 est plus rapide que le signal 1. La vitesse apparente des signaux est anisotrope (différente selon le sens de rotation du signal).
O' の座標系では、円盤は回転していない (O' は、自己の座標系では動いておらず、円盤に対して固定している)。2つの信号は、周回して行って1周した後、O' に戻る。しかし、最初の図の場合とは逆に、以下見るように、2つの信号は同時には到着しない。信号 1 は、信号 2 より遅く到着するのである。O' にとって、信号 2 の方が、信号 1 よりが速いのである。信号の見かけの速度が、方向に依存する (信号の周回方向により異なる)。

L'emploi du terme "apparent" est important car ce qui est mesuré n'est pas directement une vitesse mais les temps de départ et d'arrivée des signaux (ou un déplacement des franges d'interférence dans le cas d'une mesure interférométrique). Nous n'avons pas mesuré la longueur du parcours. Bien sûr, il semble évident que cette longueur soit simplement la longueur du cercle. Mais en relativité restreinte ce n'est pas aussi simple ! Ce qui n'empêche pas de nombreux amateurs de relativité de faire cette confusion facile.
直接測定されたのが速度ではなく、信号の出発時間と到着時間である (あるいは、干渉計による測定の場合には、干渉縞のシフトである) のだから、用語「見かけ」を用いたことには重要性がある。行程の長さは測定されていないのである。勿論、この長さが、単に円周の長さであるのは自明のようにみえる。しかし、特殊相対論では、それほど単純なものではない! 相対論を論じたがる多くのアマチュアが、この混同をしがちであるのが避けられない由縁である。

Voyons maintenant, en physique classique (non relativiste, c'est-à-dire en utilisant les transformations de Galilée), ce que valent ces vitesses apparentes et le décalage de temps d'arrivée des signaux.
取り敢えず、古典物理学的に (非相対論的に、つまり、ガリレイ変換を用いて)、これらの見かけの速度及び信号到着時間のズレの値を見てみよう。

La vitesse angulaire du signal lumineux est simplement c/R. Par conséquent, si on appelle t1 et t2 les temps mis par les signaux 1 et 2 pour rencontrer à nouveau O', nous avons :

Soit

光信号の角速度は、単純に c/R である。従って、信号 1 及び 2 が O' に再び戻ってくる迄にかかる時間を t1 及び t2 とすると、次の式が得られる:

すなわち

となる。

Nous trouvons donc pour le décalage de temps d'arrivée des signaux en O' :

従って、O' における信号の到着時間のズレは、次の式で与えられることが分かる:

Si la vitesse angulaire du disque (ou ce qui revient au même du repère en rotation) est faible par rapport à la vitesse angulaire de la lumière (régime non relativiste), alors

S est la surface du disque.
もし、円盤 (つまり、これは回転する座標系に帰着する) の角速度が、光の角速度に比べ小さいものである (非相対論的領域である) ならば、

となる。ただし、ここで、S は円盤の面積である。

Pour calculer la vitesse apparente des signaux pour O' (dans son repère), il suffit de diviser le temps de parcours par la circonférence. Cela donne les vitesses apparentes des deux signaux :

(O' の座標系における) O' に対する信号の見かけの速さを計算するには、外周長を経路を巡るのにかかる時間で割れば良い。そこで、2つの信号の見かけの速度を考えると:

[[訳註:原文の記述は間違い。"diviser le temps de parcours par la circonférence" (「経路を巡るのにかかる時間を外周長で割れば」)ではなくて、訳文のように「外周長を経路を巡るのにかかる時間で割れば」。ただし、式そのものは、正しく記載されている。]]

Si l'on note V la vitesse tangentielle du disque (ou de O' ou du repère en rotation), on a :

ここで、円盤の接線方向の (つまり O' の、更につまり回転座標系の) 速度 を V と記すと、次の式が得られる:

On trouve que la vitesse, dans le repère de O', des deux signaux est :

V est la vitesse de O' dans R (la vitesse tangentielle au disque).
R 内での O' の速度 (円盤の接線方向速度) を V とすると、O' の座標系では、2つの信号の速度は、

となる。

Ce qui est, sommes toute, bien naturel puisque nous retrouvons l'addition des vitesses de Galilée.
結局のところ、極めて自然なことながら、ガリレオ・ガリレイの速度の加法則に立ち戻った訣だ。

Résultats expérimentaux
L'effet a d'abord été constaté et mesuré en analysant les franges d'interférences des signaux lumineux en O'. Depuis, l'utilisation de laser, d'horloges atomiques et d'autres dispositifs, permet d'autres mesures et en particulier la mesure directe du décalage temporel (la différence de temps d'arrivée des signaux en O') calculé ci-dessus.
実験結果
この効果は、まず、O' において光信号の干渉縞を分析することで確認・測定がされた。次いで、レーザー、原子時計、その他の手段を用いることで、更に直接的な測定、特に上記で計算した時間のズレ (O' への信号到着時間の差) を直接測定することが可能になった。

En 1893 Sir Oliver Lodge proposa d'étudier les effets de la rotation de la terre avec un grand interféromètre. Puis, en 1897, il proposa d'utiliser des interféromètres sur un disque en rotation. L'effet fut théoriquement anticipé par Michelson en 1904. En 1913, Sagnac a vérifié ces prédictions en utilisant un interféromètre en rotation rapide. Il avait prédit les résultats ci-dessus dans le cadre de la physique classique. Ce fut aussi le premier résultat expérimental rapporté de ce qui fut nommé l'effet Sagnac.
1893 年、オリバー・ロッジ卿 (Sir Oliver Lodge) は、巨大な干渉計によって地球の自転の効果を研究した。次いで、1897 年、彼は、回転する円盤上に設置された干渉計を用いることを提案した。その効果は、1904 年にマイケルソン (Albert Abraham Michelson) により理論的に予言された。1913 年、サニャックは、高速回転する干渉計を用いて、この予言を確認した。サニャックは、上記の結果を、古典物理学の枠内で予測していた。これが、サニャック効果と名付けられたものに関する最初の実験結果でもあった。

Il faut toutefois noter que cet effet fut détecté par Franz Harres en 1912 dans une expérience de Fizeau, mais il ne fut correctement interprété comme étant l'effet Sagnac qu'en 1914 par Harzer.
この効果は、「フィゾー (Hippolyte Fizeau) の実験」を行なっている際、1912 年に フランツ・ハレス (Franz Harres) により検出されてはいたのだったが、1914 年にハーツァ (Harzer) が指摘するまで、それがサニャック効果であったと云う正しい解釈がされないでいた。

[[訳註:上記の "Franz Harres" は、英語版ウィキペディア中にでてくる "Francis Harress" と同一人物だろう。"Harzer" とは "Paul Harzer" のことらしい。ここでは「ハーツァ」としておく。]]

En 1925, Michelson et Gale mesurèrent la rotation de la terre grâce à un grand interféromètre.
1925 年、マイケルソンとゲイルとは、巨大な干渉計により地球の自転を測定した。

Depuis les années soixante, des mesures de plus en plus précises ont pu être effectuées grâce à l'emploi des laser.
それ以後 60 年にわたり、レーザーを用いることで、ますます正確な測定が可能となっている。

Les gyrolasers Sagnac (des gyroscopes à laser exploitant l'effet Sagnac) sont couramment utilisés pour mesurer avec précision la rotation d'un dispositif (relativement à un repère inertiel).
サニャック・ジャイロレーザー (サニャック効果を利用したジャイロスコープ) は、(慣性系に対する) 装置の回転を正確に測定するのに実用されている。

Universalité de l'effet Sagnac
Les formules précédentes restent bien sûr valables pour un signal à vitesse quelconque (à condition de remplacer c par la vitesse du signal, étant entendu que c'est la vitesse du signal mesurée dans le repère R).
サニャック効果の普遍性
以上の式は、 任意の速度を有する信号に対して成立する (ただし、c を信号の速度に置き換るものとする。勿論、信号の速度は R 座標系で測定されたものである)。

Mais ce que l'on désire mesurer ce n'est pas le décalage entre O et O' (la dernière formule avec les vitesses apparentes traduit simplement l'addition galiléenne des vitesses) mais l'éventuel décalage de deux signaux émis dans un repère en rotation (c'est-à-dire avec la vitesse des signaux mesurée par O', la vitesse "normale", mesurée localement, pas en la regardant faire un tour). C'est-à-dire que l'on désire considérer ce qui se passe réellement dans ce genre de repère, indépendamment de ce que fait O.
しかし、測定したいのは、OO' との間のズレではなく (見かけの速度に就いての最後の式は、単に速度のガリレイ和を示すに過ぎない)、回転座標系内で発射された (つまり、O' により測定された、周回とは関りなく局所的に測定された「正規の」の信号速度を有する) 2つの信号間に発生することがあるズレなのである。これは、つまり、考慮の対象となっているのは、O が何を行なうかとは独立して、この種の座標系内を実際に何が起こるか、と云うことなのである。

[[訳註:"en la regardant" の意味が良く分からない。特に "la" は何を指しているのか? "signaux" では性・数が一致しないのだ。"signal" と考えても、性は一致しない。あるいは、"la" ではなく "le" か?]]


O' envoie des signaux à vitesse connue. Que va-t-il se passer sur un tour?
観測者 O' は既知速度の信号を発信する。一周回する時、何が起こるのか?

Si on emploie autre chose que de la lumière dans le vide, il faut veiller à ce que ce soit O' qui envoie lui-même les signaux afin qu'ils aient localement (en principe) la même vitesse dans R' (comme c'est le cas de la lumière en relativité dont la vitesse est invariante), le repère de O'. Et pour la lumière, un milieu de propagation en rotation si sa vitesse dans ce milieu est inférieure à c (par exemple des fibres optiques fixées au disque, car dans ce cas la vitesse du milieu influence la vitesse du signal, comme dans le cas du son avec l'air, ce que l'on vérifie aisément en mesurant la vitesse du signal sur un aller-retour dans de l'eau en mouvement, c'est la célèbre expérience de Fizeau). 真空中の光以外のものを扱う場合には、O' の座標系である R' 内において (速度が不変である相対論的な光と同様に) 信号が (原則的には) 局所的に同一速度を有するように発信するのは O' 自身であることを忘れてはならない。そして、光に就いては、伝搬媒質中の光の速度が c より小さい場合、回転する伝搬媒質 (例えば、円盤に固定された光ファイバがそうである。この場合には、空気中の音におけるのと同様に、媒体の速度が信号の速度に影響を与える。これは、運動する水中を往復する信号の速度を測定することで容易に確認できる。それをしたのがフィゾー (Fizeau) の有名な実験である)。

[[訳註:このパラグラフ、後半が文章が尻切れトンポになっている。]]

Mais si c'est O' qui envoie le signal, aucun décalage ne peut être prédit par la méthode précédente. Dans O' les deux signaux allant à même vitesse, comme on le voit sur la figure tracée dans le référentiel de O', les deux signaux arriveront en même temps (c'est pour O qu'ils seront décalés). Comme dans la figure ci-dessus, ils parcourent le même cercle à la même vitesse, même si c'est dans des sens différents, et ils doivent arriver en O' en même temps.
しかし、信号を発射するのが O' であるなら、上記の方法では如何なるズレも予測されない。O' にあっては、O' の基準系内を描いた図から分かるように、2つの信号の進行速度は同一であるから、2つの信号の到着時間も同一である (O ではズレることになる)。上に示した図のように、2つの信号は同一の円周を同一速度で通るから、たとえ方向が異なっていたとしても、O' に同時に到着しなければならない。

[[訳註:"et ils doivent arriver en O' en même temps." の "et" は不要だろう。]]

En réalité un décalage est bien constaté ! Et, plus surprenant encore, le décalage (de temps) calculé précédemment est identique quelle que soit la nature du signal et sa vitesse. C'est ce que l'on appelle l'universalité de l'effet Sagnac.
実際には、ズレは明確に確認されている! 更に極めて驚くべきなのは、前もって計算される (時間の) ズレが、信号の性質と速度に関りなく同一だと云うことである。このことは、サニャック効果の普遍性と呼ばれる。

Cet effet est donc difficile à expliquer en physique classique (en fait, avec les transformations de Galilée, c'est même impossible).
従って、この効果を古典物理学で説明するのは困難である (実際、ガリレイ変換では、これは正に不可能である)。

Déjà en 1914 Harzer avait constaté que l'effet subsiste en présence de la réfraction. C'est-à-dire dans un milieu où la lumière va moins vite que c.
既に 1914 年において、ハーツァが、屈折があるような状況下でも (つまり、光が c より遅くなる媒体にあっても)、この効果がやはり発生することを確認している。

L'effet avec des signaux de "matière" fut vérifié plus tard.


