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[八代集秀逸]中のよみ人知らず歌リンク集

藤原定家撰版の [八代集秀逸] (岩波文庫 [王朝秀歌選] 所収) には、[よみ人知らず]の歌が6首収められている。それぞれに就いてのリンクをまとめた(各歌の前の数字は、[八代集秀逸] 内での番号付け)。

2. 鳴きわたる 雁の涙や 落ちつらむ 物思ふ宿の 萩の上の露 (古今221)

古今和歌集の部屋 巻四 221
時代統合情報システム [古今集 巻四:秋上] [00221]
古今和歌集 [221]
「近代秀歌」翻字データベース [古今巻四221 読人しらず]
秀歌体大略 (千人万首) [秋 32 読人不知 古今]
源氏物語 36 柏木 第五章 夕霧の物語 柏木哀惜 [注釈326: もの思ふ宿は]
中古 よみ人しらず (千人万首付録) [古今221]

本歌取り
  刑部卿頼輔、歌合し侍りけるに、よみて遣はしける
聞く人ぞ涙は落つる帰る雁鳴きて行くなる曙の空
--藤原俊成 [春 新古今] (千人万首) [新古今 59]

なき渡る雲ゐの雁の涙さへ露おく袖の夜半のかたしき
--俊成卿女 [水無瀬恋十五首歌合] 秋恋 [十三番 左 持]



8. 名取川 瀬々の埋れ木 あらはれば いかにせむとか 逢ひ見初めけむ (古今650)

古今和歌集の部屋 巻十三 650
時代統合情報システム [古今集 巻十三:恋三] [00650]
古今和歌集 [650]
近代秀歌 例歌 (千人万首) [恋 61]
秀歌体大略 (千人万首) [恋 94 読人不知 古今]
中古 よみ人しらず (千人万首付録) [古今650]

本歌取り
  攝政太政大臣家歌合によみ侍りける
ありとても逢はぬためしの名取川朽ちだにはてね瀬々の埋木
--寂蓮 [新古今 卷第十二:戀歌二 1118]

なとり川わたればつらし朽ち果つる袖のためしのせぜの埋れ木
--定家朝臣 [水無瀬恋十五首歌合] 河辺恋 [六十一番 右] (「勝」は左「左大臣良経 泊瀬川ゐでこす波の岩の上におのれくだけて人ぞつれなき」)



10. たがみそぎ ゆふつけ鳥か 唐衣 立田の山に をりはへて鳴く (古今995)

古今和歌集の部屋 巻十八 995
時代統合情報システム [古今集 巻十八:雑下] [00995]
古今和歌集 [995]
古今集秀歌選 [0995]
吉川栄治研究室(滋賀大学) [古今集:巻18/雑下/0995/読人不知]
「ユフツケドリ」詠
鳥を詠める和歌 [古今和歌集 十八雑 よみ人しらず]

大和物語 百五十四段
大和の國なりける人のむすめ、いときよらにてありけるを、京よりきたりける男のかいまみて見けるに、いとおかしげなりければ、ぬすみてかき抱きて馬にうちのせて逃げていにけり。いとあさましうおそろしう思ひけり。日暮れて立田山にやどりぬ。草のなかにあふりをときしきて、女を抱きて臥せり。女、恐しと思ふことかぎりなし。わびしと思ひて、男の物いへど、いらへもせで泣きければ、男、
   たがみそぎゆふつけどりか唐衣立田の山におりはえてなく
女、かへし、
   立田川いはねをさしてゆく水の行方もしらぬわがごとやなく
とよみて死にけり。いとあさましうてなむ、男抱きもちて泣きけり。
--歌物語という「語り」~「大和物語」百四十九段~百五十五段 [154段]
--大和物語 [154:ゆふつけ鳥]



11. つつめども 隠れぬものは 夏虫の 身より余れる 思ひなりけり (後撰209)

