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2006年11月の10件の記事

メモ: Billy Joel "We didn't start the fire"

[メモ: Billy Joel "New York State of Mind"] (2005年12月3日)で、

告白しておくと、だいたい、私、この Billy Joel の歌("New York State of Mind")を聞いたことがない。更に言ってしまうと、彼の歌を聞いて感心したことがあまりない(一曲だけあったような気がするが、タイトルは失念してしまった。ただし、それは "New York State of Mind" でも、"Honesty" でも、"Uptown Girl" でもない)。

と書きましたが、その「一曲」が "We didn't start the fire" であったことを思い出しました。全米 (Billboard 誌) 第1位になったそうだから、知っている人も多いでしょう。次のリフレインが入っている曲です:

We didn't start the fire
It was always burning
Since the world's been turning
We didn't start the fire
No we didn't light it
But we tried to fight it
火を付けたのは僕らじゃない
昔から燃え続けてきたんだ
世界は廻ってきたんだから
火を付けたのは僕らじゃない
そうさ、僕らは火を付けてない
逆に消そうとしたんだから

この歌、要するに「世の中色色あるけど、悪いのは自分じゃない」と言っていて、それがヤケッパチな歌い方(彼の歌にしては例外的に、歌詞が先にできて、それに「曲」--と云うほどのものではないが-- が後付けされたらしい)に「ハマって」いる。まぁ「正直善哉」とでも言っておきましょう。

そう言えば、"Honesty" は、自身が正直でありたいではなくて、相手に対して正直になれと言っている、虫のいい歌ですが、それは兎に角、「正直」を振り回す奴って、本人は正直かどうか怪しいと云うのが私の感想だったのです。"We didn't start the fire" を聞いた時の私の「感心」の下地には、それがある。「Billy Joel って、ヤケッパチではあるにしろ正直な歌も唄うんだ」と思ったのです。

ちなみに "We didn't start the fire" は、彼が誕生年である1949年から、この曲の発表年1989年(収録アルバム: Storm Front) までの、作者にとっての印象的な出来事を列挙していますが、これはこれで case study として面白い。

参考のために幾つかリンクを張っておきましょう:
1. The song and video have been interpreted as a rebuttal to criticism of Joel's Baby Boomer generation, from both its preceding and succeeding generations, for being responsible for much of the world's problems. The song's title and refrain imply that the world has been in a frenzied and troubled state since before his generation's birth. --We Didn't Start the Fire - Wikipedia, the free encyclopedia
2. "We Didn't Start the Fire" is an excellent education tool for teachers and students! --We Didn't Start the Fire
3. I hold copyright to neither song nor images...please don't sue. --We Didn't Start The Fire (300万ヒットを超えているフラッシュ・ムービー)

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JavaScript による、ココログサイト内全文検索

従来、このサイト (nouse) のサイト内検索は、"yahoo japan," "google," "ココログル" の3つ検索エンジンで、対象を yeblog.cocolog-nifty.com に限定することで実現していた。しかし、「ある単語/フレーズを手掛かりに、それを含む記事に辿りつく」と云う、こちら側にとっては基本的な要求を満たしてくれないことが多いため、「無いよりはマシ」程度の価値しかなかった。

もっとも、文書を書いた本人である私自身の場合は、それなりに「手掛かり」は豊富であるし、よしんば些細な手掛かりであっても、目標とする記事を探す出すのには、少なくとも現在の記事数ぐらいでは苦労しないのだが、ゲストの場合は余計な手間を掛けさせてしまっていることが想像された。

この不備は以前から漠然と気になっていたのだが、アクセス解析を見るようになって、ゲストに無駄骨を折らせている目の当たりに分かるようになったので、最近本気になってネットを調べたのだった。すると、取り敢えずココログ専用ではあるが、良さそうなものがすぐに見つかった。それが、[暴想]と云うサイトの管理者である[なおゆき]さんが作成された cocolog_ajax_search.js と云う JavaScript ユーティリティだ(利用許諾条件: クリエイティブ・コモンズ・ライセンス)。

これを利用するのに、実際にユーザーが行なわなければならないのは、[暴想] 中の記事 [自分のココログを全文検索するJavaScript] (2005.10.30--最初の発表は1年以上前ことだ。今まで知らなかったのは、単に私が怠慢だったためだろう) で公表されているスクリプトを、自分が管理しているココログサイトのマイリストの項目として貼り付けることだけである(但し、後述するように、バックナンバー設定を変更する必要がでてくる可能性がある)。このスクリプトは、cocolog_ajax_search.js を組み込む一方、検索テキスト入力用のフォームを、サイドバーに作成してくれる。

使ってみると、すこぶる具合が良い(フレーズによる検索が出来ないのが残念だが、AND 検索は可能である)。ポスト直後の記事を含めて文字どおり全文検索するので、検索漏れに就いて疑心暗鬼せずにすむ。と云う訣で、今まであった検索エンジンの利用は全廃して、[暴想エンジン]だけに切り替えた。

ただし、導入時引っ掛かったのが、[管理ページトップ >ブログ一覧 > 個別のブログ名 >設定>バックナンバー設定] (注: 個別のブログ名 は、当該スクリプトを貼り付けるブログ名。このサイトでは nouse) が、[週別]では、ページエラーが出てしまうことだった。そこで、[バックナンバー設定]を[月別]に改めた。

これに合わせて、同じく[なおゆき]さんが発表している[カテゴリ別バックナンバーをプルダウンメニューにするJavaScript] (2005.10.09) と[月別バックナンバーをプルダウンメニューにするJavaScript] (2005.10.10) も導入することにした。その際、検索結果やカテゴリ・月別バックナンバーの表示の際に[タイトルと概要]を表示する形式を採用した。

と云う訣で、私が実際にした手順を以下にまとめておく。ただし、憶え間違えがあろうし、勘違いもあるかもしれないのが、その際は悪しからず。

1. [マイリストの新規作成]を行なう。ここで [リストのタイプ:] は「メモ」、[リストの名前:]は "in-site search" で、リストを新規作成した(勿論、リスト名は、cocolog の「仕様」に従う限り、個々のブログの管理者の任意である。以下、"in-site search" は適宜読み替えて頂きたい)。
2. [管理ページトップ >マイリスト>in-site search]の画面が現われるので、そこで[項目の追加]を選択する。
3. [項目を追加する: in-site search] と云うウィンドウが現われるので、そこの[ラベル]欄は空白のままにしておき、[メモ]欄に以下のテキストを貼り付ける。

<script type="text/javascript" src="http://java.cocolog-nifty.com/blog/files/javascript/prototype.js"></script>
<script type="text/javascript" src="http://java.cocolog-nifty.com/blog/files/javascript/cocolog_ajax_search.js"></script>
<form action="javascript:cocologAjaxSearch( '/blog/archives.html', document.getElementById('search_box').value );"><input type="search" id="search_box" value=""><input type="button" id="search_button" onclick="javascript:cocologAjaxSearch( '/blog/archives.html', document.getElementById('search_box').value );" value="検索"></form>
エンジン: cocolog_ajax_search.js<br />
作成者: [なおゆき]さん<br />
入手サイト: <a href="http://java.cocolog-nifty.com/blog/2005/10/javascript_c163.html">暴想</a><br />
ライセンス: <a href="http://creativecommons.org/licenses/by-sa/2.1/jp/">Creative Commons</a><br />
----------------------------
<script type="text/javascript" src="http://java.cocolog-nifty.com/blog/files/javascript/category_archive2pulldown.js"></script>
<script type="text/javascript" src="http://java.cocolog-nifty.com/blog/files/javascript/cocolog_archive_extention.js"></script>
<script type="text/javascript" src="http://java.cocolog-nifty.com/blog/files/javascript/date_archive2pulldown.js"></script>

<script type="text/javascript">
window.onload = function init() {
//タイトルと概要を表示を使う人は追加する
cocolog_archive_extention();
//カテゴリ別バックナンバーをプルダウンメニューに
category_archive2pulldown('#type=title');
//月別バックナンバーをプルダウンメニューに
date_archive2pulldown( '/nouse/archives.html', '#type=title');
}
</script>

注意すべきは、上記スクリプト中、末尾近くの[//月別バックナンバーをプルダウンメニューに]の次の行で、/nouse/ とあるところは、適宜 個別のブログ名 に変更しなければならないことだ(オリジナルでは /blog/ になっている)。また、その直後の archives.html も、自分のサイト独自のファイル名になっているなら、その通りに変更する必要があるとのことだ。

また、nouse では、ココログデザインを利用していないので、[カテゴリ別バックナンバーをプルダウンメニューにするJavaScript] に書かれてある window.onload で実行される関数 init() による処理中、ココログデザインに関わる次の2行を削除してある:

//ココログデザインを使っている人は追加する
initStyle();

4. ウィンドウ[項目を追加する: in-site search] 中の[追加]のボタンを押す。
5, [項目を編集する: in-site search] と云うウィンドウが現われるので、[変更を保存]のボタンを押す。
6. [変更内容を保存しました。]と云うメッセージがでるので、[ウィンドウを閉じる]のボタンを押す。
7. [管理ページトップ>ブログ一覧> 個別のブログ名 >デザイン> 個別のブログ名 テンプレート>表示項目]で [in-site search (メモ)]にチェックを入れる。
8. [管理ページトップ>ブログ一覧> 個別のブログ名 >デザイン> 個別のブログ名 テンプレート>並べ方]で、好みのサイドバーコンテンツの配列を決めてから、[変更を保存]のボタンを押す。
9. [現在のテンプレートを編集:個別のブログ名] で[反映]のボタンを押す。
10. [nouseの反映]と云うウィンドウで[反映]のボタンを押す。
11. [すべてのファイルを反映しました。]と云うメッセージが出たら、処理完了。

なお、[ココログをAjax化するJavaScript(再掲)] (2005.10.17) に掲載されていスクリプトは、使ってみたが、私のシステムと相性が悪いらしく、挙動がおかしくなった(読み込みが終わらない。ウインドウ上にポインタがある状態でマウスのホイールを回転すると、選択したカテゴリや月が勝手に変わってしまう)ので、旧い方のスクリプト (2005.10.09 及び 2005.10.10) を使った。

ついでに書いておくと、[ココログの記事作成画面をドリコム風にするJavaScript::Bookmarklet] (2005.10.03) や、[記事の作成画面を巨大化するJAVASCRIPT::BOOKMARKLET] (2005.09.07) も、やはり私のシステムと相性が悪いらしく働いてくれない。ともに、使えたなら便利だろうと思われるので、残念。

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米国特許6599897(セロクエル)の要約・発明の背景・独立クレームの翻訳(再編集版)

本稿は、 [nouse] において、[ゑびすや] が2006年4月19日(水)に公表した「米国特許6599897(セロクエル)の要約・発明の背景・独立クレーム」を、英文と和訳文とがパラグラフ毎に並記されるよう再編集したものである。また、この機会に翻訳の補正を行なった(元になった記事に就いても対応する補正をしてある)。

本件は、スウェーデンの [アストラゼネカ・アクチエボラーグ (AstraZeneca AB)]社の非定型抗精神病薬[商品名セロクエル (Seroquel)])に関する特許である。

米国特許 No.6,599,897 (Daniel Boyd Brown; July 29, 2003) の要約・発明の背景・独立クレームの訳文。


Quetiapine granules
顆粒状クエチアピン


Abstract
要約

Granule formulations of quetiapine and pharmaceutically acceptable salts thereof are described, as are their preparation and their use in treating diseases of the central nervous system such as psychotic disease conditions including schizophrenia.
クエチアピン (quetiapine) 及びその薬剤として許容される塩の顆粒製剤が、その調製方法と、統合失調症等の精神病態の如き中枢神経系疾患の治療への使用法と云う形で開示されている。


Description
発明の説明

The present invention relates to a novel pharmaceutical formulation comprising 11-[4-[2-(2-hydroxyethoxy)ethyl]-1-piperazinyl]dibenzo[b,f][1,4]thiazepine or a pharmaceutically acceptable salt thereof (hereinafter referred to as the "agent"), processes for its preparation, and its use. In particular the present invention relates to a formulation which is easily suspended or dissolved in aqueous media.
本発明は、11-[4-[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチル]-1-ピペラジニル]ジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン (11-[4-[2-(2-hydroxyethoxy)ethyl]-1-piperazinyl]dibenzo[b,f][1,4]thiazepine) 又は薬剤として許容されるその塩(以下「薬剤」と言う)からなる新規の医薬製剤と、その調製方法及び使用法とに関する。本発明は、特に、水性溶媒中に容易に懸濁又は溶解する製剤に関する。


The "agent" can be used to treat diseases of the central nervous system such as psychoses. A particular example of the "agent" is quetiapine fumarate (sold under the trade name Seroquel.RTM.). Quetiapine fumarate has been marketed for a number of years for the treatment of schizophrenia and related disease conditions. A considerable body of literature describes how to use quetiapine fumarate. Specific references for the preparation and use of the "agent" are European Patent Application EP 240,228 and 282,236, U.S. Pat. No. 4,879,288 and International Patent Application WO 97/45124.
「薬剤」は、精神障害等の中枢神経系疾患の治療に用いることができる。「薬剤」の具体的な例としては、フマル酸クエチアピン(商品名 "Seroquel セロクエル" --米国登録商標-- で発売中)が挙げられる。フマル酸クエチアピンは、統合失調症及びその関連病態の治療薬として数年来販売されてきた。フマル酸クエチアピンの使用法を説明する文献は相当数に登っている。「薬剤」の調製及び使用法に関する参考文献の具体例として、ヨーロッパ特許出願 EP 240,228 及び EP 282,236、米国特許4,879,288、国際特許出願 WO 97/45124 を挙げておく。


Quetiapine fumarate is marketed as a tablet. Although doctors, nurses and other carers try to ensure that the patient takes the tablet(s), in psychotic patients there is frequently a problem with non-compliance. For example, the patient may "cheek" the tablet resulting in a missed dosage. Compliance problems would be reduced if the "agent" could be administered in the form of an oral solution or suspension. An oral solution or suspension has the additional advantage of being easier to swallow and hence a better method of administration for those patients who have problems swallowing tablets.
フマル酸クエチアピンは錠剤として販売されている。医師、看護士その他の医療・介護従事者は、患者が錠剤を確実に服用するように努めているとは言え、精神疾患者にあっては、しばしば服薬不遵守と云う問題が発生する。例えば、そうした患者は、錠剤を頬の内側に留めてしまうため服用量が減ってしまう。服薬上の問題は、「薬剤」が経口溶液又は懸濁液の形で投与できてきたなら、低減していただろう。経口溶液又は懸濁液には、飲み込みやすいと云う別の利点もあり、これにより、錠剤の嚥下に困難が伴う患者に対する投薬法として、より良いもの得られる。


To avoid problems with the "agent" deteriorating, the formulation of the present invention is provided as low moisture content granules which are readily dissolved or suspended in aqueous media prior to administration. The granules are also free flowing which enables uniform filling and emptying of sachets so that an accurate dose of the therapeutic product can be administered.
「薬剤」の劣化問題を回避するため、本発明による製剤では、投薬に先立って水性溶媒に容易に溶解又は懸濁する低水分含有量の顆粒が用いられる。顆粒ならば自由に流動するので、薬剤の正確な服用量での投与が可能となるように薬包を一様に充填したり空にしたりすることができる。


Various low moisture content formulations of the "agent" were prepared but found to be unsuitable, because either the granules were too hard and therefore not easily dispersed, or were not free flowing and compacted upon standing or vibration.
「薬剤」に就いては、従来様々な低水分含有製剤が調製されているが、好適でないことが判明している。これは、そうした顆粒剤が、硬すぎて分散しづらかったり、或いは、自由に流動しないために、立てたり振動を加えても充填がなされなかったためである。


Eventually we found a granule formulation of the "agent" which was free flowing and yet also surprisingly easily dissolved or suspended in aqueous media. Thus, the present invention provides a granule formulation of the "agent" which is free flowing and easily dissolved or suspended in aqueous media. For example, it should be suitable for administration within the time scale of the person administering the dose. Typically, it should be suitable for administration in less than 15 minutes, preferably less than 5 minutes and more preferably in less than 2 minutes.
我々は、自由に流動するが、同時に水性溶媒中で驚くほど容易に溶解又は懸濁する「薬剤」の顆粒製剤を遂に発見した。これに応じて、本発明は、自由に流動し、且つ、水性溶媒中で容易に溶解又は懸濁する「薬剤」の顆粒製剤を提供するものである。例えば、これは、投薬者の時間割内での投与を行うのに適する。典型的には、15分未満、好ましくは5分未満、より好ましくは2分未満の投与に適する。


In particular, the present invention provides a granule formulation comprising 11-[4-[2-(2-hydroxyethoxy)ethyl]-1-piperazinyl]dibenzo[b,f][1,4]thiazepine or a pharmaceutically acceptable salt thereof and a freely or very water-soluble binder, wherein the granules have a bulk density range of 0.15 g/ml to 0.60 g/ml and a tap density range of 0.20 g/ml to 0.70 g/ml and 80% of the granules are in the size range of 75 to 850 microns.
本発明は、特に、11-[4-[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチル]-1-ピペラジニル]ジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン、又は、薬剤として許容されるその塩と、完全水溶性の、又は、非常に水溶性の高いバインダーとからなる顆粒製剤であって、前記顆粒は、0.15 g/ml 乃至 0.60 g/ml の範囲の嵩(かさ)密度と、0.20 g/ml 乃至 0.70 g/ml の範囲のタップ密度とを有し、前記顆粒の 80% は、粒径が 75 乃至 850 ミクロンの範囲に入ることを特徴とする顆粒製剤を提供する。


The preparation, physical properties and beneficial pharmacological properties of the "agent" are described in published European Patents EP 240,228 and 282,236 as well as in U.S. Pat. No. 4,879,288, the entire contents of which are herein incorporated by reference.
「薬剤」の調製法、物性及び薬理学的利点は、ヨーロッパ特許出願公開 EP 240,228 及び EP 282,236 と、米国特許4,879,288とに記載されており、ここで言及したことで、その全内容が本明細書に組み込まれたものとする。


Preferably the "agent" is 11-[4-[2-(2-hydroxyethoxy)ethyl]-1-piperazinyl]dibenzo[b,f][1,4]thiazepine or a highly water-soluble pharmaceutically acceptable salt thereof. More preferably the "agent" is 11-[4-[2-(2-hydroxyethoxy)ethyl]-1-piperazinyl]dibenzo[b,f][1,4]thiazepine or a dihydrochloride, maleate, citrate or a fumarate salt thereof. Most preferably the "agent" is quetiapine fumarate (Seroquel).
「薬剤」は、11-[4-[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチル]-1-ピペラジニル]ジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンであるか、又は、高度に水溶性が高く薬剤として許容されるその塩であるのが好ましい。より好ましいのは、「薬剤」が、11-[4-[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチル]-1-ピペラジニル]ジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンであるか、その二塩酸塩、マレイン酸塩、クエン酸塩、又は、フマル酸塩であることである。最も好ましいのは、「薬剤」がフマル酸クエチアピン (セロクエル) であることである。


A freely or very water-soluble binder is a binder which dissolves in less than 10 parts of water per 1 part of binder by weight and comprises maltodextrin, mannitol, xylitol, pre-gelatin starch, sucrose or poly[1-(2-oxo-1-pyrrolidinyl)ethylene] (povidone). Preferably the binder dissolves in less than 1 part of water per 1 part of binder.
完全水溶性の、又は、非常に水溶性の高いバインダーとは、1重量部のバインダーが10重量部未満の水に溶解し、且つ、マルトデキストリン、マンニトール、キシリトール、予糊化澱粉 (pre-gelatin starch)、ショ糖、又は、ポリ[1-(2-オキソ-1-ピロリジニル)エチレン] (poly[1-(2-oxo-1-pyrrolidinyl)ethylene] つまり「ポビドン」)からなるバインダーのことである。このバインダーは、バインダー1部が水1部未満に溶解するものであるのが好ましい。


Preferably the very water-soluble binder is maltodextrin.
非常に水溶性の高いバインダーは、マルトデキストリンであるのが好ましい。


Preferably, the present invention provides a granule formulation comprising Seroquel.RTM. and maltodextrin, wherein the granules have a bulk density range of 0.15 g/cc to 0.60 g/cc and a tap density range of 0.20 g/cc to 0.7 g/cc and 80% of the granules are in the size range of 75 to 850 microns.
好ましくは、本発明は、"Seroquel (セロクエル)" (米国登録商標)と、マルトデキストリンとからなる顆粒製剤であって、前記顆粒は、0.15 g/cc 乃至 0.60 g/cc の範囲の嵩密度と、0.20 g/cc 乃至 0.70 g/cc の範囲のタップ密度とを有し、前記顆粒の 80% は、粒径が 75 乃至 850 ミクロンの範囲に入ることを特徴とする顆粒製剤を提供する。


Bulk density is the density of a free flowing powder. Tap density is the density of the powder after it has been vibrated or tapped on a surface several times. Bulk density is determined by pouring a volume of 100 ml of powder into a graduated cylinder and measuring the weight of the powder. Tap density is determined by placing the same cylinder, containing the 100 ml of powder used to measure the bulk density, on a piece of equipment that raises and drops the cylinder 200 times (the amplitude of the raising and lowering in this standard test is 0.5 inches). The new volume of the powder is measured and since the weight of the powder is already known the tap density can be calculated.
嵩(かさ)密度とは、自由に流動する粉体としての密度である。タップ密度とは、振動を受けるか、又は、表面を何回か叩かれた後の粉体密度である。嵩密度は、体積 100 ml の粉体を、メスシリンダー内に注いでから粉体の重量を測定することで決定する。タップ密度を決定するには、嵩密度を測定するために用いて100 ml の粉体を収容しているメスシリンダーそのものを、一定の機器に装着して、200回持ち上げ・落下させる(持ち上げ・落下の幅は、本発明が用いた標準的試験では 0.5 インチである)。粉体の体積を改めて測定するなら、粉体重量は既知であるから、タップ密度が計算できる。


Preferably the granules have a bulk density range of 0.261 g/ml to 0.400 g/ml; in particular 0.261 g/ml to 0.368 g/ml.
顆粒は、0.261 g/ml 乃至 0.400 g/ml の範囲、特に 0.261 g/ml 乃至 0.368 g/ml の範囲の嵩密度を有するのが好ましい。


Preferably the granules have a tap density range of 0.342 g/ml to 0.500 g/ml; in particular 0.342 g/ml to 0.464 g/ml.
また、顆粒は、0.342 g/ml 乃至 0.500 g/ml の範囲、特に 0.342 g/ml 乃至 0.464 g/ml の範囲のタップ密度を有するのが好ましい。


Granules with the desired bulk density, tap density and size range characteristics can be formed by using a fluid bed process. The fluid bed process involves fluidising the components of the formulation on a bed of air, adding water and then drying. Components of the formulation could alternatively be added as a solution or suspension with the water.
嵩密度・タップ密度・粒径に就いて上記所望特性を有する顆粒は、流動床法を用いることで形成することができる。流動床法は、空気流 (bed of air) で製剤成分を流動化する段階と、水を添加してから乾燥する段階とからなる。製剤成分を水溶液又は水への懸濁液として添加する仕方で行なっても構わない。


Accordingly, in another aspect, the present invention provides a process for preparing a formulation as defined above which comprises:
i) fluidising one or more components on a bed of air in a fluid bed;
ii) adding, to the fluid bed, water optionally containing one or more components;
iii) drying.
従って、本発明の別の実施例では、上記の製剤を調製するため
i) 流動床における空気流において一つ又は複数の成分を流動化する段階と、
ii) 前記流動床に、適宜一つ又は複数の成分を含んでも構わない水を添加する段階と、
iii) 乾燥する段階
とからなることを特徴とする方法が提供される。


Preferably the "agent" and the freely or very water-soluble binder and any other components are fluidised on the bed of air.
「薬剤」と、完全水溶性の、又は、非常に水溶性の高いバインダーと、他の(存在する場合)全ての成分とは、空気流で流動化されるのが好ましい。