  • En 1965, Zimmermann et Mercerau utilisèrent des paires de Cooper.

  • En 1984, Atwood utilisa des neutrons.

  • En 1991, Riehle utilisa des atomes de calcium.

  • Et en 1993, Hasselbach et Nicklaus utilisèrent des électrons.

  • L'effet de la rotation terrestre avec des neutrons fut mesuré par Werner an 1979.


後年、物質波についても、この効果は確認された:

  • 1965年、ジンマーマン (Zimmermann) とメルスロー (Mercerau) とがクーパー対に就いて

  • 1984年、アトウッド (Atwood) が中性子に就いて、

  • 1991年、リーレ (Riehle) がカルシウム原子に就いて、

  • 1993年、ハッセルバッハ (Hasselbach) とニクラウス (Nicklaus) とが電子に就いて、

  • 地球の自転の中性子に対する効果は、ウェーナー (Werner) が1979年に測定している。

Le problème de la lumière
En plus du problème de l'universalité, en relativité restreinte un problème supplémentaire se pose. En effet, en relativité restreinte, la vitesse de la lumière dans le vide est invariante et isotrope. Or les raisonnements qui ont conduit aux vitesses apparentes dans ce qui précède sont qualitativement indépendants de la relativité (un facteur gamma pourrait intervenir, tout au plus). Le raisonnement effectué avec les signaux émit par O et le décalage observé par O' (car il s'est déplacé le temps que les signaux fassent le tour) ne semble pas dépendre de la relativité restreinte.
光の場合の問題点
普遍性の問題に加えて、特殊相対論には別の問題点も指摘されている。実際、特殊相対論においては、真空中の光の速度は不変であり、方向に依存しない。ところが、上記で見かけの速度に就いて行なった議論は、量の観点からは、相対論とは無縁である (せいぜい、因子 γ を挟み込むことができるぐらいである)。O から発せられた信号と O' で観測されるズレ (これは信号が周回する時間のズレである) とに関する議論には、特殊相対論に依存するようには見えない。

Rappelez-vous la figure plus haut et le raisonnement effectué :
最初の図と、それについて行なわれた議論を思い出していただきたい:


Ce décalage est évident, inévitable. L'anisotropie de la vitesse de la lumière (émise par O) semble donc incontournable dans un repère tournant (celui de O'). Ennuyant pour une théorie (la relativité restreinte) qui dit que la vitesse de la lumière est invariante et isotrope ! このズレは明白で不可避である。従って、(O から発せられた) 光の速度の方向依存性は、回転座標系 (O' の座標系) でも回避しえないように見える。光の速度が不変で方向に依存しないなどと云う理論 (特殊相対論) は困りものだ!

Ce fait a plusieurs fois été utilisé pour tenter de réfuter la relativité restreinte, même encore récemment, aussi bien par des amateurs de relativité que par des théoriciens ayant en principe des connaissances plus approfondies de la relativité restreinte.
この事実は、相対論を議論したがるアマチュアだけでなく、原則的には特殊相対論を知悉している理論家により、特殊相対論を否定しようとして、何度となく、そして最近でも、利用されている。

En réalité l'effet Sagnac est compatible avec la relativité restreinte et l'isotropie de la vitesse de la lumière dans tout repère mais que la relativité restreinte prédit en plus l'universalité du phénomène.
実際には、サニャック効果は特殊相対論とも、全ての座標系において光の速度が方向に依存しないこととも両立しており、さらに、特殊相対論からは現象の普遍性も予測される。

[[訳註:この訳文、自信がない。"mais que" 以下のつながりが分からないのだ。]]

La déduction des transformations de Lorentz est valable dans tout repère (y compris accéléré) mais uniquement de manière locale dans un repère accéléré (c'est-à-dire dans un voisinage infinitésimal de l'origine du repère et pendant une durée infinitésimale). La vitesse de la lumière est peut-être invariante et isotrope localement, mais qui dit que sur un tour complet cela reste vrai ? Évidemment vous devez certainement vous demander comment cela est possible, comment une vitesse invariante en tout point peut donner quelque chose de variable sur une distance finie (la moyenne d'une valeur constante est égale à cette valeur). Ou comment la même vitesse locale pourrait conduire à une vitesse globale différente selon le sens de parcours du disque (la circonférence ne dépend pas du sens dans lequel on considère le cercle). Il y a effectivement des choses bien étranges qui se passent et, par exemple, définir le repère en rotation de tout le disque pose de grosses difficultés.
ローレンツ変換からの帰結は、(加速座標系を含む) 全ての座標系 で有効であるが、加速座標系においては、局所的にのみ (つまり、原点の無限小近傍の中と無限小時間の間) 有効なのである。光の速度は、局所的にはおそらく、不変であり、方向依存性はないのであるが、全周にわたってその通りでありつづけると誰が言えるだろう? 明らかに、それが如何にして可能なのか、全ての点で不変な速度が、有限区間上で変化するようなものを (一定値の平均値は、その値に等しいのだから) 如何にして産み出すのかを自問する必要が確かにあるのだ。あるいは、如何にして、局所的に同一の速度が、その円盤周回の方向に応じて大域的には異なる速度を引き起こすのか (外周の長さは、円周をどちらの向きで考えるかに依存しない)。確かに奇妙なことである。その上、例えば、円盤全体の回転に対して座標を定義することは、重大な困難を引き起こす。

Mais ne brûlons pas les étapes, avant d'attaquer le problème correctement, rigoureusement et dans toute sa généralité, présentons une dérivation relativiste "simpliste" ainsi qu'une série de paradoxes liés à l'effet Sagnac.
しかし、拙速は避けよう。そして、問題に対し正確・厳密かつ一般的に取り組む前に、サニャック効果に関する一連のパラドクスと同様な相対論からの「単純過ぎる」帰結を紹介しておこう。

[[訳註: 『「単純過ぎる」』と訳した '"simpliste"' には悪意が感じられる。あまりガラの良い言葉とは思えないが「単細胞的」ぐらいにも訳せるかもしれない。]]

Interprétation simpliste
Nous allons maintenant voir ce que deviennent les formules précédentes dans le régime relativiste.
「単純過ぎる」解釈
まず、相対論的には、これまでの式がどうなるかを見てみよう。

Nous allons raisonner de manière simple, sans vouloir être trop rigoureux. Cela peut sembler dangereux, mais vous seriez étonné du nombre d'amateurs de relativité et même de physiciens professionnels qui se contentent de ce genre de raisonnement ! Avec parfois des résultats désastreux.
厳密過ぎるようにしたくないので、議論を単純化する。危険に見えるかもしれないが、読者は、この種の議論で満足している相対論のアマチュアや専門的物理学者の多さに驚かれるであろう。そして、時として、その結果は悲惨である。

Dans le référentiel R de O, les deux signaux arrivent sur O' avec un décalage Δt mesuré sur l'horloge de O. O', en mouvement, doit observer une dilatation du temps. Toutefois ce n'est pas si simple car O' se déplace entre les deux réceptions des signaux. Et nous savons que le temps dépend aussi de la position. Nous devons utiliser les transformations de Lorentz.
O の 基準系 R 内で、2つの信号が、O の時計で測定して、ズレ Δt でもって O' に到着したとする。運動している O' の観測では時間遅延が生じる。しかし、O' は2つの信号の受信と受信との間に移動するから、事態はそれほど単純ではない。また、時間は位置にも依存することが分っている。ローレンツ変換を使わねばならないのである。


Nous allons supposer que la vitesse de rotation du disque n'est pas trop grande pour pouvoir assimiler la trajectoire de O' (entre l'émission et les réceptions des signaux) à un segment de droite. Ainsi, l'utilisation des transformations de Lorentz semble être justifiée 円盤の回転速度が、O' の (信号の発信から受信までの間の) 軌跡と直線分との同一視が不可能になる程には速くないものであることを仮定する。そうすると、ローレンツ変換の使用が正当化されるであろう。

Les signaux seront reçut par O' (dans le repère R) aux coordonnées :

信号は、(座標系 R 内で) 次の座標を有する O' により受信される:

On peut alors appliquer les transformations de Lorentz :

ここでローレンツ変換

を用いて:

[[訳註:分かり切ったかのように、係数 (因子) γ が出てくるが、感心した書き方ではない。勿論、所謂「ローレンツ係数」、「ローレンツ因子」、「γ 係数」などと呼ばれている、 (1-(v/c)2)-1/2 を指す (ここで、v は座標間の相対速度、c は真空中の光速度) のだが、論理上は記号と記号内容との関係に「当然」はあり得ないから、初歩的で、一般に流布している記号なら別の話、論理の運びが重要な局面では、記号の内容は、記号が最初に登場した時点で明示されるべきである。]]

Soit avec les coordonnées précédentes

前記の座標を代入すると、次の式が得られる

On trouve donc dans le repère R' de O'

従って O' の座標系 R' では、次のようになる

Le résultat trouvé, c'est-à-dire le décalage de temps d'arrivée des deux signaux sur O' dans R', est exactement la valeur approchée que nous avions obtenue précédemment, à un facteur gamma près (alors que pour cette expression approchée nous sommes partis de la valeur classique exacte) ! C'est assez étonnant. Habituellement c'est plutôt l'inverse qui se produit (la formule relativiste redonne la formule classique en supposant gamma proche de un et en négligeant les termes d'ordres supérieurs, proportionnels au carré de la vitesse, comme dans le cas de l'effet Doppler).
得られた結果は、R' における O' への2つの信号の到着時間のズレだが、以前に得た近似値 (この近似値は、まさに古典論的な値から導かれたものであった) に因子 γ が付いているものに正確に一致している! これは、充分に驚くべきことである。通例、起こるのは、むしろ、この逆のことである (ドップラー効果の場合のように、相対論的な式が、γ がほぼ 1 であると仮定して、速度の二乗に比例するような高次の項を無視することで、古典論的な式が得られる)。

Pour calculer la vitesse du signal dans R', il faut connaître la longueur de la circonférence. A priori ce n'est pas trivial, car dans R la contraction des longueurs ne s'applique pas de manière homogène selon le point considéré sur la circonférence (l'orientation de la vitesse varie avec l'angle).
R' 内での信号の速度を計算するには、外周の長さが分かれば良い。R 内では長さの短縮が、外周上の点に対して一様には起こらないから、これは、「ア・プリオリ」には自明ではない (速度の方向は、角度と共に変化する)。


