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"Inkscape tutorial: Tracing" 訳文 (再編集簡約版)

以下は、[nouse: "Inkscape tutorial: Tracing" 訳文] (2007年8月 1日 [水]) から、原英文を除去し、[訳註] も最小限にまで減らした (そのため、明示せずに訳者補綴を本文に織り込んだ部分や、ミセケチを実際に削除したところもある) ものである。


Inkscape 教程:トレース

Inkscape の特徴の一つは、ビットマップ・イメージをトレースして、SVG 描画用の <経路>要素にできることである。この短い文章は、読者がトレース機能を習得するのを助けるべく書かれたものである。

[[訳註:この翻訳文では、"path" は「経路」と訳されているが、"Inkscape for Windows" では「パス」となっている。]]

現在、Inkscape は、ピーター・セリンジャー (Peter Selinger) によるビットマップ・トレース・エンジンである「ポットレース (Potrace)」(potrace.sourceforge.net) を採用している。Inkscape は、将来、別のトレース・プログラムも利用できるようになると思われるが、現在のところは、この優れたツールは、我我の必要を補って余りあるものである。

トレース機能の目的は、元の画像の正確な複製を作り出すことにはないことに留意しておいていただきたい。それは、完成した製品を作り出すためのものでもない。如何なる自動的なトレース・プログラムにも、そのようなことは不可能である。トレース・プログラムから得られるのは、描画の際の資源として利用可能な、一まとまりの曲線なのである。

Potrace は、白黒2値のビットマップを解釈して、一まとまりの曲線を生成する。そうした Potrace のために、現在のところ、Inkscape には、3種類の入力フィルターが備えられていて、生の画像を Potrace が処理可能な形に変換している。

一般に、中間生成ビットマップにおいて、黒ピクセルが多い方が、Potrace は、多くのトレースを行なう。トレース量が増加すると、必要な CPU 時間が増大し、<経路>要素が、非常に大きくなる。まず明るめの中間生成画像で試しにトレースを行なってみた後、出力される経路の割合及び細かさが所要のものとなるまで、少しづつ暗くしていくことをお薦めする。

トレース・プログラムを利用するには、画像をロード又はインポートし、選択してから、項目 経路 > ビットマップをトレース を選択するか、Shift+Alt+B を押せば良い。

[[訳註:原英文で表示されているダイアログの画像は、英語版 Inkscape (恐らく古いヴァージョン) から得られたものであるので、(私が持っている) "Inkscape for Windows" で対応する「タブ」のキャプチャ画像で差し替えた。]]

An example image

見ての通り、3種類のフィルター・オプションが利用可能である:



  • 明度の閾値 [[訳註:"Inkscape for Windows" では、「明るさの境界」が対応すると思われる。]]

このフィルターでは、単にピクセルの赤色・緑色・青色の和 (つまり「階調」) でもって、そのピクセルを黒と認定すべきか、白と認定すべきかの指標とするものである。その閾値は、0.0 (黒) から 1.0 (白) までが設定できる。閾値設定を高くすれば、「白」と認定されるピクセルの数は少なくなり、中間生成画像は暗くなる。

An example image



  • 最適化エッジ検出 [[訳註:"Inkscape for Windows" では、「エッジ検出」が対応すると思われる。]]

このフィルターでは、J. キャニー (J. Canny) が考案したエッジ検出アルゴリズムを、類似コントラストの等傾線を迅速に発見する手段として採用している。これにより得られる中間生成ビットマップは、「明度の閾値」処理により得られる中間生成ビットマップと比べると、元の画像に似ていないが、他の方法では無視されがちな曲線情報が得られる可能性が高い。このフィルターでの閾値設定 (0.0 – 1.0) に従って、コントラスト・エッジに隣接するピクセルを出力中に含めるかどうかと云う調整が明度の閾値に対して行なわれる。この設定をするなら、出力におけるエッジの「濃さ」つまり太さが調整される。

An example image



  • 色の量子化

このフィルターの出力結果の中間生成画像は、上記の2つのフィルターのものとは非常に異なっているものの、実際非常に有用である。明度又はコントラストの等傾線を示す代わりに、このフィルターは、明度やコントラストが等しい場合であっても、色が変化するエッジを探し出す。このフィルターで設定されるのは、もし中間生成ビットマップに色を付けたとしたのなら何種類の色が出力されることになるのかを示す「色数」である。その上で、その色の指数が奇数であるか偶数であるかに応じて黒か白かが決定される。

An example image

3種類のフィルターを全て試してみて、様ざまな入力画像に対し、様ざまな種類の出力が得られることを見られたい。他のフィルターに比べて、あるフィルターが最も良く働くと云う画像が必ずあるであろう。

トレース作成後、出力された経路に対し 経路 > 簡略化 (Ctrl+L) を適用してみて、ノード数を減らすこともお薦めする。それにより、Potrace の出力は、非常に編集しやすいものになりうる。例えば、下図は「老いたるギター弾き」(パブロ・ピカソ 1903/1904年) をトレースしたものの典型例である:

An example image

膨大な数のノードが経路中にあることに注意されたい[[訳註:この訳文中の図面ではノードは表示されない]]。Ctrl+L を打った後の典型的な結果は、以下のようになる:

An example image

表示は、幾らか近似的で粗くなっているが、描画は大幅に単純化されて、編集がしやすくなっている。必要なのは、正確な画像の実現ではなく、描画を行なう際に利用できる一まとまりの曲線だと云うことを心に留意していただきたい。

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