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丸谷才一「新々百人一首(上)」(新潮文庫) その1

このごろ、ちょっと時間が空くと、丸谷才一の「新々百人一首」(新潮文庫)を、少しづつ読んでいる。今、上巻(ISBN4-10-116909-8)の中ほどに辿りついたところだ。この著作は重要と思われるが、もう一度通読しなおす余裕ができるかどうか判らないので、簡単なブックマークを、今のうちに作っておく。

「新々百人一首」は、その名の通り、百の和歌を主題とする百のエッセーからなる。百の文章は、その重みに参差があり、雑文に近いものから、essai の名に恥ぢない、挑戦的な論考もある。稍々私の記憶に残ったのは:

9・51 藤原基俊(ふぢはらのもととし)
夜をこめて鳴くうぐひすの声きけばうれしく竹を植ゑてけるかな

15・66 平忠度(たひらのただのり)
ささなみや志賀の都は荒れにしを昔ながらの山桜かな

31・97 正徹(しようてつ)
冲津かぜ西吹く浪ぞ音かはる海の都も秋や立つらん

なお、同書の注意書によれば、ニ連の番号の始めは、書中の順番、後ろのほうは、時代順の番号。

印象に残った理由は、三様である。藤原基俊のものは、あからさまな艶笑歌。当時の人々のどよめきが聞えてくるようだ。平忠度の項では、「読人しらず」に就いての論考で蒙を啓かれた。正徹の歌では、源氏物語の須磨の卷に就いて私が以前考えかけたまま放り出してある疑問に就いてのヒントが得られた。

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