Mais grâce à la symétrie par rotation, nous pouvons faire plus simple. En effet, A cause de cette symétrie, dans R et R', un disque reste un disque. En rotation ou pas. La géométrie reste inchangée (ce raisonnement est en fait totalement incorrect). Par conséquent la contraction doit être homogène. De plus, la circonférence étant forcément toujours tangente à la vitesse, la contraction de Lorentz est indépendante de l'angle (voilà qui est assez contradictoire avec ce qui est dit ci-dessus, mais continuons avec notre approche approximative, de toute façon, une contraction variable, donnant une circonférence bizarre, ne ferait que donner un facteur correctif en plus du facteur gamma, cela ne changerait pas les conclusions). しかし、回転の対称性により、単純化が可能である。実際、この対称性により、R 及び R' 内では、円盤は円盤であり続ける。回転の有無に関らず、幾何学的特徴は変化しない (実は、この議論は全く不正確である)。このため、収縮は一様でなければならない。更に、外周は必然的に常に速度に接し、ローレンツ収縮は、角度に依存しない (これは、以前の議論と充分に矛盾するが、現在の近似的手法を続けていく。いづれにせよ、可変な収縮では、歪んだ外周ができるが、因子 γ 以外の補正因子が得られるだけで、結論には変化はないだろう)。

[[訳註:"A cause de" は "a cause de" とすべき。]]
[[訳註:"En rotation ou pas. La" は "En rotation ou pas, la" とすべき。]]
[[訳註:"ferait" は "faire" の条件法第三人称単数。]]

Si le disque a le périmètre 2πR' dans R' (le disque est immobile dans ce repère, et ne confondez par les repères R et R' avec les rayons du disque dans ces deux repères R et R', il est dommage qu'en français les mots rayon et repère commencent pas la même lettre), alors il aura une longueur plus courte d'un facteur gamma dans R. 2πR = 2πR'/γ. C'est-à-dire que dans R' la longueur parcourue est plus longue.
もし円盤の外周が R' 内において (この座標系では円盤は静止している。座標系 R 及び R' と、この2つの座標系における円盤の半径 R 及び R' とを混同しないようにされたい。これは、「半径 (rayon)」と「座標系 (repère)」とが同じ文字で始まるフランス語の不都合な点である。) 2πR' であるとすると、R 内では因子 γ だけ長さが短くなる。つまり 2πR = 2πR'/γ である。これはつまり、R' 内では、外周長が、長くなると云うことである。

[[訳註:"ne confondez par" は "ne confondez pas" と読み替える。]]
[[訳註:「座標系 R 及び R' と、この2つの座標系における円盤の半径 R 及び R' とを混同しないようにされたい。」私も、読んでいて当初戸惑った。「これは、「半径 (rayon)」と「座標系 (repère)」とが同じ文字で始まるフランス語の不都合な点である。」ハハハ。だったらどっちか記号を変えろよと思う。なお、この翻訳中では、座標系の場合は、ボールド体 (R 等)、半径の場合はイタリック体 (R ) に書き分けてある。]]

Comme la vitesse des signaux est obtenue en divisant cette longueur par le temps de parcours et comme les deux sont augmenté d'un facteur gamma, il y a compensation. Un petit calcul utilisant les transformations de Lorentz pour la position et les coordonnées temporelles ci-dessus montrent que les formules d'addition des vitesses que nous avions trouvées dans le cas classique restent valables :

(où V = ωR est la vitesse au bord du disque, c'est-à-dire la vitesse angulaire fois le rayon, la vitesse angulaire étant le nombre de tours par seconde multiplié par deux pi).
信号の速度は、これらの長さを、周回時間で割れば得られ、そして双方に因子 γ が付いている訣だから、相殺が起こる。位置及び上記の時間座標値に付いてローレンツ変換を使った簡単な計算を行なうと、古典論的に得られた速度の加算式は、やはり成り立つことが示される:

(ここで、V = ωR は、円盤外縁の速度。つまり、半径に角速度を掛けたもの。角速度とは、秒当たり回転数に円周率の2倍を掛けたものである。)

Deux constatations s'imposent :


  • Dans R' la vitesse de la lumière est anisotrope, ce qui est a priori en contradiction avec la relativité restreinte. Toutefois celle-ci ayant été établie dans des repères inertiels et non en rotation, nous pouvons l'admettre dans un premier temps.

  • L'aspect universel de l'effet Sagnac ne s'explique pas car l'effet n'apparaît ici qu'avec une vitesse de la lumière anisotrope dans R' alors qu'avec des signaux quelconques ayant une vitesse bien précise (même inférieure à c) et isotrope dans R' l'effet Sagnac est malgré tout observé en pratique.

    Et cet effet ne peut être dû à une anisotropie non détectée car si la vitesse du signal (inférieure à c) est isotrope dans R et donc anisotrope dans R', faites le calcul, on obtient un écart bien supérieur à celui calculé ci-dessus.




    2つの点が確認される:
  • R' 内で、光の速度は方向に依存する。これは、「ア・プリオリ」に特殊相対論と矛盾する。それでも、特殊相対論は、回転していない慣性系に対し構成されたものだから、取り敢えずは、これを受け入れても良い。

  • サニャック効果の普遍性が、説明できない。なぜなら、この場合、この効果は、R' 内での方向に依存する光の速度に対してのみ発生すると思われるが、R' 内で方向に依存せず、また、極めて明確な速度 (c よりも小さくもある) を有する普通の信号に対しても、サニャック効果は、やはり実際に観測されている。
    そして、この効果は、検知されていない方向依存性に起因することはあり得ない。何故なら、もし (c より小さい) 信号速度が R 内で方向依存性を持たず、従って、R' 内で方向依存的であるならば、計算をしていただくと分かることだが、上記で計算したのより遥かに大きい差が得られるからである。

Il est intéressant de voir aussi que ces raisonnements simples (simplistes) conduisent à divers paradoxes.
こうした単純な (単純過ぎる) 議論が様ざまなパラドクスを導き出すのを見るのも楽しいものだ。

Voir le paradoxe d'Ehrenfest.
Voir le paradoxe de Selleri.
"paradoxe d'Ehrenfest" (エーレンフェストのパラドクス) を参照。
"paradoxe de Selleri" (セレリのパラドクス) を参照。

L'addition des vitesses
Les formules précédentes que nous avons vues donnent en fait l'addition des vitesses avec la lumière. Mais qu'en est-il de l'addition des vitesses en général. Que vaut l'addition des vitesses sur la circonférence du disque ?
速度の加算
上述の式は、実質的には、光の速度の加算に就いてのものだった。しかし、一般的な速度の加算はどうなるのだろう。円盤外周での速度の加算を行なうとどうなるのか?

Soit deux observateurs O' et O" se déplaçant à V' et V''. Un rayon lumineux se déplaçant dans le même sens à pour vitesse respectivement pour O' et O" :

2人の観測者 O'O" とが V'V'' とで移動しているとする。光信号が、O' 及び O" の速度に対し、それぞれ同一方向に進んでいるものとすると:

[[訳註:"à pour" 中の "pour" の意味が分からない。余計とも思える。]]
[[訳註:原文の式中の "(" は "'" に変えなければならない。]]

Soit V''' la vitesse relative de O' et O". Un raisonnement identique à celui utilisé dans la présentation de l'effet Sagnac (en utilisant O" comme "signal" pour O et O') montre que

Donc

C'est-à-dire

V'''O'O" との相対速度とする。サニャック効果に就いての説明で用いたのと同じ議論 (O" を、OO' とに対する「信号」として用いる) をすると、以下のことが示される

従って、

これは、つまり

と云うことである。

L'addition des vitesses est celle de Galilée ! Ce n'est pas étonnant en voyant les formules pour l'addition avec la vitesse de la lumière : la lumière obéit dans le repère en rotation à l'addition des vitesses galiléenne. Nous avions déjà suggéré cela dans la section précédente.
速度の加算がガリレイ式になっている! これは、回転座標系内で光がガリレイ式の速度加算則に従うと云う光の速度の加算式を見るなら驚くべきことではない。このことは、直前の節で既に示唆しておいた通りである。

Si on effectue un passage à la limite, on tombe sur un paradoxe analogue à celui de Selleri : l'addition des vitesses devient galiléenne dans un repère inertiel.
しかし、もし極端に進めてしまうと、「慣性系内で、速度の加算がガリレイ的になる」と云うセレリのパラドクスと類似のパラドクスに陥ってしまう 。

Avec des arcs de cercles qui sont quasiment des segments de droite, et en utilisant un signal allant dans le sens approprié, nous avons même la possibilité d'avoir des signaux allant plus vite que c entre deux points quelconques. Or, nous savons que cela viole la causalité et conduit donc à des inconsistances en relativité restreinte.
殆ど直線分と言えるような円弧で、適宜な方向に進んでいる信号を用いると、任意の2点間に就いて、c より早く進む信号を得ることも可能である。さて、これでは、因果律に反し、従って特殊相対論の内部矛盾を導き出すことになる。

En fait, l'addition des vitesses galiléenne est compatible avec un espace-temps euclidien mais pas avec un espace-temps de Minkowski qui conduit aux transformations de Lorentz. Comme nous l'avons vu dans la déduction rigoureuse des transformations de Lorentz. C'est-à-dire que ces relations sont incompatibles avec les effets relativistes qui sont pourtant clairement observés !
実際、ガリレイ式の速度加算は、ユークリッド時空に整合し、ローレンツ変換に従うミンコフスキー時空には整合しない。ローレンツ変換の厳密な導出において分っていることだ。つまり、こうした関係は、明白に観測可能な相対論的効果と矛盾する!

[[訳註:文意全体には関わりのないことがだ、文章のまとまりが悪い ("Comme ...." はセンテンスになっていない)。恐らく、"Lorentz. Comme" は "Lorentz, comme" とでもすべきなのだろう。]]

De toute évidence il y a un sérieux problème. Nous venons tout simplement de montrer que la formule donnant la vitesse de la lumière dans un repère tournant est incompatible avec l'invariance de c dans un repère inertiel. Alors que nous sommes sensé avoir déduit ces relations de la relativité elle-même obtenue grâce à l'invariance de c. Cela semble (en apparence) nous mener à une inconsistance non seulement de la relativité restreinte mais des données expérimentales elles-mêmes !
明らかに重大な問題がある。回転座標系内での光の速度を与える式は、慣性座標系内での c の不変性と整合しないことが全く簡単に示せるのだ。我我には良識があるからこそ、c の不変性から相対論諸関係を導き出した。これでは、まるで、我我が、(見かけ上) 特殊相対論だけでなく、経験そのものを内部矛盾に陥れさせてているようだ!

