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フランスの古童謡 "Nous n'irons plus au bois"

記事 [nouse: フランス語 "net et vif" に就いて] (2006年12月14日) で触れたが、Claude Debussy (クロード・ドビュッシー) のピアノ曲 Jardins sous la pluie (雨の庭) は、それ以前に作曲された『いやな天気だから「もう森には行かない」の諸相(Quelques aspects de “Nous n'iron plus au bois” parce qu'il fait un temps insupportable)』を改作したものだと云うことだ。

この "Nous n'iron plus au bois" はフランスの古童謡で、18世紀に作られたとされている。作詞者はポンパドゥール夫人 (Madame de Pompadour 1721年12月29日-1764年4月15日) とする説がある由("Pour tout l'or des mots" ISBN 2221082559 Claude Gagnière, Ed. Robert Laffont, coll. Bouquins, p. 186 に書いてあるらしいが、私は未確認 )。楽曲は、[天使ミサ (la messe De Angelis)] の[キリエ mid] ([misa o yomu -- Kyrie] も参照)の冒頭部から取られているとのこと。

歌詞は、以下の通り:

Nous n'irons plus au bois

Nous n'irons plus au bois, les lauriers sont coupés.
La belle que voilà, la lairons-nous danser?
Entrez dans la danse, voyez comm' on danse,
Sautez, dansez, embrassez qui vous voudrez.

La belle que voilà, la lairons-nous danser?
Mais les lauriers du bois, les lairons-nous faner?
Entrez dans la danse, voyez comm' on danse,
Sautez, dansez, embrassez qui vous voudrez.

Mais les lauriers du bois, les lairons-nous faner?
Non, chacune, à son tour, ira les ramasser.
Entrez dans la danse, voyez comm' on danse,
Sautez, dansez, embrassez qui vous voudrez.

Non, chacune, à son tour, ira les ramasser.
Si la cigale y dort, ne faut pas la blesser.
Entrez dans la danse, voyez comm' on danse,
Sautez, dansez, embrassez qui vous voudrez.

Si la cigale y dort, ne faut pas la blesser.
Le chant du rossignol la viendra réveiller.
Entrez dans la danse, voyez comm' on danse,
Sautez, dansez, embrassez qui vous voudrez.

Le chant du rossignol la viendra réveiller.
Et aussi la fauvette, avec son doux gosier.
Entrez dans la danse, voyez comm' on danse,
Sautez, dansez, embrassez qui vous voudrez.

Et aussi la fauvette, avec son doux gosier.
Et Jeanne, la bergère, avec son blanc panier.
Entrez dans la danse, voyez comm' on danse,
Sautez, dansez, embrassez qui vous voudrez.

Et Jeanne, la bergère, avec son blanc panier,
Allant cueillir la fraise et la fleur d'églantier.
Entrez dans la danse, voyez comm' on danse,
Sautez, dansez, embrassez qui vous voudrez.

Allant cueillir la fraise et la fleur d'églantier.
Cigale, ma cigale, allons, il faut chanter!
Entrez dans la danse, voyez comm' on danse,
Sautez, dansez, embrassez qui vous voudrez.

Cigale, ma cigale, allons, il faut chanter,
Car les lauriers du bois ont déjà repoussés.
Entrez dans la danse, voyez comm' on danse,
Sautez, dansez, embrassez qui vous voudrez.
--Nous n'irons plus au bois midip mp3 音源あり。
--Nous n'irons plus au bois バックグラウンド演奏あり。最終聯の "sont" は --ont-- の誤りか?
--Nous n'irons plus au bois 短縮版。
--Chanson Francaise. Chanson pour enfant 最後に第1聯が繰り返される。楽譜へのリンクあり。
--jecris.com, site pour enfants : Chansons - Nous n'irons plus au bois 変異例。
--Le lutin : Nous n'irons plus au bois midi 音源あり。カラオケ風の歌詞表示が付いている(文字化けするが)。
--Nous n'irons plus au bois chansons pour danser - paroles de chansons pour enfants 短縮形。最後の方で "sont" は --ont-- か?
--Nous n'irons plus au bois 変異例。最後の方で "sont" は --ont-- か?
--Nous n'irons plus au bois 短縮形。最後の方で "sont" は --ont-- か?
--Nous n'irons plus au bois短縮形。最後の方で "sont" は --ont-- か?
--Nous n'irons plus au bois 2種類の midi 音源あり。楽譜表示あり。最後の方で "sont" は --ont-- か?
--Nous n'irons plus au bois 変異例。"Mais les lauriers du bois, les laisserons-nous couper?" と云う言い方に注意。