詞書: 桂の皇女(みこ)の「蛍をとらへて」と言ひ侍りければ、童(わらは)の汗衫(かざみ)の袖につつみて
時代統合情報システム 後撰集 巻四:夏 [00209]
後撰集秀歌選 [巻第四:夏歌 0209]
後撰和歌集卷第四 夏歌 [桂のみこの螢を捕へてといひ侍りければ童のかざみの袖につゝみて]
「近代秀歌」翻字データベース [後撰巻四209 読人しらず]
和漢朗詠集
虫を詠める和歌 [後撰和歌集 四夏]
詠歌一體 藤原爲家 [国文研/後撰和歌集/後撰和歌集巻第四/夏歌 0209]

今物語 四
 ある殿上人ふるき宮ばらへ夜ふくる程に参りて。北のたいのめむだう(馬道)にたゝずみけるに。局におるゝ人の気色あまたしければ。ひきかくれてのぞきけるに。御局のやり水に蛍のおほくすだきけるを見て。さきにたちたる女房の。蛍火みたれとびてとうちながめたるに。つぎなる人。夕殿に蛍とんでとくちずさむ。しりにたちたる人。かくれぬものは夏むしのとはなやかにひとりごちたり。とりどりにやさしくもおもしろくて。此男何となくふしなからんもほいなくて。ねずなきをしいでたりける。さきなる女房。ものおそろしや。蛍にも声のありけるよとて。つやつやさはぎたるけしきなく。うちしづまりたりける。あまりに色ふかくかなしくおぼえけるに。今ひとり。なく虫よりもとこそととりなしたりけり。是もおもひ入たるほどおくゆかしくて。すべてとりどりにやさしかりける。
   後拾おもひにもゆる〔首書〕
音もせてみさほにもゆる蛍こそ鳴虫よりも哀成けれ
蛍火乱飛秋已近。辰星早没夜初長。
夕殿蛍飛思悄然。
後撰 つゝめともかくれぬ物は夏むしの身よリあまれる思ひ成けり
--今物語 第四話
//ゑびすや贅言: なんと艶やかな情景だろう。

参考:
  ほたるをよみ侍りける
音もせで思ひにもゆる蛍こそなく虫よりもあはれなりけれ (後拾遺216)
--源重之 (千人万首) [夏]

蛍火乱れ飛びて 秋已に近し
辰星早く 没(かく)れて 夜初めて長し
蛍火乱飛秋已近。辰星早没夜初長。元
--和漢朗詠集

元稹 [夜坐]
雨滯更愁南瘴毒,月明兼喜北風涼。
古城樓影橫空館,濕地蟲聲繞暗廊。
螢火亂飛秋已近,星辰早沒夜初長。
孩提萬里何時見,狼藉家書滿臥床。
--簫堯『中國詩苑』《全唐詩》卷四百一十五 [卷415_28 《夜坐》元稹]


14. 秋風に さそはれ渡る 雁がねは 物思ふ人の 宿をよかなむ (後撰360)

時代統合情報システム 後撰集 巻七:秋下 [00360]
後撰和歌集・ 巻第七 秋下 [360 題しらず]
後撰和歌集卷第七 秋歌下 [題志らず]
「近代秀歌」翻字データベース [後撰巻七360 読人しらず]
近代秀歌 [後撰和歌集/後撰和歌集巻第七/秋歌下 0360]
近代秀歌 (縦書き表示) [後撰和歌集/後撰和歌集巻第七/秋歌下 0360]
秀歌体大略 (千人万首) [秋 38 読人不知 後撰]
中古 よみ人しらず (千人万首付録) [後撰360]
詠歌大概



24. いかにして しばし忘れむ 命だに あらば逢ふ夜の ありもこそすれ (拾遺646)

時代統合情報システム 拾遺集 巻十一:恋一 [00646]
拾遺和歌集 646
拾遺和歌集卷第十一 戀一
中古 よみ人しらず (千人万首付録) [拾遺646]

清原深養父
いかで猶 しばし忘れん 命だに あらば逢ふ世の ありもこそすれ
--深養父集増補 [60-]

本歌取り
  題しらず
あすしらぬ命をぞ思ふおのづからあらば逢ふよを待つにつけても
--新古今 巻第十二 恋歌二 殷富門院大輔 (新古1145)

  建保五年四月庚申、久恋といへる心をよみ侍ける
こひしなぬ身のをこたりぞとしへぬるあらばあふよのこゝろづよさに
--新勅撰和歌集 巻第十二 恋歌二 権中納言定家 [746]



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