Un problème plus compliqué qu'il n'y paraît
En plus des paradoxes soulevés dans les sections précédentes et du problème de l'universalité de l'effet Sagnac, récapitulons quelques remarques qui montrent que le raisonnement simpliste est faux ou, à tout le moins, qu'il doit être sérieusement mis en doute et que l'analyse de l'effet Sagnac en relativité restreinte nécessite un traitement plus rigoureux.
見かけよりも複雑な問題
これまでの節で提起したパラドクス及びサニャック効果の普遍性の問題のほかに、「単純過ぎる」議論が、誤っている、或いは、少なくとも、重大な疑念を抱かざるをえないものであること、及び、特殊相対論によるサニャック効果の分析には、ヨリ厳密な取り扱いが必要であることを、以下要約しておく。

  • Dans l'espace-temps les rayons lumineux ne suivent pas la même trajectoire.
    時空内で、複数の光線は、同一の軌跡を取ることはない。


    Même dans R les trajectoires sont différentes ! Bien que dans R, la situation des deux trajectoires soit totalement symétrique et aucun problème particulier ne se pose.
    たしかに、R 内で も軌跡は異なっている! ただ R 内では、2本の軌跡の状況は、全く対称で、特別何らの問題もないようではある。

    Notons que ce dessin peut être trompeur car en relativité restreinte l'espace-temps est de Minkowski et pas euclidien comme cette figure (c'est inévitable). Il faut donc faire attention.
    しかし、特殊相対論では時空はミンコフスキー的であって、この図のようにユークリッド的ではない (それは不可避である) ので、この図は誤解を引き起こす可能性があることに留意されたい。注意が必要なのである。

  • Dans R', il y a asymétrie de ces trajectoires à cause de la rotation. Cette asymétrie n'existe pas dans R. C'est la très grosse différence entre R et R'.
    R' 内では、回転に起因する軌跡の非対称性が存在する。この非対称性は R には存在しない。これが、RR' との間の大きな相違点である。
  • On ne peut pas considérer la circonférence vue dans le repère R comme la longueur des trajectoires dans R', même en lui appliquant la contraction des longueurs, car on ne peut pas sans précaution séparer l'espace du temps (l'espace en relativité restreinte n'est pas absolu) et l'existence de deux trajectoires asymétriques dans l'espace-temps ne simplifie pas les choses.
    たとえ、長さの短縮を適用したとしても、座標系 R' 内での軌跡の長さとして座標系 R 内で見られる外周を考えることはできない。何故なら、不用意にに空間を時間から分離することはできないし (特殊相対論における空間は絶対的ではない)、時空内での2つの非対称な軌跡の存在が事態を単純化させないのである。

    Dans le dessin, la partie spatiale est l'horizontale (et la longueur des circonférences est indiquée), identique pour les deux trajectoires, mais, répétons le, n'oublions pas que notre figure est faite "sur papier" donc dans un plan obéissant à la géométrie d'Euclide, tandis que l'espace-temps réel est de Minkowski, compliqué ici par la rotation.
    図中で、空間部分は水平線方向で示されており (外周の長さも示されている)、2本の軌跡に対して同一になっている。しかし、(繰り返しになるが) この図が「紙の上」に書かれているものであって、ユークリッド幾何学に従った面上にあるのに、実際の時空はミンコフスキー的であり、更にここでは回転により複雑化していることを忘れないようにしていただきたい。

    Ce problème peut-être relié aux intervalles de type spatial. Cet intervalle n'ayant pas de signification physique (pas de lien causal), la longueur de l'intervalle n'est pas fixée ''a priori''. Lui attribuer une valeur quelconque ou le considérer comme non invariant ne modifie pas la physique. C'est une simple considération mathématique. Ce n'est que des considérations en rapport avec le principe de relativité qui conduisent à la forme de l'intervalle invariant, y compris spatial, que nous connaissons. Si l'on ne tenait compte que des données physiques (l'invariance de la vitesse de la lumière dans le vide), nous aurions plus de liberté et même si les intervalles lumineux et temporels seraient toujours invariants, l'intervalle spatial pourrait être quelconque.
    この問題は、恐らく、空間型の「間隔」に関係している。この「間隔」には物理的な (因果性に関わる) 意味はなく、「間隔」の長さが固定されないのは「ア・プリオリ」に明らかである。それにある値を付与したり、不変量ではないと考えても、事態は変化しない。これは、単純な数学的検討を行なえば分かることである。これは、空間的であるものを含めて、我我が承知する不変「間隔」の形式を導き出す相対性原理に関する考察の結果そのものである。もし物理的事実 (真空中での光の速度の不変性) を考慮に入れないとしたら、我我は一層の自由を手に入れて、たとえ光及び時間の「間隔」が常に不変であっても、空間的な「間隔」は任意にすることができることになる。

    La circonférence est la longueur d'une figure géométrique purement spatiale. Par conséquent, on ne peut pas, sans précaution, considérer que la longueur des trajectoires est numériquement égale à la circonférence. Il pourrait y avoir des difficultés et des surprises et violation involontaire du principe de relativité.
    外周は、純粋に空間的な幾何学図形の長さである。従って、軌跡の長さが数値的に外周に一致すると不用意に考えることはできない。困難や予想外の出来事、意図しない相対性原理への違反が起こる可能性があるのである。

    L'espace n'est pas absolu. On ne peut pas considérer que la physique se déroule sur une "scène de théâtre". La relativité restreinte nous enseigne que tout est relatif et que la physique doit se décrire par les relations entre observateurs et objets. Le choix du repère n'est là que pour donner des valeurs numériques aux variables. On ne peut pas considérer notre dessin avec le cercle comme un cadre absolu qui nous permettrait de mesurer à coup sûr la longueur des trajectoires. Ce n'est pas aussi simple.
    空間は絶対的ではない。物理は、「舞台」の上で繰り広げられているとみなす訣にはいかないのだ。特殊相対論の教えるところは、全ては相対的であり、物理は、観測者と対象との間の関係により叙述されねばならないと云うものだ。座標系の選択は、変数に数値を与えるのに過ぎない。円周が描かれている図を、軌跡の長さを確実に測定することができる絶対的な枠組みと見なすことはできないのだ。それほど単純なものではないのである。

  • Les rayons lumineux ne suivent pas les géodésiques (c'est-à-dire les chemins les plus court).
    光線は測地線 (つまり、最短経路) を辿るのではない。

    Si l'on appelle A et B les points où O' rencontre les deux signaux lumineux. Traçons les géodésiques (les lignes les plus courtes) dans R (une droite) et dans R'.
    O' と2つの光信号とが出会う場所を A 及び B とする。測地線 (最短線) を R 内 (直線になる) と R' 内とに引いてみよう。


    Pourquoi la géodésique ne rejoint-elle pas B dans R' ? Tout simplement parce que les deux évènements spatio-temporels A et B ne peuvent pas être joint par une géodésique lumineuse (la lumière se déplace beaucoup plus vite que O' et les deux ratent leur rencontre) ! Par conséquent A et B sont bien confondu dans R' (puisque O' est immobile dans R') mais la géodésique lumineuse, la ligne droite dans R, est vue comme courbe dans R'. Si l'on n'est pas convaincu, on peut dessiner cette géodésique point par point à partir de celle dans R en tenant compte de la vitesse c et de la vitesse et de la rotation de O', par exemple en utilisant du papier millimétré et une bonne vieille calculette (c'est assez fastidieux).
    どうして、R' 内では測地線が B に辿り着かないのか? これは単純なことで、2つの時空事象 A と B とは、光による測地線では結びつきえないからだ (光は O' より遥かに速く移動するので、両者は出会えないのだ)! 従って、(O'R' 内では静止しているため) A と B とは R' 内で混同されてしまうが、R 内では直線である光測地線が、R' 内では曲がって見える。納得できなのなら、R 内の測地線を元にして、速度 cO' の回転速度を考慮し、例えば、ミリ方眼紙と「古き良き」電卓とを用いて、この測地線を、一点一点描いていただいても良い (ものすごく退屈だが)。

    Les trajectoires lumineuses entre A et B (évènements spatio-temporels) ne sont pas des géodésiques lumineuses et ne sont donc pas les chemins les plus court dans l'espace-temps. C'est logique : on force la lumière à emprunter une trajectoire imposée grâce à des miroirs ou une fibre optique, justement à cause de cela.
    (時空事象) A と B との間の光の軌跡は、光測地線ではあり得ないから、時空内で最短の経路ではない。これは当然である: 鏡や光ファイバの助けを藉りて、正にそうなるように、光に所定の軌跡を辿らせたのだから。

    Étant donné l'asymétrie des trajectoires on ne peut pas supposer, sans le vérifier, que ces deux trajectoires "allongées" ont la même longueur dans l'espace-temps. Quand on voit la géodésique dans R', c'est loin d'être trivial et dire "oui évidemment" est totalement présomptueux.
    軌跡が非対称性であると確定している訣だから、立証することなしに、「拡げ伸ばした」2本の軌跡が時空内で同一の長さを有すると想定する訣にはいかない。R' 内での測地線を論ずる場合、測地線であるか否かは到底自明ではありえず、「勿論明らかだ」と言うのは、それは全くの自惚れである。

    Les géodésiques sont les chemins les plus court, par exemple dans un espace plat (une feuille de papier) elles forment le quadrillage de la feuille. Sur une sphère, ce sont des courbes (les grands cercles ou méridiens et équateur).
    測地線は最短の経路であり、例えば、平面 (一枚の紙) 上では、紙面を碁盤の目を形成する。球面上では、曲線になる (大円、又は、子午線や赤道)。

    Cette courbure de la géodésique montre bien que l'espace soit courbe vu dans R'. Même en physique classique (espace euclidien), l'espace est courbe vu dans un repère accéléré. Mais on n'en parle quasiment jamais car :
    こうした測地線が曲がっていると云うことは、R' 内で見るなら空間が曲がっていることを示す。古典物理学 (ユークリッド空間) であってさえ、加速座標系内で見るなら空間は曲がっている。しかし、このことは滅多に指摘されない。なぜなら:

    [[訳註:"bonne vieille" (女性形。男性形は "bon vieux") いずれも、「懐かしい」とか「古い馴染みの」と言ったニュアンスがある。ここでは、若干皮肉な意味で使われている。]]
    [[訳註:"courbure" は「曲率」とは訳さず、「曲がっていること」と訳しておく。以下では「曲率」と訳すべき場合も出てくる。]]
    • On sait qu'on doit en réalité partir de Minkowski donc on préfère passer directement à des espaces courbes relativistes.
      実際にはミンコフスキー空間から始めなければならないことが分っているので、直接相対論的な曲がった空間に移行する方が好まれる。
    • Si on reste dans la physique classique, galiléenne, on peut se passer de ces subtilités en raisonnant dans R pour la cinématique et en utilisant, dans R', des astuces du type "forces fictives" ou "dérives" (force centrifuge, force de Coriolis responsable du sens de rotation des cyclones et due à la rotation de la Terre). L'espace-temps euclidien autorise des facilités que l'on n'a malheureusement pas avec l'espace-temps de Minkowski.
      古典的・ガリレイ的物理に留まると、R 内では運動学上の議論を行ない、R' 内では「慣性力」つまり「派生的な力」(遠心力、地球の自転に起因し、サイクロンの回転方向を決めるコリオリの力)と云った種類の細工を用いたりと云う繁雑さが避けられる。ユークリッド時空なら、残念ながらミンコフスキー時空にはない気安さが許されるのだ。
      [[訳註:"dérives" は「派生的な力」と訳しておく。「慣性力 (forces fictives)」の言い換えで、省略しても構わないとも思う。]]


  • Précisons tout de même un point important.
    それでも、重要な点をハッキリさせておこう。

    La courbure d'une variété (une ligne, une surface, etc.) est une propriété locale "intrinsèque" (qui lui est propre). Par exemple, vous ne pouvez pas faire disparaître la courbure d'une sphère en l'aplatissant : elle se déchire. Tout le monde connaît les difficultés pour représenter notre bonne vieille planète sur des cartes plates : il y a toujours quelque chose de déformé.
    多様体 (線、面等) の曲率は、「内在的に」(本質的に) 局所的な性質だと云うことだ。例えば、球面の曲率を、球面を潰すことで (それでは、球面が裂けてしまう)、消すことはできない。我らが古き良き惑星を平らな地図上に表現することの難しさは、世界中が知っている。必ず、何かが歪んでしまうのである。

