[タダの人] の辯

休日に自転車で外出することがよくある。ほぼ全て所用だが、それはそれとして、2月後半から3月にかけての好天にサイクリングするのは、気持ちのよいものだ。

「暑からず寒からず」と云うのは、秋でも同じだろうが、心が弾むのは春ならではだ。初春どころか、年の明ける前からでも、梅は咲いていて、「一輪ほどのあたたかさ」を愛でることはできるが、春の日差しの中で、枝のあちらこちらを花弁で身を飾って、しなやかに立つ姿は格別だ。

そして、梅は白梅。

清原元輔の娘は「木の花は濃きも薄きも紅梅」([枕草子]34) と断じ、また、

晴天に紅梅 晩年の仰ぎ癖

と三鬼は詠んでいるが、私は白梅の方が好きだな。理由は分からない。

まぁ、「湯島の白梅」というのもある。「ここは紅梅ではなく白梅だ」と思った人もいたのだろう。もっとも、天神様が紅梅と白梅とで分け隔てがあったかどうかは知らない。[飛梅] は白梅らしいが。。。

「梅が香」に就いて語るのは慎もう。なにしろ、こちらは自転車に乗っている。

そうこうしているうちに、川筋に衝たることがある (「川筋」と言っても、ありようは、コンクリート護岸の「巨大排水渠」である)。そうすると、長短いづれにしろ、暫くの間、流れに沿ってペダルを漕ぐ訣だが、今時分だと、この時、必ず草野心平の詩の切れ端が頭の中を通り過ぎる。

みづはぬるみ。みづはひかり。・・・かわづらを。ああ雲がうごく。

この「・・・」のところは省略ではなくて、すっかり失念していたこと (つまり、忘れていたことを忘れていた) が、今回、改めて調べてみて分かった。もともとは、次のようなものだったのだ。

みづはぬるみ。みづはひかり。あちこちの細長い藻はかすかに揺れる。ゼラチンの紐はそれぞれ黒い瞳を点じ親蛙たちは姿をみせない。流れるともなくみづは流れ。かはづらを。ああ雲がうごく。
--草野心平 [たまごたちのいる風景]

これは、5連からなる詩の第1連・第3連・第5連に現れるリフレインである。[けだるい] と言ってよい伸びやかさのある、と云うか、ノンビリした詩だが、これは同じ詩人の同じく蛙を扱った次の詩の痛切と鋭い対比をなしている。

ぐりまは子供に釣られてたたきつけられて死んだ。
取りのこされたるりだは。
菫の花をとって。
ぐりまの口にさした。

半日もそばにいたので苦しくなって水に這入つた。
くわんらくの声々が腹にしびれる。
泪が噴上のように喉にこたへる。

菫をくはえたまんま。
菫もぐりまも。
カンカン夏の陽にひからびていつた。
--草野心平 [ぐりまの死]

どちらの詩も、中学生のころ学習雑誌で読んだような気がする。それとも、高校生用の参考書だったろうか。どういうものか、中学生の頃、高校生用の教科書・参考書をよく読んでいたのだ。

「浮ついたガキ」と呼びたくなるが、なに、さほどのこともあるまい。何処にでもいる普通の少年だったと改めて思う。

十で平凡。十五で普通。二十歳過ぎてもタダの人。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「岩波新書 青版730 [エスプリとユーモア] (著者: 河盛好藏。1969年)」所収のエピソード・アネクドート

本ブルグの記事「[メモ:2011年6月8日 (水曜) 朝日新聞朝刊 [天声人語] 中の「ゲーテの言葉」] (2011年6月10日[金])の訂正 (2017年2月28日[火])」で引用した 「岩波新書 青版730 [エスプリとユーモア] (著者: 河盛好藏。1969年)」を読み返すと、頭のアチラコチラに引っかかっていた言葉の切れ端の出どころだったことに気が付いた。

これを入手したのは、高校の卒業式も済んだ3月27日で、進学する大学も自宅から通える所だったから、引っ越しなどで忙殺されることもなく、隣にあった書店でタマタマ見かけたものを、そのまま購入して、その日のうちに読了したものだったらしいことが、購入日と読了日の鉛筆書き込みで知れる。

