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読書メモ:「幕末動乱の男たち」

海音寺潮五郎の「幕末動乱の男たち」を読んだ。新潮文庫版で上下二巻(ISBN4-10-115705-7 及び ISBN4-10-115706-5)。今は絶版のようだ。

私は海音寺氏の作と波長が合わないらしく、感興と云うほどのものは少なかった。ただ、その僅かなところを書いておく。

二冊中論ずるところ十二人。もっとも良く書けているのは、上巻の二人目、筑前の慷慨家 [平野国臣] である。

私は、この本で初めて「わが胸の 燃ゆる思ひに くらぶれば 煙はうすし 桜島山」が平野国臣の詠歌だと知った(上巻 p.106)。それまで、てっきり薩摩の俗謡だと思っていたのだ。しかし、知らなかったのは私ばかりで、このことは周知事項のようだ。

作者は、「国臣の本質は詩人である」として、彼がものした和歌を相当数引用している。しかし、この一篇の中で最も優れた短歌は、国臣本人の作ではなく、彼と相聞を交わす間柄であったらしい [お棹] (久留米水天宮神官 [真木保臣] の娘) が国臣に送った餞の歌

梓弓 春は来にけり ますらをの 花のさかりと 世はなりにけり

である(上巻 p.113)。

そして、この歌の後、一文の白眉に至る。

お棹の歌を、有馬新七は大へん感心して、寺田屋の二階で出陣の支度をした時、足を投げ出し、天井を仰ぎながら、数回朗吟したという。


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