    Il ne faut pas la confondre avec la courbure "extrinsèque" imposée de l'extérieur, par exemple en roulant une feuille de papier en cylindre : cela ne modifie pas la feuille de papier, seulement la manière dont nous la voyons.
    外部から課せられる「外在的」曲率と混同してはならない。これは、例えば、一枚の紙を丸めて筒状にするような場合を指す。これでは、面としての紙を変えたのではなく、単に見え方を変えたに過ぎない。

    Nous ne parlerons pas ici de courbure extrinsèque. Quand on parlera de courbure, nous parlerons toujours de courbure intrinsèque.
    ここでは、外在的な曲率を論じていない。曲率に言及する時は必ず内在的な曲率を指す。

    Le paradoxe d'Ehrenfest a déjà présenté ce type d'espace courbe (espaces sphériques ou hyperboliques) où la géométrie est différente de celle que nous avons apprise à l'école.
    既にエーレンフェストのパラドクスが、測地線が我我が学校で教えているのとは異なる、この種の曲率を有する空間 (球面空間や双曲空間) に関わっていた。

    Or l'espace-temps de Minkowski est plat (les trajectoires les plus courtes sont des droites). Ce n'est pas en changeant d'observateur que l'espace-temps va brusquement acquérir une propriété qu'il n'avait pas. La courbure peut d'ailleurs s'exprimer de manière mathématiquement invariante pour tout observateur.
    さて、ミンコフスキー時空は平坦である (最短の軌跡は直線である)。このことは、観測者が変わっても、時空が以前を持っていなかった性質を突然獲得するようなことはないと云うことである。その上、曲率は、全ての観測者にとり不変な数学的形式で表現できる。

    L'espace-temps dans R' doit donc rester plat. Ce n'est qu'en relativité générale que l'espace-temps est considéré courbe. Et même, on montre par des raisonnements simples qu'en présence de la gravitation l'espace-temps ne peut pas rester plat.
    従って R' 内の時空も平坦でなければならない。これは、時空が曲がっているとみなす一般相対論のみに関わる。ところが、簡単な議論により、重力の存在下では時空は平坦でありえないことが示される。

    Mais ici nous n'envisageons nullement la gravitation. Nous avons un repère inertiel R dans un espace-temps plat de Minkowski et un observateur O' qui suit une trajectoire courbe (un cercle), c'est tout.
    しかし、ここでは、重力のことは全く想定していない。平坦なミンコフスキー時空内の慣性座標系と、曲がった軌跡 (円) を辿る観測者 O' とがあるばかりである。

    Mais avoir un espace-temps plat ne signifie pas que l'espace est plat ! Les géodésiques étant courbes ont doit employer des coordonnées curvilignes (un peu comme les coordonnées polaires). Et si l'on effectue une "coupe" dans l'espace-temps pour considérer une "tranche" d'espace (on considère tous les points simultanés dans un repère donné), rien ne dit que cette tranche sera plate !
    平坦な時空であると云うことが、そこでの空間が平坦であることを意味する訣ではないのだ! 測地線が曲がっているなら、曲線座標 (敢えて言えば極座標のようなもの) を用いねばならない。空間の「切断面」を (所与の座標系内で同時な全ての点を) 考えようとして、時空を「切る」場合、その切断面が平坦であることとは決して言えないのだ。

    C'est vrai en géométrie euclidienne et il est donc difficile d'imaginer qu'il puisse en être autrement. Mais en géométrie de Minkowski on ne peut pas séparer l'espace et le temps de manière arbitraire. Rien ne dit que l'espace sera plat. Le problème étant que ce sont toutes les coordonnées qui sont curvilignes, y compris le temps.
    ユークリッド幾何では成り立ってしまうため、他の有り様がありうるとは想像しにくいのだが、ミンコフスキー幾何学では、時間と空間とを任意の仕方で分離することはできない。空間が平坦であるとは決して言えない。問題なのは、時間座標も含めて、座標が全て曲線座標であることである。

    [[訳註:このパラグラフの後半は、意味が取りづらい。]] [[訳註:"notre bonne vieille planète" 「我らが古き良き惑星」とは、勿論地球のこと。世界地図には、さまざまな図法があるのは周知の通り。]]
    [[訳註:"Les géodésiques étant courbes ont doit employer" 中の "ont" は --on-- と読み替えた。]]
  • Une analogie avec une autre expérience donne un indice sur l'origine de la difficulté.
    他の実験との類比により、この困難な事態の起源への手掛かりが得られる。

    Plaçons O et O' non plus sur un cercle mais sur un segment de droite terminé par des miroirs.
    O 及び O' を、円上ではなく、鏡で区切られた線分上に置くのである。



    Cette expérience est identique à celle de Sagnac sauf que les rayons lumineux font demi-tour sur des miroirs au lieu de faire le tour sur un cercle.
    この実験は、光線が円を一周するのではなく、鏡間の行程を半周する点以外では、サニャックによる実験と同じである。

    Il est évident qu'ici aussi O' va constater un décalage et une vitesse apparente (en utilisant la longueur du segment pour calculer la vitesse) anisotrope.
    この場合でも、O' ではズレが生じ、見かけの速度 (速度の計算には線分の長さが用いられる) が方向に依存するのは明らかである。

    Bien entendu, ici l'origine du phénomène est évidente : la longueur des trajectoires, même pour ce qui est de l'espace seul, est différente aussi bien dans R que dans R', et les miroirs se déplacent par rapport à O'.
    勿論、ここでの現象の原因は明らかである: 軌跡の長さが、空間単独に就いては同じだが、R 内と R' 内とではやはり異なっており、鏡は O' に対しては移動しているためである。

    Se pourrait-il que dans Sagnac on ait un phénomène analogue ? Après tout peu importe la trajectoire choisie pour faire faire demi-tour aux rayons lumineux ou pour leur faire faire le tour. Dans la figure ci-dessus, on pourrait demander à ce que les rayons lumineux fassent un aller-retour avec les deux miroirs, ce qui est équivalent à un tour sur le cercle. Dans ce cas cette figure est simplement la projection sur une droite de l'expérience de Sagnac !
    サニャックにおいては、類似の現象はありうるのだろうか? 結局のところ、軌跡を光線が半周させるよう選択するか、一周させるよう選択するかは、ほとんど重要ではない。上記の図で、円を一周するのと等価になるよう、2枚の鏡を使って光線が往復を行なうようにすることもできるのである。この場合、この図は、サニャックの実験を直線上に投影したものに過ぎなくなる。

    [[訳註:"pour ce qui est de..."「...に就いては」]]

    Rappelons-nous que l'effet Sagnac est indépendant du rayon de courbure et qu'on peut faire tendre l'arc de cercle de O' vers un segment de droite.
    サニャック効果が、曲率半径からは独立しており、O' の弧を直線分に引き伸ばしてよいことを思い出しておこう。

    Dans ce cas, on devrait aussi considérer que pour R' la longueur des trajectoires n'est pas la même.
    この場合、R' については、軌跡の長さが同一にならないことも考慮する必要がある。

    Quel est l'équivalent du déplacement des miroirs par rapport à O' dans le cas de Sagnac ? En fait, les miroirs fixent la géométrie de la trajectoire des rayons lumineux. Dire que les miroirs changent ou que les trajectoires changent ou que la géométrie décrite par ces trajectoires change revient au même. Et le changement de géométrie a une cause physique évidente : l'accélération centripète. Dans le cas de Sagnac cela devrait donc se traduire par un changement dans la géométrie. Avec bien sûr une symétrie par rotation. C'est évidemment un peu plus compliqué à étudier qu'une situation linéaire avec deux miroirs.
    O' に対する鏡の移動は、サニャックの実験の場合において何に相当するのであろうか? 実際、鏡は光線の軌跡の幾何学的配置を固定している。鏡が変化するとか、軌跡が変化するとか、軌跡により描かれる幾何学的形状が変化するとかと言っても、同じことである。そして、幾何学的な変化には、一つの明らかな物理的原因がある。それは、求心性の加速である。サニャックの実験の場合、これが、幾何学的な変化として現われることになる。勿論、回転による対称性もある。2枚の鏡と直線的な状況よりも、考察がやや複雑になるのは当然である。


[[訳註:["rayon de courbure" "曲率半径"] で (実は、それどころか、["rayon de courbure" "曲率"] ででさえ) google 検索しても何もヒットしない... 当たりまえすぎる訣でもあるまいに。ただし、もし可能なら、現在リンク切れの "蒙日" (北京师范大学 赵擎寰) の google キャッシュを参照。]]

Résultats expérimentaux récents
Au lieu de mesurer la vitesse apparente des signaux, on peut tenter de mesurer la vitesse de la lumière localement, directement. Comme on le fait sans rotation.
最近の実験結果
信号の見かけの速度を測定する代わりに、無回転における測定と同様に、光の速度を局所的に直接測定することもできる。

[[訳註:"directement. Comme" は "directement comme" としたほうが良かろう。]]

Des expériences ont en effet été menées afin de déterminer s'il y avait une anisotropie dans un repère en rotation. En voici quelques-unes effectuées de différentes manières (sources et récepteurs en rotation ou immobiles, mesures sur un aller simple ou un aller-retour).
実際には、実験は、回転座標系に方向依存性が存在するかを決定するために行なわれた。以下、異なる様態 (回転する、又は、静止した光源及び受信器。片方向又は往復での測定) での実施例を掲げる。

  • Cialdea utilise deux laser multi-modes montés sur une table en rotation et regarde les variations de leur figure d'interférence lorsque la table est mise en rotation. Il obtient une limite supérieure à l'anisotropie de 0,9 m/s.
    キャルディア (Cialdea) は、回転する台上に据えられた2つの多モードレーザーを用いて、台の回転時での干渉形状の変化を観察した結果、方向依存性の上限が 0.9 m/s であることを得た。
  • Krisher utilise deux masers à hydrogène fixés au sol et séparés par un lien en fibre optique de 21 kilomètres et regarde les variations entre leur phase. Il obtient une limite supérieure à l'anisotropie de 100 m/s.
    クリシャ (Krisher) は、地表に設けられ、21 キロメートルの光ファイバの両端に結ばれた2つの水素メーザーを使って、その位相の変化を観察した結果、方向依存性の上限が 100 m/s であることを得た。
  • Champeney utilise un amortisseur de Moessbauer en rotation et un détecteur fixe pour donner une limite supérieure à l'anisotropie de 3 m/s.
    シャンパニ (Champeney) は、回転するメスバウアー分光器と固定検出器とを用いて、方向依存性の上限が 3 m/s であることを得た。
    [[訳註:"amortisseur de Moessbauer" は、そのまま訳したら「メスバウアー制動装置」ぐらいになるのかもしれないが、ここでは「メスバウアー分光器」とした。]]
  • Turner utilise une source en rotation et un détecteur de Moessbauer fixe pour donner une limite supérieure à l'anisotropie de 10 m/s.
    ターナー (Turner) は、回転する発光源と固定したメスバウアー検出器を用いて、方向依存性の上限が 10 m/s であることを得た。
  • Gagnon, Torr, Kolen, et Chang ont effectué un test de l'anisotropie avec un guide d'onde. Leurs résultats négatifs sont consistants avec la relativité restreinte.
    ガニョン (Gagnon)、トール (Torr)、コウルン (Kolen)、及びチャン (Chang) は、導波器で方向依存性の試験を行なった。その否定的な結果は、特殊相対論に合致するものであった。

Voir aussi
Articles connexes
以下も参照
関連記事

Bibliographie
Ouvrages généraux
文献
一般的著作


  • Jean Hladik, Pierre-Emmanuel Hladik, ''Le calcul tensoriel en physique'', 3ème édition Dunod. ISBN 2100040715, ISBN 2225846537, ISBN 2225841446

  • V. Ougarov, ''Théorie de la Relativité Restreinte'', Deuxième Edition, Editions Mir, Moscou. Traduction française Editions Mir, 1979.