The fluid bed process is well known in the art, for example see Schaefer T., Worts O., Control of Fluidized Bed Granulation I. Effect of spray angle, nozzle height and starting materials on granule size and size distribution, Arch. Pharm. Chemi Sci. Ed. 5, 1977, 51-60; Schaefer T., Worts O., Control of Fluidized Bed Granulation II. Estimation of Droplet Size of Atomized Binder Solutions, Arch. Pharm. Chemi Sci. Ed. 5, 1977, 178-193; Schaefer T., Worts O., Control of Fluidized Bed Granulation III. Effects of Inlet Air Temperature and Liquid Flow Rate on Granule Size and Size Distribution. Control of Moisture Content on Granules in the Drying Phase, Arch. Pharm. Chemi Sci. Ed. 6, 1978, 1-13; Schaefer T., Worts O., Control of Fluidized Bed Granulation IV. Effects of Binder Solution and Atomization on Granule size and size distribution, Arch. Pharm. Chemi Sci. Ed. 6, 1978, 14-25; Schaefer T., Worts O., Control of Fluidized Bed Granulation V. Factors Affecting Granule Growth, Arch. Pharm. Chemi Sci. Ed. 6, 1978, 69-82; Kawai S., Granulation and Drying of Powdery or Liquid Materials by Fluidized Bed Technology, Drying technology, 11(4), 1993, 719-731; and Kokubo H., Sunada H., Effect of Process Variable on the Properties and Binder Distribution of Granules Prepared in a Fluidized Bed, Chem. Pharm. Bull. 45(6), 1997, 1069-1072.
流動床法は、周知技術である、例えば、以下を参照されたい。T.シェーファー (T. Schaefer) 及び O.ウォーツ (O. Worts) の "Control of Fluidized Bed Granulation I. Effect of spray angle, nozzle height and starting materials on granule size and size distribution (流動床式顆粒生成法の制御 I。噴霧角、ノズル高さ及び当初材料の顆粒径及び粒径分布に及ぼす影響)" (Arch. Pharm. Chemi Sci. Ed. 5, 1977, 51-60)、T.シェーファー及び O.ウォーツの "Control of Fluidized Bed Granulation II. Estimation of Droplet Size of Atomized Binder Solutions (流動床式顆粒生成法の制御 II。噴霧化バインダー溶液の液滴径評価)" (Arch. Pharm. Chemi Sci. Ed. 5, 1977, 178-193)、T.シェーファー及び O.ウォーツの "Control of Fluidized Bed Granulation III. Effects of Inlet Air Temperature and Liquid Flow Rate on Granule Size and Size Distribution. Control of Moisture Content on Granules in the Drying Phase (流動床式顆粒生成法の制御 III。注入空気温度及び液体流量が顆粒径及び粒径分布に及ぼす影響。乾燥段階での顆粒水分含有量の制御)" (Arch. Pharm. Chemi Sci. Ed. 6, 1978, 1-13)、T.シェーファー及び O.ウォーツの "Control of Fluidized Bed Granulation IV. Effects of Binder Solution and Atomization on Granule size and size distribution (流動床式顆粒生成法の制御 IV。バインダー溶液及び噴霧化が顆粒径及び粒径分布に及ぼす影響)" (Arch. Pharm. Chemi Sci. Ed. 6, 1978, 14-25)、T.シェーファー及び O.ウォーツの "Control of Fluidized Bed Granulation V. Factors Affecting Granule Growth (流動床式顆粒生成法の制御 V。顆粒成長に作用する因子)" (Arch. Pharm. Chemi Sci. Ed. 6, 1978, 69-82)、S.カワイ (S. Kawai) の "Granulation and Drying of Powdery or Liquid Materials by Fluidized Bed Technology (流動床技術による粉末又は液状材料の顆粒化及び乾燥)"(Drying technology, 11(4), 1993, 719-731)、H.コクボ (H. Kokubo) 及び H.スナダ (H. Sunada) の "Effect of Process Variable on the Properties and Binder Distribution of Granules Prepared in a Fluidized Bed 「プロセス変数が流動床で調製される顆粒の性質及びバインダー分布に及ぼす影響" (Chem. Pharm. Bull. 45(6), 1997, 1069-1072)。


The size and density of the granules can be affected by altering conditions such as temperature, atomnisation air pressure, process air volume and water addition spray rate used in the fluid bed process. A key parameter affecting the characteristics of the granules is the moisture level in the granules; this moisture level results from the moisture level that is built up in the fluid bed. Granules with the desired characteristics can be obtained by altering the moisture level built up in the fluid bed using standard methods known in the art until granules of the appropriate size range and density are obtained. For example, on a 15 kg scale, the moisture level in the granules is normally between 4 and 10%. Typical conditions on the 15 kg scale are an inlet air temperature of 55-70.degree. C., an atomisation air pressure of 0.5 to 3.5 bar, a process air volume of 150 to 225 cfm (cubic foot per minute) and a water addition spray rate of 100 to 150 ml/min. Granules with the desired physical characteristics could also be formed using conditions outside these ranges. For example, on a larger scale (225 Kg), granules according to the invention were prepared using an inlet air temperature of 55-80.degree. C., an atomisation air pressure of 1.0 to 3.0 bar, a process air volume of 1600 to 2200 cfm and a water addition spray rate of 600 to 900 ml/min.
顆粒の粒径及び密度は、流動床プロセスにおいて用いられる温度・噴霧化空気圧・処理空気流量・添加水噴霧率等の条件を変更することで変えることができる。顆粒の特性に作用する主要パラメータは、顆粒内の水分レベルであるが、この水分レベルは、流動床内での水分レベルにより決まる。所望の特性を有する顆粒は、適切な粒径範囲及び密度の顆粒が得られるまで、流動床内での水分レベルを、公知の標準的技術を用いて変更することで得られる。例えば、15 kg 規模では、顆粒内の水分レベルは、通常 4 乃至 10% である。15 kg 規模での典型的な条件は、55-70 ℃ の注入空気温度と、0.5 乃至 3.5 bar の噴霧化空気圧と、150 乃至 225 cfm (立方フィート/分)の処理空気流量と、100 乃至 150 ml/分 の添加水噴霧率とである。これらの範囲外の条件を用いても、所望の物性を有する顆粒を得ることは可能であろう。例えば、より大規模な(225 kg)場合、本発明による顆粒が、55-80 ℃の注入空気温度と、1.0 乃至 3.0 bar の噴霧化空気圧と、1600 乃至 2200 cfm の処理空気流量と、600 乃至 900 ml/分の添加水噴霧率を用いて調製される。


In a preferred aspect, the present invention provides a fluid bed process wherein the moisture content is controlled to give granules with a moisture level in the range of 1.5 to 15%.
本発明の好ましい実施例では、1.5 乃至 15% の範囲の水分レベルを有する顆粒が得られるように水分含有量が制御される流動床プロセスが提供される。


In another aspect, the present invention provides granules with a moisture level in the range of 1.5 to 15% preferably 3 to 10%, more preferably 4 to 8%.
本発明の他の実施例では、1.5 乃至 15%、好ましくは 3 乃至 10%、より好ましくは 4 乃至 8% の水分レベルを有する顆粒が提供される。


Preferably the moisture level in the fluid bed leads to granules having a moisture level in the range 3 to 10%. More preferably the moisture level in the fluid bed leads to granules having a moisture level in the range 4 to 8%.
好ましくは、流動床における水分レベルは、3 乃至 10% の範囲の水分レベルの顆粒が得られるようなものであることである。さらに好ましいのは、流動床における水分レベルは、4 乃至 8% の範囲の水分レベルの顆粒が得られるようなものであるのことである。


In a preferred aspect, the present invention provides a fluid bed process wherein the atomisation air pressure is in the range of 0.5 to 3.5 bar, for example 1.0 to 3.0 bar.
本発明の好ましい実施例では、噴霧化空気圧が 0.5 乃至 3.5 bar の範囲に入る、例えば 1.0 乃至 3.0 bar である流動床プロセスが提供される。


In a further aspect, the present invention provides a granule formulation comprising the "agent" and a freely or very water-soluble binder produced by a fluid bed process wherein the moisture level in the granules before drying is in the range 1.5 to 15%.
本発明の他の実施例では、流動床法で製造された「薬剤」と、完全水溶性の、又は、非常に水溶性の高いバインダーとからなる顆粒製剤であって、乾燥以前の前記顆粒内の水分レベルが 1.5 乃至 15% の範囲内に入るような顆粒製剤が提供される。


In a preferred aspect, the present invention provides a granule formulation comprising the "agent" and a freely or very water-soluble binder produced by a fluid bed process wherein the atomisation air pressure is in the range of 0.5 to 3.5 bar, for example 1.0 to 3.0 bar.
本発明の好ましい実施例にあっては、流動床法で製造された「薬剤」と、完全水溶性の、又は、非常に水溶性の高いバインダーとからなる顆粒製剤であって、噴霧化空気圧が 0.5 乃至 3.5 bar の範囲内に入る、例えば、1.0 乃至 3.0 bar であるような顆粒製剤が提供される。


In a further aspect, the present invention provides a granule formulation comprising the "agent" and a freely or very water-soluble binder, wherein the granules have a bulk density range of 0.15 g/ml to 0.60 g/ml and a tap density range of 0.20 g/ml to 0.70 g/ml and 80% of the granules are in the size range of 75 to 850 microns; produced by a fluid bed process.
本発明の別の実施例にあっては、「薬剤」と、完全水溶性の、又は、非常に水溶性の高いバインダーとからなる顆粒製剤であって、前記顆粒は、流動床法で製造され、0.15 g/ml 乃至 0.60 g/ml の範囲の嵩密度と、0.20 g/ml 乃至 0.70 g/ml の範囲のタップ密度とを有し、前記顆粒の 80% は、粒径が 75 乃至 850 ミクロンの範囲内に入るような顆粒製剤が提供される。


Preferably, the present invention provides a granule formulation comprising Seroquel.RTM. and maltodextrin, wherein the granules have a bulk density range of 0.15 g/ml to 0.60 g/ml and a tap density range of 0.20 g/ml to 0.70 g/ml and 80% of the granules are in the size range of 75 to 850 microns, produced by a fluid bed process.
本発明の好ましい実施例にあっては、"Seroquel (セロクエル)" (米国登録商標)と、マルトデキストリンとからなる顆粒製剤であって、前記顆粒は、流動床プロセスで製造され、0.15 g/ml 乃至 0.60 g/ml の範囲の嵩密度と、0.20 g/ml 乃至 0.70 g/ml の範囲のタップ密度とを有し、前記顆粒の 80% は、粒径が 75 乃至 850 ミクロンの範囲内に入るような顆粒製剤が提供される。


Preferably the formulation contains a sweetener or sweeteners to enhance its taste. Suitable sweeteners include aspartame, MagnaSweet.RTM., sucrose, saccharin, sodium cyclamate and acesultame potassium. Preferred sweeteners are aspartame and MagnaSweet.RTM..
好ましくは、前記製剤には、味を良くするために一種類又は複数種類の甘味料が含められる。好適な甘味料としては、アスパルテーム、"MagnaSweet (マグナスイート)" (米国登録商標)、ショ糖、サッカリン、シクラミン酸ナトリウム、acesultame potassium (訳注: "acesulfame potassium" の誤りか? だとすると「アセスルファムカリウム」)が挙げられる。甘味料として好ましいのは、アスパルテーム及び "MagnaSweet (マグナスイート)" (米国登録商標)である。


Other excipients such as suspending agents that are compatible with the "agent" could be added to the formulation to increase the length of time that the formulation remains as a suspension in the aqueous media. Examples of suspending agents include sodium starch glycolate, starch, guar gum and povidone. However, we have found that the formulation dissolves or remains remarkably well suspended without the need for suspending or thickening agents and this forms another aspect of the invention. For example, the 25 mg granule formulation described in the Examples below surprisingly forms a solution in 30 ml of water in approximately 15-20 seconds. The 150 mg granule formulation described in the Examples below forms a suspension in 30 ml of water in approximately 10 seconds with gentle stirring and remains as a suspension for about 10 minutes. It can easily be re-suspended with gentle swirling in a matter of seconds.
「薬剤」と両立する沈殿防止剤剤のような他の薬理外成分を、製剤が水性溶媒中で懸濁している時間を長くするために付け加えてもよい。沈殿防止剤の例としては、グリコール酸デンプンナトリウム、デンプン、 グアールガム及びポビドンが挙げられる。しかしながら、我々は、沈殿防止剤又は糊料を必要とせずとも、本製剤が溶解又は極めて良好に懸濁しつづけることを確認しており、これが本発明の別の実施例を構成する。例えば、下記の例に示した 25 mg 顆粒製剤は、驚くべきことに 30 ml の水に約 15-20 秒で溶解する。下記の例に示した 150 mg 顆粒は、30 ml の水中で約 10 秒間静かに撹拌するだけで懸濁し、約 10 分間懸濁を維持する。これは、静かに撹拌すると秒単位で再び懸濁化する。


Surprisingly, not only is a suspending agent generally not needed, but also we have discovered that the typical suspending agent, xanthan gum, is generally not suitable as suspending agent in the formulations of the present invention.
驚くべきことに、沈殿防止剤は、通常必要でないばかりでなく、本発明の製剤には、典型的な沈殿防止剤であるキサンタンガムが沈殿防止剤として一般的には不適切であることを我々は発見した。


Preferably the formulation does not include a suspending agent.
好ましくは、本製剤にあっては、沈殿防止剤は含まれない。


Likewise surfactants that are compatible with the "agent", such as polysorbates, glyceryl monooleate and sorbitan esters, can be added to the formulation, but we have found that the granule formulation performs well without the need for them.
同様に、ポリソルベート、グリセライル・モノオリエイト、及びソルビタン脂肪酸エステルのような、「薬剤」と両立する界面活性剤を、本製剤に添加することは可能であるが、しかし、それらがなくとも本顆粒製剤は良好に機能することを、我々は確認している。


Preferably the formulation does not include a surfactant.
好ましくは、本製剤には界面活性剤は含まれない。


Preferably, the present invention provides a granule formulation consisting of 11-[4-[2-(2-hydroxyethoxy)ethyl]-1-piperazinyl]dibenzo[b,f][1,4]thiazepine or a pharmaceutically acceptable salt thereof, a freely or very water-soluble binder and a sweetener, wherein the granules have a bulk density range of 0.15 g/ml to 0.60 g/ml and a tap density range of 0.20 g/ml to 0.70 g/ml and 80% of the granules are in the size range of 75 to 850 microns. In a preferred aspect 11-[4-[2-(2-hydroxyethoxy)ethyl]-1-piperazinyl]dibenzo[b,f][1,4]thiazepine is in the form of a fumarate salt.
好ましくは、本発明は、11-[4-[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチル]-1-ピペラジニル]ジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン、又は、薬剤として許容されるその塩と、完全水溶性の、又は、非常に水溶性の高いバインダーと、甘味料とからなる顆粒製剤であって、前記顆粒は、0.15 g/ml 乃至 0.60 g/ml の範囲の嵩(かさ)密度と、0.20 g/ml 乃至 0.70 g/ml の範囲のタップ密度とを有し、前記顆粒の 80% は、粒径が 75 乃至 850ミクロンの範囲に入ることを特徴とする顆粒製剤を提供する。好ましい実施例にあっては、11-[4-[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチル]-1-ピペラジニル]ジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンは、フマル酸塩を形成している。


The granules of the present invention are readily dissolved or suspended in aqueous media. The aqueous media is not necessary water, but includes substances with a sufficient water content, for example fruit/vegetable juices, sauces or purees such as desserts.
本発明の顆粒は、水性溶媒中に容易に溶解するか懸濁する。この水性溶媒は水でなくともよく、例えば、デザートとして出されるような果実/野菜ジュース、ソース又はピューレといったような十分な水分を含む物質でもよい。


Preferably the pH of resulting solution/suspension is between pH4 and pH9. More preferably, the pH of resulting solution/suspension is between pH5 and pH6.
作成された溶液/懸濁液の pH は、pH4 乃至 pH9 であるのが好ましい。より好ましいのは、作成された溶液/懸濁液の pH が、pH5 乃至 pH6 であることである。


In another aspect the invention relates to a granule formulation as defined above either dissolved or suspended in aqueous media.
本発明の別の実施例は、上記の顆粒製剤を水性溶媒に溶解又は懸濁したものに関する。


The dose of the compound of the present invention which is administered will necessarily be varied according to principles well known in the art taking account of the route of administration, the duration of treatment, the severity of the psychotic condition, the size and age of the patient, the potency of the active component and the patient's response thereto. An effective dosage amount of the active component can thus readily be determined by the clinician after a consideration of all criteria and using his best judgement on the patient's behalf. In general, the compound will be administered to a warm blooded animal (such as man) so that an effective dose is received, generally a daily dose in the range of about 0.01 to about 40 mg/kg body weight. For example, when administered orally, it is generally administered in the range of about 0.1 to about 40 mg/kg body weight.
投与される本発明の調合物の服用量は、投与経路、治療期間、精神病態の重篤度、患者の体格及び年齢、活性成分の効力及びそれに対する患者の薬理反応を勘案して、当業者には周知の原則に従って変更することが必要である。そうすると、活性成分の有効服用量は、全ての判定条件を検討した後に、臨床医が患者にとって最善の判断を行うことで容易に決定できる。一般に、本発明の調合物は、(ヒトのような)温血動物に対して、通常一日の服用量が約 0.01 乃至約 40 mg/kg(体重)の範囲である有効服用量が得られるよう投与されることになろう。例えば、経口投与の場合は、一般に、約 0.1 乃至約 40 mg/kg(体重)の範囲が投与される。


Preferably, the compound of the present invention is administered in about a 25, 50, 100, 125 or 150 mg strength.
本発明の調合物は、含有量が約 25, 50, 100, 125 又は 150 mg となる形で投与されるのが好ましい。


It will be apparent to those skilled in the art that the formulation can be co-administered with other therapeutic or prophylactive agents and/or medicaments that are not medically incompatible therewith. The compound of the present invention does not, in general, show any indication of overt toxicity in laboratory test animals at several multiples of the minimum effective dose of the active ingredient.
本製剤が、本製剤と医学的に両立しえないようなものではない他の治療・予防薬及び/又は医薬と共に投与することが可能であるのは、当業者にには明らかであろう。一般に、本発明による調合物は、活性成分の最小有効服用量の数倍を投与する動物実験においても明白な毒性は何ら認められなかった。


According to another aspect of the invention there is provided a granule formulation as defined above, for use as a medicament.
本発明の他の実施例では、医薬として使用するための上述の如き顆粒製剤が提案されている。


According to another aspect of the present invention there is provided a method of treating psychosis, especially schizophrenia, by administering an effective amount of a granule formulation as defined above, to a mammal in need of such treatment.
本発明の別の実施例では、精神疾患、特に統合失調症の治療が必要な哺乳動物に、上述の如き顆粒製剤の有効量を投与することで疾患を治療する方法が提供される。


The invention is further illustrated by the following non-limiting Examples in which temperatures are expressed in degrees Celsius. The "agent" may be prepared as described in published European Patents EP 240,228 or 282,236 as well as in U.S. Pat. No. 4,879,288.
本発明は、以下の非限定的な例(温度は摂氏表記)で更に説明されている。「薬剤」は、ヨーロッパ公開特許 EP 240,228 又は EP 282,236 及び米国特許4,879,288に記載されている仕方で調製できる。


独立クレーム

1. A granule formulation comprising 11-[4-[2-(2-hydroxyethoxy)ethyl]-1-piperazinyl]dibenzo[b,f][1,4]thiazepine or a pharmaceutically acceptable salt thereof and a freely or very water-soluble binder, wherein the granules have a bulk density range of 0.15 g/cc to 0.60 g/cc and a tap density range of 0.20 g/cc to 0.70 g/cc and 80% of the granules are in the size range of 75 to 850 microns.
1. 11-[4-[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチル]-1-ピペラジニル]ジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン、又は、薬剤として許容されるその塩と、完全水溶性の、又は、非常に水溶性の高いバインダーとからなる顆粒製剤であって、前記顆粒は、0.15 g/cc 乃至 0.60 g/cc の範囲の嵩(かさ)密度と、0.20 g/cc 乃至 0.70 g/cc の範囲のタップ密度とを有し、前記顆粒の 80% は、粒径が 75 乃至 850 ミクロンの範囲に入ることを特徴とする顆粒製剤。


7. A granule formulation consisting of 11-[4-[2-(2-hydroxyethoxy)ethyl-1-piperazinyl]dibenzol[b,f][1,4]thiazepine or a pharmaceutically acceptable salt thereof, a freely or very water-soluble binder, and a sweetener wherein the granules have a bulk density range of 0.15 g/cc to 0.60 glcc and a tap density range of 0.20 g/cc to 0.70 g/cc and 80% of the granules are in the size range of 75 to 850 microns.
7. 11-[4-[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチル]-1-ピペラジニル]ジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン、又は、薬剤として許容されるその塩と、完全水溶性の、又は、非常に水溶性の高いバインダーと、甘味料とからなる顆粒製剤であって、前記顆粒は、0.15 g/cc 乃至 0.60 g/cc の範囲の嵩(かさ)密度と、0.20 g/cc 乃至 0.70 g/cc の範囲のタップ密度とを有し、前記顆粒の 80% は、粒径が 75 乃至 850 ミクロンの範囲に入ることを特徴とする顆粒製剤。


11. A process for preparing a formulation as defined in claim 1 which process comprises:
(i) fluidizing 11-[4,2-(2-hydroxyethoxy)ehtyl-1-piperazinyl]dibenzo[b,f][1,4]thiazepine or a pharmaceutically acceptable salt thereof and the freely or very water-soluble binder on a bed of air in a fluid bed;
(ii) adding water to the fluid bed; and
(iii) drying.
11. (i) 流動床における空気流において、11-[4-[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチル]-1-ピペラジニル]ジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン、又は、薬剤として許容されるその塩と、完全水溶性の、又は、非常に水溶性の高いバインダーとを流動化する段階と、
(ii) 前記流動床に、水を添加する段階と、
(iii) 乾燥する段階
とからなることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の製剤を調製する方法。


12. A method for treating pschosis which comprises administering an effective amount of a formulation as defined in claim 1 to a patient in need thereof.
12. 特許請求の範囲第1項記載の製剤を必要とする患者に、その有効量を投与することを特徴とする精神疾患治療方法。


13. A kit comprising
i) a granule formulation as defined in claim 1;
ii) an aqueous medium;
iii) optionally, instructions for use so that the granules can be dissolved or suspended in said aqueous medium for administration.
13. i)特許請求の範囲第1項記載の顆粒製剤と、
ii)水性溶媒と、
iii)適宜添付された、投与の際、前記顆粒は前記水性溶媒に溶解又は懸濁させることができると云う使用方法の指示
とからなることを特徴とするキット。

訳注:
1. 本文とクレームとで、液量の単位、ml と cc とが混在して使われているが、統一していない。
2. 原英文では、クエチアピンの化学式の表記が、微妙にバラついているが、訳文では「11-[4-[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチル]-1-ピペラジニル]ジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン」に統一してある。

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米国特許4237224(遺伝子組み換え技術)の要約・発明の背景・独立クレームの翻訳(再編集版)

本稿は、 [nouse] において、[ゑびすや] が2005年8月27日(土)に公表した「米国特許4237224(遺伝子組み換え技術)要約・発明の背景・独立クレーム」を、英文と和訳文とがパラグラフ毎に並記されるよう再編集したものである。また、この機会に翻訳の補正を行なった(元になった記事に就いても対応する補正をしてある)。


本件は、遺伝子組み換え技術の基本特許の一つである。

米国特許 No.4,237,224 (Stanley N. Cohen; Herbert W. Boyer; December 2, 1980) の要約・発明の背景・独立クレームの訳文。ただし「従来技術に就いての簡単な説明」が、文献への参照に留まるので、「発明の概要」のパラグラフを併せて訳した。


