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米国特許3950333(H2ブロッカー)の要約・発明の背景・独立クレームの翻訳(再編集版)

本稿は、 [nouse] において、[ゑびすや] が2005年8月23日(火)に公表した「米国特許3,950,333(H2ブロッカー)要約・発明の背景・独立クレーム」を、英文と和訳文とがパラグラフ毎に並記されるよう再編集したものである。また、この機会に翻訳の補正を行なった(元になった記事に就いても対応する補正をしてある)。

本件は、消化性潰瘍の治療薬として著名な H2ブロッカーの基本特許の一つである。(米国公報上の譲受人は Smith Kline & French Laboratories Limited)。

米国特許 No.3,950,333 (Graham John Durant, John Colin Emmett, 及び Charon Robin Ganellin; April 13, 1976) の要約・発明の背景・独立クレームの訳文。

米国公報には、明示的に「発明の背景」であると示されたセクションはないが、ほぼそれに相応すると思われる2つのパラグラフを採用した。

この特許の元になった米国出願番号 450,957 (March 14, 1974) には、分割出願である出願番号 637,499 (December 4, 1975) が存在し、特許化されて米国特許 No.4,024,271 (May 17, 1977) となっている。これも、H2ブロッカーの基本特許である。


Pharmacologically active guanidine compoundsp
薬理活性を有するグアニジン化合物


Abstract:
要約:

The compounds are substituted thioalkyl-, aminoalkyl- and oxyalkyl-guanidines which are inhibitors of histamine activity.
本発明による化合物は、ヒスタミン活性阻害剤である、置換チオアルキルグアニジン、置換アミノアルキルグアニジン、及び置換オキシアルキルグアニジンである。


Description:
説明:

This invention relates to pharmacologically active compounds, to pharmaceutical compositions comprising these compounds and to processes for their preparation. The compounds of the invention can exist as the addition salts but, for convenience, reference will be made throughout this specification to the parent compounds.
本発明は、薬理活性を有する化合物、そうした化合物からなる医薬組成物、及びそれらの調製方法に関する。本発明による化合物は、付加塩の形をとりうるが、便宜上、本明細書を通じて、その親化合物への言及が行なわれる。


It has for long been postulated that many of the physiologically active substances within the animal body, in the course of their activity, combine with certain specific sites known as receptors. Histamine is a compound which is believed to act in such a way but, since the actions of histamine fall into more than one type, it is believed that there is more than one type of histamine receptor. The type of action of histamine which is blocked by drugs commonly called "antihistamines" (of which mepyamine is a typical example) is believed to involve a receptor which has been designated by Ash and Schild (Brit. J. Pharmac. 1966, 27,427) as H-1. The substances of the present invention are distinguished by the fact that they act at histamine H-2 receptors which, as described by Black et al. (Nature, 1972, 236, 385), are histamine receptors other than the H-1 receptor. Thus they are of utility in inhibiting certain actions of histamine which are not inhibited by the above-mentioned "antihistamines". The substances of this invention may also be of utility as inhibitors of certain actions of gastrin.
久しい以前から、動物体内において薬理活性を有する物質の多くは、その薬理過程において、レセプタと呼ばれる或る特定部位と結合しているはずだと考えられてきている。ヒスタミンも、そのように働いていると信じられている化合物であるが、ヒスタミンの働きには、複数の類型があるため、ヒスタミン・レセプタには複数の種類があると信じられている。通常「アンチヒスタミン」と呼ばれている薬剤(典型例: mepyamine)より阻害される種類のヒスタミン活性は、Ash 及び Schild (Brit. J. Pharmac. 1966, 27,427) により H-1 と命名されたレセプタに関わると信じられている。本発明による物質は、Black 他 (Nature, 1972, 236, 385) によるなら H-1 レセプタと異なるヒスタミン H-2 レセプタに作用する点で区別される。したがって、本発明による物質は、上記の「アンチヒスタミン」によっては阻害されない種類のヒスタミン活性を阻害すると云う点で有用である。本発明による物質は、ガストリン (gastrin) の活性のうちの或る特定の幾つかを阻害すると云う点でも有用でありうる。


::訳注
上記の "mepyamine" は、"mepyramine" (メピラミン)である可能性がある。
(2007-05-29 追加: 記事 [nouse: メピラミン (mepyramine) の構造式] も参照されたい。)

独立クレーム:

1. A compound of the formula: ##SPC10##
wherein A is such that there is formed together with the carbon atom shown an unsaturated heterocyclic nucleus, said unsaturated heterocyclic nucleus being an imidazole, pyrazole, pyrimidine, pyrazine or pyridazine ring; X.sub.1 is hydrogen, lower alkyl, hydroxy, trifluoromethyl, benzyl, halogen, amino or ##EQU6## in which E' is NH or N-cyano; X.sub.2 is hydrogen or when X.sub.1 is lower alkyl, lower alkyl or halogen; k is 0 to 2 and m is 2 or 3, provided that the sum of k and m is 3 or 4; Y is oxygen, sulphur or NH; E is NR.sub.2 ; R.sub.1 is hydrogen, lower alkyl or di-lower alkylamino-lower alkyl; and R.sub.2 is hydrogen, nitro or cyano, or a pharmaceutically acceptable addition salt thereof with the proviso that X.sub.1 is ##EQU7## only when E is NH or N-cyano.
1. 化学構造式


3950333

を有し、A は、前記構造式中の炭素原子と共に、イミダゾール (imidazole) 環、ピラゾール (pyrazole) 環、ピリミジン (pyrimidine) 環、ピラジン (pyrazine) 環、又は、ピリダジン (pyridazine) 環の何れかである不飽和複素環からなる中核構造を形成するような構造であり、X1 は、水素基、低級アルキル基、ヒドロキシ基、トリフロロメチル基、ベンジル (benzyl)基、ハロゲン基、アミノ基、又は、E' を NH基 又は N-シアノ基であるとして

3950333b

の何れかであり、X2 は、水素基か、或いは X1 が低級アルキル基の場合は、低級アルキル基又はハロゲン基かの何れかであり、k は 0 から 2 迄の何れか、m は 2 又は 3 の何れかで、かつ、k と m との和は 3 又は 4 であり、Y は酸素、イオウ、又は NH の何れかであり、E は NR2 であり、R1 は、水素基、低級アルキル基、又は、ジ低級アルキルアミノ-低級アルキル基 (di-lower alkylamino-lower alkyl) の何れかであり、R2 は、水素基、ニトロ基、又はシアノ基の何れかであることを特徴とする化合物であるか、あるいは、E が NH 又は N-シアノ基である場合のみ、X1

3950333c

である云う条件下で、その薬理上許容される付加塩であることを特徴とする化合物。


::訳注
1. 上記英文クレーム ##SPC10## 部分は、実際の米国公報では本発明による化合物の構造式が示されている。また、##EQU6## と ##EQU7## とには、一定の条件下での「基」X1 の構造式が示されている。

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