  • Edgard Elbaz, ''Relativité Générale et Gravitation'', Editions Ellipses-Marketing, 1986, ISBN 2729886516 (épuisé)

  • Charles W.Misner, Kip S. Thorne et John Archibald Wheeler, ''Gravitation'', W.H. Freeman and Company, New York. ISBN 0716703440

Articles
論文

  • Sagnac M.G., C.R. Acad. Sci. Paris, 157, 708,1410 (1913)
  • Harres F., Ph.D. Thesis, University of Jena, Germany (1912)
  • Harzer P., Astron. Nachr., 199, 377 (1914)
  • Michelson A.A., Gale H.G., Astrophys. J., 61, 137 (1925)
  • Chow W.W. et al., Rev. Mod. Phys., 57, 61 (1985)
  • Vali V. and Shorthill R.W., Appl. Opt., 15, 1099 (1976)
  • Stedman G.E., Rep. Prog. Phys., 60, 615 (1997)
  • Zimmermann J.E. and Mercerau J.E., Phys. Rev. Lett., 14, 887 (1965)
  • Atwood D.K. et al., Phys. Rev. Lett., 52, 1673 (1984)
  • Riehle F. et al., Phys. Rev. Lett., 67, 177 (1991)
  • Hasselbach F. and Nicklaus M., Phys. Rev. A, 48, 143 (1993)
  • Werner S.A. et al., Phys. Rev. Lett., 42, 1103 (1979)
  • Cialdea, Lett. Nuovo Cimento 4 (1972), p821.
  • Krisher et al., Phys. Rev. D, 42, No. 2, pp. 731-734, (1990).
  • Champeney et al, Phys. Lett. 7 (1963), p241. Champeney, Isaak and Khan, Proc. Physical Soc. 85, p583 (1965). Isaak et al, Phys. Bull. 21 (1970), p255.
  • Turner and Hill, Phys. Rev. 134 (1964), B252.
  • Gagnon, Torr, Kolen, and Chang, Phys. Rev. A38 no. 4 (1988), p1767.
  • Anderson R., Bilger H.R. and Stedman G.E., Am. J. Phys., 62, 975 (1994).

Autres sources
その他

  • Bernard LINET,D.E.A. de Physique Théorique - Paris VI, Paris VII, Paris XI, ENS, X, 2003 - 2004, Notes de cours de Relativité Générale.

Liens externes
外部リンク

    関連記事 (本サイト内):
  1. nouse: 英語版ウィキペディア "Sagnac effect" 訳文
  2. nouse: ドイツ語版ウィキペディア "Sagnac-Interferometer" 訳文
  3. nouse: オランダ語版ウィキペディア "Sagnac-effect" 訳文
  4. nouse: 一般相対論によるサニャック効果の導出

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ドイツ語版ウィキペディア "Sagnac-Interferometer" 訳文

以下はドイツ語版版ウィキペディア中の [サニャック干渉計] の項 [Sagnac-Interferometer (zuletzt am 31. Mai 2007 um 20:11 Uhr geandert)] の訳文であるただし、ドイツ語版でのカテゴリ等、編集上のタグは原則として採用していない)。なお、訳文部分の著作権は、原文と同様 [GNU Free Documentation License] に従う。

Ein Sagnac-Interferometer ist ein Interferometer, das es ermöglicht, Rotationen absolut zu messen.
「サニャック干渉計」は、絶対的な回転運動の測定が可能な干渉計である。

Einführung
Nach der speziellen Relativitätstheorie können [[Geschwindigkeit]]en nur relativ zu einem anderen [[Bezugssystem]] gemessen werden. Bei Drehbewegungen ist dies jedoch anders. Rotationen können absolut gemessen werden.
導入部
特殊相対論によれば、座標系間の相対的な速度のみが測定可能である。しかし、回転運動の場合は異なる。回転は絶対的な測定が可能なのである。

Die älteste Methode zur absoluten Rotationsmessung ist das Foucault'sche Pendel, mit dem es erstmals gelang, die Rotation der Erde ohne Himmelsbeobachtungen zu messen und damit das heliozentrische Weltbild des Kopernikus zu bestätigen. Auch Kreiselkompasse funktionieren nach diesem Prinzip.
回転運動の絶対的測定を行なうため方法としては、古くは、フーコーの振り子があり、これにより初めて、天体観測を用いずに地球の自転を測定し、それによりコペルニクス地動説を立証することに成功した。ジャイロコンパスも、この原理で動作する。


Der Sagnac-Effekt
Ein weiterer Effekt wurde [[1913]] von [[Georges Sagnac]] (1869-1926) entdeckt. Er beobachtete, dass zwischen kohärentem Licht, das im Uhrzeigersinn, und Licht, das im Gegenuhrzeigersinn über Spiegel auf der selben Strecke im Kreis gelenkt wird, eine Phasenverschiebung auftritt, sobald man die gesamte Apparatur dreht. Er deutete diese Beobachtung als Nachweis der Existenz des Lichtäthers. Sie lässt sich jedoch auch im Rahmen der Relativitätstheorie erklären, wie weiter unten gezeigt wird.
サニャック効果
別の効果がジョルジュ・サニャック (Georges Sagnac 1869-1926) により1913年に発見された。サニャックは、鏡を使って、同一の行路を、干渉性のあるの一方が時計周りに進むようにし、他方が反時計回りに進むようにした装置全体を回転させると、即座に位相シフトが発生することを観測したのである。サニャックは、こうした観測事実は、エーテルの存在を証明するものだと考えた。しかし、この観測事実は、以下に示すように、相対論が解明した空間においても成立する。

1925 gelang es Albert Abraham Michelson und Henry G. Gale mit einem Interferometer von 613 m Länge und 339 m Breite nach diesem Prinzip die Rotation der Erde mit einer relativen Genauigkeit von 2% zu messen. Die relative Streifenverschiebung betrug 0,23. Um scharfe Interferenzstreifen zu erhalten, war der komplette Lichtweg auf 17 mbar evakuiert.
1925年、アルバート・アブラハム・マイケルソン (Albert Abraham Michelson) とヘンリー G, ゲイル (Henry G. Gale) は、この原理に従って、長さ 613 m、幅 339 m の干渉計を用い、相対誤差 2% の精度で地球の自転を測定するのに成功した。その縞の位置の相対的シフトは0.23だった。鮮明な干渉縞を得るために、光路全体が 17 mbar 迄減圧された。

Michelson und Gale erkannten bereits selbst korrekt, dass ihr Experiment keine Aussage über die Existenz des Äthers macht. Es lässt sich sowohl mit der Relativitätstheorie als auch mit dem Äther erklären.
マイケルソン及びゲイルは、彼らの実験結果がエーテルの実在を意味するものではないことを、既に自ら正しく認識していた。それは、相対論によってもエーテル理論によっても説明が可能だったのである。

Der Aufbau


Originalskizze von Georges Sagnac
ジョルジュ・サニャックによる元の概略図
Ein kohärentes Lichtbündel einer Quecksilberdampflampe O wird mit einem Strahlteiler j in zwei Teilstrahlen R und T aufgeteilt. Diese werden mit Hilfe von Spiegeln M1 bis M4 in entgegengesetzter Richtung im Kreis geführt und treffen an dem Strahlteiler wieder aufeinander. Das Interferenzmuster wird auf einem Schirm c beobachtet. Befindet sich die Anordnung in Ruhe, sind die Wege beider Strahlen gleich lang und in der Mitte des Schirms sieht man destruktive Interferenz, denn bei der Reflexion entsteht jeweils eine Phasenverschiebung von 90°, was bei dem im Bild gegen den Uhrzeigersinn laufendem Strahl eine Phasenverschiebung von 180° gegenüber dem im Uhrzeigersinn laufenden Strahl ergibt. Wird nun aber der ganze Aufbau um eine Achse senkrecht zur Strahlebene gedreht, ist der optische Weg für beide Teilstrahlen nicht mehr gleich lang, da sich in der Zeit, die das Licht für einen Umlauf benötigt, der Strahlteiler bereits ein Stück weiter gedreht hat. Dadurch sieht man eine Verschiebung der Interferenzstreifen.
構造
水銀灯 O から発せられた干渉性のある光束は、ビームスプリッター j により2本の部分光束 R 及び T に分割される。これらの部分光束は、鏡 M1 から M4 によって、環状をなすようにして逆向きに案内されて、ビームスプリッターの位置で再び出会い、スクリーン c 上に、干渉パターンが観測される。この構成が静止している場合、2本の光束の長さは同じになり、スクリーン中央で相殺的干渉が現われていたら、反射毎に位相が 90 度ズレることで、結像において、反時計回りに進んだ光束が、時計まわりに進んだ光束に対して 180度の位相ズレを有するようになっていると云うことである。しかし、この構造全体を、光路面に対し垂直な或る軸を中心にして回転させると、2本の部分光束の光路の長さが一致しなくなってしまう。これは、光が一周するのにかかる時間の間に、ビームスプリッターが少しだけ更に回転してしまっているからである。このために、干渉縞にシフトが生じる。

Theorie
In jedem Inertialsystem breitet sich Licht mit konstanter Geschwindigkeit c aus. Im Folgenden ist das Inertialsystem das Bezugssystem, und das Interferometer dreht sich. Licht läuft auf einer beliebig geformten geschlossenen Bahn der Länge l um. Es wird entsprechend durch Spiegel abgelenkt. Die Zeit, die das Licht benötigt, um die Strecke dl zurückzulegen, beträgt

理論
全ての慣性系で、光は、一定速度 c で伝播する。以下の記述では、慣性系であるのは座標系であり、干渉計は回転している。光は、長さ l である任意に形成された閉路を巡っている。光は、鏡により、適宜に方向を変えられているのである。光が、道のり dl を進むのに要する時間は、

である。

Während dieser Zeit dreht sich die Apparatur um den Winkel . Das Licht muss also unter der Annahme in Tangentialrichtung ein um

längeres bzw. kürzeres Wegstück zurücklegen. (r ist nicht der Abstand zwischen der Drehachse und dem Streckenstück dl, sondern der Abstand zwischen der Drehachse und der an dl anliegenden Tangente. ist daher die in Tangentialrichtung zeigende Komponente der Rotationsgeschwindigkeit.) Für den kompletten Umlauf ergibt sich also
,
wobei A die vom Strahlengang eingeschlossene Fläche ist. Die Differenz der Strecken, die die beiden umlaufenden Lichtwellen zurücklegen müssen, beträgt 2x. Die relative Streifenverschiebung ist damit

この時間の間に、装置は、角度 だけ回転する。ここで、 と云う仮定が成り立っているなら、光は、接線方向に

だけ長いか或いは短かいかする区間を進むことになる。(ただし 、r は、回転軸と区間 dl との間の距離ではなくて、回転軸と dl に接する接線との間の距離である。従って、 は、回転速度の接線方向成分である)。従って、一周全体では、次の式が得られる