Process for producing biologically functional molecular chimeras
生体機能性キメラ分子の製造方法


Abstract
要約

Method and compositions are provided for replication and expression of exogenous genes in microorganisms. Plasmids or virus DNA are cleaved to provide linear DNA having ligatable termini to which is inserted a gene having complementary termini, to provide a biologically functional replicon with a desired phenotypical property. The replicon is inserted into a microorganism cell by transformation. Isolation of the transformants provides cells for replication and expression of the DNA molecules present in the modified plasmid. The method provides a convenient and efficient way to introduce genetic capability into microorganisms for the production of nucleic acids and proteins, such as medically or commercially useful enzymes, which may have direct usefulness, or may find expression in the production of drugs, such as hormones, antibiotics, or the like, fixation of nitrogen, fermentation, utilization of specific feedstocks, or the like.
本発明が提供するのは、微生物体内における外来遺伝子の複製及び発現のための方法及び構成体である。所望の表現特性を伴う生体機能性レプリコンを作り出すために、相補的末端を有する遺伝子が挿入されるような連結可能性末端を有する線状 DNA が得られるよう、プラスミド又はウィルス DNA が切断される。このレプリコンは、形質転換法により微生物細胞内に挿入される。形質転換細胞を単離することで、修飾を受けたプラスミド内の DNA 分子の複製・発現のための細胞が得られることになる。本発明の方法は、核酸や(医療用・商用の酵素等の)蛋白質を産生するため、微生物に遺伝因子を導入する簡便で効果的な仕方を提供するものであり、ホルモン・抗生物質等の医薬の製造、窒素固定、発酵、特定供給原材料の利用その他において、直接有用であったり、発現を見つけ出すようにできるであろう。


::訳注
上記引用中の "or may find expression in the production of drugs" の意味が取りづらい。一応一番素直と思われる訳を付けておく。


BACKGROUND OF THE INVENTION
発明の背景

1. Field of the Invention
1.発明の分野

Although transfer of plasmids among strains of E. coli and other Enterobacteriaceae has long been accomplished by conjugation and/or transduction, it has not been previously possible to selectively introduce particular species of plasmid DNA into these bacterial hosts or other microorganisms. Since microorganisms that have been transformed with plasmid DNA contain autonomously replicating extrachromosomal DNA species having the genetic and molecular characteristics of the parent plasmid, transformation has enabled the selective cloning and amplification of particular plasmid genes.
久しい以前より、接合及び/又は形質導入によって、大腸菌 (E. coli) その他の「腸内細菌科 (Enterobacteriaceae)」の菌株間におけるプラスミドの伝達が実現されてきたが、従来は、特定の種類のプラスミド DNA を、こうした細菌宿主その他の微生物に導入することは不可能だった。プラスミド DNA で形質転換された微生物は、親プラスミドの遺伝的・分子的特性を有し染色体外で自律的に複製する DNA 種 を含むから、形質転換を用いることで、特定のプラスミド遺伝子の選択的クローニング及び増幅が可能となった。


The ability of genes derived from totally different biological classes to replicate and be expressed in a particular microorganism permits the attainment of interspecies genetic recombination. Thus, it becomes practical to introduce into a particular microorganism, genes specifying such metabolic or synthetic functions as nitrogen fixation, photosynthesis, antibiotic production, hormone synthesis, protein synthesis, e.g. enzymes or antibodies, or the like--functions which are indigenous to other classes of organisms--by linking the foreign genes to a particular plasmid or viral replicon.
分類上全く異なる生物種に由来する別々の遺伝子が、特定の微生物体内において、複製・発現することが可能となるため、遺伝子の種間組み換えが実現可能となる。従って、外来遺伝子を特定のプラスミド性又はウィルス性のレプリコンに結びつけることで、窒素固定、光合成、抗生物質産生、ホルモン合成、酵素・抗体等の蛋白質合成その他の --他の分類種の生物には固有の機能である-- 代謝又は合成機能を指定する遺伝子を、特定の微生物体内に導入することが現実的なものになる。


BRIEF DESCRIPTION OF THE PRIOR ART
従来技術に就いての簡単な説明

References which relate to the subject invention are Cohen, et al., Proc. Nat. Acad, Sci., USA, 69, 2110 (1972); ibid, 70, 1293 (1973); ibid, 70, 3240 (1973); ibid, 71, 1030 (1974); Morrow, et al., Proc. Nat. Acad. Sci., 71, 1743 (1974); Novick, Bacteriological Rev., 33, 210 (1969); and Hershfeld, et al., Proc. Nat. Acad. Sci., in press; Jackson, et al., ibid, 69, 2904 (1972);
本発明に関連する文献としては、Cohen, et al., Proc. Nat. Acad, Sci., USA, 69, 2110 (1972); ibid, 70, 1293 (1973); ibid, 70, 3240 (1973); ibid, 71, 1030 (1974); Morrow, et al., Proc. Nat. Acad. Sci., 71, 1743 (1974); Novick, Bacteriological Rev., 33, 210 (1969); 及び Hershfeld, et al., Proc. Nat. Acad. Sci. (印刷中); Jackson, et al., ibid, 69, 2904 (1972); がある。


SUMMARY OF THE INVENTION
発明の概要

Methods and compositions are provided for genetically transforming microorganisms, particularly bacteria, to provide diverse genotypical capability and producing recombinant plasmids. A plasmid or viral DNA is modified to form a linear segment having ligatable termini which is joined to DNA having at least one intact gene and complementary ligatable termini. The termini are then bound together to form a "hybrid" plasmid molecule which is used to transform susceptible and compatible microorganisms. After transformation, the cells are grown and the transformants harvested. The newly functionalized microorganisms may then be employed to carry out their new function; for example, by producing proteins which are the desired end product, or metabolities of enzymic conversion, or be lysed and the desired nucleic acids or proteins recovered.
本発明では、様々な遺伝子型が利用できるように、微生物(特に細菌)の遺伝子形質を変化させ、遺伝子組み換えプラスミドを産生する方法及び構成体が提供される。連結可能末端を有し、前記末端が少なくとも1つの未改変遺伝子及び連結可能な相補的末端を有する DNA に接合されるような線状セグメントを形成するよう、プラスミド又はウィルス性 DNA が、改変される。次いで、こられの末端は、受容性及び和合性を有する微生物を形質転換するのに用いられる「ハイブリッド」プラスミド分子を形成するように、連結される。そうして出来た形質転換細胞は培養されて増殖する。こうした新たに機能が付与された微生物は、例えば、所望の最終産物である蛋白質や酵素法での代謝産物を産生することで、その新しい機能を実現するのに利用されたり、あるいは、溶菌させで、所望の核酸又は蛋白質が回収される。

::訳注
上記、最後のセンテンス中の "metabolities" は、--metabolites-- と読み替えてある。


独立クレーム

1. A method for replicating a biologically functional DNA, which comprises:
transforming under transforming conditions compatible unicellular organisms with biologically functional DNA to form transformants; said biologically functional DNA prepared in vitro by the method of:
(a) cleaving a viral or circular plasmid DNA compatible with said unicellular organism to provide a first linear segment having an intact replicon and termini of a predetermined character;
(b) combining said first linear segment with a second linear DNA segment, having at least one intact gene and foreign to said unicellular organism and having termini ligatable to said termini of said first linear segment, wherein at least one of said first and second linear DNA segments has a gene for a phenotypical trait, under joining conditions where the termini of said first and second segments join to provide a functional DNA capable of replication and transcription in said unicellular organism;
growing said unicellular organisms under appropriate nutrient conditions; and
isolating said transformants from parent unicellular organisms by means of said phenotypical trait imparted by said biologically functional DNA.
1. 生体機能性 DNA の複製方法であって、
形質転換条件下において、和合性を有する単細胞生物を、生体機能性 DNA で形質転換して形質転換細胞を形成するが、その生体機能性 DNA は、
(a) 前記単細胞生物と和合するウィルス性 DNA又は環状プラスミド DNA を切断して、未改変レプリコンと所定特性の末端とを有する第1の線状セグメントを得てから、
(b) 前記第1の線状セグメントと、少なくとも1つの未改変遺伝子を有し、前記単細胞生物に対して外来性であり、前記第1の線状セグメントの前記末端と連結可能な末端を有する第2の線状 DNA セグメントとを組み合わせるが、ここで、或る機能性 DNA が前記単細胞生物体内で複製及び転写が可能となるように前記第1と第2との線状 DNA セグメントの末端同士が接合すると云う接合条件のもとで、前記第1と第2との線状 DNA セグメントの少なくとも一方が或る表現型特性に対応する遺伝子を有するようにして、生体外で調製されたものである、
形質転換段階と、
適宜な栄養状態で前記単細胞生物を培養する段階と、
前記生体機能性 DNA により付与された前記表現型特性を用いて、親単細胞生物から前記形質変換細胞を単離する段階からなることを特徴とする、生体機能性 DNA の複製方法。


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米国特許3950333(H2ブロッカー)の要約・発明の背景・独立クレームの翻訳(再編集版)

本稿は、 [nouse] において、[ゑびすや] が2005年8月23日(火)に公表した「米国特許3,950,333(H2ブロッカー)要約・発明の背景・独立クレーム」を、英文と和訳文とがパラグラフ毎に並記されるよう再編集したものである。また、この機会に翻訳の補正を行なった(元になった記事に就いても対応する補正をしてある)。

本件は、消化性潰瘍の治療薬として著名な H2ブロッカーの基本特許の一つである。(米国公報上の譲受人は Smith Kline & French Laboratories Limited)。

米国特許 No.3,950,333 (Graham John Durant, John Colin Emmett, 及び Charon Robin Ganellin; April 13, 1976) の要約・発明の背景・独立クレームの訳文。

米国公報には、明示的に「発明の背景」であると示されたセクションはないが、ほぼそれに相応すると思われる2つのパラグラフを採用した。

この特許の元になった米国出願番号 450,957 (March 14, 1974) には、分割出願である出願番号 637,499 (December 4, 1975) が存在し、特許化されて米国特許 No.4,024,271 (May 17, 1977) となっている。これも、H2ブロッカーの基本特許である。


Pharmacologically active guanidine compoundsp
薬理活性を有するグアニジン化合物


Abstract:
要約:

The compounds are substituted thioalkyl-, aminoalkyl- and oxyalkyl-guanidines which are inhibitors of histamine activity.
本発明による化合物は、ヒスタミン活性阻害剤である、置換チオアルキルグアニジン、置換アミノアルキルグアニジン、及び置換オキシアルキルグアニジンである。


Description:
説明:

This invention relates to pharmacologically active compounds, to pharmaceutical compositions comprising these compounds and to processes for their preparation. The compounds of the invention can exist as the addition salts but, for convenience, reference will be made throughout this specification to the parent compounds.
本発明は、薬理活性を有する化合物、そうした化合物からなる医薬組成物、及びそれらの調製方法に関する。本発明による化合物は、付加塩の形をとりうるが、便宜上、本明細書を通じて、その親化合物への言及が行なわれる。


It has for long been postulated that many of the physiologically active substances within the animal body, in the course of their activity, combine with certain specific sites known as receptors. Histamine is a compound which is believed to act in such a way but, since the actions of histamine fall into more than one type, it is believed that there is more than one type of histamine receptor. The type of action of histamine which is blocked by drugs commonly called "antihistamines" (of which mepyamine is a typical example) is believed to involve a receptor which has been designated by Ash and Schild (Brit. J. Pharmac. 1966, 27,427) as H-1. The substances of the present invention are distinguished by the fact that they act at histamine H-2 receptors which, as described by Black et al. (Nature, 1972, 236, 385), are histamine receptors other than the H-1 receptor. Thus they are of utility in inhibiting certain actions of histamine which are not inhibited by the above-mentioned "antihistamines". The substances of this invention may also be of utility as inhibitors of certain actions of gastrin.
久しい以前から、動物体内において薬理活性を有する物質の多くは、その薬理過程において、レセプタと呼ばれる或る特定部位と結合しているはずだと考えられてきている。ヒスタミンも、そのように働いていると信じられている化合物であるが、ヒスタミンの働きには、複数の類型があるため、ヒスタミン・レセプタには複数の種類があると信じられている。通常「アンチヒスタミン」と呼ばれている薬剤(典型例: mepyamine)より阻害される種類のヒスタミン活性は、Ash 及び Schild (Brit. J. Pharmac. 1966, 27,427) により H-1 と命名されたレセプタに関わると信じられている。本発明による物質は、Black 他 (Nature, 1972, 236, 385) によるなら H-1 レセプタと異なるヒスタミン H-2 レセプタに作用する点で区別される。したがって、本発明による物質は、上記の「アンチヒスタミン」によっては阻害されない種類のヒスタミン活性を阻害すると云う点で有用である。本発明による物質は、ガストリン (gastrin) の活性のうちの或る特定の幾つかを阻害すると云う点でも有用でありうる。


::訳注
上記の "mepyamine" は、"mepyramine" (メピラミン)である可能性がある。
(2007-05-29 追加: 記事 [nouse: メピラミン (mepyramine) の構造式] も参照されたい。)

独立クレーム:

1. A compound of the formula: ##SPC10##
wherein A is such that there is formed together with the carbon atom shown an unsaturated heterocyclic nucleus, said unsaturated heterocyclic nucleus being an imidazole, pyrazole, pyrimidine, pyrazine or pyridazine ring; X.sub.1 is hydrogen, lower alkyl, hydroxy, trifluoromethyl, benzyl, halogen, amino or ##EQU6## in which E' is NH or N-cyano; X.sub.2 is hydrogen or when X.sub.1 is lower alkyl, lower alkyl or halogen; k is 0 to 2 and m is 2 or 3, provided that the sum of k and m is 3 or 4; Y is oxygen, sulphur or NH; E is NR.sub.2 ; R.sub.1 is hydrogen, lower alkyl or di-lower alkylamino-lower alkyl; and R.sub.2 is hydrogen, nitro or cyano, or a pharmaceutically acceptable addition salt thereof with the proviso that X.sub.1 is ##EQU7## only when E is NH or N-cyano.
1. 化学構造式


3950333

を有し、A は、前記構造式中の炭素原子と共に、イミダゾール (imidazole) 環、ピラゾール (pyrazole) 環、ピリミジン (pyrimidine) 環、ピラジン (pyrazine) 環、又は、ピリダジン (pyridazine) 環の何れかである不飽和複素環からなる中核構造を形成するような構造であり、X1 は、水素基、低級アルキル基、ヒドロキシ基、トリフロロメチル基、ベンジル (benzyl)基、ハロゲン基、アミノ基、又は、E' を NH基 又は N-シアノ基であるとして

3950333b

の何れかであり、X2 は、水素基か、或いは X1 が低級アルキル基の場合は、低級アルキル基又はハロゲン基かの何れかであり、k は 0 から 2 迄の何れか、m は 2 又は 3 の何れかで、かつ、k と m との和は 3 又は 4 であり、Y は酸素、イオウ、又は NH の何れかであり、E は NR2 であり、R1 は、水素基、低級アルキル基、又は、ジ低級アルキルアミノ-低級アルキル基 (di-lower alkylamino-lower alkyl) の何れかであり、R2 は、水素基、ニトロ基、又はシアノ基の何れかであることを特徴とする化合物であるか、あるいは、E が NH 又は N-シアノ基である場合のみ、X1

3950333c

である云う条件下で、その薬理上許容される付加塩であることを特徴とする化合物。


::訳注
1. 上記英文クレーム ##SPC10## 部分は、実際の米国公報では本発明による化合物の構造式が示されている。また、##EQU6## と ##EQU7## とには、一定の条件下での「基」X1 の構造式が示されている。

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米国特許5193056(シグナチャ特許/"Hub and Spoke"特許)の要約・発明の背景・独立クレームの翻訳(再編集版)

本稿は、 [nouse] において、[ゑびすや] が2005年8月4日(木)に公表した「米国特許5193056(シグナチャ特許/"Hub and Spoke"特許)要約・発明の背景・独立クレーム」を、英文と和訳文とがパラグラフ毎に並記されるよう再編集したものである。また、この機会に翻訳の補正を行なった(元になった記事に就いても対応する補正をしてある)。


本件は、ビジネスモデル特許が注目を集めるきっかけとなった Signature Financial Group Inc. の所謂「シグナチャ特許」(あるいは "Hub and Spoke" 特許)である。

米国特許 No.5,193,056 (R. Todd Boes. March 9, 1993) の要約・発明の背景・独立クレームの訳文。


Data processing system for hub and spoke financial services configuration
ハブ及びスポーク型構成金融サービス用データ処理システム


Abstract
要約

A data processing system is provided for monitoring and recording the information flow and data, and making all calculations, necessary for maintaining a partnership portfolio and partner fund (Hub and Spoke) financial services configuration. In particular, the data processing system makes a daily allocation of assets of two or more funds (Spokes) that are invested in a portfolio (Hub). The data processing system determines the percentage share (allocation ratio) that each fund has in the portfolio, while taking into consideration daily changes both in the value of the portfolio's investment securities and in the amount of each fund's assets. The system also calculates each fund's total investments based on the concept of a book capital account, which enables determination of a true asset value of each fund and accurate calculation of allocation ratios between the funds. The data processing system also tracks all the relevant data, determined on a daily basis for the portfolio and each fund, so that aggregate year-end data can be determined for accounting and for tax purposes for the portfolio and for each fund.
パートナーシップ・ポートフォリオとパートナー基金(ハブとスポーク)からなるよう構成した金融サービスを維持するのに必要な、情報フロー及びデータの監視・記録、並びに、全ての計算を行うデータ処理システムが提示されている。前記データ処理システムは、特に、ポートフォリオ(ハブ)に投資された複数の基金(スポーク)の資産配分を日々行う。前記データ処理システムは、ポートフォリオの投資証券価値及び各基金資産額双方の日々の変化を勘案しつつ、ポートフォリオにおける各基金の保有率(配分率)を決定する。また、前記システムは、簿価資本勘定 (book capital account) と云う概念に基づいて各基金の投資総額を計算するので、各基金の真の資産価値を決定し、基金間の配分比を正確に計算することが可能になる。また、前記データ処理システムは、ポートフォリオと各基金に対し日次ベースで決定される全ての関連データを追跡していくので、ポートフォリオ及び各基金に関する会計処理及び税務対策のための総合的な年度データを決定することができる。


訳注:上記要約で "partner fund" は「パートナーファンド」ではなく「パートナー基金」と訳してある。これは、他の箇所で無限定の "fund" を「基金」と訳してあるのにそろえるためである。


BACKGROUND OF THE INVENTION
発明の背景


Investment vehicles such as mutual funds have certain operating costs. To name just a few expenses, every fund, including institutional funds (whose investors are financial institutions), pays an investment advisory fee to an investment adviser who invests the fund's assets, custodian fees to a custodian for the safekeeping of the fund's assets, portfolio accounting fees for the determination of the fund's asset value and income, shareholder servicing fees to various entities which provide investors with information and services regarding the fund, an audit fee to the fund's independent accountants who review the fund's financial statements, and a legal fee for counsel to represent the fund and each of its independent trustees. A retail fund (one whose investors are largely individuals) incurs the same kinds of expenses as an institutional fund, although certain expenses, such as shareholder servicing fees and distribution (12b-1) fees, will be larger for a retail fund, since individual investors need more services than do sophisticated institutional investors.
投資信託などの投資ビークルには、一定の運用コストがかかる。そうした費用の幾つかだけでも挙げてみると、機関基金(投資家が金融機関であるもの)を含めて、どの基金であっても、基金資産を投資する投資顧問への投資顧問料、基金資産の保護預かりを行うカストディアンへの料金、基金資産価値及び収益を決定するためのポートフォリオ会計処理料、基金に関する情報及びサービスを投資家に提供する様々な事業主体への株主サービス料、基金の財務諸表を検討するため基金が選定した独立会計士への会計監査料、基金及び基金から独立した個々の受託者を代理する弁護士への弁護料を支払っている。リテール資金(大多数が個人投資家からなるもの)でも、機関資金と同種の費用が発生するが、個人投資家には、熟練した機関投資家よりも必要となるサービスが多いから、リテール資金では、株主サービス料や配当料 (12b-1 フィー) など、ある種の支出は機関資金より増えることになろう。


訳注
::上記の "(12b-1)" は、米国で投資信託に基金資産から毎年引き落とすことが認められている販売経費。「1940 年投資会社法」に基づく証券取引委員会 (Securities and Exchange Commission) の規則 "12b-1" に由来する。


Having a large amount of assets results in various economies of scale in fund operating costs. Since many of a fund's expenses are independent of the fund's asset base, a larger fund asset base produces a lower operating expense ratio (expenses to assets), which increases the net investment performance of the fund. Also, since larger funds purchase securities in larger denominations, they are able to bargain for higher yields (on bonds and other debt securities) or pay lower brokerage commissions (on equity securities) than a smaller fund can.
巨額の資産を保有すると、基金運用コストに様々な「規模の経済性」が効いてくる。基金の支出の多くは、基金の資産基盤とは独立しているため、資産基盤が大きくなると、その分、運用費用率(費用対資産)が減少し、基金の純投資効果が増大する。また、基金が大きいと、証券を大きな額面金額で購入することになるので、(債券その他の負債証券において)高めの利回りで取り引きを行うことや、(持分証券において)基金が小さい場合より低い仲介手数料支払いで済むことが可能になる。


One way to achieve a large asset base is to combine assets of two or more mutual funds or other collective investment vehicles (hereafter referred to as funds). Current laws, however, place several restrictions on commingling the assets. A newly developed financial services configuration, called "Hub and Spoke" (a service mark of Signature Financial Group, Inc.), does allow for commingling the assets of two or more mutual funds. This financial services configuration involves an entity that is treated as a partnership for federal income tax purposes and that holds the investment portfolio (hereafter referred to as the partnership portfolio) and funds that invest as partners in the partnership portfolio.
大きい資産基盤を実現する一つの方法としては、複数の投資信託その他の集団投資ビークル(以下「基金」と呼ぶ)の資産を結合することがある。しかし、現行法は、資産の混和に幾つかの制限を課している。「ハブ・アンド・スポーク "Hub and Spoke"」 ( シグナチャ・ファイナンシャル・グループ・インコーポレーティド "Signature Financial Group, Inc." のサービス・マーク) と呼ばれる、新開発の金融サービス構成では、複数の投資信託の混和が可能になる。この金融サービス構成は、連邦所得税上パートナーシップとしてみなされ、投資ポートフォリオ(以下「パートナーシップ・ポートフォリオ」と呼ぶ)と、そうしたパートナーシップ・ポートフォリオのパートナーとして投資を行う基金とを保有する事業主体を利用する。


Under the partnership portfolio and partner fund configuration, each of several funds, called "Spokes" (a service mark of Signature Financial Group, Inc.), can be a mutual fund registered under the Investment Company Act of 1940 (the "1940 Act") and the Securities Act of 1933 (the "1933 Act"). In addition to mutual funds, a "Spoke" (a service mark of Signature Financial Group, Inc.) may also be a pension fund (subject to ERISA), a common trust fund (regulated by various banking regulators), an insurance company separate account, or a non-U.S. domiciled investment fund In addition, a partnership portfolio, called the "Hub" (a service mark of Signature Financial Group, Inc.), is established, and each fund is an investor in the partnership portfolio. The partnership portfolio is registered under the 1940 Act (since it is an investment company), but its shares are not registered under the 1933 Act. Individuals cannot invest directly in the partnership portfolio. Its only investors are the funds, each of which invests 100% of its assets in the portfolio.
パートナーシップ・ポートフォリオ=パートナー基金構成にあっては、複数ある基金のうちの個々の基金 --「スポーク "Spoke"」( シグナチャ・ファイナンシャル・グループ・インコーポレーティドのサービス・マーク)と呼ばれる -- は、「1940 年投資会社法 Investment Company Act of 1940」(「投資会社法」)及び「1933 年証券法 Securities Act of 1933」(「証券法」)のもとで登記された投資信託と云うこともありうるが、「スポーク "Spoke"」(シグナチャ・ファイナンシャル・グループ・インコーポレーティドのサービス・マーク)には、投資信託の他にも、年金基金(従業員退職給付保障法 -- ERISA: Employment Retirement Income Securities Act -- の管轄下にある)、共同信託基金(様々な銀行業務規制担当者の管掌下にある)、保険会社の分離勘定、米国外居住者による投資基金がなってもよい。更に「ハブ "Hub"」(シグナチャ・ファイナンシャル・グループ・インコーポレーティドのサービス・マーク)と呼ばれるパートナーシップ・ポートフォリオが設立され、各基金は、そのパートナーシップ・ポートフォリオにおける投資家となる。そのパートナーシップ・ポートフォリオは(投資会社であるから)「投資会社法」に従って登記されるが、その株式は「証券法」に従った登記はされない。個人は、このパートナーシップ・ポートフォリオへの直接投資をすることはできない。その投資家は、基金のみであり、そうした各基金は、ポートフォリオの資産群の 100% を投資する。