購入日は兎も角、読了日も記入してあるのは、恐らく、買ったその日に読み終わったのが自分としては珍しい体験だったからではないか。

読んで感激したと云う記憶はないのだが (とは言え、半世紀前の話だから、忘れているだけかもしれない。由来、私は物覚えが悪い)、それでも、この本で知ったエピソードやアネクドートは、しっかり内在化していたようだ。もっとも、少し歪んでいたりする。

例えば、クレマンソー (ジョルジュ・クレマンソー/Georges Benjamin Clemenceau. 1841年9月28日-1929年11月24日) が、ポアンカレ (レイモン・ポアンカレ)/Raymond Poincaré. 1860年8月20日–1934年10月15日。「ポアンカレ予想」のポアンカレは [アンリ・ポアンカレ]。レイモンの従兄) と、ブリアン (アリスティード・ブリアン/Aristide Briand. 1862年3月28日-1932年3月7日) とを対比した評言を、クレマンソーとポアンカレとの対比と思い込んでいた。

実際は、次のようなものなのだ。

クレマンソーが、ポアンカレとブリアンを比較して、「ポアンカレはなんでも知っているが、なにひとつわからない……ブリアンはなんにも知らないが、なんでもわかる」といった有名な言葉はまことに見事なエスプリというべきであろう。この言葉は両者の比較論を越えて、一般的な人間論になっている。
--岩波新書 青版730 [エスプリとユーモア] (著者: 河盛好藏。1969年)。第107頁。

原文は、次のようなものだったらしい。

"Poincaré sait tout et ne comprend rien, Briand ne sait rien et comprend tout"
--ARISTIDE BRIAND (1862-1932) – Liberté par le travail

河盛さんは、続いてこう書いていて、これも私は自分で「花束を持って」と云う一句を勝手に付け加えて覚えていた。

また彼には「恋愛の最も美しい瞬間は、階段を上がっていくときである」というような洒落た言葉もある。
--岩波新書 青版730 [エスプリとユーモア] (著者: 河盛好藏。1969年)。第107頁。

これの原文は

"Le meilleur moment de l'amour, c'est quand on monte l'escalier."
--Georges Clemenceau | Le meilleur moment de l'amour, c'est quand on ... - 1001 citations

この後で紹介されているロイド・ジョージ (デビッド・ロイド・ジョージ/David Lloyd George, 1st Earl Lloyd George of Dwyfor. 1863年1月17日-1945年3月26日 ) の逸話は、チャーチルのものだと覚え間違えていた。恥づかしい。と、書いたところでネットで調べたところ、逸話の主人公は、いろいろなヴァリエーションがあって、その中には、と云うか、一番有名なのがチャーチルらしい (“If I Were Your Wife I'd Put Poison in Your Tea!” “If I Were Your Husband I'd Drink It” – Quote Investigator)。もう、私には何が何だか分からん。

ロイド・ジョージが首相のとき、議会である婦人議員に嚙みつかれ、「もしわたしがあなたの奥さんだったら、あなたの飲む紅茶のなかに毒を入れたい」と毒づかれたのに対して、彼が静かに、「もしわたしがあなたの御主人だったら、悦んでその紅茶を飲むでしょう」と答えた言葉などは、典型的なイギリス的ユーモアと称すべきであろう。
--岩波新書 青版730 [エスプリとユーモア] (著者: 河盛好藏。1969年)。第108頁。

ちなみに、イギリスで、不平等ながらも婦人参政権が導入されたのは、第1次世界大戦中1918年のロイド=ジョージ挙国一致内閣の時である。

大戦中の1918年2月に選挙法改正を行った。これにより選挙権の財産資格・居住資格が廃され、普通選挙が確立した。さらに30歳以上の婦人にも選挙権が認められた。婦人に選挙権が認められたのはこの改正の時が初めてであり、有権者数は一気に3倍となった。
この改正の背景には長引く戦争と総力戦体制によって、中産階級と労働者階級の格差、および熟練労働者と非熟練労働者の格差が縮まったこと、女性労働者の軍需産業への進出が進んだことがある。当時、選挙権は戦争協力と不可分に結びついており、従軍しない女性には選挙権は認められるべきではないというのが一般的な考え方だった。自由党においてさえも、ロイド・ジョージ以外の政治家は婦人選挙権に慎重な者が多かった。今回女性に選挙権を認めたのは、今度の大戦における女性の銃後の功績が世間一般に認められた形であった。
--デビッド・ロイド・ジョージ - Wikipedia