ただし、ここで A は、光線の軌跡に囲まれた面積である。2本の周回光波が進行しなければならない道のりの差は、2x であるから、相対的な干渉縞シフトは、

となる。

Auf diese Art und Weise lassen sich allerdings mit realistischen Werten nur relativ schnelle Rotationen messen. Bei einer Fläche A = 1 m2 (in der Skizze mit S bezeichnet) und einer Wellenlänge λ = 633 nm benötigt man eine Winkelgeschwindigkeit Ω von 227 Umdrehungen pro Minute, um von maximalem Signal zu Auslöschung (Δ = 1/2) zu wechseln.
このような技術は、「比較的早い」程度の速度の測定法としては確実に実用性に堪える。面積 A = 1 m2 (概略図中では S で示されている) で、波長 λ = 633 nm なら、最大信号を消光に変えるには (Δ = 1/2)、毎分 227 回転の角速度 Ω が必要である。

[[訳註:{((1/2)/4)*(633*10-9)*(3*108}/{(2*3.14)*60}=226.79 (rpm)]]

Literatur
文献


  • Georges Sagnac: ''L'ether lumineux demontre par l'effet du vent relatif d'ether dans un interferometre en rotation uniforme'', in: ''Comptes Rendus'' 157 (1913), S. 708-710

  • Georges Sagnac: ''Sur la preuve de la réalité de l'éther lumineux par l'expérience de l'interférographe tournant'', in: ''Comptes Rendus'' 157 (1913), S. 1410-1413

  • Albert Abraham Michelson, Henry G. Gale: ''The Effect of the Earth's Rotation on the Velocity of Light'', in: ''The Astrophysical Journal'' 61 (1925), S. 140-145

Siehe auch:
Faserkreisel, Ringlaser
参照:
"Faserkreisel" 及び "Ringlaser"

    関連記事 (本サイト内):
  1. nouse: 英語版ウィキペディア "Sagnac effect" 訳文
  2. nouse: フランス語版ウィキペディア "Effet Sagnac" 訳文
  3. nouse: オランダ語版ウィキペディア "Sagnac-effect" 訳文
  4. nouse: 一般相対論によるサニャック効果の導出

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英語版ウィキペディア "Sagnac effect" 訳文

以下は英語版ウィキペディア中の [サニャック効果] の項 [Sagnac effect (last modified 20:57, 27 June 2007)] の訳文である (ただし、英語版でのカテゴリ等、編集上のタグは原則として採用していない)。なお、訳文部分の著作権は、原文と同様 [GNU Free Documentation License] に従う。


Schematic representation of a Sagnac interferometer.
サニャック干渉計の模式図
The Sagnac effect (also called Sagnac Interference), named after French physicist Georges Sagnac, is a phenomenon encountered in interferometry that is elicited by rotation. The Sagnac effect manifests itself in a setup called ring interferometry. A beam of light is split and the two beams are made to follow a trajectory in opposite directions. To act as a ring the trajectory must enclose an area. On return to the point of entry the light is allowed to exit the apparatus in such a way that an interference pattern is obtained. The position of the interference fringes is dependent on the angular velocity of the setup. This arrangement is also called a Sagnac interferometer.
「サニャック効果」(「サニャック干渉」とも云う) は、回転が干渉計に引き起こす現象であって、フランスの物理学者ジョルジュ・サニャック (Georges Sagnac) に因んで命名された。サニャック効果は、リング干渉計と呼ばれる構成で発生する。リング干渉計では、一本の光ビームから分岐されて出来た2本のビームが軌跡を逆方向に進むようにされるが、この軌跡は、「環」として働くべく、或る領域を取り囲むようにされている必要がある。入射点に戻ってきた光は、干渉パターンが得られるような仕方で、装置外に取り出される。干渉縞の位置は、装置の角速度に依存する。このような構成は、サニャック干渉計とも呼ばれる。

Usually several mirrors are used, so that the lightbeams follow a triangular or square trajectory. Fiber optics can also be employed to guide the light. The ring interferometer is located on a platform that can rotate. When the platform is rotating the lines of the interference pattern are displaced as compared to the position of the interference pattern when the platform is not rotating. The amount of displacement is proportional to the angular velocity of the rotating platform. The axis of rotation does not have to be inside the enclosed area.
通常は何枚かの鏡で、光のビームが三角形又は正方形の軌跡を辿るようにされる。光ファイバを使って、光を案内するようにすることもできる。リング干渉計は、回転可能な架台に設置される。架台の回転中は、干渉パターンの線は、架台が回転していない際の干渉パターンの位置から偏移する。偏移量は、回転架台の角速度に比例する。回転軸は、軌跡で囲まれた領域内になくても良い。

When the platform is rotating, the point of entry/exit moves during the transit time of the light. So one beam has covered less distance than the other beam. This creates the shift in the interference pattern. Therefore, the interference pattern obtained at each angular velocity of the platform features a different phase-shift particular to that angular velocity.
架台が回転していると、入射点/出射点は、光が通過している間に移動する。従って、一方のビームの通過距離は、他方のビームの通過距離より短くなる。これが、干渉縞にシフトが起こる原因である。このため、架台の角速度を夫々に変えて得られた干渉パターンは、その角速度毎に異なる特有の位相シフトを示すものとなる。

In the above discussion, the rotation mentioned is rotation with respect to an inertial reference frame. Since this experiment does not involve a relativistic velocity, the same wording is valid both in the context of classical electrodynamics and special relativity.
上述の議論において、使われた用語「回転」は、慣性基準系に対する回転である。この実験は、相対論的速度に関与しないから、古典的電気力学の文脈と、特殊相対論の文脈の双方で、用語の使い方を同じにできる。

The Sagnac effect is the electromagnetic counterpart of the mechanics of rotation. A gimbal mounted gyroscope remains pointing in the same direction after spinning up, and thus can be used as the reference for an inertial guidance system. A Sagnac interferometer measures its own angular velocity with respect to the local inertial frame, hence just as a gyroscope it can provide the reference for an inertial guidance system.
サニャック効果は、回転の力学に対応する、謂わば「回転の電磁気学」に属する。ジャイロスコープが回転しだすと、ジャイロスコープに取り付けられたジンバル (常平架) は、同一方向に向き続けるため、慣性誘導システムにおける基準装置として利用することができる。サニャック干渉計は、局所慣性系に対する自己の角速度を測定するので、ジャイロスコープと全く同様に、慣性誘導システムの基準装置となることができる。

Interferometry with Ring lasers
The type of ring interferometer that was described in the opening section is sometimes called a 'passive ring interferometer'. A passive ring interferometer uses light entering the setup from outside. The interference pattern that is obtained is a fringe pattern, and what is measured is a phase shift.
リング・レーザーでの干渉
上述した種類のリング干渉計は、「受動型リング干渉計」と呼ばれることがある。受動型リング干渉計は、外部から装置に入射してくる光を利用する。その結果得られる干渉パターンは、縞模様であり、測定されるのは位相シフトである。


Schematic representation of a ring laser setup. At the beam sampling location, a fraction of each of the counterpropagating beams exits the laser cavity.
リング・レーザー装置の模式図。ビーム検出位置において、逆方向に進行してきたビームのそれぞれから、一部がレーザー共振器外に出てくる。
It is also possible to construct a ring interferometer that is self-contained, based on a completely different arrangement. The light is generated and sustained by incorporating laser excitation at some point in the ring-shaped path of the light. The ring-shaped laser cavity is enclosed, and the lasing medium must not come in contact with outside air. This setup is called a ''ring laser''.
全く別の構成法で、一体型のリング干渉計を作ることもできる。それは、環状光路の何処かでレーザー励起を組み込むことで、レーザー光の発生と維持とを行なうようにするものである。環状のレーザー共振器が、封止されて、レーザー励起媒質が外気と接触しえないようになっている。この構成は「リング・レーザー」と呼ばれる。

[[訳註:"lasing medium" には、「レイジング媒質」と云う訳語がある。しかし、残念ながら "laser" には「レーザー」と云う訳語が固定的に普及してしまっているので、私としては「レジング」は使いたくない。「レーザー励起媒質」とした由縁である。]]

To understand what happens in a ring laser cavity, it is helpful to discuss the physics of the laser process in a laser setup with continuous generation of light. As the laser excitation is started, the atoms or molecules inside the cavity emit photons, but since the atoms have a thermal velocity, the light inside the laser cavity is at first a range of frequencies, corresponding to the statistical distribution of velocities. The process of stimulated emission makes one frequency quickly outcompete other frequencies, and after that the light is extremely close to monochromatic.
リング・レーザー発振器の動作を理解するには、光の連続発振を行なうレーザー装置におけるレーザー発生の物理を議論するのが有効である。レーザー励起が開始すると、発信器中の原子又は分子は、フォトンを発生するが、原子は熱運動を行なっているので、レーザー発振器内の光の周波数には、当初、原子の熱速度の統計分布に対応する幅があるのだが、励起放射が進むと、或る周波数が他の周波数を急速に圧倒して、その後は、ほぼ、その光による単色光になるのである。


The red and blue dots represent counter-propagating photons, the grey dots represent molecules in the laser cavity.
赤の点及び青の点は、逆方向に進行するフォトンを表わす。灰色の点は、レーザー発振器内の分子を表わす。
When a ring laser is rotating, the laser process generates two frequencies of laser light.
リング・レーザーが回転していると、2つの周波数のレーザー光が発生する。

In every section of the ring laser cavity, the light propagates with the same velocity in either direction. For the sake of simplicity, assume that all emitted photons are emitted in a direction parallel to the ring. (That is in fact a huge simplification, but it does not affect the content of this exposition.) The atoms in the laser cavity, represented as grey dots in the animation, have a thermal velocity, and on average they have a velocity in counter-clockwise direction along the ring. The molecules in the laser cavity can be seen as resonators. A passing photon will stimulate emission of the excited molecule only if the frequency of the passing photon exactly matches the frequency of the photon that the molecule is ready to emit.
リング・レーザー共振器の各区画では、光は、それぞれの方向に同一の速度で進行する。単純化のため、発生したフォトンの全てが、リングと並行するように放射されるとしておこう。(確かに、これは極端な単純化だが、本稿の内容には影響しない。) レーザー発振器内の原子 (アニメ中では灰色の点で表わされている) は熱運動をしているが、平均すると、リングに沿った反時計回りの速度を有する。レーザー発振器内の分子は、共振子とみなせる。通過するフォトンが、励起分子の光放出を促すのは、通過フォトンの周波数が、分子が放出しようとしているフォトンの周波数に正確に一致する場合のみである。

[[訳註:始め "(the) atoms in the laser cavity" と言っていたのに、後では "(the) molecules in the laser cavity" になっているが、そのママ訳しておく。誤解は起こらないだろうし、また、いちいち「原子又は分子」とすると、文章が散らかって可読性が落ちると思う。]]

A photon that is emitted in counter-clockwise direction is on average Doppler-shifted to a higher frequency, a photon that is emitted in clockwise direction is on average Doppler-shifted to a lower frequency. The upwards Doppler-shifted photons are more likely to stimulate emission on interaction with molecules that they "catch up with", the downwards shifted photons are more likely to stimulate emission on interaction with molecules that they meet "head on". Seen in this way, the fact that the ring laser generates two frequencies of laserlight is a direct consequence of the fact that everywhere along the ring the velocity of light is the same in both directions. The constancy of the speed of light acts as a constant background, and the molecules inside the laser cavity have a certain velocity with respect to that background. This constant background is referred to as inertial space.
反時計回りに放射されたフォトンは、平均すると、高い方の周波数にドップラーシフトされており、時計周り方向に放射されたフォトンは、平均すると、低い方の周波数にドップラーシフトされている。高周波数方向にドップラーシフトされたフォトンは、そうしたフォトンが「追いついた」分子と相互作用して光放射を促す傾向があり、低周波数方向にドップラーシフトされたフォトンは、そうしたフォトンが「鉢合わせした」分子と相互作用して光放射を促す傾向がある。このことから、リング・レーザーが2つの周波数のレーザー光を発生するのは、リングの何処においても、2つの方向の光の速度が同一であることの直接的結果であると云うことが分かる。光の速度が一定であると云うことが、定常的な背景として働き、レーザー共振器内の分子が有する速度とは、この背景に対してものなのである。この定まっている背景を、慣性空間と呼ぶ。