子供たちは、輪になってこの童謡を唄い、それぞれの聯で、輪の中に子供が一人入る。次の聯では別の子供と代わると云うことをしていって、順々に子供全員が輪の中に入るまで行なう、と云うようにして遊ぶのだそうな。

やはり、一応、私の翻訳(のようなもの)を付けておく。第3聯第2行に "chacune" とあるから、「建前上」参加者は少女/幼女だろう。そこで「女の子」の口調で訳すよう努めた。一笑せられたい。

もう森へは、私たち行きません

ローリエの樹、刈り込みました。もう森へは、私たち行きません
可愛いこの娘に、踊ってもらぉ
お入んなさい。ご覧なさい。
跳んで、踊って、お気に入りにはキスしなさい。

可愛いこの娘に、踊ってもらぉ
けれど、森のローリエしおれませんか?
お入んなさい。ご覧なさい。
跳んで、踊って、好きな相手にキスなさい。

けれど、森のローリエしおれませんか?
それはダメだわ、順番で行って集めましょ。
お入んなさい。ご覧なさい。
跳んで、踊って、好きな相手にキスなさい。

それはダメだわ、順番で行って集めましょ。
もしもセミが寝ていたら、ケガをさせてはいけません
お入んなさい。ご覧なさい。
跳んで、踊って、好きな相手にキスなさい。

もしもセミが寝ていたら、ケガをさせてはいけません
サヨナキドリの歌声が、聞こえて、「お目覚」になるでしょう
お入んなさい。ご覧なさい。
跳んで、踊って、好きな相手にキスなさい。

サヨナキドリの歌声が、聞こえて、「お目覚」になるでしょう
優しい声のウグイスも、一緒にやってくるでしょう
お入んなさい。ご覧なさい。
跳んで、踊って、好きな相手にキスなさい。

優しい声のウグイスも、一緒にやってくるでしょう
白いカゴ持ったジャンヌは羊飼い
お入んなさい。ご覧なさい。
跳んで、踊って、好きな相手にキスなさい。

白いカゴ持ったジャンヌは羊飼い
イチゴと野バラを摘みに行くとこ
お入んなさい。ご覧なさい。
跳んで、踊って、好きな相手にキスなさい。

イチゴと野バラを摘みに行くとこ
セミさん、セミさん、さぁ、唄わなきゃ
お入んなさい。ご覧なさい。
跳んで、踊って、好きな相手にキスなさい。

セミさん、セミさん、さぁ、唄わなきゃ
森のローリエ、また芽をふいた
お入んなさい。ご覧なさい。
跳んで、踊って、好きな相手にキスなさい。

なお、[映像 (音楽) - Wikipedia/最終更新 09:52, 2006年11月25日] において、『ドビュッシーには全作品中合計4曲「もう森へは行かない、嫌な天気だから」というフランスの童謡に基づく曲がある。』と書かれているが、私が調べた範囲では、童謡 "Nous n'iron plus au bois" のヴァリアント中には、「嫌な天気だから」を思わせる語句は見いだせなかった。あるいは、「嫌な天気だから」は、ドビュッシーの理由かもしれない(つまり、「嫌な天気だから」だから、外出せずに "Nous n'iron plus au bois" で触発される曲を作ろうとでもいうような)。

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