あともう少し引用しておこう

シャンフォール (セバスチャン=ロシ・二コラ・ド・シャンフォールSébastien-Roch Nicolas de Chamfort. 1741年4月6日-1794年4月13日) の著作「省察・箴言・逸話」からの引用

「ルイ十五世がまだ若かった頃、廷臣たちのレースの袖口を引き裂く悪い癖があった。モールパ氏はそれを矯め直すことを引き受けて、ある日、目の覚めるような美しいレースをつけて王の前に現われた。王は早速近よって片方のレースを引き裂いた。モールパ氏は少しも慌てず、こんどは自分の手で、もう一方のレースを引き裂き、《私にはさっぱり面白くありませんが》とあっさりいった。虚を突かれた王は真っ赤になり、それ以後はレースを引き裂くことをぴったりと止められたそうである。」
--岩波新書 青版730 [エスプリとユーモア] (著者: 河盛好藏。1969年)。第110-111頁。

Il s'agissait de corriger Louis xv jeune encore, de l'habitude de déchirer les dentelles de ses Courtisans. M. de Maurepas s'en chargea. Il parut devant le Roi avec les plus belles dentelles du monde. Le Roi s'approche, & lui en déchire une. M. de Maurepas froidement, déchire celle de l'autre main, & dit simplement : Cela ne m'a fait nul plaisir. Le Roi surpris devint rouge, & depuis ce tems ne déchira plus de dentelles.
--Page:Chamfort - Maximes, Pensées, Caractères et Anecdotes, 1796, éd. Ginguené.djvu/254 - Wikisource
引用原文末尾から6語目の "tems" は --temps-- の誤りだろう。

シャンフォール自身の逸話 (出典不明)。

あるとき、村の医者が鉄砲を肩にして猟に出かけるのに道であった彼は、「病人だけではもの足りませんか」と言った。
--岩波新書 青版730 [エスプリとユーモア] (著者: 河盛好藏。1969年)。第111頁。

イギリス人がエスプリの効いたことを言うこともある例として、バーナード・ショウ (ジョージ・バーナード・ショー/George Bernard Shaw. 1856年7月26日-1950年11月2日) の逸話を紹介しておく (ネットを探してみたが、これの原文は見つからなかった)。

ある人がバーナード・ショウに、「金曜日に結婚をすると不幸になるというが本当ですか」と聞いた。「勿論です。どうして金曜日だけが例外になるのでしょうか」とショウは答えた。 --岩波新書 青版730 [エスプリとユーモア] (著者: 河盛好藏。1969年)。第131頁。

アネクドートとしては、次のものが脳裏に残っていた (それなりに覚えていたのはオチの所だけだったが)。

エルネスト・ミニョン著『ドゴール将軍の言葉』という本のなかに次のような話が出ている。フルシチョフとの問答である。
フルシチョフ(頭ごなしに)「原子爆弾が五発あれば僕はフランスを全滅させてみせるよ」
将軍(ふんといった顔で)「それから?」
フルシチョフ(すごんでみせて)「それからだって……こんどは、三十発で原爆でアメリカを全滅させる」
将軍(涼しい顔で)「するとアメリカでも同じ数の原爆を使ってロシアを全滅させるね……」
フルシチョフ(得意になって)「それだよ、僕がいいたかったのは。アメリカの政策は必ず戦争をひき起こす。そして、戦争になれば、われわれはおたがいに破滅だ」
将軍(そしらぬ顔で)「そうだ。そして君の中国の友人たちだけが生き残るね」 --岩波新書 青版730 [エスプリとユーモア] (著者: 河盛好藏。1969年)。第102-103頁。

この『ドゴール将軍の言葉』は "Les mots du Général de Gaulle.: Ernest MIGNON (Amazon.com: Books)" のことだろうが、詳細は不明。私としては、ドゴール将軍の『(ふんといった顔で)「それから?」』の原文が "Et Alors?" だったか確かめたいところだが、できなかった。

ちなみに、この "Les mots du Général de Gaulle" には、将軍の

"Comment voulez-vous gouverner un pays qui a deux cent quarante-six variétés de fromage?"
--Charles de Gaulle - Wikiquote
一体どうしたら、246種類のチーズがある国の舵取りをしようなどと思えるのだ。