The laser light that is generated is sampled by causing a fraction of the light to exit the laser cavity. By bringing the two frequencies of laserlight to interference a beat frequency is obtained; the beat frequency is the difference between the two frequencies. This beat frequency can be thought of as an interference pattern in time. (The more familiar interference fringes of interferometry are a spatial pattern). The period of this beat frequency is linearly proportional to the angular velocity of the ring laser with respect to inertial space.
発生したレーザー光は、その一部がレーザー発振器外に出るような形で取り出される。2つの周波数のレーザー光を干渉させると、そうした2つの周波数の差の周波数である「うなり周波数」 (「ビート周波数」) が得られる。この「うなり周波数」は、時間的な干渉パターンと看做される。(干渉計における干渉縞の方がヨリ知られている訣だが、これは、空間的なパターンである。) この「うなり周波数」の周期は、慣性空間に対するリング・レーザーの角速度に正比例する。

In the case of ring laser interferometry there is no need for calibration. (In a sense one might say that the process is self-calibrating). The beat frequency will be zero if and only if the ring laser setup is non-rotating with respect to inertial space.
リング・レーザー干渉計においては較正は不用である。(自己較正を行なっていると言うこともできるだろう。) 「うなり周波数」は、リング・レーザー装置が慣性空間に対して回転しないない時には、そして回転していない時だけに、ゼロとなる。

Lock-in
Because of the way the laser light is generated, light in laser cavities has a strong tendency to be monochromatic (and usually that is precisely what laser apparatus designers want). This tendency to not split in two frequencies is called 'lock-in'. The ring laser devices incorporated in navigational instruments (to serve as a ring laser gyroscope) are generally too small to go out of lock spontaneously. By "dithering" the gyro through a small angle at a high audio frequency rate, going out of lock is ensured.
拘束
レーザー光の発生の仕方から当然のことだが、レーザー共振器内で、光は単色光となる強い傾向性がある(そして、通常、その単色光は、レーザー装置設計者の望んでいるものと正確に一致する)。この、2つの周波数に分裂しようとしない傾向は、「拘束」と表現される。航行案内機器内に組み込まれてた (リング・レーザー・ジャイロスコープとして働く) リング・レーザー装置は、自発的な拘束抜け出しが起こるには、通常小さすぎる。ジャイロを、可聴高音周波数で僅かの角度「ディザリング」(振動) させることで、拘束からの離脱を確実にしている。

[[訳註:"Lock-in" は拘束と訳した。一般的には、和文脈中でも "Lock-in" そのママで使われたり、「ロックイン」とカタカナ化されているようだ。]]


The red and blue dots represent counter-propagating signals, the grey dots represent stations along the way.
赤の点及び青の点は、逆方向に進行する信号を表わす。灰色の点は、進行路中の基地を表わす。
Synchronisation procedures
The procedures for synchronizing clocks all over the globe must take the rotation of the Earth into account. The signals used for the synchronizing procedure can be in the form of electric pulses conducted in electic wires, they can be lightpulses conducted in fiber optic cables, or they can be radio signals.
同期方法
時計を全世界的に同期するには、地球の回転を考慮に入れなければならない。同期に利用される信号は、電線中を伝わる電気パルスとすることも可能であるが、光ファイバケーブルを伝わる光パルスにすることも、あるいは、無線信号とすることもできる。

If a number of stations, situated on the equator, relay pulses to one another, will the time-keeping still match after the relay has circumnavigated the globe? One condition for handling the relay correctly is that the time it takes the signal to travel from one station to the next is taken into account each time. On a non-rotating planet that ensures fidelity: two time-disseminating relays, going full circle in opposite directions around the globe, will still match when they are compared at the end. However, on a rotating planet, it must also be taken into account that the receiver moves during the transit time of the signal, shortening or lengthening the transit time compared to what it would be in the situation of a non-rotating planet.
赤道上に設けられた幾つかの基地が、パルスをつぎつぎに伝えていく場合、伝えられる信号が地球を一周した後でも、計時が一致したままであるだろうか? 信号を正確に受け渡しする条件の一つは、ある基地から次の基地へ信号が伝搬するのにかかる時間が、毎回考慮に入れられていると云うことがある。回転してない惑星にあっては、それで正確性が担保される。 つまり、時間を知らせる2つの信号は、惑星の周囲を逆方向に一周した後でも、比べてみれば一致するのである。しかし、回転する惑星にあっては、信号の伝達時間の間に受信機が運動し、回転していない惑星の場合と比較して伝達にかかる時間が短くなったり長くなったりすることを考慮しなければならない。

It is recognized that the synchronisation of clocks and ring interferometry are related in a fundamental way. Therefore the necessity to take the rotation of the Earth into account in sychronisation procedures is also called the Sagnac effect.
時計の同期とリング干渉計とは、根本的な意味で関係があることが分かる。従って、同期の実行に地球の回転を考慮する必要性のことも、サニャック効果と呼ばれる。

History of the Sagnac Effect
The first to perform a ring interferometry experiment aimed at observing the correlation of angular velocity and phase-shift was performed by the Frenchman Georges Sagnac in 1913, which is why the effect is named for him. Its purpose was to detect "the effect of the relative motion of the ether". An experiment conducted in 1911 by Francis Harress, aimed at making measurements of Fresnel drag of light propagating through moving glass, was later recognized as actually constituting a Sagnac experiment. Harress had ascribed the "unexpected bias" to something else.
サニャック効果の歴史
角速度と位相シフトとの相関関係を観測する目的でリング干渉計の実験を行なったのは、フランス人のジョルジュ・サニャックで、1913年のことだった。これにより、,この効果には彼の名前が冠せられている。その目的は、「エーテルの相対的運動の効果」を検出すると云うものだった。1911年に、フランシス・ハレス (Francis Harress) が、運動するガラスを通過する光の「フレネル (Fresnel) ドラッグ」を測定する目的で行なった実験が、実際にはサニャックが行なったものと同じ実験になっていたことが、後になって分かったが、ハレスは、「予想外の偏移」の原因を別のものに帰していたのだった。

[[訳註:"Francis Harress" の「読み」が分からない。一応「フランシス・ハレス」としておく。]]

In 1926 a very ambitious ring interferometry experiment was set up by Albert Michelson and Henry Gale. The aim was to find out whether the rotation of the Earth has an effect on the propagation of light in the vicinity of the Earth. The Michelson-Gale experiment was a very large ring interferometer, (a perimeter of 1.9 kilometer), large enough to detect the angular velocity of the Earth. The outcome of the experiment was that the angular velocity of the Earth as measured by astronomy was confirmed to within measuring accuracy. The ring interferometer of the Michelson-Gale experiment was not calibrated by comparison with an outside reference (which was not possible, because the setup was fixed to the Earth). From its design it could be deduced where the central interference fringe ought to be if there would be zero shift. The measured shift was 230 parts in 1000, with an accuracy of 5 parts in 1000. The predicted shift was 237 parts in 1000.
1926年に、アルバート・マイケルソンとヘンリー・ゲールとより、リング干渉計を用いる極めて野心的な実験が行なわれた。その目的は、地球の回転が地球近傍での光の伝播に対し影響を及ぼすかどうかを確認しようとするものであった。マイケルソン-ゲールの実験は、地球の角速度を検出するのに十分なほど非常に大きいリング干渉計 (周囲1.9㎞) を用いるものであった。実験の結果は、天体観測により測定されていた地球の角速度の正しさを、測定精度内で確認するものであった。マイケルソン-ゲールの実験で用いられたリング干渉計は、外部標準との比較による較正はされなかった (装置は地球に対して固定されていたので不可能だったのである) が、その設計から、シフトがゼロならば中央部干渉縞が現われる筈の位置は導かれていた。測定されたシフトは、1000 分の 230 であり、その精度は 1000 分の 5 であった。予想されてたいシフトは、1000 分の 237 であった。

Calculations
The Sagnac effect is not an artifact of the choice of reference frame. It is independent of the choice of reference frame, as is shown by a calculation that invokes the metric tensor for an observer at the axis of rotation of the ring interferometer and rotating with it yielding the same outcome. If one starts with the Minkowski metric and does the coordinate conversions and , the line element of the resultant metric is

where


  • t is proper time for the central observer,

  • r is distance from the center,

  • θ is the angular distance along the ring from the direction the central observer is facing,

  • z is the direction perpendicular to the plane of the ring, and

  • ω is the rate of rotation of the ring and the observer.

計算
サニャック効果は、基準系の選択によって生じる現象ではない。それは、基準系の選択とは独立しており、リング干渉計の回転軸にいて、ともに回転している観測者に関する計量テンソルを計算するなら同一の結果が得られることから分かる。もし、ミンコフスキー (Minkowski) 計量から初めて、これに 及び と云う座標変換を行なうならば、その結果として得られる計量の線素は

となる。ここで

  • t は、中心にいる観測者の固有時。

  • r は、中心からの距離。

  • θ は、中心の観測者の視線方向からの、リングに沿った角距離。

  • z は、リング平面に直交する方向。

  • ω は、リングと観測者の回転速度。

Under this metric, the speed of light tangent to the ring is c ± rω depending on whether the light is moving against or with the rotation of the ring. Note that only the case of ω = 0 is inertial. For ω ≠ 0 this frame of reference is non-inertial, which is why the speed of light at positions distant from the observer (at r = 0) can vary from c.
この計量に従えば、光のリング接線方向の速度は、光の進行方向がリング回転方向と逆向きであるかどうかに応じて c ± rω となる。ω = 0 の場合のみが慣性的であることに注意されたい。ω ≠ 0 である場合には、この基準系は非慣性的であり、このため、観測者 (r = 0) から離れた位置での光の速度は、c とは限らない。

Practical uses of the Sagnac Effect
The Sagnac Effect is employed in current technology. One use is in inertial guidance systems. Ring interferometers are extremely sensitive to rotations, which need to be accounted for if an inertial guidance system is to return correct results.
サニャック効果の応用
サニャック効果は、技術として実用されている。応用例の一つとしては、慣性誘導装置がある。リング干渉計の回転検出は極めて高感度であって、慣性誘導装置が正しい動作をしたとしたら、それはリング干渉計を使っているためとみなさねばならない。

The Global Positioning System needs to take the rotation of the Earth into account in the procedures of using radio signals to synchronize clocks.
グローバル・ポジショニング・システムでは、時計を同期する無線信号の処理に地球の回転を考慮する必要がある。

See also
関連記事

References
参考文献


  • G. Sagnac, Comptes Rendus de l'Academie des Sciences (Paris) 157, pp.708-710,1410-1413 (1913)

  • H. Ives, JOSA 28, pp.296-299 (1938)

External links
外部リンク


    関連記事 (本サイト内):
  1. nouse: ドイツ語版ウィキペディア "Sagnac-Interferometer" 訳文
  2. nouse: フランス語版ウィキペディア "Effet Sagnac" 訳文
  3. nouse: オランダ語版ウィキペディア "Sagnac-effect" 訳文
  4. nouse: 一般相対論によるサニャック効果の導出
  5. nouse: 英文版ウィキペディア "Born coordinates" 導入部、第1節-第3節翻訳草稿

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