訳注
::上記の "investment fund In addition" は、当然 --investment fund. In addition-- と読むべき。


Although the portfolio may legally be a trust or other entity, it is considered to be a partnership for tax purposes. As a partnership, it receives "flow-through" tax treatment and, so, the portfolio does not pay taxes, but rather all economic gain or loss flows through to the portfolio investors. Mutual funds must rely on qualifying for "regulated investment company" ("RIC") status under the Internal Revenue Code (the "Code") to avoid taxation. The RIC provisions of the Code generally prevent mutual funds from investing in other types of funds and impede the division of a single mutual fund into multiple mutual funds. These RIC provisions also lead to economic distortions and inequities among shareholders which will be discussed below.
このポートフォリオは、法律的には信託又は他の事業主体でありうるが、税法上はパートナーシップとみなされる。パートナーシップとして、このポートフォリオは、税制上「通り抜け的」取り扱いを受けるため、税の支払いを行うことはなく、全ての経済的損益は、ポートフォリオの投資家側に通り抜ける。投資信託が課税回避するには、内国歳入法(「歳入法」)上、「適格投資会社」(RIC: regulated investment company) の要件を満たす必要がある。歳入法の適格投資会社条項は、投資信託が他の種類の基金に投資することを禁止しており、また、単一の投資信託が複数の投資信託に分割することを妨げている。また、こうした適格投資会社条項は、以下に論ずるような、株主間における経済的歪みや不均衡をもたらしている。


訳注::
上記訳文において "flow-through" に対する「通り抜け的」と云う訳語に就いては、「大蔵省財政金融研究所」(現在、財務省財務総合政策研究所)「フィナンシャル・レビュー」November-1995 所収の「投資信託の税制」(田邊 曻:日本投資信託制度研究所理事長 大蔵省財政金融研究所特別研究官)の p.31 を参照のこと。


With the assets of two or more funds combined in the portfolio, the economies of scale described above can be more fully realized. The assets of different types of investment vehicles may now be commingled, resulting in more efficient and effective investment management. While all funds can benefit from Hub and Spoke services, a fund with a small amount of assets, which ordinarily would not be a viable fund because it would have a prohibitively high operating expense ratio, can now be established on a cost-effective basis by investing its assets in a portfolio. Investing in a portfolio also provides the new fund with an investment history, which makes the fund more attractive to investors. Therefore, a mutual fund sponsor can more efficiently organize a new mutual fund to be offered to customer markets which previously could not be economically accessed by that sponsor.
ポートフォリオにおいて組み合わされた複数の資産に対しては、上記の規模の経済性が一層充分に働くことが可能になる。異なる種類の投資ビークルの資産が融合できるようになっているので、投資管理が一層効率的・効果的に行なえるようになっている。全ての資金が、ハブ・アンド・スポーク型サービスによる利益を受けることができるわけだが、小額資産の基金に就いて言えば、通常は運用費用率が高くなり過ぎてしまうために、基金として実際的であり得ないのが普通だったが、資産をポートフォリオに投資することで、費用効果性がある仕方での設立が可能になっている。また、ポートフォリオへの投資は、新規基金に投資履歴を付与するため、そうした資金を、投資家にとって一層魅力のあるものにする。これによって、以前は経済的に参入不可能であったような顧客市場にも提示できるような新規投資信託を一層効率的に設立することが、投資信託の主催者にとり可能になった。


Because the portfolio is not a mutual fund, it is not subject to certain economic distortions and inequities that are inherent to normal mutual fund investing. Consider a first fund which invests in a second mutual fund just before the second fund distributes its capital gains. The first fund realizes capital gains from this distribution, as does every shareholder of the second fund. The first fund, however, has not actually realized any gain in the value of the second fund, and so the second fund is merely returning a portion of the first fund's original investment. The first fund is required to pay tax on part of its original investment or, if it is a mutual fund, pass such tax on to its shareholders. Thus a return of investment becomes subject to tax.
ポートフォリオは、投資信託ではないため、正規の投資信託での投資に付き纏う或る種の経済的歪みや不均衡には陥らない。基金「甲」が、投資信託である基金「乙」に、「乙」によるキャピタルゲインの配当直前に投資した場合を考えると、「乙」の全ての株主同様、この配当により「甲」もキャピタルゲインを実現する。しかし、実際には「甲」は「乙」の価値における利益の実現をしていないのだから、「乙」は、「甲」の当初の投資の一部を返還するに過ぎない。「甲」は、当初投資の一部に対し税金を支払うことが求められるか、あるいは、投資信託の場合は、そうした税金は、その株主に転嫁される。つまり、投資利益が課税対象となるのである。


Unlike a mutual fund, the portfolio makes daily allocations of income, capital gains, and expenses or investment losses, rather than actual distributions. These daily allocations, which are determined and managed by the data processing system and method disclosed herein, are based on an "allocation ratio" which is further described below. Such daily allocations avoid economic distortions and inequities by directly allocating the appropriate economic benefit and loss to each shareholder on that day. Mutual funds merely distribute income, and gain or loss, to whatever shareholders happen to exist on an arbitrary date when a distribution is made. While such gain or loss is taken into account in between such distributions through the determination of the net asset value of the mutual fund's shares, it is the distribution of the gain or loss which creates a taxable gain or loss for a shareholder. The Hub and Spoke financial services configuration thus avoids this disadvantage by more accurately matching economic and taxable income.
投資信託の場合と異なり、ポートフォリオは、実際の配当を行うのではなく、収益、キャピタルゲイン、そして費用又は投資損失の配分を日々行う。この日々の配分は、以下に記載する「配分比」に基づいて、本明細書に開示されたデータ処理システム及び方法により決定・管理される。こうした日次配分は、その日に、適切な経済的利得及び損失を各株主に直接配分することで、経済的歪み及び不均衡を回避する。投資信託は、配当が行なわれた任意の日付にたまたま株主であったたらば誰であっても、それに対し収益及び損益の配当を行うだけである。そうした配当どうしの間に、投資信託株式の純資産価値の決定を通じて、そうした損益が考慮に入れられるとは言え、株主にとって課税対象となる損益を発生させるのは、その損益配当である。そこで、ハブ・アンド・スポーク型金融サービス構成は、経済的な課税対象収益を整合化することでこうした欠点を解消する。


The partnership portfolio and partner fund configuration presents great administrative challenges. Because each of the partners in the portfolio is some type of fund, the assets of which change daily as customers make further investments or withdrawals, the partnership interest of each fund varies daily. For example, consider a portfolio made up of Funds A and B. Assume that at the start of the day Fund A has $750,000 invested in the portfolio and Fund B has $250,000 invested. The portfolio has $1,000,000 in assets with Fund A having a 75% share and Fund B having a 25% share. Next, assume that by the end of the day the portfolio has not changed in value due to market fluctuations, but that additional purchases by fund shareholders have given Fund A $800,000 in assets and Fund B $275,000 in assets. The portfolio has grown to $1,075,000 in assets, with Fund A having a 74.4% share and Fund B having a 25.6% share.
パートナーシップ・ポートフォリオ=パートナー基金構成は、管理上大きな問題がある。ポートフォリオの各パートナーは、何らかの種類の基金であるから、その資産は、顧客が投資を追加したり引き上げたりするのに応じて、日々変化するため、各基金のパートナーシップ持分は、日々変動する。例えば、基金 A と基金 B とからなるポートフォリオを考える。一日の寄りつきに、ポートフォリオに対し、基金 A が $750,000 投資し、基金 B が $250,000 投資していたとする。ポートフォリオの資産は $1,000,000 であり、基金 A の分担所有権は 75% となり、基金 B の分担所有権は 25% となる。次いで、その日の大引けでは、市場変動によるポートフォリオ価値の変化は無かったが、基金株主の追加購入により、基金 A の資産は $800,000 になり、基金 B の資産は $275,000 になったとする。ポートフォリオの資産は $1,075,000 に増大しており、基金 A の分担所有権は 74.4% となり、基金 B の分担所有権は 25.6% となる。


Further complexities arise as the value of the portfolio assets rise and fall or as additional funds invest in the portfolio (or as existing funds withdraw their investments entirely). Additionally, as in any mutual fund complex, many Hub and Spoke structures may be administered simultaneously. A new and unique data processing system and method is necessary to enable accurate daily allocations to be made among each of the funds in a portfolio. Also, each such daily allocation is comprised of various economic components--income, gain, loss, expenses. These various components must be isolated and aggregated, on a continual basis, for both non-tax accounting purposes and, again (in separate accounts), for tax purposes.
ポートフォリオの資産価値は増減したり、また、ポートフォリオへの追加資金投資があるため(又は、既存の基金がその投資全額を引き出したりするため)、さらに複雑性が増す。その上、投資信託における複雑性と同様、多くのハブ・アンド・スポーク型構造が同時に管理されることもありうる。ポートフォリオの各基金に対して日々の配分を正確に行なえるようにするためには、新規で独創的なデータ処理システム及び方法が必要である。また、そうした日次配分は、それぞれ、様々な経済要素 -- 収益、損失、支出 -- からなる。こうした様々な要素は、非課税会計処理上、そして、やはり(分離勘定においては)税法上、継続的に分離されたり総合されたりする必要がある。


Economic inaccuracies would appear over time if daily allocations were not made. Such inaccuracies will arise since typically a mutual fund will not actually allocate or pay out on a daily basis the economic components of the fund's economic experience for that day. Depending on a particular fund's prospectus, actual cash distributions can be made monthly, quarterly, or as otherwise so determined.
日次配分が行なわれないとすると、時間経過に伴って、経済上の不正確性が現われることになろう。こうした不正確性は、典型的には投資信託が、基金にその日発生した経済的出来事の経済的要素を日次ベースで実際に配分、つまり、清算しないために発生する。実際の現金配当は、個別の基金の事業目論見に応じて、月毎、四半期毎、その他の所定期間毎に行なってよいことになっているのである。


Were the partnership portfolio structured as a mutual fund, which makes distributions on a periodic basis, income earned on a given day, if not allocated on that day would result in an increase in capital value of the fund as a whole, rather than in income received by a particular investor; similarly, expenses incurred, if not allocated on that day, would result in a decrease in capital value of the fund as a whole, rather than as a decrease in income for a particular investor. The data processing system and method of the present invention will allow each fund to recognize on its balance sheet its fair share of economic benefit or loss experienced by the portfolio on that day.
資信託として構成されたパートナーシップ・ポートフォリオの場合、配当が期間ベースで行なわれるものであるならば、所定の日に得られた収益は、その日に配分されない限り、特定の投資家が受け取る収益の増加ではなく、基金全体の資本価値の増加に繋がることになる。同様に、費用が発生して、その日に配分されない場合、特定の投資家の収益が減るのではなく、基金全体の資本価値の減少に繋がることになる。本発明のデータ処理システム及び方法によるなら、各基金は、そのバランスシート上において、その日のポートフォリオに生じた経済的利益又は損失の公正な割当分を把握することができる。


A unique method has been developed to calculate accurately the fund allocation ratios. Each fund has a book capital account, which represents each fund's total investment in the portfolio including all earned, but undistributed, economic benefit. This book capital account for each fund includes the previous day's fund shareholder purchases and redemptions, the fund's proportional share of daily portfolio income and expenses, and the fund's share of daily portfolio realized and unrealized gain or loss.
基金の配分比を正確に計算する独自な方法が開発されたのである。各基金には、獲得されてはいるが配当されていない全ての経済的利益からなるポートフォリオへの各基金の投資額全体を表わす簿価資本勘定 (book capital account) が設けられている。各基金に対する、この簿価資本勘定には、前日の基金株主の買入及び償還と、日次ポートフォリオ収益・損失での基金の比例割当分と、日次ポートフォリオ損益(「確定」か「含み」かにかかわらず)での基金の割当分とが含まれる。


On each fund's first day as a portfolio investor, or on the beginning of each fiscal year that a fund continues to participate in a Hub and Spoke configuration, its respective share ownership in the portfolio is determined by its relative percentage of the total dollar amount of investments in the portfolio. Thereafter, the fund's allocation percentage is adjusted through proper adjustments to the book capital account balances of the participating funds (which a data processing system according to the present invention determines daily). The respective fund book capital accounts, which change every day, continually indicate the accurate relative ownership of the portfolio by each fund. Each fund's book capital account will be either increased or decreased daily depending upon the following:
(a) increased by any capital contributions (purchases by fund shareholders) made by the fund to the portfolio;
(b) decreased by any distributions (including portfolio expenses and redemptions by fund shareholders) made to the fund by the portfolio;
(c) increased by any increase in net unrealized gains or decrease in net unrealized losses allocated to the fund;
(d) decreased by any decrease in net unrealized gains or increase in net unrealized losses allocated to the fund; and
(e) increased or decreased by the amount of profit (portfolio income) or loss (portfolio expenses), respectively, allocated to the fund.
各基金のポートフォリオ投資家としての初日、つまり、基金が継続してハブ・アンド・スポーク型構成に参加する各会計年度の当初では、各資金のポートフォリオにける夫々の所有権割当分は、そのポートフォリオへの投資総額に対する相対割合により決定される。その後は、基金の配分率は、(本発明のデータ処理システムが日次決定する)参加基金の簿価資本勘定残高に対する適切な調整を通じて、調整される。各基金の簿価資本勘定は、日々変化し、ポートフォリオにおける各基金の正確な相対的所有権を、連続的に示すことになる。各基金の簿価資本勘定は、以下のように日々増大又は減少する:
(a) 基金がポートフォリオに対し行う何らかの資本供与(基金株主による買入)に応じて増加する。
(b) ポートフォリオが基金に対し行う何らかの配当(ポートフォリオ支出及び基金株主による償還等)に応じて減少する。
(c) 基金に配分される含み利益の何らかの増大、又は、基金に配分される含み損失の何からの減少に応じて増大する。
(d) 基金に配分される含み利益の何らかの減少、又は、基金に配分される含み損失の何からの増大に応じて減少する。
(e) 基金に配分される利益(ポートフォリオ収益)又は損失(ポートフォリオ支出)のそれぞれに応じて増大又は減少する。


A data processing system and method according to the present invention successfully determines each of these ever changing, and interrelated, accounts. By calculating the daily adjusted total investments for each fund according to the concept of a book capital account, the allocation ratios may be calculated accurately. The data processing system also determines, each day and over time, data necessary for calculating aggregate year-end income, expenses, and capital gain or loss for tax and accounting purposes.
本発明のデータ処理システム及び方法は、こうした恒久的に変化し続け相互に関連している勘定の夫々を決定するのに成功した。簿価資本勘定の概念に従って、各基金の投資総額の調整を日々計算することで、配分比が正確に計算できる。また、前記データ処理システムは、税務及び会計処理のための統合年度末収益・損失及びキャピタルゲイン・ロスの計算に必要なデータを、毎日長期間にわたり決定して行く。


独立クレーム:

1. A data processing system for managing a financial services configuration of a portfolio established as a partnership, each partner being one of a plurality of funds, comprising:
(a) computer processor means for processing data;
(b) storage means for storing data on a storage medium;
(c) first means for initializing the storage medium;
(d) second means for processing data regarding assets in the portfolio and each of the funds from a previous day and data regarding increases or decreases in each of the funds, assets and for allocating the percentage share that each fund holds in the portfolio;
(e) third means for processing data regarding daily incremental income, expenses, and net realized gain or loss for the portfolio and for allocating such data among each fund;
(f) fourth means for processing data regarding daily net unrealized gain or loss for the portfolio and for allocating such data among each fund; and
(g) fifth means for processing data regarding aggregate year-end income, expenses, and capital gain or loss for the portfolio and each of the funds.
1. 各パートナーが複数の基金のうちの一つであるパートナーシップとして設立されたポートフォリオ構成の金融サービスを管理するデータ処理システムであって、
(a) データを処理するコンピュータ・プロセッサ手段と、
(b) 記憶媒体にデータを記憶させる記憶手段と、
(c) 前記記憶媒体を初期化する第1の手段と、
(d) ポートフォリオ及び各基金の資産に関する前日からのデータと、前記各基金・資産の増減に関するデータとを処理し、前記ポートフォリオにおける各基金の保有割当率を配分する第2の手段と、
(e) 前記ポートフォリオの日次更新する収益・支出及び確定損益に関するデータを処理し、そうしたデータを各基金に割り当てる第3の手段と、
(f) 前記ポートフォリオの日次含み損益に関するデータを処理し、そうしたデータを各基金に割り当てる第4の手段と、
(g) 前記ポートフォリオ及び各基金の総合年度末収益・支出及びキャピタルゲイン・ロスに関するデータを処理する第5の手段とからなることを特徴とする金融サービス用データ処理システム。

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米国特許5960411(ワンクリック特許)の要約・発明の背景・独立クレームの翻訳(再編集版)

本稿は、 [nouse] において、[ゑびすや] が2005年7月24日(日)に公表した「米国特許5960411(ワンクリック特許)要約・発明の背景・独立クレーム」を、英文と和訳文とがパラグラフ毎に並記されるよう再編集したものである。また、この機会に翻訳の補正を行なった(元になった記事に就いても対応する補正をしてある)。


本件は、ビジネスモデル特許として著名な、Amazon.com, Inc. の所謂「ワンクリック特許」である。

米国特許 No.5,960,411 (Hartman, et al. September 28, 1999) の要約・発明の背景・独立クレームの訳文。


Method and system for placing a purchase order via a communications network
通信ネットワークを介した購入発注方法及びシステム


Abstract
要約

A method and system for placing an order to purchase an item via the Internet. The order is placed by a purchaser at a client system and received by a server system. The server system receives purchaser information including identification of the purchaser, payment information, and shipment information from the client system. The server system then assigns a client identifier to the client system and associates the assigned client identifier with the received purchaser information. The server system sends to the client system the assigned client identifier and an HTML document identifying the item and including an order button. The client system receives and stores the assigned client identifier and receives and displays the HTML document. In response to the selection of the order button, the client system sends to the server system a request to purchase the identified item. The server system receives the request and combines the purchaser information associated with the client identifier of the client system to generate an order to purchase the item in accordance with the billing and shipment information whereby the purchaser effects the ordering of the product by selection of the order button.
インターネットを介して商品品目を購入するための発注方法及びシステム。購入者による発注は、クライアント・システム側で行なわれ、受注はサーバー・システム側で行なわれる。サーバー・システムは、クライアント・システムから、購入者識別情報、支払い情報、発送情報などからなる購入者情報を受信する。次いで、サーバー・システムは、クライアント・システムに対し、クライアント識別子を付与し、付与されたクライアント識別子に、受信された購入者情報を付随させる。サーバー・システムは、付与されたクライアント識別子と、前記商品項目を確認し且つ注文ボタンを有する HTML 文書とを、クライアント・システムに送信する。クライアント・システムは、付与されたクライアント識別子を受信・記憶し、前記 HTML 文書を受信・表示する。前記注文ボタンの選択に応じて、クライアント・システムは、確認済商品項目を購入する旨の要求を、サーバー・システムに送信する。サーバー・システムは、前記要求を受信し、クライアント・システムのクライアント識別子に付随する購入者情報を組み合わせて、代金請求及び商品発送情報に従って前記商品項目を購入すると云う注文を生成することで、購入者が注文ボタンの選択により製品の注文が行なえるようにする。


TECHNICAL FIELD
技術分野

The present invention relates to a computer method and system for placing an order and, more particularly, to a method and system for ordering items over the Internet.
本発明は、コンピュータによる発注方法及びシステムに関し、特に、インターネットを介した商品項目の注文方法及びシステムに関する。


BACKGROUND OF THE INVENTION
発明の背景

The Internet comprises a vast number of computers and computer networks that are interconnected through communication links. The interconnected computers exchange information using various services, such as electronic mail, Gopher, and the World Wide Web ("WWW"). The WWW service allows a server computer system (i.e., Web server or Web site) to send graphical Web pages of information to a remote client computer system. The remote client computer system can then display the Web pages. Each resource (e.g., computer or Web page) of the WWW is uniquely identifiable by a Uniform Resource Locator ("URL"). To view a specific Web page, a client computer system specifies the URL for that Web page in a request (e.g., a HyperText Transfer Protocol ("HTTP") request). The request is forwarded to the Web server that supports that Web page. When that Web server receives the request, it sends that Web page to the client computer system. When the client computer system receives that Web page, it typically displays the Web page using a browser. A browser is a special-purpose application program that effects the requesting of Web pages and the displaying of Web pages.
インターネットは、通信リンクを通じて相互接続された膨大な数のコンピュータ及びコンピュータ・ネットワークからなる。相互接続されたコンピュータは、電子メール、ゴーファー (Gopher)、ワールド・ワイド・ウェブ (WWW) などからなる様々なサービスに利用して情報を交換する。WWW サービスを用いると、サーバー・コンピュータ・システム(つまり、ウェブ・サーバー又はウェブ・サイト)は、情報を、グラフィカルなウェブ・ページの形で、遠隔クライアント・コンピュータ・システムへ送信できる。そうすることで、遠隔クライアント・コンピュータ・システムは、そうしたウェブ・ページを表示することができる。WWW の各リソース(例: コンピュータ又はウェブ・ページ)は、「統一資源ロケータ (Uniform Resource Locator)」(URL)により一意的に識別可能である。特定の或るウェブ・ページを閲覧する際、クライアント・コンピュータ・システムは、例えば「ハイパーテキスト転送プロトコル (HyperText Transfer Protocol)」(HTTP) 要求などのような要求において、そのウェブ・ページの URL を指定する。その要求は、そのウェブ・ページをサポートするウェブ・サーバーに送られる。前記要求を受信した前記ウェブ・サーバーは、そのウェブ・ページを、前記クライアント・コンピュータ・システムに送信する。前記ウェブ・ページを受信すると、前記クライアント・コンピュータ・システムは、典型的には、ブラウザを使って、そのウェブ・ページを表示する。ブラウザとは、ウェブ・ページを要求したり、ウェブ・ページを表示したりするのに目的を特化したアプリケーション・プログラムである。


Currently, Web pages are typically defined using HyperText Markup Language ("HTML"). HTML provides a standard set of tags that define how a Web page is to be displayed. When a user indicates to the browser to display a Web page, the browser sends a request to the server computer system to transfer to the client computer system an HTML document that defines the Web page. When the requested HTML document is received by the client computer system, the browser displays the Web page as defined by the HTML document. The HTML document contains various tags that control the displaying of text, graphics, controls, and other features. The HTML document may contain URLs of other Web pages available on that server computer system or other server computer systems.
現在のところ、ウェブ・ページは、典型的には、「ハイパーテキスト・マークアップ言語 (HyperText Markup Language)」(HTML) を使って定義される。HTML では、如何にしてウェブ・ページが表示されるべきかを定めるタグの標準的セットが提示されている。ユーザーが、ブラウザに、或るウェブ・ページを表示するよう指示すると、ブラウザは、そのウェブ・ページを定義する HTML 文書をクライアント・コンピュータ・システムに転送するようにと云う要求を、サーバー・コンピュータ・システムに送信する。要求された HTML 文書が、クライアント・コンピュータ・システムにより受信されると、ブラウザは、HTML 文書により定められている通りにウェブ・ページを表示する。HTML 文書は、テキスト、グラフィクス、コントロールその他の要素の表示を制御する様々なタグを含んでいる。そうした HTML は、そのサーバー・コンピュータ・システム又は他のサーバー・コンピュータ・システム上で閲覧可能な他のウェブ・ページの URL を含んでいることがある。