と云う言葉が紹介されているよし。これは何処かで聞いたことがあるような気がする。

最後に、アメリカ合衆国の有名な Cartoonist であるジェームズ・サーバー (James Thurber. 1894年12月8日-1961年11月2日) の小品 "The Rabbits Who Caused All the Trouble" を紹介しておこう。

まず、原文が参照できるリンクを貼っておく。

  1. James Thurber: Writings & Drawings (including The Secret Life of Walter ... - James Thurber - Google ブックス
  2. Storyteller: The Classic that Heralded America's Storytelling Revival - Ramon Royal Ross - Google ブックス

勿論 「岩波新書 青版730 [エスプリとユーモア] (著者: 河盛好藏。1969年)。第91-92頁」には、訳文が示されているのだが、思うところあって、私なりのしたかで大意を示すことにする。

ウサギの奴らが諸悪の根源

とても小さな子供でさえ知っているくらいの頃のこと、オオカミたちの群れの近くでウサギの一族が暮らしていた。オオカミが言ってきたことには、ウサギたちの暮らしぶりが気に入らないと云う。(オオカミは、自分たちの生き方の正しさを熱狂的に信じていた。何故なら、それ以外の生き方などあり得ないからだった。)

ある夜、地震が起こって、何匹かのオオカミが死んだので、ウサギのせいにされた。なぜなら、周知のように、ウサギは後脚で地面を蹴って地震を引き起こすからである。別の夜には落雷があって一匹のオオカミが死んだ。これもウサギのせいにされた。なぜなら、周知のように、レタスを食べるものはカミナリを呼ぶからである。オオカミたちは、ウサギたちが行いを改めないのであれば、ウサギたちを改革するぞと迫った。そこで、ウサギたちは、無人島に逃げ出すことにした。しかし、オオカミとウサギ以外の [他の動物たち] は (彼らは、オオカミやウサギたちから遠く離れたところに住んでいた) ウサギたちを非難して言った。「君らは、勇気をもって、今いるところに留まらねばならない。この世は、逃亡者のためにできてはいないのだ。もしオオカミたちが君らを攻撃するなら、私たちが君たちを救援するだろうことは、ほぼ確実と言ってよい。」

そこで、ウサギたちはオオカミたちの近くで暮らし続けたが、ある日大洪水が起こって、大勢のオオカミが死んだ。これは、ウサギのせいだった。なぜなら、周知のように、ニンジンを齧り長い耳を持つ者は洪水を引き起こすのだから。オオカミたちは、ウサギたちそのものの為を思って、ウサギたちを急襲し、ウサギたちそのものの保護のために、ウサギたちを暗い穴倉に閉ぢ込めた。

ウサギたちの噂が聞こえなくなって数週間経った頃、[他の動物たち] は、ウサギたちの身に何が起こったのか知りたいと言ってきた。オオカミたちは、ウサギは食べられてしまっており、そうである以上、事態は純粋に内部問題に属すると回答した。しかし、[他の動物たち] は、ウサギの滅亡に就いての根拠が示されねば、団結してオオカミに対決する可能性もありうると警告した。そこで、オオカミたちは「根拠」を示した。「彼らは逃亡しようとしていたのだ。しかしながら、君たちも知っているように、この世は、逃亡者のためにできていないのだ。」

教訓: グズグズしないで一番近くの無人島に逃げ込め。

原文をご覧になっていただければ分かるが、この作品は "Within the memory of the youngest child" と云う一句で始まっている。これは河盛さんが訳されているような「思い出せないほど遠い昔」(第91頁) ではなく、むしろ「とても小さな子供でさえ知っているくらいの頃」つまり、この作品が書かれた当時の「現在」のことである。

"The Rabbits Who Caused All the Trouble" は1939年8月26日に雑誌 "The New Yorker" に発表された。イギリスとフランスがドイツに対して宣戦を布告して、所謂「第二次世界大戦」が始まる一週間ほど前のことである。

以下のことは「学校で教わる」はずのことで、多くの人にとって取っては、余談にさえなるまいが、Kristallnacht (クリスタル・ナハト) は前年 (1938年11月9日夜) に発生しており、この二つの出来事の間に、独ソ不可侵条約 (1939年8月23日) と、ドイツ軍のポーランド侵攻 (1939年9月1日) が挟まっている (ポーランドは、やはり侵攻してきたソ連とドイツとの2か国が主体となって分割占領され、消滅する。この結果ドイツとソ連とが国境を接することになる)。ちなみに、わが日本がドイツ及びイタリアと防共協定を結んだのは、これらより以前、1937年11月6日だった、更に、1940年9月27日に至って、日独伊三国同盟が締結される。これを受けるようにして、1941年6月22日にドイツ軍の独ソ国境全面におけるロシア奇襲と、1941年12月7日 (ハワイ時間) における日本軍の真珠湾奇襲が行われる。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ある行列式計算の紹介

高木貞治著 [代数学講義 改訂新版] (1965年。共立出版。東京) の第230頁には、つぎのような等式が示されている ([問題3] の [解] 中の、言わば補題部分)。

\[
 \begin{vmatrix}
 \frac{1}{t_{1}-x_{1}} &\frac{1}{t_{1}-x_{2}} &\dots &\frac{1}{t_{1}-x_{n}} \\
\\
 \frac{1}{t_{2}-x_{1}} &\frac{1}{t_{2}-x_{2}} &\dots &\frac{1}{t_{2}-x_{n}} \\
\\
  \cdot & \cdot & \cdots & \cdot \\
\\
 \frac{1}{t_{n}-x_{1}} &\frac{1}{t_{n}-x_{2}} &\dots &\frac{1}{t_{n}-x_{n}} \\
 \end{vmatrix}
= \frac{(-1)^{\frac{n(n-1)}{2}}P(t_{1},t_{2},{\cdots}t_{n})P(x_{1},x_{2},{\cdots}x_{n})}{\prod\limits_{p,q}(t_{p}-x_{q})}
\]

その証明も簡にして要を得ている。曰く

行列式に 
\[
 \prod{(t_{p}-x_{q})}
\] を掛けて分母を払えば

\[
 P(t_{1},t_{2},{\cdots}t_{n}){\times}P(x_{1},x_{2},{\cdots}x_{n}){\times}C
\]
を得る。 $C$ は定数である。
\[
 t_{1}=x_{1},t_{2}=x_{2},\cdots,t_{n}=x_{n}
\]
とおけば
\[
 f^{\prime}(x_{1})f^{\prime}(x_{2}){\cdots}f^{\prime}(x_{n})=(-1)^{\frac{n(n-1)}{2}}P(x_{1},x_{2},{\cdots}x_{n})^{2}
\]
から
\[ C=(-1)^{\frac{n(n-1)}{2}}
\]
を得る。ただし、
\[
 f(t)=(t-x_{1})(t-x_{2}){\cdots}(t-x_{n})
\]

(引用終わり)

ここで $P(t_{1},t_{2},{\cdots}t_{n})$ は、所謂「差積」(「基本交代式」)

\begin{align*}
 (t_{1}-t_{2})(t_{1}-t_{3}){\cdots}(t_{1}-t_{n})\\
 (t_{2}-t_{3}){\cdots}(t_{2}-t_{n})\\
 {\cdots}{\cdots}{\cdots}{\cdots}{\cdots}\quad&\\
 (t_{n-1}-t_{n})&
\end{align*}
である (参照: [代数学講義 改訂新版] 第146頁)。

また、


\[
 f^{\prime}(x_{1})f^{\prime}(x_{2}){\cdots}f^{\prime}(x_{n})=(-1)^{\frac{n(n-1)}{2}}P(x_{1},x_{2},{\cdots}x_{n})^{2}
\]
に就いては、第147頁に説明がされている。それを、現在の文脈に合わせ、そして簡略化して示すなら
\begin{align*}
 &f(t)=(t-x_{1})(t-x_{2}){\cdots}(t-x_{n})\\
\\
 &f^{\prime}(x_{1})=(x_{1}-x_{2})(x_{1}-x_{3}){\cdots}(x_{1}-x_{n})\\
 &f^{\prime}(x_{2})=(x_{2}-x_{1})(x_{2}-x_{3}){\cdots}(x_{2}-x_{n})\\
 &\quad\cdots\cdot\cdots\cdot\cdots\cdot\cdots\cdot\\
 &f^{\prime}(x_{n})=(x_{n}-x_{1})(x_{n}-x_{2}){\cdots}(x_{n}-x_{n-1})\\
\\
 &f^{\prime}(x_{1})f^{\prime}(x_{2}){\cdots}f^{\prime}(x_{n})=(-1)^{\frac{n(n-1)}{2}}P(x_{1},x_{2},{\cdots}x_{n})^{2}
\end{align*}