The World Wide Web is especially conducive to conducting electronic commerce. Many Web servers have been developed through which vendors can advertise and sell product. The products can include items (e.g., music) that are delivered electronically to the purchaser over the Internet and items (e.g., books) that are delivered through conventional distribution channels (e.g., a common carrier). A server computer system may provide an electronic version of a catalog that lists the items that are available. A user, who is a potential purchaser, may browse through the catalog using a browser and select various items that are to be purchased. When the user has completed selecting the items to be purchased, the server computer system then prompts the user for information to complete the ordering of the items. This purchaser-specific order information may include the purchaser's name, the purchaser's credit card number, and a shipping address for the order. The server computer system then typically confirms the order by sending a confirming Web page to the client computer system and schedules shipment of the items.
ワールド・ワイド・ウェブは、電子商取引を実施するのに特に適する。多くのウェブ・サーバーが、販売業者による製品の広告・販売を可能にする場として開発されている。そうした製品としては、購入者にインターネットを介して電子的に配達される品目(例: 音楽)もあれば、従来の配送経路(例: 運送業者)を通じて配達される品目(例: 書籍)もある。サーバー・コンピュータ・システムは、購入可能な商品項目を列挙した電子版カタログを提供することもある。潜在的には購入者であるユーザーは、そのようなカタログをブラウザで眺めて、購入すべき様々な商品項目を選択することができる。ユーザーが購入予定の品目選択を完了した際には、サーバー・コンピュータ・システムは、品目の注文を完了するための情報をユーザーが提供するよう促す。この購入者固有の注文情報には、購入者の名前、購入者のクレジットカード番号、注文に対する送り先アドレスが含まれうる。その際、サーバー・コンピュータ・システムは、典型的には、確認用ウェブ・ページをクライアント・コンピュータ・システムに送信することで注文の確認を行ない、そして商品項目発送の予定を組む。


Since the purchaser-specific order information contains sensitive information (e.g., a credit card number), both vendors and purchasers want to ensure the security of such information. Security is a concern because information transmitted over the Internet may pass through various intermediate computer systems on its way to its final destination. The information could be intercepted by an unscrupulous person at an intermediate system. To help ensure the security of the sensitive information, various encryption techniques are used when transmitting such information between a client computer system and a server computer system. Even though such encrypted information can be intercepted, because the information is encrypted, it is generally useless to the interceptor. Nevertheless, there is always a possibility that such sensitive information may be successfully decrypted by the interceptor. Therefore, it would be desirable to minimize the sensitive information transmitted when placing an order.
購入者固有の注文情報は、取り扱いに注意を要する情報(例: クレジットカード番号)を含んでいるので、販売業者及び購入者双方とも、そうした情報の安全性を確保することを望む。インターネットを介して転送される情報は、その最終目的地に至る途中で様々な介在コンピュータ・システムを通過するから、安全性問題は重要である。情報は、介在システムにおいて、不道徳な人物が傍受してしまうかもしれないからだ。取り扱いに注意を要する情報の安全性確保の一助として、そうした情報をクライアント・コンピュータ・システムとサーバー・コンピュータ・システムとの間で転送する際には、様々な暗号技術が利用されている。そうした暗号化情報も傍受されうるとは言え、暗号化されているから、おおむね、傍受者の役には立たない。それでも、そうした取り扱いに注意を要する情報の暗号解読に、傍受者が成功する可能性は常にある。従って、発注の際には、取り扱いに注意を要する情報の転送を最小限にすることが望ましいと言える。


The selection of the various items from the electronic catalogs is generally based on the "shopping cart" model. When the purchaser selects an item from the electronic catalog, the server computer system metaphorically adds that item to a shopping cart. When the purchaser is done selecting items, then all the items in the shopping cart are "checked out" (i.e., ordered) when the purchaser provides billing and shipment information. In some models, when a purchaser selects any one item, then that item is "checked out" by automatically prompting the user for the billing and shipment information. Although the shopping cart model is very flexible and intuitive, it has a downside in that it requires many interactions by the purchaser. For example, the purchaser selects the various items from the electronic catalog, and then indicates that the selection is complete. The purchaser is then presented with an order Web page that prompts the purchaser for the purchaser-specific order information to complete the order. That Web page may be prefilled with information that was provided by the purchaser when placing another order. The information is then validated by the server computer system, and the order is completed. Such an ordering model can be problematic for a couple of reasons. If a purchaser is ordering only one item, then the overhead of confirming the various steps of the ordering process and waiting for, viewing, and updating the purchaser-specific order information can be much more than the overhead of selecting the item itself. This overhead makes the purchase of a single item cumbersome. Also, with such an ordering model, each time an order is placed sensitive information is transmitted over the Internet. Each time the sensitive information is transmitted over the Internet, it is susceptible to being intercepted and decrypted.
電子カタログから様々な商品項目を選択を行うのは、一般的に「ショッピング・カート」型モデルに基づいている。購入者が、電子カタログから或る商品項目を選択すると、サーバー・コンピュータ・システムは、その商品項目を、譬えて言うなら、ショッピング・カートに入れていく。購入者の商品項目選択が完了すると、購入者が、代金請求・発送情報を提供した時点で、ショッピング・カート中の全ての商品項目が「チェックアウト」(つまり、注文)される。購入者が、何か一つの商品項目を選択するたびに、自動的にユーザーに代金請求・発送情報の提供を促して、その商品項目の「チェックアウト」が行なわれるモデルも幾つかある。「ショッピング・カート」型モデルは、非常に柔軟かつ直感的で解かりやすいとはいえ、購入者に多くの情報交換を行うよう求めると云うマイナス面がある。例えば、購入者が電子カタログから様々な商品項目を選択し、次いで、選択が終了した旨を示した際、購入者には、注文完結のために、購入者固有の注文情報を提供するよう促す注文用ウェブ・ページが提示される。そうしたウェブ・ページには、他の発注を以前行った際に購入者が提供していた情報が予め書き込まれているようにできる。そうした情報は、サーバー・コンピュータ・システムにより有効性が確かめられてから、注文が完結する。こうした注文モデルには、二つの点で問題が発生しうる。まず、もし、購入者が注文しようとする品目が一つだけの場合、注文過程の様々なステップを確認し、購入者固有の注文情報の点検・更新を待機するオーバヘッドが、商品項目選択を行うオーバヘッド自体より、遥かに大きくなる可能性がある。このオーバヘッドは、単一の商品項目の購入を煩わしいものにする。また、こうした注文モデルにあっては、発注が行なわれる度に、取り扱いに注意を要する情報がインターネットを介して転送される。取り扱いに注意を要する情報がインターネットを介して転送される度に、傍受され暗号解読される可能性がある。


独立クレーム

1. A method of placing an order for an item comprising:
under control of a client system,
displaying information identifying the item; and
in response to only a single action being performed, sending a request to order the item along with an identifier of a purchaser of the item to a server system;
under control of a single-action ordering component of the server system,
receiving the request;
retrieving additional information previously stored for the purchaser identified by the identifier in the received request; and
generating an order to purchase the requested item for the purchaser identified by the identifier in the received request using the retrieved additional information; and
fulfilling the generated order to complete purchase of the item
whereby the item is ordered without using a shopping cart ordering model.
1. 商品項目の発注方法であって、
クライアント・システムの制御下にあって
前記商品項目を確認する情報を表示する段階と、
単一の動作が実行されただけで、前記商品項目を注文する旨の要求を、前記商品項目の購入者の識別子と共に、サーバー・システムに送信する段階と、
前記サーバー・システムの単一動作注文コンポーネントの制御下にあって、
前記要求を受信する段階と、
前記受信された要求中の前記識別子により識別される購入者に関して以前から記憶されていた付加的な情報を検索する段階と、
前記検索された付加的情報を用いて、前記受信された要求中の前記識別子により識別される購入者に関して、前記要求された商品項目を購入するための注文を生成する段階と、
前記生成された注文に応じた納品を行って、前記商品項目の購入を完結する段階からなることで、
ショッピング・カート型注文モデルを用いることなく、前記商品項目が注文されるようにすることを特徴とする商品項目発注方法。


6. A client system for ordering an item comprising:
an identifier that identifies a customer;
a display component for displaying information identifying the item;
a single-action ordering component that in response to performance of only a single action, sends a request to a server system to order the identified item, the request including the identifier so that the server system can locate additional information needed to complete the order and so that the server system can fulfill the generated order to complete purchase of the item; and
a shopping cart ordering component that in response to performance of an add-to-shopping-cart action, sends a request to the server system to add the item to a shopping cart.
6. 商品項目を注文するクライアント・システムであって、
顧客を識別する識別子と、
前記商品項目を確認する情報を表示する表示コンポーネントと、
単一の動作が実行されただけで、前記確認された商品項目を注文する旨の要求をサーバー・システムに送信し、前記要求には、前記サーバー・システムが、注文完結に必要な付加的情報の所在場所を探し出すことかでき、そして、前記サーバー・システムが、前記生成された注文に応じた納品を行って、前記商品項目の購入を完結するようができるようにするために、前記識別子がふくまれるようにしてなる単一動作注文コンポーネントと、
「ショッピング・カートへの投入動作」実行に応じて、ショッピング・カートに、前記商品項目を投入させる旨の要求を前記サーバ・システムに送信するショッピング・カート注文コンポーネントとからなることを特徴とする商品項目注文クライアント・システム。


9. A server system for generating an order comprising:
a shopping cart ordering component; and
a single-action ordering component including:
a data storage medium storing information for a plurality of users;
a receiving component for receiving requests to order an item, a request including an indication of one of the plurality of users, the request being sent in response to only a single action being performed; and
an order placement component that retrieves from the data storage medium information for the indicated user and that uses the retrieved information to place an order for the indicated user for the item; and
an order fulfillment component that completes a purchase of the item in accordance with the order placed by the single-action ordering component.
9. 注文を生成するサーバー・システムであって、
ショッピング・カート注文コンポーネントと、
複数のユーザーに関する情報を記憶するデータ記憶媒体と、各々が前記複数のユーザーのうちの一人を指定する情報を含み、単一動作が実行されただけで送信される商品項目注文要求を受信する受信コンポーネントと、指定されたユーザーに関する情報を前記データ記憶媒体から検索し、前記検索された情報を、前記指定されたユーザーのために前記商品項目の発注を行うのに利用する発注コンポーネントとからなる単一動作注文コンポーネントと、
前記単一動作注文コンポーネントによる発注に従って前記商品項目の購入を完結する納品コンポーネントとからなることを特徴とする注文生成サーバー・システム。


11. A method for ordering an item using a client system, the method comprising:
displaying information identifying the item and displaying an indication of a single action that is to be performed to order the identified item; and
in response to only the indicated single action being performed, sending to a server system a request to order the identified item
whereby the item is ordered independently of a shopping cart model and the order is fulfilled to complete a purchase of the item.
11. クライアント・システムを用いて、商品項目を注文する方法であって、
前記商品項目を確認する情報を表示し、前記確認された商品項目を注文するために実行されるべき単一動作を指定する表示を行う段階と、
前記指定された単一動作が実行されただけで、前記確認された商品項目を注文する旨の要求を、サーバー・システムに送信する段階とからなることで、
前記商品項目が、ショッピング・カート型モデルとは独立して注文され、納品されて、前記商品項目の購入が完結することを特徴とするクライアント・システムを用いた商品項目注文方法。

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米国特許6286022(有限体の基底変換)の要約・発明の背景・独立クレームの翻訳(再編集版)

本稿は、 [nouse] において、[ゑびすや] が2005年6月26日(日)、2005年7月5日(火)、2005年7月11日(月)にそれぞれ公表した「米国特許6286022(有限体の基底変換)要約」、「米国特許6286022(有限体の基底変換)発明の背景」、「米国特許6286022(有限体の基底変換)独立クレーム」をまとめて一本にし、英文と和訳文とがパラグラフ毎に並記されるよう再編集したものである。また、この機会に翻訳の補正を行なった(元になった3つの記事に就いても対応する補正をしてある)。

本件は、楕円曲線暗号等で用いられる有限体の基底変換計算の効率化に関する米国特許 No.6,286,022 (Kaliski, Jr. et al. September 4, 2001)の「要約」、「発明の背景」及び「独立クレーム」原文及び和訳文である。


Efficient finite field basis conversion involving a dual basis
有限体での双対基底に関わる効率的基底変換


Abstract
要約

The invention provides apparatus and methods for use in basis conversion involving a dual basis, such as a dual of a polynomial basis or dual of a normal basis. The invention in an illustrative embodiment includes basis generators for generating elements of a dual of a polynomial or a normal basis of a finite field GF(q.sup.m), where q is a prime number or power of a prime number and m is an integer greater than or equal to 2. The basis generators can be used in "import" basis conversion, such as converting a representation in an external basis to a representation in an internal dual of a polynomial basis or dual of a normal basis, as part of a generate-accumulate algorithm, or in "export" basis conversion, such as converting a representation in an internal dual of a polynomial basis or dual of a normal basis to a representation in an external basis, as part of a generate-evaluate algorithm. The invention also includes basis shifters which generate a shifted version of a representation in an internal polynomial or normal basis. The basis shifters may be used in import basis conversion as part of a shift-insert algorithm, or in export basis conversion as part of a shift-extract algorithm. The basis shifters may also be used to provide alternative shift-based basis generators. The basis conversion techniques of the invention significantly increase the storage and computational efficiency of dual basis operations in cryptographic systems and other applications.
本発明は、多項式基底の双対基底又は正規基底の双対基底などの双対基底に関わる基底変換のための装置及び方法を提供する。本発明を説明するのに都合の良い実施例としては、有限体 GF(qm) -- ただし、q は素数又は素数の冪乗、m は 2 以上の整数とする -- の多項式基底又は正規基底の双対基底要素を生成する基底生成器を用いるものが挙げられる。この基底生成器は、生成・蓄積アルゴリズム (generate-accumulate algorithm) の一環として、外部基底による表現を、多項式基底の内部双対又は正規基底の内部双対による表現に変換すると云ったような「内部化」基底変換や、あるいは、生成・評価アルゴリズム (generate-evaluate algorithm) の一環として、多項式基底の内部双対又は正規基底の内部双対による表現を、外部基底による表現に変換すると云ったような「外部化」基底変換において使用することができる。本発明は、また、内部多項式基底又は内部正規基底による表現をシフトしたものを発生する基底シフタを用いる。この基底シフタは、シフト・挿入アルゴリズム (shift-insert algorithm) の一環としての内部化基底変換や、シフト・取り出しアルゴリズム (shift-extract algorithm) の一環としての外部化基底変換において利用することができる。この基底シフタは、シフト型基底生成器の代替物を得るのに利用することもできる。本発明の基底変換技法は、暗号方式その他の応用において双対基底操作の記憶及び計算効率を大幅に改善する。


FIELD OF THE INVENTION
発明の分野

The present invention relates generally to techniques for converting signals of a finite field having one basis to signals of a finite field having another basis, and more particularly to finite field basis conversion techniques which involve a dual basis.
本発明は、概括的には、或る基底を有する有限体の信号を、他の基底を有する有限体の信号に変換する技法に関し、特に、双対基底に関する有限体基底変換技法に関する。



BACKGROUND OF THE INVENTION
発明の背景

As described in U.S. application Ser. No. 08/851,045, filed in the name of inventors Burton S. Kaliski Jr. and Yiqun Lisa Yin on May 5, 1997 and entitled "Methods and Apparatus for Efficient Finite Field Basis Conversion," and which is incorporated by reference herein, conversion between different choices of basis for a finite field is an important problem in today's computer systems, particularly for cryptographic operations. While it is possible to convert between two choices of basis by matrix multiplication, the matrix may be too large for some applications, hence the motivation for more storage-efficient techniques.
Burton S. Kaliski Jr. 及び Yiqun Lisa Yin によって発明されたとして、1997年5月5日に出願された米国特許出願番号 08/851,045 "Methods and Apparatus for Efficient Finite Field Basis Conversion" (「効率的な有限体基底変換方法及び装置」) -- ここで参照することで、その内容が本明細書に編入されたものとする -- に記載されている如く、別々に選定された有限体基底間の変換は、現代のコンピュータ・システム、特に暗号演算のためのコンピュータ・システムにとり、重要な課題である。行列の乗算によるなら、選定された2つの基底間の変換は可能だとは言え、応用によっては行列は大規模になりすぎることがあるため、記憶効率が優れた技法が望まれていた。


Elements of a finite field can be represented in a variety of ways, depending on the choice of basis for the representation. Let GF(q.sup.m) be the finite field, and let GF(q) be the ground field over which it is defined, where q is a prime or a prime power. The characteristic of the field is p where q=p.sup.r for some r.gtoreq.1. For even-characteristic fields, p=2. The degree of the field is m; its order is q.sup.m. A basis for the finite field is a set of m elements .omega..sub.0, . . . , .omega..sub.m-1 .epsilon.GF(q.sup.m) such that every element of the finite field can be represented uniquely as a linear combination of basis elements:
##EQU1##
where B[0], . . . , B[m-1] .epsilon. E GF(q) are the coefficients.
有限体の要素は、選定される表現基底に応じて、様々に表現される。GF(qm) をそうした有限体、GF(q) をその基礎体とし(ただし、q は、素数又は素数の冪乗である)、体の標数を p とすると、q=pr かつ r≧1 なる r が存在する。標数が偶数の体では、p=2 となる。体の次数は m であり、位数は、qm である。有限体の基底とは、m 個の要素 ω0, . . . , ωm-1 ∈ GF(qm) からなる集合であって、有限体の全ての要素が、B[0], . . . , B[m-1] ∈ GF(q) を係数とする基底要素の線型結合

  ε =∑i=0m-1B[i]ωi

として一意に表わせるようなもののことである。

訳注
::現在の cocolog は、数式の表現能力が貧弱で、上記も、総和記号が旨く表わせなかった。その意とするところは、B[i]ωi の i=0 から i=m-1 までの総和である。mimeTeX と云う CGI を使うと、html 文書においても TeX もどきの数式表現ができるらしいが、cocolog ではサポートされていないようだ。ちなみに「はてなダイアリー」では使えるとのこと。また、どのような実装によっているかは不明だが、Wikipedia でも、TeX による数式表示が可能である。
::本来の米国特許公報では、上記の ##EQU1## 相当部分に有限体の任意の要素が、基底の線型結合で表わされることを示す式が書かれている。


Two common types of basis are a polynomial basis and a normal basis. In a polynomial basis, the basis elements are successive powers of an element .gamma., called the generator:
.omega..sub.i =.gamma..sup.i.
基底として良く知られているのは、多項式基底と正規基底の2種類である。多項式基底では、基底の要素は、生成元と呼ばれる或る要素 γ の逐次冪乗

   ωii

からなる。


A polynomial .function. of degree m, called the minimal polynomial of .gamma., relates the successive powers:
.gamma..sup.m +.function..sub.m-1.gamma..sup.m-1 +.function..sub.m-2.gamma..sup.m-2 + . . . +.function..sub.1.gamma.+.function..sub.0 =0.
前記の一連の冪乗を以下のように関連付ける γ の最小多項式と呼ばれる次数 m の多項式 f がある:

   γm + fm-1γm-1 + fm-2γm-2 + . . . +f1γ1 + f0 = 0


In a normal basis, the basis elements are successive exponentiations of an element .gamma., again called the generator:
.omega..sub.i =.gamma..sup.q.sup..sup.i .
正規基底では、基底の要素は、やはり生成元と呼ばれる要素 γ の逐次指数乗

   ωiqi

からなる。


Another common type of basis is a dual basis. Let .omega..sub.0, . . . , .omega..sub.m-1 be a basis and let h be a nonzero linear function from GF(q.sup.m) to GF(q), i.e., a function such that for all .epsilon., .phi.,
h(.epsilon.+.phi.)=h(.epsilon.)+h(.phi.).
基底として、これらの他に良く知られているものとしては、双対基底がある。これを説明するために、まず ω0, . . . , ωm-1 を或る基底とし、h を、GF(qm) から GF(q) への零写像でない線型関数であるとする。つまり、すべての ε 及び φ に対して、

   h(ε+φ)=h(ε)+h(φ)

が成り立つものとする。


The dual basis of the basis .omega..sub.0, . . . , .omega..sub.m-1 with respect to h is the basis .xi..sub.0, . . . , .xi..sub.m-1 such that for all i,j,
##EQU2##
基底 ω0, . . . , ωm-1 の h に関する双対基底とは、全ての i, j に対して

   h(ωiξj) = 1 (i=j の時); 0 (i=j でない時)

を満たすような ξ0, . . . , ξm-1 のことである。

訳注
::本来の米国特許公報では、上記の ##EQU2## 相当部分に ωi と ξi との h に関する双対性を示す式が書かれている。そして、その式では、場合分けを、大きな左ブレースを用いて表わしているが、現在の cocolog では、それが不可能なようなので、上記のように「= 1 (i=j の時); 0 (i=j でない時)」とした。この問題も、cocolog が mimeTeX (又は、TeX そのもの)をサポートすれば、解決されるはず。


The dual basis is uniquely defined, and duality is syrnnetric: the dual basis with respect to h of the basis .xi..sub.0, . . . , .xi..sub.-1 is the basis .omega..sub.0, . . . , .omega..sub.m-1. A dual basis can be defined for a polynomial basis, a normal basis, or any other choice of basis, and with respect to a variety of functions (including, as an example, the function that evaluates to a particular coefficient of the representation of the field element in some basis).
双対基底は一意に定まる。また、双対性は対称的である。つまり、h に関する ξ0, . . . , ξm-1 の双対基底は、ω0, . . . , ωm-1 である。双対基底は、多項式基底にも、正規基底にも、その他の如何なる基底に対しても、そして、(例えば、体要素の或る基底における表現の特定の係数を評価する関数と云ったような)様々な関数に関して、定めることができる。


訳注
::上記 ".xi..sub.-1" は --.xi..sub.m-1-- と読み替えてある。


The basis conversion or change-of-basis problem is to compute the representation of an element of a finite field in one basis, given its representation in another basis. The problem has two forms, which distinguish between the internal basis in which finite field operations are performed, and the external basis to and from which one is converting:
基底変換、つまり基底の変更とは、有限体の或る要素の或る基底に対する表現を、他の基底に対する表現から計算することである。有限体の演算が行なわれる内部基底と、変換先・変換元の外部基底とを区別すると、この課題は、2通りの形式で表わされる:


Import problem. Given an internal basis and an external basis for a finite field GF(q.sup.m) and the representation B of a field element in the external basis (the "external representation"), determine the corresponding representation A of the same field element in the internal basis (the "internal representation").
内部化: 有限体 GF(qm) の内部基底及び外部基底が与えられ、更に或る体要素の外部基底による表現 B (「外部表現」)が与えられた際に、前記要素の内部基底による対応表現 A (「内部表現」)を決定すること。


Export problem. Given an internal basis and an external basis for a finite field GF(q.sup.m) and the internal representation A of a field element, determine the corresponding external representation B of the same field element.
外部化: 有限体 GF(qm) の内部基底及び外部基底が与えられ、更に或る要素の内部表現 A が与えられた際に、前記体要素の対応外部表現 B を決定すること。


A conventional solution to both problems is to apply a change-of-basis matrix relating the two a bases. However, as the matrix is potentially quite large, and as the operations involved are not necessarily implementable with operations in either basis, the matrix-based conversion process may be inefficient in many important applications.
二つの課題に対する従来の解決策は、双方の基底に関する基底変換行列を適用することであった。しかし、この行列は非常に大規模になることがあり、また、必要となる演算が、基底のどちら側でも演算として実行に適するとは限らないため、行列に基づく変換方法は、多くの重要な応用において効率的でないことがあった。