ちなみに、$P^{2}$ は多項式 $f(t)$ の判別式になっている。更に

\[
 g(t)=(t-t_{1})(t-t_{2}){\cdots}(t-t_{n})
\]
と置くなら
${\displaystyle}\prod\limits_{p,q}(t_{p}-x_{q})$
は、$g$$f$ との終結式である。

本稿は、この等式を紹介するためだけのものだが、最後に、私が、この等式のことを思い出すきっかけになった方の行列式を書いておく。などと云ういのは大げさで、それは単に、 $x_{1},x_{2},{\cdots}x_{n}$ の符号を逆転して $-x_{1},-x_{2},{\cdots}-x_{n}$ にしたものに過ぎない。

そこで、まず $P(x_{1},x_{2},{\cdots}x_{n})$ は、どうなるかと云うと、勿論

\begin{align*}
 (x_{1}-x_{2})(x_{1}-x_{3}){\cdots}(x_{1}-x_{n})\\
 (x_{2}-x_{3}){\cdots}(x_{2}-x_{n})\\
 {\cdots}{\cdots}{\cdots}{\cdots}{\cdots}\quad&\\
 (x_{n-1}-x_{n})&
\end{align*}
だから、当然
\[
 P(-x_{1},-x_{2},{\cdots}-x_{n}) = (-1)^{\frac{n(n-1)}{2}}P(x_{1},x_{2},{\cdots}x_{n})
\]
であり
\[
 \begin{vmatrix}
 \frac{1}{t_{1}+x_{1}} &\frac{1}{t_{1}+x_{2}} &\dots &\frac{1}{t_{1}+x_{n}} \\
\\
 \frac{1}{t_{2}+x_{1}} &\frac{1}{t_{2}+x_{2}} &\dots &\frac{1}{t_{2}+x_{n}} \\
\\
  \cdot & \cdot & \cdots & \cdot \\
\\
 \frac{1}{t_{n}+x_{1}} &\frac{1}{t_{n}+x_{2}} &\dots &\frac{1}{t_{n}+x_{n}} \\
 \end{vmatrix}
= \frac{P(t_{1},t_{2},{\cdots}t_{n})P(x_{1},x_{2},{\cdots}x_{n})}{\prod\limits_{p,q}(t_{p}+x_{q})}
\]
が言える。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

本ブログ記事「2018年 (平成30年) 版 [理科年表] 附録「数学公式」[附17 (1097) 頁] における誤植」(2018年8月31日[金]) 補足

本記事内容の要約:

$a>b>0, \alpha\geq{0}$ の時、$r,s$

\begin{align*}
 r := \frac{-a + \sqrt{a^{2}-b^{2}}}{b}, \quad s := \frac{-a - \sqrt{a^{2}-b^{2}}}{b}
\end{align*}
と定めると、次の等式が成り立つ ( $s<-1<r<0$ に注意)。
\begin{align*}
 &\int_{0}^{\pi}\!\frac{\cos{(\alpha{x})}}{a+b\cos{x}}\,dx\\
 &\qquad = \frac{\pi\cos{(\alpha\pi)}{(-r)^{\alpha}}}{\sqrt{a^{2}-b^{2}}} + \frac{\sin{(\alpha\pi)}}{\sqrt{a^{2}-b^{2}}}\Big(\mathrm{vp\!}\int_{0}^{1}\frac{\rho^{\alpha}d\rho}{\rho+r} - \int_{0}^{1}\frac{\rho^{\alpha}d\rho}{\rho+s}\Big)\\
\end{align*}

上記等式の右辺第2項のカッコ内の式は、次の変形が可能である。

\begin{align*}
 &\mathrm{vp\!}\int_{0}^{1}\frac{\rho^{\alpha}d\rho}{\rho+r} - \int_{0}^{1}\frac{\rho^{\alpha}d\rho}{\rho+s}\\
 & = (-r)^{\alpha}\Bigg\{\int_{0}^{-\log(-r)}\frac{\sinh(\alpha{t})\cosh(t/2)}{\sinh(t/2)}dt\\
 & \qquad + \big((-r)^{\alpha}-(-r)^{-\alpha}\big)\left(\int_{0}^{1}\frac{rt^{\alpha}}{1+rt}dt - \frac{1}{2\alpha}\right)\Bigg\}%\\
\end{align*}

特に、$\alpha$ が、非負整数 $n$ である時は

\begin{align*}
 \int_{0}^{\pi}\!\frac{\cos{(nx)}}{a+b\cos{x}}\,dx = \frac{\pi}{\sqrt{a^{2}-b^{2}}}\left(\frac{-a + \sqrt{a^{2}-b^{2}}}{b}\right)^{\!\!n}
\end{align*}
である。

$a>b>0, \alpha\geq{0}$ の時、$p,q$

\begin{align*}
 p := \frac{a - \sqrt{a^{2}-b^{2}}}{b}, \quad  q := \frac{a + \sqrt{a^{2}-b^{2}}}{b}
\end{align*}
と定めると、次の等式が成り立つ ( $0<p<1<q$ に注意)。
\begin{align*}
 &\int_{0}^{\pi}\!\frac{\cos{(\alpha{x})}}{a-b\cos{x}}\,dx =\\
 &\qquad \frac{\pi{p^{\alpha}}}{\sqrt{a^{2}-b^{2}}} + \frac{\sin{(\alpha\pi)}}{\sqrt{a^{2}-b^{2}}}\Big(\int_{0}^{1}\frac{\rho^{\alpha}d\rho}{\rho+p} - \int_{0}^{1}\frac{\rho^{\alpha}d\rho}{\rho+q}\Big)\\
\end{align*}

$\alpha>0$ の時、 $F$ を、Gauss の超幾何函数として

\begin{align*}
 &\int_{0}^{1}\frac{\rho^{\alpha}d\rho}{\rho+p} - \int_{0}^{1}\frac{\rho^{\alpha}d\rho}{\rho+q}\\
 &\qquad = -\frac{p^{\alpha}}{\alpha}\Big(F(1,-\alpha,-\alpha+1,-1) + F(1,\alpha,\alpha+1,-1) - 1\Big)\\
 &\qquad\quad + \frac{1}{\alpha}\Big(F(1,-\alpha,-\alpha+1,-p) + F(1,\alpha,\alpha+1,-p) - 1\Big)\\
 &= 2\alpha\sum_{n=0}^{\infty}\frac{(-1)^{n}(p^{\alpha}-p^{n})}{n^{2}-\alpha^{2}} + \frac{p^{\alpha}-1}{\alpha}
\end{align*}

特に、$\alpha$ が、非負整数 $n$ である時は

\begin{align*}
 \int_{0}^{\pi}\!\frac{\cos{(nx)}}{a-b\cos{x}}\,dx = \frac{\pi}{\sqrt{a^{2}-b^{2}}}\left(\frac{a - \sqrt{a^{2}-b^{2}}}{b}\right)^{\!\!n}
\end{align*}
である。

[要約終わり]

[記事作成の経緯]

本ブログ記事「2018年 (平成30年) 版 [理科年表] 附録「数学公式」[附17 (1097) 頁] における誤植」(2018年8月31日[金]) での積分計算を精密化・一般化する。

なお、結果の要旨は、「本ブログ記事「2018年 (平成30年) 版 [理科年表] 附録「数学公式」[附17 (1097) 頁] における誤植」(2018年8月31日[金]) 補足。[一般式] Executive Summary」(2018年10月31日[水]) に示してある。

さて、上記記事で指摘したように、理科年表 (2018年版) に示された公式は、 $\alpha$ に就いて誤植がある。

更に、「本ブログ記事「2018年 (平成30年) 版 [理科年表] 附録「数学公式」[附17 (1097) 頁] における誤植」(2018年8月31日[金]) への注意」(2018年9月30日[日]) で、件の公式は $\alpha$ が [正整数] でないと成り立たないことを指摘した。しかし、この「注意」には瑕疵があって、$\alpha=0$ の場合も、「公式」は成立する。だから、実は「$\alpha$ は非負整数でないと成り立たない」とすべきだった。