Another approach to conversion is to compute with a dual basis. Consider the problem of converting to the basis .omega..sub.0, . . . , .omega..sub.m-1, and let .xi..sub.0, . . . , .xi..sub.m-1 be its dual basis with respect to some linear function h. Then by the definition of the dual basis and the linearity of h, it follows that for all i,
B[]=h(.epsilon..xi..sub.i).
変換を行う他の手法としては、双対基底でもって計算すると云うものがあった。基底 ω0, . . . , ωm-1 への変換を行う場合、或る線型関数 h に関するその双対基底を ξ0, . . . , ξm-1 とするなら、双対基底の定義及び h の線型性により、全ての i に対して、次の式が成り立つ。

   B[i]=h(εξi)

訳注
::上記の式の左辺で "B[]" を --B[i]-- と読み替えてある。


One can therefore convert by multiplying by elements of the dual basis and evaluating the function h, another straightforward and effective solution, which is efficient provided that the elements of the dual basis .xi..sub.0, . . . , .xi..sub.m-1 can be generated efficiently and that the function h can be computed efficiently. But this approach is again limited by a number of difficulties. First, the approach requires the elements of the dual basis, which must either be stored in the form of m.sup.2 coefficients, or computed. Second, it requires the computation of the function h, which may or may not be efficient. More practical choices of h have been suggested, such as a particular coefficient of the representation in some basis. See, for example, S. T. J. Fenn, M. Benaissa, and D. Taylor, "Finite Field Inversion Over the Dual Basis," IEEE Transactions on VLSI, 4(1):134-137, March 1996, which is incorporated by reference herein. But even with a more practical h, there still remains the problem of determining the dual basis efficiently. Moreover, the Fenn et al. method is efficient only when m is very small, and no general efficient conversion algorithm is given.
つまり、双対基底の要素を乗算し、関数 h を評価すると変換が行なえる訣だから、直接的で有効な解決策であり、双対基底要素 ξ0, . . . , ξm-1 が効率的に生成され、関数 h が効率的に計算できるなら、効率も良いものとなる。しかし、この手法にも、幾つかの制限がある。第1に、この手法では、双対基底の要素を m2 個の係数の形式で記憶しておくか、計算するかする必要がある。第2に、関数 h の計算が必要だが、これは効率的なことも非効率的なこともありうる。ある基底における表現の特定の係数と云うような、ヨリ実際的な h の選定も提案されている。例えば、S. T. J. Fenn, M. Benaissa 及び D. Taylor による "Finite Field Inversion Over the Dual Basis「双対基底上の有限体逆元決定」" (IEEE Transactions on VLSI, 4(1):134-137, 1996年3月) を見られたい(ここで参照することで、その内容が本明細書に編入されたものとする)。しかし、ヨリ実際的な関数 h によっても、双対基底を効率的に決定すると云う課題が残っている。更に「Fenn 他」の方法は、m が非常に小さい時にのみ効率的に過ぎず、包括的かつ効率的な変換アルゴリズムは知られていなかった。


A number of other references describe finite field basis conversion operations involving dual basis. For example, U.S. Pat. No. 4,994,995, issued Feb. 19, 1991 to R. W. Anderson, R. L. Gee, T. L. Nguyen, and M. A. Hassner, entitled "Bit-Serial Division Method and Apparatus," describes hardware for a converter which converts an element in GF(2.sup.m) in a polynomial basis representation to a scalar multiple of its dual basis representation, where the scalar is an element of the field. The scalar is chosen so that the scalar multiple of the dual has many of the same elements as the polynomial basis. The hardware consists of AND gates, XOR gates, and a table for computing the trace function. Again, no general conversion algorithm is suggested. I. S. Hsu, T. K. Truong, L. J. Deutsch, and I. S. Reed, "A Comparison of VLSI Architecture of Finite Field Multipliers using Dual, Normal, or Standard Bases," IEEE Transactions on Computers, 37(6):735-739, June 1988, discloses conventional techniques for converting between polynomial and dual bases. D. R. Stinson, "On Bit-Serial Multiplication and Dual Bases in GF(2.sup.m)," IEEE Transactions on Information Theory, 37(6):1733-1737, November 1991, describes change-of-basis matrices between polynomial and dual bases. Given it polynomial basis such that the change-of-basis matrix M from the dual basis to some scalar (c.epsilon. GF(2.sup.m)) times the polynomial basis has as few "1" entries as possible, efficient bit-serial multiplication is possible. Given the minimal polynomial of .alpha., a generator of the polynomial basis, the Stinson reference gives simple formulae computing a scalar c and the weight of the matrix M. Although the above-cited references disclose numerous conventional techniques for converting between a polynomial basis and its dual basis, these techniques are generally inefficient in terms of memory, and may also be inefficient in terms of computation time.
双対基底を用いる有限体基底変換演算に就いて記載する文献は、ほかにも幾つかある。例えば、R. W. Anderson, R. L. Gee, T. L. Nguyen 及び M. A. Hassner による米国特許 4,994,995 "Bit-Serial Division Method and Apparatus「ビットシリアル除算方法及び装置」"(1991年2月19日)には、GF(2m) の要素の、多項式基底による表現を、その双対基底表現のスカラー倍(ただし、このスカラーは体の要素)に変換する変換器が記載されている。このスカラーは、双対をこのスカラー倍したものが、多項式基底と同一の要素を多く含むよう選定されている。この変換器は、AND ゲート群、XOR ゲート群、及びトレース関数を計算するための表からなる。やはり包括的ではない変換アルゴリズムであるが、I. S. Hsu, T. K. Truong, L. J. Deutsch 及び I. S. Reed による"A Comparison of VLSI Architecture of Finite Field Multipliers using Dual, Normal, or Standard Bases 「双対、正規又は標準基底を用いる有限体乗算器の VLSI アーキテクチャの比較」"(IEEE Transactions on Computers, 37(6):735-739, 1988年6月)では、多項式基底と双対基底との間を変換する従来技術が開示されている。D. R. Stinson による "On Bit-Serial Multiplication and Dual Bases in GF(2m)「GF(2m) におけるビットシリアル乗法と双対基底に就いて」" (IEEE Transactions on Information Theory, 37(6):1733-1737, 1991年11月)には、多項式基底と双対基底との間の基底変換行列に就いて記載されている。双対基底から多項式基底のスカラー(c ∈ GF(2m))倍への基底変換行列 M ができる限り少ない "1" 要素を有するような多項式基底に就いては、効率的なビットシリアル乗算が可能である。Stinson は、多項式基底の生成元 α の最小多項式が分っている場合に、スカラー c 及び行列 M の重みを計算する単純な公式を示している。上記の文献は、多項式基底とその双対基底との間を変換する様々な従来技術を開示しているが、こうした技術は、メモリーの観点からは概して非効率的であり、また計算時間の観点からも非効率的でありうる。


The above-cited U.S. application Ser. No. 08/851,045 introduced the "shift-extract" technique of basis conversion, and also provided several storage-efficient and computation-efficient algorithms based on that technique for converting to and from a polynomial or normal basis. The conversion algorithms described therein overcome many of the problems associated with the previously-described conventional approaches. However, a need remains for further improvements in finite field basis conversion, particularly with regard to techniques involving dual basis.
上記の米国特許出願番号 08/851,045 では、基底変換での「シフト・取り出し」技法が導入されて、その技法に基づく多項式基底又は正規基底への、又は多項式基底又は正規基底からの変換を行うことで記憶に就いても計算に就いても効率的なアルゴリズムが幾つか示されている。そこに記載されている変換アルゴリズムは、前記の従来手法に伴う問題点の多くを解消するものである。しかし、特に双対基底を用いる技法に関しては、有限体基底変換に対する一層の改善が必要であった。


It is therefore an object of the present invention to provide efficient finite field basis conversion techniques involving dual basis which do not require an excessively large amount of storage or an excessively large number of operations, and which take advantage of the built-in efficiency of finite field operations in one basis, rather than implementing new operations such as matrix multiplications.
従って、本発明の目的は、行列乗算のような演算を別途実装せずに、一つの基底における有限体演算の本来的な効率性を活用するることで、過度に大容量の記憶や過度に多数の演算を必要としない、双対基底を用いる有限体基底変換技術を提供することにある。


独立クレーム

1. An apparatus for determining elements in a dual of a normal basis for a finite field, the apparatus comprising:
an exponentiator which is operative to raise one of an input value and an output of a multiplier to a power; and
the multiplier which is operative to multiply one of the input value and an output of the exponentiator by a function of a generator of the dual basis, wherein the multiplier and exponentiator are configured to operate such that one of the multiplier and exponentiator generates an output value corresponding to a shifted version of the input value in the dual of the normal basis.
1. 有限体の正規基底の双対基底により要素を決定する装置であって、
入力値又は乗算器の出力の一方を冪乗するよう動作する指数冪乗器からなり、
前記乗算器は、前記入力値又は前記指数冪乗器出力の一方に、双対基底生成元の関数を乗算し、前記乗算器と前記指数冪乗器とは、前記乗算器又は前記指数冪乗器の一方が、前記正規基底の双対基底に関して入力値をシフトしたものに対応する出力値を生成するよう構成されてなることを特徴とする有限体の正規基底の双対基底による要素決定装置。


16. An apparatus for determining elements of a dual of a normal basis for a finite field, the apparatus comprising:
an exponentiator which raises an input value to a power, wherein the output of the exponentiator is applied to its input such that the exponentiator repeats the raising to a power operation a designated number of times; and
a multiplier which is operative to multiply an output of the exponentiator, generated after the designated number of repetitions, by a scaling factor which is a function of a (q-1).sup.st root of S, where S is a generator of the normal basis and q is a prime or a power of a prime, such that an output of the multiplier corresponds to an element of the dual of the normal basis.
16. 有限体の正規基底の双対基底の要素を決定する装置であって、
入力値を冪乗し、冪乗演算が指定回数繰り返されるよう自身の出力が自身の入力に印加される指数冪乗器と、
前記指定回数の繰り返し後に生成された前記指数冪乗器の出力に、q を素数又は素数の冪乗として、前記正規基底の生成元 S の (q-1) 乗根の関数である調整倍率を乗算して、出力が前記正規基底の双対基底の或る要素に対応するようにしてなる乗算器とからなることを特徴とする有限体の正規基底の双対基底の要素決定装置。


19. An apparatus for determining elements of a dual of a normal basis for a finite field, the apparatus comprising:
an exponentiator which raises an input value to a power, wherein the output of the exponentiator is applied to its input such that the exponentiator repeats the raising to a power operation a designated number of times; and
a multiplier which is operative to multiply an output of the exponentiator, generated after the designated number of repetitions, by one of an initial value and a previously-generated output of the multiplier, such that a current output of the multiplier corresponds to an element of the dual of the normal basis.
19. 有限体の正規基底の双対基底の要素を決定する装置であって、
入力値を冪乗し、冪乗演算が指定回数繰り返されるよう自身の出力が自身の入力に印加される指数冪乗器と、
前記指定回数の繰り返し後に生成された前記指数冪乗器の出力に、初期値又は自身の以前の出力の一方を乗算して、現在の出力が前記正規基底の双対基底の或る要素に対応するようにしてなる乗算器とからなることを特徴とする有限体の正規基底の双対基底の要素決定装置。


25. A method for determining elements in a dual of a normal basis for a finite field, the method comprising:
exponentiating one of a signal corresponding to an input value and a signal corresponding to an output of a multiplier in an exponentiator; and
multiplying one of a signal corresponding to the input value and a signal corresponding to an output of the exponentiator by a function of a generator of the dual basis in the multiplier, wherein the multiplier and exponentiator are configured to operate such that one of the multiplier and exponentiator generates an output value corresponding to a shifted version of the input value in the dual of the normal basis.
25. 有限体の正規基底の双対基底により要素を決定する方法であって、
指数冪乗器内において、入力値に対応する信号又は乗算器の出力に対応する信号の一方を指数冪乗する段階と、
前記乗算器内において、前記入力値に対応する信号又は前記指数冪乗器出力に対応する信号の一方に、双対基底生成元の関数を乗算するが、ここで前記乗算器及び前記指数冪乗器は、前記乗算器又は前記指数冪乗器の一方が、前記正規基底の双対基底に関して入力値をシフトしたものに対応する出力値を生成するよう構成されてなる段階とからなることを特徴とする有限体の正規基底の双対基底による要素決定方法。


26. A method for determining elements of a dual of a normal basis for a finite field, the method comprising:
raising a signal corresponding to an input value to a power in an exponentiator, wherein the output of the exponentiator is applied to its input such that the exponentiator repeats the raising to a power operation a designated number of times; and
multiplying an output of the exponentiator, generated after the designated number of repetitions, in a multiplier by a scaling factor which is a function of a (q-1).sup.st root of S, where S is a generator of the normal basis and q is a prime or a power of a prime, such that an output of the multiplier corresponds to an element of the dual of the normal basis.
26. 有限体の正規基底の双対基底の要素を決定する方法であって、
指数冪乗器内において、入力値に対応する信号を冪乗する際、前記指数冪乗器が冪乗演算を指定回数繰り返すよう、前記指数冪乗器出力を前記指数冪乗器入力に印加する段階と、
乗算器内において、前記指定回数の繰り返し後に生成された前記指数冪乗器の出力に、q を素数又は素数の冪乗として、前記正規基底の生成元 S の (q-1) 乗根の関数である調整倍率を乗算して、前記乗算器出力が前記正規基底の双対基底の或る要素に対応するようにする段階とからなることを特徴とする有限体の正規基底の双対基底の要素決定方法。


27. A method for determining elements of a dual of a normal basis for a finite field, the method comprising:
raising a signal corresponding to an input value to a power in an exponentiator, wherein the output of the exponentiator is applied to its input such that the exponentiator repeats the raising to a power operation a designated number of times; and
multiplying an output of the exponentiator, generated after the designated number of repetitions, in a multiplier by one of an initial value and a previously-generated output of the multiplier, such that a current output of the multiplier corresponds to an element of the dual of the normal basis.
27. 有限体の正規基底の双対基底の要素を決定する方法であって、
指数冪乗器内において、入力値に対応する信号を冪乗する際、前記指数冪乗器が冪乗演算を指定回数繰り返すよう、前記指数冪乗器出力を前記指数冪乗器入力に印加する段階と、
乗算器内において、前記指定回数の繰り返し後に生成された前記指数冪乗器の出力に、初期値又は前記乗算器の以前の出力の一方を乗算して、前記乗算器の現在の出力が前記正規基底の双対基底の或る要素に対応するようにする段階とからなることを特徴とする有限体の正規基底の双対基底の要素決定方法。


28. A method for determining elements in a dual of a normal basis for a finite field, the method comprising:
(a) multiplying a signal corresponding to an input value by a first function;
(b) raising a signal corresponding to a value resulting from step (a) to a power; and
(c) multiplying a signal corresponding to a value resulting from step (b) by a second function thereby generating an output value corresponding to a shifted version of the input value in the dual of the normal basis, wherein one of the first function and the second function is a function of a generator of the dual of the normal basis.
28. 有限体の正規基底の双対基底により要素を決定する方法であって、
(a) 入力値に対応する信号に、第1の関数を乗算する段階と、
(b) (a) 段階の結果の値に対応する信号を冪乗する段階と、
(c) (b) 段階の結果の値に対応する信号に、第2の関数を乗算して、前記正規基底の双対基底に関して入力値をシフトしたものに対応する出力値を生成するが、ここで前記第1の関数又は前記第2の関数の一方が、前記正規基底の双対基底の生成元の関数であるようにしてなる段階とからなることを特徴とする有限体の正規基底の双対基底による要素の決定方法。

参考
1. "Efficient Finite Field Basis Conversion Techniques (Submission to IEEE P1363a)" Burt Kaliski, Moses Liskov and Yiqun Lisa Yin (RSA Laboratories)

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米国特許4542293(質量分析)の要約・発明の背景・独立クレームの翻訳(再編集版)

本稿は、 [nouse] において、[ゑびすや] が2005年6月16日(木)、2005年6月19日(日)、2005年6月22日 (水)にそれぞれ公表した「米国特許4542293(質量分析)要約」、「米国特許4542293(質量分析)発明の背景」、「米国特許4542293(質量分析)独立クレーム」をまとめて一本にし、英文と和訳文とがパラグラフ毎に並記されるよう再編集したものである。また、この機会に翻訳の補正を行なった(元になった3つの記事に就いても対応する補正をしてある)。

本件は、質量分析技術に関する米国特許 No.4,542,293 (Fenn et al. September 17, 1985) の「要約」、「発明の背景」及び「独立クレーム」原文及び和訳文である。

本特許の発明者の一人 John Fenn (Yale University => Virginia Commonwealth University)は、田中耕一 (島津製作所) と共に、生体高分子の質量分析技術への貢献を理由として 2002 年度ノーベル化学賞を受賞している。


Process and apparatus for changing the energy of charged particles contained in a gaseous medium
気体媒質中に含まれる荷電粒子のエネルギーの変更方法及び装置


Abstract
要約

A method of changing the energy of charged particles contained in a gas comprises allowing the gas to flow into a region of reduced pressure through a tube like member so that viscous forces exerted on the charged particles by the flowing gas molecules determine the kinetic energy of the charged particles. A potential gradient is maintained along the length of the tube so that the potential energy of the charged particles is changed as they pass through the tube. At the end of the tube a free jet expansion occurs so that the kinetic energy of the charged particles is no longer determined by the flowing gas, so that they can be accelerated to any desired kinetic energy by means of another potential gradient. The invention can be used to interface any high pressure ion source to a magnetic sector mass spectrometer, or to permit the operation of an electrospray ion source with an earthed inlet capillary with either a quadrupole or a magnetic sector mass spectrometer.
本発明は、気体中に含まれる荷電粒子のエネルギーの変更方法であって、低圧力領域内に管状部材を通じて気体を流入させて、気体分子流が荷電粒子に加える粘性力によって荷電粒子の運動エネルギーが決まるようにさせている。荷電粒子が管を通過していくに応じて荷電粒子の電位エネルギーが変化するよう、管の長さ方向に沿う電位勾配が維持される。管の端部では自由噴流膨張が起こって、荷電粒子の運動エネルギーがガス流により決定されることがなくなり、荷電粒子は、他の電位勾配手段によって、任意の運動エネルギーを有する状態に加速できるようになる。本発明は、任意の高圧イオン源と単収束扇形磁場型質量分析計との間のインターフェイスとして利用できる。また、本発明によれば、接地されている導入細管が備わったエレクトロスプレーイオン源と、四重極型又は単収束扇形磁場型の質量分析計とを協動させることができる。


以下の文章では、センテンスもパラグラフも長すぎるものがある。そして、そう云うものに限って作り出すイメージが明確でない。


TECHNICAL FIELD
技術分野

This invention relates to a method of changing the energy of charged particles which are contained in a gaseous medium, and especially of ions generated in a high pressure ion source for a mass spectrometer in order to match the energy of the particles produced by the source with that required by the mass analyser.
本発明は、気体媒質中に含まれる荷電粒子のエネルギーの変更方法に関し、特に質量分析計用高圧イオン源で発生されるイオンのエネルギーを、質量分析部で必要なエネルギーにする方法に関する。


背景技術
BACKGROUND ART

There are many types of ion source in which, because of their principle of operation, it is impractical to vary the energy possesed by the ions formed over more than a very small range, for example, atmospheric pressure ionization sources for mass spectrometers. A problem frequently exists, therefore, in matching the energy of the ions produced with the value required by the mass analyser, especially in the case of magnetic sector mass spectrometers. The problem is also encountered in other fields apart from mass spectrometry, and although the present invention will be described with particular reference to mass spectrometry, it will be understood that it is equally capable of application in other fields where a similar problem is encountered.
例えば、質量分析計用の大気圧イオン化イオン源のように、発生イオンのエネルギーを変更するのは、極めて小幅なものでない限り、その動作原理から言って非現実的であると云うイオン源は多い。従って、特に単収束扇形磁場型質量分析計のような場合、発生イオンのエネルギーを、質量分析部に必要な値に適合させるようとすると、しばしば問題が発生する。この問題は、質量分析計以外の分野でも発生するものであって、本発明は、特に質量分析計の場合を取り上げて説明を行うとは言え、同様の問題が発生する他の分野にも同様に応用可能であることはご理解いただけるであろう。


In general, the potential energy possessed by an ion is determined by the electrical potential, relative to earth, at which it is formed, and in a conventional ion source for a magnetic sector mass spectrometer the ion is usually generated at a high potential and its potential energy is converted to kinetic energy by passing the ion through a slit at earth potential. The law of conservation of energy states that the sum of the potential and kinetic energies must be constant, and it is therefore possible to accelerate or retard the ion by means of passing it through slits at any electrical potential up to that at which it was formed, but it is not possible to increase the energy of the ion above the potential at which it was formed. Clearly, if an attempt was made to pass the ion through a slit at a higher potential, its kinetic energy would be reduced to zero before it reached the slit, and it would not pass through. However, the total energy possessed by the ion can be changed if the ion collides with, for example, an inert gas molecule. In this case, the sum of the kinetic energies of the ion and the molecule can be redistributed between the two particles dependent on their relative masses and direction of motion. Usually, because the average kinetic energy possessed by gas molecules at room temperature is very much less than that of an ion accelerated by a potential gradient of several kV, the effect of frequent collisions with gas molecules, assuming that the ion undergoes no chemical change, is that its kinetic energy is reduced.
一般に、イオンの電位エネルギーは、そのイオンが形成された場所の対接地電位により決まる。従来の単収束扇形磁場型質量分析計用イオン源では、イオンは、高電位で発生された後、接地電位のスリットを通過することで、その電位エネルギーが運動エネルギーに転換するようにしてあるのが普通だった。エネルギー保存則によれば、ポテンシャルエネルギーと運動エネルギーとの和は一定でなければならないから、イオンが形成された電位以下の電位のスリットにイオンを通すことで、イオンを加速したり減速したりすることは可能であるが、イオンのエネルギーを、イオン形成時の電位エネルギーを超えて増やすことはできない。イオン形成時の電位を超えたスリットにイオンを通そうとしても、イオンの運動エネルギーは、スリットに到達する前にゼロにまで減少してしまうので、当然スリットを通過することはできない。しかし、もしイオンが、例えば不活性ガス分子と衝突するなら、イオンの全エネルギーは変化しうる。この場合、イオンと分子との運動エネルギーの和は、両粒子の相対的質量及び運動方向に応じて、夫々の粒子に再配分される。通常は、室温における気体分子の平均的運動エネルギーは、数キロボルトの電位勾配で加速されたイオンの運動エネルギーよりも遥かに小さいから、イオンが化学変化しない限り、頻繁に起こる気体分子との衝突の結果として、イオンの運動エネルギーは減少する。


A conventional magnetic sector mass spectrometer selects ions on the basis of their momentum/charge ratios, in contrast with a quadrupole spectrometer, which selects on the basis of mass/charge ratios. Consequently the ions for mass analysis must be injected into a magnetic sector instrument at a constant velocity, which implies a constant kinetic energy, and for various reasons this must generally be in the range 2-8keV in a high performance instrument. In a conventional ion source, this is easily achieved by forming the ion in a substantially field free region maintained at the necessary potential, and accelerating the ion by passing it through an earthed slit at the entrance of the mass analyser. However, if the ion undergoes collisions with gas molecules after its formation, its kinetic energy will be changed, and this will degrade the resolution of the spectrometer.
イオンの選択を、四重極型質量分析計が、イオンの質量/電荷比に基づいて行うのに対し、従来の単収束扇形磁場型質量分析計は、その運動量/電荷比に基づいて行う。従って、質量分析を行なおうとするイオンは、扇形磁場型装置内に一定速度で、つまり一定の運動エネルギーで、入射される必要があるが、様々な理由から、高性能装置においては、この運動エネルギーは、おおよそ 2-8keV の範囲内になければならない。従来のイオン源では、これは、所要の電位に維持された実質的自由空間でイオンを形成し、そのイオンを、質量分析部の入り口に設けられた接地スリットを通過させることで加速させることで容易に実現されている。しかし、イオンが、その形成後に気体分子と衝突すると、イオンの運動エネルギーは変化し、これにより分析計の分解能は劣化してしまうことになる。


There exist a number of types of ion sources with which it is very difficult to produce ions with a narrow range of kinetic energies at several keV, such as are required by a magnetic sector instrument. These include sources which operate at high gas pressures, such as atmospheric pressure ionization sources and electrospray ionization sources. Sources of this type are often capable of producing ions which are largely unfragmented from high molecular weight biochemicals which can be difficult to ionize by conventional methods, and are often appropriate for combination with a liquid chromatograph. The combination of sources of this type with magnetic sector spectrometers is therefore of considerable importance, because it is often important to obtain information which only a high resolution magnetic sector spectrometer can yield from compounds which can often only be ionized without fragmentation by a source of the type described, especially when the sample cannot easily be separated into pure components for mass spectral analysis by a technique like field desorption or neutral atom bombardment. The process of electrospray ionization, which is capable of producing unfragmented ions of high molecular weight from thermally unstable or involatile biochemicals, will now be described in greater detail so that as an example, the use of the invention with an electrospray source can be described. It is based on the work of M. Dole et al (described, for example in Journal of Chemical Physics, 1968, volume 49, p2240). A solution containing the sample to be ionized is sprayed from a capillary tube into a region containing an inert gas at approximately atmospheric pressure, towards a small orifice in a plate which leads into the vacuum system of the mass spectrometer. A high electrical potential is applied between the spraying capillary and the walls of the chamber containing the inert gas (including the plate with the small orifice). A separation device, usually a nozzle skimmer system like that described by Kantowitz and Gray in the Review of Scientific Instruments, 1951, Vol. 22 p328, is placed between the region of atmospheric pressure and the vacuum system in order to reduce the quantity of gas which flows into the vacuum system and to produce a better collimated molecular beam.
扇形磁場型装置で必要とされるような、数 keV の狭い運動エネルギー範囲でイオンを発生するのは非常に困難であるようなイオン源は数種類存在する。そうしたものとしては、大気圧イオン化イオン源やエレクトロスプレーイオン化イオン源のような高ガス圧で動作するイオン源があげられる。この種のイオン源は、従来方法ではイオン化が困難な、高分子量生化学物質からの、それほど断片化していないイオンを生成する能力があることが多く、また、液体クロマトグラフィとの協動に適することが多い。このため、この種のイオン源を、単収束扇形磁場型質量分析計と組み合わせて利用することには、相当の重要性がある。何故なら、電界脱離や中性原子衝撃等の技法では、試料から質量分析用の高純度成分を分離するのが困難であるような場合などでは特に、上記の種類のイオン源によってのみ非断片イオン化が可能であることが多い成分からのみ高分解能扇形磁場型装置が得ることができるような情報が重要であることが多いからである。エレクトロスプレーイオン化でなら、熱的に不安定であったり不揮発性であったりする生化学物質由来の高分子量非断片化イオンを生成できるから、例として、本発明をエレクトロスプレーイオン源と共に使用した例が説明できるように、以下エレクトロスプレーイオン化に就いて詳しく説明する。エレクトロスプレーイオン化は、M. Dole 他の業績に基づいている(例えば、"Journal of Chemical Physics" 1968年 第49巻 p2240 参照)が、そこでは、イオン化されるべき試料の溶液が、細管から、ほぼ大気圧の不活性ガスを含む領域内にある板材の小開口部に向けて噴霧され、この開口部を通って、質量分析計の真空系に至る。噴霧用細管と不活性ガス室壁面(小開口のある板材を含む)との間には高電位差が印加されている。"Review of Scientific Instruments" 1951年 第22巻 p328 において Kantowitz 及び Gray が記載しているのと同様なノズル・スキマー・システム (nozzle skimmer system) が通常採用されている分離装置が、真空系へのガス流入量を減らし、分子ビームの収束性を改善するために、大気圧領域と真空系との間に設置される。


The principle of operation of the electrospray source is as follows. The solution containing the sample is slowly displaced through the capillary so that a jet of liquid is produced. The electric field in the chamber results in the jet becoming charged, and as the solvent evaporates it breaks up into a series of charged droplets. The applicants believe that sample ions, clustered with a certain number of solvent molecules, are then ejected from the evaporating droplets, and these solvated ions pass through the small orifice into the mass spectrometer. An additional pressure reduction stage, comprising a separately pumped chamber and a second nozzle skimmer system, can be incorporated between the high pressure region of the source and the mass spectrometer. Electrospray ion sources for mass spectrometers incorporating these features are known, and are described, for example, in U.S. Pat. No. 4,209,696.
エレクトロスプレーイオン源の動作原理は以下の通りである。試料の溶液は、溶液噴流が形成されるよう、細管を通じて緩やかに排出される。室内の電場により、噴流は帯電し、溶媒が蒸発して行くに応じて、一連の帯電小液滴に分裂する。出願人の信じるところによれば、試料イオンは、一定数の溶媒分子と共にクラスターを形成して、蒸発中の小液滴から放出されるが、こうした溶媒和イオンは、小開口を通って質量分析計内に入って行くのである。別途ポンプが設けられた室と第2のノズル・スキマー・システムからなる補足的減圧段階を、イオン源の高圧領域と質量分析計との間に組み込むこともできる。こうした特徴を有する質量分析計用エレクトロスプレーイオン源は、公知であり、例えば米国特許4,209,696 に記載されている。


A problem which is encountered in most prior art sources of this type, and with other forms of mass spectrometer ion sources which operate at high pressure such as atmospheric pressure ionization sources, is that the ions formed are solvated, and consist of the desired sample ion clustered with a variable number of solvent molecules or molecules of other condensable material The presence of this clustering greatly complicates the interpretation of the mass spectrum, and can sometimes make the determination of the true molecular weight of the sample uncertain. In the case of electrospray type ion sources, the use of the technique described in our copending U.S. patent application Ser. No. 486,645 entitled "Method and Apparatus for the Mass Spectrometric Analysis of Solutions", can be used to provide a controllable amount of declustering and to completely desolvate the ions if desired.
この種の従来技術イオン源の大部分、及び大気圧イオン化イオン源等の他の種類の高ガス圧動作型質量分析計用イオン源の問題点は、発生したイオンが溶媒和を形成しており、所望の試料イオンが、個数が変動しうる溶媒分子又は他の凝縮性物質分子とともにクラスタをなしていることである。このクラスタの存在は、質量スペクトルの解釈を非常に複雑にし、試料の正しい分子量の決定を不確実にすることがある。エレクトロスプレー型イオン源の場合には、米国における本願と同時係属中の出願である出願番号486,645 "Method and Apparatus for the Mass Spectrometric Analysis of Solutions" (「溶液の質量分析方法及び装置」)に記載されている技法を利用することで、管理可能な量でのクラスタ破壊及び、所望の場合には完全なイオン脱溶媒和が可能である。


注: 上記引用文中 "material The presence" => "material. The presence"


However, the passage of the ions through a gas at atmospheric pressure greatly reduces their kinetic energy, and if the orifice through which they pass into the vacuum system is maintained at earth potential, the total energy they possess when they enter the vacuum system will be in the region of a few eV only, even though the potential of the inlet capillary in the source may have been several kV. This energy is of course satisfactory for a quadrupole mass analyser, but it is impossible with prior art sources to accelerate the ions again to a kinetic energy which is suitable for a magnetic sector mass spectrometer. It is of course possible to maintain the orifice at the accelerating voltage required by the spectrometer so that the ions still have sufficient potential energy to be reaccelerated to the kinetic energy required, but this in turn requires the inlet capillary to be maintained at a still higher voltage, and problems of preventing arcing in the system and supplying the inert gas at a high voltage are greatly increased. The construction of the source and pumping system are also complicated by the presence of the high accelerating potential on the electrospray chamber walls, and the presence of gas in the vacuum system in contact with the walls at a pressure of 10.sup.-3 torr or so where many gases are electrically conductive. A more fundamental problem also exists in the difficulty of focussing the emerging ions of low and variable kinetic energy which are travelling in a wide range of directions, in an efficient way which does not increase the energy spread of the ions still further and degrade the performance of the spectrometer. One way that has been proposed to overcome some of these problems, described in U.S. Pat. No. 4,121,099, involves the provision of electrostatic lens elements in the vacuum system immediately behind the orifice in the free jet expansion which exert a strong focussing action on the ions in a region where the gas pressure is still sufficiently high that collisions with the inert gas molecules still limit the total amount of kinetic energy that can be transferred by the field, thus reducing the spread in directions of motion of the emerging ions. Provision can also be made slightly further away from the orifice to accelerate the ions so that they are at least partly desolvated by the increased energy of the collisions with the gas molecules in the expanding jet, but it is clearly difficult to control either of these processes effectively especially in combination, and especially if the ions have to be accelerated to several keV for a magnetic sector instrument. Further, it will also be seen that even to produce ions with a potential energy of a few eV only it is necessary to operate the source with a high potential on the inlet capillary, and clearly this makes it very difficult to directly connect a liquid chromatograph to the source, because this too would have to be operated at the potential of the inlet capillary. Very similar problems are encountered in all ion sources which involve gases at relatively high pressures, including atmosphere pressure ionization sources involving various ionization processes, and consequently the advantages that this type of source can offer for combined liquid chromatography and mass spectrometry, and for the ionization of thermally unstable and involatile samples have not been fully exploited.
しかし、イオンが大気圧の気体中を通過すると、イオンの運動エネルギーは大幅に減少してしまい、たとえイオン源の入射細管の電位が数 kV であったとしても、イオンが真空系へ入る際に通る小開口が接地電位に維持されている場合には、イオンが真空系に入る際のイオンの総エネルギーは、数 eV 程度に過ぎなくなる。勿論このエネルギーでも、四重極型質量分析計には十分であるが、従来技術のイオン源では、単収束扇形磁場型質量分析計に適する運動エネルギーまでイオンを再加速するのは不可能である。イオンが所望の運動エネルギーにまで再加速するのに十分な電位エネルギーを保持するために質量分析計が必要とする加速電圧に小開口を維持することは勿論可能ではあるが、しかし、この場合には、入射細管を、一層高い電位に維持する必要があり、システムにおけるアーク発生防止や高電圧不活性ガスの供給と云う問題点が、大幅に深刻化する。エレクトロスプレー室壁での高い加速電位や、エレクトロスプレー室壁に接する真空系内での圧力 10-3 torr 程度の(多くの場合導電性の)気体の存在により、イオン源及びポンプ系の構成も複雑になる。一層基本的な問題点は、低い上に変動しうる運動エネルギーを有し、広範囲の方向に広がって進行する射出イオンを、イオンのエネルギー幅を広げて分析計の性能を悪化させてしまわないような効率的な仕方で、収束させることの難しさにある。こうした問題点の幾つかを解決しようとして提案された方法の一つが、米国特許4,121,099 に記載されているが、それは、イオンに強い収束力を加える静電レンズ素子を、小開口直後の自由噴流膨張が起こる真空系内であって、ガス圧がまだ十分に高く、不活性ガス分子との衝突のため、電場が付与しうる運動エネルギー総量がまだ制限できて、射出イオンの運動方向が拡散するのを制限することができる場所に設置すると云うものである。静電レンズ素子の設置位置を、イオンを加速させるよう小開口から僅かながら更に離し、膨張する噴流内でガス分子との衝突エネルギーを増大させて、イオンが少なくとも部分的に脱溶媒和するようにもできるものの、これらの過程のどちらにしろ、そして組み合わせるなら一層、効果的に制御するのは明らかに困難であり、また更に、イオンが、扇形磁場型装置用に数 keV まで加速する必要がある場合には、特に困難になる。又、数 eV の電位エネルギーのイオンを生成する場合であってさえも、イオン源の動作は、入射細管において高電位でおこなう必要があり、よって、液体クロマトグラフをイオン源に直接接続するならば、液体クロマトグラフの方も入射細管の電位で動作させる必要が出てくるのだから、非常に困難にものになることは明らかである。非常に良く似た問題が、様々なイオン化過程を伴う大気圧イオン化イオン源などの、比較的高圧の気体を利用する全てのイオン源で発生するため、この種のイオン源では、液体クロマトグラフィと質量分析計とが協動できたり、熱的に不安定で非揮発性の試料がイオン化できたりと云う利点があるものの、それらは十分に活用されてこなかった。


It is an object of the present invention therefore to provide method of changing the energy possessed by ions passing from a region of high gas pressure as they emerge into a lower pressure region, substantially independently of the initial potential energy possessed by the ion, and especially to provide a method of accelerating ions which have both low potential and kinetic energies to a value suitable for a magnetic sector mass spectrometer. It is another object of the invention to provide a mass spectrometer incorporating a high pressure ionization source such as an electrospray ionization source which incorporates a means for accelerating the ions to the energy required for the analyser of the spectrometer, independent of the potential applied to the orifice between the source and the vacuum system of the spectrometer. It is another object of the invention to provide an electrospray or similar type of ion source which can be fitted to either a magnetic sector or a quadrupole mass analyser with an entrance orifice maintained at earth potential, and which can be operated with the inlet capillary of the source also at earth potential, therefore greatly simplifying the connection of a liquid chromatograph.
従って、本発明の目的は、高ガス圧領域から低圧領域に進行するイオンのエネルギーを、イオンの当初電位エネルギーとは実質上独立に変更する手段を提供することにあり、そして特に、電位エネルギー及び運動エネルギー双方が低いイオンを、単収束扇形磁場型質量分析計に適する値のエネルギーにまで加速する方法を提供することにある。本発明の別の目的は、エレクトロスプレーイオン化イオン源などの高圧イオン化イオン源を組み込んでなる質量分析計であって、イオン源と分析計の真空系との間に介装された小開口に印加される電位とは独立して、質量分析計の分析部に必要なエネルギーにまでイオンを加速する手段からなる質量分析計を提供することにある。本発明の別の目的は、接地電位に維持された導入小開口を有する単収束扇形磁場型又は四重極型の質量分析計のどちらにも適合しえ、イオン源の入射細管も接地電位で動作させることができるため、液体クロマトグラフとの接続が大幅に単純化されるようなエレクトロスプレー式又は類似のイオン源を提供することにある。


独立クレーム

1. In a method of increasing the energy of charged particles contained in a gas, the improvement comprising:
(a) maintaining a flow of said gas containing said charged particles from a first region through a tube-like member into a second region where the pressure is maintained substantially lower than in said first region, said flow being great enough to ensure that collisions between molecules of said gas and said charged particles in said tube-like member substantially determine the kinetic energy possessed by said charged particles;
(b) providing along at least part of said tube-like member an electrical potential gradient in a direction which in the absence of said flow of gas would serve to reduce the kinetic energy of said charged particles passing along said tube-like member from said first to said second region, thereby increasing the potential energy of said charged particles;
(c) permitting a free expansion of said gas containing said charged particles at the outlet of said tube-like member into said second region, so that the kinetic energy of said charged particles is no longer determined by collisions with molecules of said gas; and
(d) accelerating said charged particles to a desired kinetic energy by allowing them to pass through an electrical potential defining means maintained at a potential less than that existing at the outlet of said tube-like member.
1. 気体中の荷電粒子のエネルギーを増大する方法であって、
(a)前記荷電粒子を含有する前記気体が、第1の領域から、管状部材を通って、前記第1領域よりも実質的に低い圧力に維持されている第2の領域へと向かう流れを維持し、その気体流は、前記管状部材内における前記気体の分子と前記荷電粒子との衝突が、前記荷電粒子の運動エネルギーを実質的に決定するのに足るほど強いものであるように維持する段階と、
(b)前記気体流がなかったとするなら、前記第1領域から前記第2領域へ前記管状部材を通り抜けると前記荷電粒子の運動エネルギーが減少してしまうことになるような方向の電位勾配を、前記管状部材の少なくとも一部に沿って設けることで、前記荷電粒子の電位エネルギーを増加させる段階と、
(c)前記管状部材の前記第2領域への出口において前記荷電粒子を含有する前記気体を自由膨張させて、前記荷電粒子の運動エネルギーが、前記気体分子との衝突によっては決定されなくなるようにする段階と、
(d)前記管状部材の出口における電位よりも低い電位に維持された電位確定手段に前記荷電粒子を通させることで、前記荷電粒子を所望の運動エネルギーまで加速する段階とからなることを特徴とする
気体中の荷電粒子のエネルギーの増大方法。


11. Apparatus for increasing the energy of charged particles contained in a gas comprising:
(a) a first chamber adapted to contain a gas containing charged particles and having a conductive wall through which is fitted a tube-like member with its inlet flush with said conductive wall;
(b) a second chamber, one wall of which is formed by said conductive wall, into which said tube-like member extends, and means for maintaining the ambient pressure in said second chamber substantially below that in said first chamber;
(c) A first plate-like electrode disposed parallel to and spaced apart from said conductive wall and at least part way along said tube-like member;
(d) a second plate-like electrode spaced apart from and disposed parallel to said first plate-like electrode, disposed further from said conductive wall and having therein a slit or orifice aligned with said tube-like member through which at least some of said charged particles can pass after they leave said tube-like member;
(e) means for maintaining a first potential difference between said conductive wall and said first plate-like electrode which is at least as great as that required to increase the potential energy of said charged particles to a desired level during passage of said particles along said tube-like member from said first to said second chamber;
(f) means for maintaining a second potential difference between said first plate-like electrode and said second plate-like electrode equal to that required to accelerate said charged particles to a desired kinetic energy as they pass through said slit or orifice in said second plate-like electrode.
11. 気体中の荷電粒子のエネルギーを増大する装置であって、
(a)荷電粒子を含有する気体を収容し、導電性の壁面を有し、前記導電性壁面を貫通するよう嵌装された管状部材の入り口が前記導電性壁面と同一面上にあるようにされている第1の室と、
(b)壁面の一つが前記導電性壁面からなり、前記管状部材が内部に伸びている第2の室と、前記第2室の内部雰囲気圧力を、前記第1室の内部雰囲気圧力よりも実質的に低く維持する手段と、
(c)前記導電性壁面とは離間して平行に、そして、少なくとも部分的には前記管状部材に沿って設置された第1の板状電極と、
(d)前記第1の板状電極とは離間して平行に、そして前記導電性壁面からは更に離れて設置され、前記管状部材から出てきた前記荷電粒子の少なくとも一部が通過するようなスリット又は小開口を前記管状部材と整列する位置に有する第2の板状電極と、
(e)前記荷電粒子が前記第1室から前記第2室へと前記管状部材を通過する間に前記荷電粒子の電位エネルギーを所望のレベルに引き上げるのに必要である以上の第1の電位差を、前記導電性壁面と前記第1の板状電極との間に維持する手段と、
(f)前記荷電粒子が、前記第2の板状電極の前記スリット又は小開口を通過する際に、前記荷電粒子を所望の運動エネルギーまで加速するのに丁度必要な電位差を、前記第1の板状電極と前記第2の板状電極との間に維持する手段とからなることを特徴とする
気体中の荷電粒子のエネルギーを増大する装置。


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米国特許5599638(燃料電池)の要約・発明の背景・独立クレームの翻訳(再編集版)

本稿は、 [nouse] において、[ゑびすや] が2005年6月10日 (金)、2005年6月11日 (土)、2005年6月14日 (火)にそれぞれ公表した「米国特許5599638(燃料電池)要約」、「米国特許5599638(燃料電池)発明の背景」、「米国特許5599638(燃料電池)独立クレーム」をまとめて一本にし、英文と和訳文とがパラグラフ毎に並記されるよう再編集したものである。また、この機会に補正・補足を行なった(元になった3つの記事に就いても対応する補正・補足をしてある)。

本件は、現在「DTI エナジー社 (DTI Energy, Inc)」が管理している「直接メタノール型燃料電池 (DMFC:Direct Methanol Fuel Cell)」の基本特許である米国特許 No.5,599,638 (Surampudi et al. February 4, 1997) の「要約」、「発明の背景」及び「独立クレーム」原文及び和訳文である。


Aqueous liquid feed organic fuel cell using solid polymer electrolyte membrane
固体高分子電解質膜を用いる水性液給液式有機燃料電池


Abstract
要約

A liquid organic fuel cell is provided which employs a solid electrolyte membrane. An organic fuel, such as a methanol/water mixture, is circulated past an anode of a cell while oxygen or air is circulated past a cathode of the cell. The cell solid electrolyte membrane is preferably fabricated from Nafion.TM.. Additionally, a method for improving the performance of carbon electrode structures for use in organic fuel cells is provided wherein a high surface-area carbon particle/Teflon.TM.-binder structure is immersed within a Nafion.TM./methanol bath to impregnate the electrode with Nafion.TM.. A method for fabricating an anode for use in a organic fuel cell is described wherein metal alloys are deposited onto the electrode in an electro-deposition solution containing perfluorooctanesulfonic acid. A fuel additive containing perfluorooctanesulfonic acid for use with fuel cells employing a sulfuric acid electrolyte is also disclosed. New organic fuels, namely, trimethoxymethane, dimethoxymethane, and trioxane are also described for use with either conventional or improved fuel cells.
固体電解質膜を用いた液体有機燃料電池が提示されている。メタノール/水混和物等の有機燃料が、電池のアノード電極側を通過するよう循環され、酸素又は空気が、電池のカソード電極側を通過するよう循環される。電池の固体電解質膜は、Nafion(商標) 製であるのが好ましい。また、有機燃料電池で使用される炭素電極構造体の性能を改善するため、高比表面積炭素粒子/Teflon(商標)バインダ構造体を、Nafion(商標)/メタノール浴内に浸漬して、電極内に Nafion(商標) を含浸せしめる方法が提示されている。ペルフルオロオクタンスルホン酸含有の電着液内で、合金を電極上に電着せしめることで有機燃料電池用アノード電極を製造する方法が説明されている。硫酸電解質を利用する燃料電池で用いるための、ペルフルオロオクタンスルホン酸含有燃料添加物も開示されている。従来型・改良型どちらの燃料電池でも利用できる、新型の有機燃料、つまり、トリメトキシメタン、ジメトキシメタン、及びトリオキサンの説明もされている。


翻訳上の注意点
1. 上記引用中 "a organic fuel cell" の不定冠詞は、原文のママ。
2. "past" は前置詞として用いられている。字義は、燃料液又は酸素(を含む空気)が電極の「傍」を通り抜けることを示している訣だが、読者に与えるべきイメージの核心は、流体が電極面に接しながら(液体の場合は、電極面を「洗いながら」)流れることなので、それを逸したくはないのだが、他の潜在的含意を排除しない為には、それをハッキリ言い切ることはできない。その折り合いを付けようとしたが、旨くいかない。単に「電極側を通過するよう」と訳しておく。
3. "anode" と "cathode" には、技術分野によって、電気メッキ、電気分解、電子管では 「陽極」と「陰極」、電池では「負極」と「正極」と、紛らわしい異なりかたをする訳語がある。勿論、単純に「アノード」・「カソード」とする訳語もあって、こちらの方が読んでいてストレスが少ないと思われるので、採用。ただし、文脈に乗りやすいよう、「電極」を後に付けて、「アノード電極」と「カソード電極」とした。


BACKGROUND OF THE INVENTION
発明の背景


1. Technical Field
1. 技術分野

The invention generally relates to organic fuel cells and in particular liquid feed organic fuel cells.
本発明は、概括的には、有機燃料電池に関し、特に、給液式有機燃料電池に関する。


2. Background Art
2.背景技術

Fuel cells are electrochemical cells in which a free energy change resulting from a fuel oxidation reaction is converted into electrical energy. In an organic/air fuel cell, an organic fuel such as methanol, formaldehyde, or formic acid is oxidized to carbon dioxide at an anode, while air or oxygen is reduced to water at a cathode. Fuel cells employing organic fuels are extremely attractive for both stationary and portable applications, in part, because of the high specific energy of the organic fuels, e.g., the specific energy of methanol is 6232 Wh/kg.
燃料電池とは、燃料の酸化反応によって生じる自由エネルギーの変化を電気エネルギーに転換する電気化学的発電装置である。[有機物/空気]式燃料電池にあっては、メタノール、ホルムアルデヒド又は蟻(ギ)酸等の有機燃料は、アノード電極において、酸化されて二酸化炭素になる一方、空気又は酸素は、カソード電極で還元されて水になる。有機燃料の高い比エネルギー(例えば、メタノールの比エネルギーは、6232 Wh/kg)のこともあって、有機燃料を利用する燃料電池は、据え置き型・移動可能型どちらの応用にとっても、極めて魅力的である。


Two types of organic/air fuel cells are generally known:
1. An "indirect" or "reformer" fuel cell in which the organic fuel is catalytically reformed and processed into carbon monoxide-free hydrogen, with the hydrogen so obtained oxidized at the anode of the fuel cell.
2. A "direct oxidation" fuel cell in which the organic fuel is directly fed into the fuel cell without any previous chemical modification where the fuel is oxidized at the anode.
一般的には、次の2種類の[有機物/空気]式燃料電池が知られている:
1. 有機燃料が、触媒による改質処理を受けて、一酸化炭素を含まない水素にされた後、そうして得られた水素が、燃料電池のアノード電極で酸化される「間接型」又は「改質型」燃料電池。
2. 有機燃料が、化学的な前処理を受けずに、燃料電池に直接供給されて、そのアノード電極で酸化される「直接酸化型」燃料電池。


Direct oxidation fuel cells do not require a fuel processing stage. Hence, direct oxidation fuel cells offer a considerable weight and volume advantage over the indirect fuel cells. Direct oxidation fuel cells use either a vapor or a liquid feed of the organic fuel. Current art direct oxidation fuel cells that have shown promise typically employ a liquid feed design in which a liquid mixture of the organic fuel and a sulfuric acid electrolyte is circulated past the anode of the fuel cell.
直接酸化型燃料電池では、燃料の処理段階が不要である。このため、直接酸化型燃料電池は、間接型燃料電池に比べ、重量・容積に就いて相当有利である。直接酸化型燃料電池では、有機燃料は、蒸気又は液体として供給される。従来有望とされてきている直接酸化型燃料電池は、典型的には、有機燃料と硫酸電解質との混和液が、燃料電池のアノード電極側を循環するよう設計された給液系を利用している。


The use of sulfuric acid electrolyte in the current-art direct methanol fuel cells presents several problems. The use of sulfuric acid, which is highly corrosive, places significant constraints on the materials of construction of the fuel cell. Typically, expensive corrosion resistant materials are required. Sulfate anions, created within the fuel cell, have a strong tendency to adsorb on the electrocatalyst, thereby hindering the kinetics of electro-oxidation of the fuel and resulting in poor performance of the fuel electrode. Also, sulfuric acid tends to degrade at temperatures greater than 80.degree. C. and the products of degradation usually contain sulfur which can poison the electrocatalyst. In multi-cell stacks, the use of sulfuric acid electrolyte can result in parasitic shunt currents.
従来の直接給液式メタノール燃料電池における硫酸電解質の利用には、幾つか問題がある。強い腐食性物質である硫酸が使用されているため、燃料電池の構成材料が大幅に限定され、典型的には、高価な耐蝕性素材が必要になる。燃料電池内で発生する硫酸陰イオンは、電気触媒に吸着する強い傾向があり、これにより、燃料の電解酸化反応を阻害して、燃料電池電極の性能を劣化させる。また、硫酸は、80℃を超える温度では分解しやすくなり、そうした分解産物には、電気触媒にとり有害でありうるイオウが含まれているのが普通である。硫酸電解質を使用する場合、電池を多段構成にすると、寄生分流が発生する可能性がある。


Exemplary fuel cells of both the direct and indirect types are described in U.S. Pat. Nos.: 3,013,908; 3,113,049; 4,262,063; 4,407,905; 4,390,603; 4,612,261; 4,478,917; 4,537,840; 4,562,123; and 4,629,664.
直接型・間接型の燃料電池の例は、米国特許第3,013,908号、第3,113,049号、第4,262,063号、第4,407,905号、第4,390,603号、第4,612,261号、第4,478,917号、第4,537,840号、第4,562,123号、第4,629,664号に記載されている。


U.S. Pat. Nos. 3,013,908 and 3,113,049, for example, describe liquid feed direct methanol fuel cells using a sulfuric acid electrolyte. U.S. Pat. Nos. 4,262,063, 4,390,603, 4,478,917 and 4,629,664 describe improvements to sulfuric acid-based methanol fuel cells wherein a high molecular weight electrolyte or a solid proton conducting membrane is interposed between the cathode and the anode as an ionically conducting layer to reduce crossover of the organic fuel from the anode to the cathode. Although the use of the ionically conducting layer helps reduce crossover, the ionically conducting layer is used only in conjunction with a sulfuric acid electrolyte. Hence, the fuel cell suffers from the various aforementioned disadvantages of using sulfuric acid as an electrolyte.
例えば、米国特許第3,013,908号及び第3,113,049号には、硫酸電解質を用いる給液式直接型メタノール燃料電池が記載されている。米国特許第4,262,063号、第4,390,603号、第4,478,917号及び第4,629,664号には、硫酸型メタノール燃料電池において、カソード電極とアノード電極との間に、高分子電解質膜又はプロトン伝導性固体膜をイオン伝導層として介装することで、アノード電極側からカソード電極側への有機燃料の侵入を減少させると云う改良が記載されている。イオン伝導層の利用により、侵入は低減できるとは言え、イオン伝導層は、硫酸電解質と組み合わせてのみでしか利用できない。従って、この燃料電池には、電解質として硫酸を用いる場合に就いて上記に述べた様々な欠点が存在する。


In view of the aforementioned problems associated with using sulfuric acid as an electrolyte, it would be desirable to provide a liquid feed fuel cell that does not require sulfuric acid as an electrolyte.
電解質として硫酸を使用することに伴う上記の問題点を考慮するなら、電解質として硫酸を使用しなくてすむ給液式燃料電池が望ましいと云える。


In addition to the improvements in operational characteristics of the liquid feed fuel cell, the conventional method of fabricating high-surface-area electro-catalytic electrodes for use such fuel cells also needs to be improved. The existing method of fabrication of fuel cell electrodes is a fairly time-consuming and expensive procedure. Specifically, electrode fabrication requires that a high surface-area carbon-supported alloy powder be initially prepared by a chemical method which usually requires about 24 hours. Once prepared, the carbon-supported alloy powder is combined with a Teflon.TM. binder and applied to a carbon fiber-based support to yield a gas diffusion electrode. To volatilize impurities arising out of the Teflon.TM. binder and to obtain a fibrous matrix of Teflon.TM., the electrodes are heated to 200.degree.-300.degree. C. During this heating step, oxidation and sintering of the electrocatalyst can occur, resulting in a reduced activity of the surface of the electrode. Thus, the electrodes often require re-activation before use.
給液式燃料電池の動作特性の改善だけでなく、そうした燃料電池用の高比表面積電気触媒電極の従来型製造方法にも改善が必要である。燃料電池電極の既存の製造方法は、多くの時間とコストがかかるものであった。具体的に言うと、電極の製造には、高比表面積炭素で担持された合金粉が、化学的な方法で調製しておいておかれねばならず、それには通常約24時間かかった。そうした調製後、炭素担持合金粉は、Teflon(商標)バインダと混成されてから、炭素繊維系担持体に塗布されることで、ガス放散性の電極が得られる。Teflon(商標)バインダ由来の不純物を蒸発させ、Teflon(商標)製の繊維状基質を作り出すために、電極は200℃乃至300℃に加熱される。この加熱段階中、電気触媒の酸化及び焼結が起こることで、電極表面の活性が低下することがありうる。これにより、電極はしばしば、使用前に、再活性化される必要があった。


::上記引用中 "high-surface-area electro-catalytic electrodes for use such fuel cells" で、"use" と "such" との間には、"in" を補うべきだろう。


Also electrodes produced by conventional methods are usually of the gas-diffusion type and cannot be effectively used in liquid feed type fuel cells as the electrode is not adequately wetted by the liquid fuel. In general, the structure and properties of a fuel oxidation electrode (anode) for use in liquid feed type fuel cells are quite different from the gas/vapor feed fuel cells such as the hydrogen/oxygen fuel cell. The electrode structures for use in a liquid feed fuel cell should be very porous and the liquid fuel solution should wet all pores. Carbon dioxide that is evolved at the fuel electrode should be effectively released from the zone of reaction. Adequate wetting of the electrodes is a major problem for liquid feed fuel cells--even for those which use a sulfuric acid electrolyte.
さらに、従来方法により製造された電極は、通常、ガス拡散性であって、燃料液に濡れるのには適しておらず、給液式燃料電池では有効に使用されえなかった。一般に、給液式燃料電池用の燃料酸化電極(アノード)の構造及び特徴は、[水素/酸素]燃料電池等の[気体/蒸気]供給式燃料電池の場合と全く異なる。給液式燃料電池用の電極の構造は、非常に多孔質であるべきであり、液体燃料溶液は、小孔の全てを濡らさねばならない。燃料側電極で発生する二酸化炭素は、反応区画から効果的に排出されねばならない。電極を適切に濡らしておくことは、給液式燃料電池(それが硫酸電解質を利用する燃料電池であっても)における主要な課題である。


As can be appreciated, it would be desirable to provide improved methods for fabricating electrodes, particularly for use in liquid feed fuel cells. It is also desirable to devise methods for modifying electrodes, originally adapted for gas-feed fuel cells, for use in liquid feed fuel cells.
当然の事ながら、電極の製造方法を改善することは、特に、給液式燃料電池用の電極にあっては、望ましいことであろう。また、本来給気型燃料電池用であった電極を、給液式燃料電池用に改変する方法を案出することも望ましい。


In addition to improving the liquid feed fuel cell itself and for providing improved methods for fabricating the electrodes of fuel cell, it would be desirable to provide new effective fuels as well. In general, it is desirable to provide liquid fuels which undergo clean and efficient electro-chemical oxidation within the fuel cell. The efficient utilization of organic fuels in direct oxidation fuel cells is, in general, governed by the ease by which the organic compounds are anodically oxidized within the fuel cell. Conventional organic fuels, such as methanol, present considerable difficulties with respect to electro-oxidation. In particular, the electro-oxidation of organic compounds such as methanol involves multiple electron transfer and is a very hindered process with several intermediate steps. These steps involve dissociative adsorption of the fuel molecule to form active surface species which undergo relatively facile oxidation. The ease of dissociative adsorption and surface reaction usually determines the facility of electro-oxidation. Other conventional fuels, such as formaldehyde, are more easily oxidized, but have other disadvantages as well. For example, formaldehyde is highly toxic. Also, formaldehyde is extremely soluble in water and therefore crosses over to the cathode of the fuel cell, thus reducing the performance of the fuel cell. Other conventional organic fuels, such as formic acid, are corrosive. Furthermore, many of the conventional organic fuels poison the electrodes of the fuel cell during electro-oxidation, thus preventing sustained operation. As can be appreciated, it would be desirable to provide improved fuels, particularly for use in liquid feed fuel cells, which overcome the disadvantages of conventional organic fuels, such as methanol, formaldehyde, and formic acid.
給液式燃料電池自体の改善及び燃料電池用電極の製造方法の改善に加えて、新規の効果的な燃料を提供することも望ましいであろう。一般的には、燃料電池内で、クリーンで効果的な電気化学酸化を起こす液体燃料が望ましい。直接酸化型燃料電池で有機燃料利用が効果的であるかどうかは、一般に、有機化合物が燃料電池内のアノード電極において酸化されやすいかどうかに懸かっている。メタノール等の従来の有機燃料は、電解酸化に就いて、相当困難を抱えていた。特に、メタノール等の有機化合物の電解酸化は、複数の電子移行を伴っており、幾つかの中間段階があるため、非常に阻害される。こうした中間段階では、比較的酸化しやすい種類の活性表面を形成するよう燃料分子が解離性吸着を行う必要がある。解離性吸着及び表面反応が容易であることが、電解酸化の起こりやすさを決定するするのが普通である。ホルムアルデヒド等の他の従来型燃料は、より酸化されやすいが、他の欠点も有する。例えばホルムアルデヒドは、非常に毒性が高い。また、ホルムアルデヒドは、極めて水に溶けやすいため、燃料電池のカソード電極側に侵入して、燃料電池の性能を落とす。蟻(ギ)酸等、他の従来型有機燃料は、腐食性である。また、従来型有機燃料の多くは、電解酸化中に、燃料電池の電極を劣化させるため、持続的な動作ができない。当然の事ながら、メタノール、ホルムアルデヒド、蟻(ギ)酸等の従来型燃料の欠点を克服するよう、燃料、特に、給液式燃料電池用燃料を改善することが望ましいであろう。


独立クレーム

1. In a liquid feed direct fuel cell having an anode, a cathode, an electrolyte, means for circulating an organic fuel past the anode and means for flowing oxygen past the cathode, wherein the improvement comprises:
said electrolyte comprising a solid polymer hydrogen ion conductor membrane;
and wherein said organic fuel is free of an acid electrolyte.
1. アノード電極と、カソード電極と、電解質と、アノード電極側を通り抜けるようにして有機燃料を循環させる手段と、カソード電極側を通り抜けるようにして酸素を流通させる手段とからなる給液式直接燃料電池であって、前記電解質は、水素イオン伝導性固体高分子膜からなり、前記有機燃料は、酸性電解質を含まないことを特徴とする燃料電池。


注: クレーム1の「和訳」では、主体を「改良 (improvement)」ではなく、「燃料電池」にしてある。


15. A liquid feed fuel cell, comprising:
an anode;
a cathode;
a solid cation exchange polymer electrolyte membrane disposed between said anode and said cathode;
means for circulating a liquid organic fuel and water solution past said anode,
a liquid organic and water fuel solution, said solution being free of sulfuric acid; and
means for flowing oxygen past said cathode.
15. アノード電極と、
カソード電極と、
前記アノード電極と前記カソード電極との間に介装された陽イオン交換固体高分子電解質膜と、
前記アノード電極側を通り抜けるようにして液状有機燃料水溶液を循環させる手段と、
硫酸を含まない、液状有機物・水混和燃料溶液と、
前記カソード電極側を通り抜けるようにして酸素を流通させる手段とからなる
給液式燃料電池。


注: このクレームの燃料に関する表現は混乱している。"a liquid organic and water fuel solution," は、削除すべきだろう。そのようにして訳すと、次のようになる。

15改. アノード電極と、
カソード電極と、
前記アノード電極と前記カソード電極との間に介装された陽イオン交換固体高分子電解質膜と、
前記アノード電極側を通り抜けるようにして硫酸を含まない液状有機燃料水溶液を循環させる手段と、
前記カソード電極側を通り抜けるようにして酸素を流通させる手段とからなる
給液式燃料電池。


16. A liquid feed fuel cell, comprising:
an anode coated with an amount of hydrophilic proton conducting water-insoluble additive to provide ionic and electronic conductivity, wetting and gas evolving properties to said anode;
a cathode;
a cation exchange polymer electrolyte membrane disposed between said anode and said cathode;
means for flowing a liquid comprising organic fuel and water solution past said anode; and
means for flowing oxygen past said cathode.
16. 若干量の親水性プロトン伝導性水不溶性添加物で被覆することで、イオン及び電子伝導性と、湿潤性及びガス放出性とを備えせしめたアノード電極と、
カソード電極と、
前記アノード電極と前記カソード電極との間に介装された陽イオン交換高分子電解質膜と、
前記アノード電極側を通り抜けるようにして有機燃料水溶液を流通させる手段と、
前記カソード電極側を通り抜けるようにして酸素を流通させる手段とからなる
給液式燃料電池。


30. A liquid feed fuel cell, comprising:
a housing having an anode chamber and a cathode chamber;
a co-polymer of tetrafluoroethylene and perfluorovinylether sulfonic acid polymer electrolyte membrane mounted within said housing and separating said anode and cathode chambers;
a cathode formed on a side surface of the membrane facing the cathode chamber;
an anode formed on an opposing side of the membrane facing the anode chamber, said anode being impregnated with co-polymer of tetrafluoroethylene and perfluorovinylether sulfonic acid;
means for circulating a liquid organic fuel and water solution past said anode;
means for flowing oxygen past said cathode;
means for withdrawing carbon dioxide from the anode chamber;
means for withdrawing unused fuel and water from the anode compartment; and
means for withdrawing unused oxygen and water from the cathode chamber.
30. アノード電極室及びカソード電極室を有する筐体と、
前記アノード電極室と前記カソード電極室とを分離するよう前記筐体内に据えつけられている、テトラフルオロエチレン・ペルフルオロビニルエ-テルスルホン酸共重合体製重合体電解質隔膜と、
前記隔膜のカソード電極室に面した表面上に形成されたカソード電極と、
前記アノード電極室に面した隔膜の逆側表面上に形成されており、テトラフルオロエチレン・ペルフルオロビニルエ-テルスルホン酸共重合体を含浸させてなるアノード電極と、
前記アノード電極側を通り抜けるようにして液状有機燃料水溶液を循環させる手段と、
前記カソード電極側を通り抜けるようにして酸素を流通させる手段と、
二酸化炭素を、アノード電極室から排出する手段と、
利用されなかった燃料及び水を、アノード電極室から排出する手段と、
利用されなかった酸素及び水を、カソード電気室から排出する手段とからなる
給液式燃料電池。


31. An electrode comprising a metal alloy coated with an amount of hydrophilic proton conducting, water insoluble additive to provide ionic and electronic conductivity, wetting and gas evolving properties to the electrode.
31. 若干量の親水性プロトン伝導性水不溶性添加物で被覆して、イオン及び電子伝導性と、湿潤性及びガス放出性とを備えせしめた金属合金からなる電極。


32. A method for processing a carbon structure composed of carbon particles supported by a binder, said method comprising the steps of:
immersing the carbon structure within a bath containing a liquid perflourinated sulfonic acid polymer; and
removing and drying said carbon structure.
32. バインダに担持された炭素粉からなる炭素構造体を処理する方法であって、
炭素構造体を液状ペルフルオロスルホン酸重合体浴内に浸漬させる段階と、
前記炭素構造体を取り出し乾燥する段階とからなることを特徴とする
炭素構造体処理方法。


注:クレーム32で "perflourinated" は --perfluorinated-- の誤り。


36. An electro-deposition bath for use in fabricating an electrode for use in a liquid feed fuel cell, comprising perfluorooctanesulfonic acid.
36. 給液式燃料電池用電極の製造に用いられ、ペルフルオロオクタンスルホン酸からなることを特徴とする電着浴。


37. A method for fabricating an electrode for use in a fuel cell, said method comprising the steps of:
providing a bath containing a solution of metallic salts dissolved in sulfuric acid;
adding perfluorooctanesulfonic acid to said bath;
positioning a electrode having a carbon structure within said bath;
positioning an anode within said bath; and
applying a voltage between said anode and said electrode until a desired amount of metal in a range of 0.5-4.0 mg/cm.sup.2 becomes deposited onto said electrode.
37. 燃料電池用電極を製造する方法であって、
硫酸中に溶解せしめた金属塩溶液の浴を提供する段階と、
前記浴に、ペルフルオロオクタンスルホン酸を添加する段階と、
炭素構造体を有する電極を、前記浴内に配置する段階と、
アノード電極を前記浴内に配置する段階と、
前記炭素構造体電極上に、0.5-4.0 mg/cm2 の範囲内で、所望量の金属が電着するまで、前記アノード電極と前記炭素構造体電極との間に電圧を印加する段階とからなることを特徴とする
燃料電池用電極製造方法。


44. A method for fabricating an electrode having metal ions deposited thereon for use in a liquid organic fuel cell, said method comprising the steps of:
providing a bath comprising a solution of hydrogen hexachloroplatinate and potassium pentachloroaquoruthenium dissolved in sulfuric acid, wherein said hydrogen hexachloroplatinate and potassium pentachloroaquoruthenium has a concentration in the range 0.01-0.05M;
adding perfluorooctanesulfonic acid to said bath, with a concentration within the range of 0.1-1.0 grams /liter;
positioning a carbon electrode structure into said bath, wherein said carbon electrode structure has a mixture of carbon particles with a surface area of about 200 meters/gram a polytetrafluoroethylene binder, with the mixture applied to a fiber-based carbon paper;
positioning a platinum anode into said bath; and
applying a voltage between said anode and said electrode until a desired amount of platinum and ruthenium in the range of 0.5-4.0 mg/cm.sup.2 become deposited onto said electrode.
44. 金属イオンが電着されている給液式有機燃料電池用電極の製造方法であって、
ヘキサクロロ白金酸水和物及び五塩化アクアルテニウムカリウムを、0.01-0.05M の範囲の濃度で、硫酸中に溶解せしめた溶液の浴を提供する段階と、
前記浴に、ペルフルオロオクタンスルホン酸を 0.1-1.0 g/L の範囲内の濃度で添加する段階と、
表面積約 200 m2/g の炭素粉とポリテトラフルオロエチレン・バインダとの混和物を、炭素繊維紙に塗布してなる炭素電極構造体を前記浴内に配置する段階と、
白金製アノード電極を前記浴内に配置する段階と、
前記炭素構造体電極上に、0.5-4.0 mg/cm2 の範囲内で、所望量の白金及びルテニウムが電着するまで、前記アノード電極と前記炭素構造体電極との間に電圧を印加する段階とからなる
給液式有機燃料電池用電極製造方法。


注:
1. クレーム44中の "potassium pentachloroaquoruthenium" は「五塩化アクアルテニウムカリウム」と訳しておく。これは、"aquo (アコ)" の他に "aqua (アクア)" とする表記法が存在し、そして、現在 "aqua" の方が正式名と思われるので、そちらを採用したことによる。化学式は H2Cl5K2ORu 又は K2[RuCl5(H2O)]。
2. "with a surface area of about 200 meters/gram" は --with a surface area of about 200 meter.sup.2/gram and-- に読み替えて訳す。


46. A liquid feed fuel cell, comprising:
an anode;
a cathode;
a liquid organic fuel, water, acid electrolyte and perfluorooctanesulfonic acid additive solution;
means for flowing said solution past said anode; and
means for flowing oxygen past said cathode.
46. アノード電極と、
カソード電極と、
液体有機燃料、水、酸性電解質及びペルフルオロオクタンスルホン酸添加物の混和溶液と、
上記アノード電極側を通り抜けるようにして上記溶液を流通させる手段と、
上記カソード電極側を通り抜けるようにして酸素を流通させる手段とからなる
給液式燃料電池。


47. A liquid feed fuel cell, comprising:
an anode;
a cathode;
an electrolyte;
a liquid organic fuel selected from a group consisting of trioxane, dimethoxymethane, and trimethoxymethane;
means for flowing said liquid organic fuel past said anode; and
means for flowing oxygen past said cathode.
47. アノード電極と、
カソード電極と、
電解質と、
トリオキサン、ジメトキシメタン及びトリメトキシメタンの内から選んだ液体有機燃料と、
前記アノード電極側を通り抜けるようにして前記液体有機燃料を流通させる手段と、
前記カソード電極側を通り抜けるようにして酸素を循環させる手段とからなる、
給液式燃料電池。


49. A method for generating energy comprising the steps of:
providing a liquid-feed fuel cell; and
operating the liquid-feed fuel cell using an organic fuel selected from a group consisting of trioxane, dimethoxymethane and trimethoxymethane.
49. 給液式燃料電池を提供する段階と、トリオキサン、ジメトキシメタン及びトリメトキシメタンの内から選んだ有機燃料を用いて、給液式燃料電池を動作させる段階とからなる、発電方法。


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