その意味を込めて、本記事では、$\alpha$ が、非負整数に限らない、非負実数である場合に就いて検討する。

[主な記号の定義及び関係式]

まず、用いられる主な記号の定義及び関係式を示しておく。

\begin{align*}
 & a>b>0,\quad \alpha\geq{0}\\
 &I_{\alpha} := \int_{0}^{\pi}\!\frac{\cos{\alpha{x}}}{a+b\cos{x}}\,dx\qquad J_{\alpha} := \int_{0}^{\pi}\!\frac{\cos{\alpha{x}}}{a-b\cos{x}}\,dx\\
 \\
 &z = e^{ix}, dx=\frac{dz}{iz}\\
 &I_{\alpha} = \inverse{i}\int_{\substack{|z|=1\\-\pi\leq\arg{z}\leq\pi}}\frac{z^{\alpha}dz}{bz^{2} + 2az + b}\\
 &J_{\alpha} = -\inverse{i}\int_{\substack{|z|=1\\-\pi\leq\arg{z}\leq\pi}}\frac{z^{\alpha}dz}{bz^{2} - 2az + b}
\end{align*}

「2018年 (平成30年) 版 [理科年表] 附録「数学公式」[附17 (1097) 頁]、そして、「岩波数学公式 I」[第247頁] で取り上げられているのは、上記の式 $I_{\alpha}$ の形の積分である (「理科年表」では、 $\cos{\alpha{x}}$$\cos{ax}$ としてしまっているが、ここでは訂正した形のものを示してある) 。その結果として

\[
 \int_{0}^{\pi}\!\frac{\cos{\alpha{x}}}{a+b\cos{x}}\,dx = \frac{\pi}{\sqrt{a^{2}-b^{2}}}\left(\frac{\sqrt{a^{2}-b^{2}}-a}{b}\right)^{\!\alpha}
\]
が与えられているが、この等式は、$\alpha$ が「正整数」でなければ成り立たないと云うのが [9月30日] の記事だった (実は $\alpha=0$ でも成り立っている)。

本稿では、これを実際に、$\alpha$ が非負実数である場合を計算しようとするものである。ただし、議論の展開後、式の変異例の中では $\alpha=0$ の場合を排除する必要が出てくるので、その時は、その旨注意して $\alpha>0$ と云う限定のもとで話を進めよう。

さて、記号の定義及び関係式の続ける。

\begin{align*}
 &\{r,s\} := \{z | bz^{2} + 2az + b = 0 \} \quad (s<r)\\
 &\qquad r = \frac{-a + \sqrt{a^{2}-b^{2}}}{b}, \quad s = \frac{-a - \sqrt{a^{2}-b^{2}}}{b};\\
 &s<-1<r<0, \qquad rs = (b/b) =1, \qquad r-s = \frac{2\sqrt{a^{2}-b^{2}}}{b}\\ 
 &\frac{r^{\alpha}}{b(r-s)} = \frac{\big((\sqrt{a^{2}-b^{2}}-a)/b\big)^{\alpha}}{b(2\sqrt{a^{2}-b^{2}}/b)} = \inverse{{2\sqrt{a^{2}-b^{2}}}}\Big(\frac{\sqrt{a^{2}-b^{2}}-a}{b}\Big)^{\alpha}\\
 &I_{n} := \int_{0}^{\pi}\!\frac{\cos{n{x}}}{a+b\cos{x}}\,dx \qquad (n \in \natl)
\end{align*}

$a,b,r,s$ は次の関係式を満たす。

\begin{align*}
 &(\sqrt{a+b}+\sqrt{a-b})^{2} = 2(a+\sqrt{a^{2}-b^{2}}) = -2bs\\
 &(\sqrt{a+b}-\sqrt{a-b})^{2} = 2(a-\sqrt{a^{2}-b^{2}}) = -2br\\
 &\sqrt{-s} = \inverse{\sqrt{2b}}(\sqrt{a+b}+\sqrt{a-b})\\
 &\sqrt{-r} = \inverse{\sqrt{2b}}(\sqrt{a+b}-\sqrt{a-b})\\
 &\sqrt{-r} + \sqrt{-s} = \sqrt{\frac{2(a+b)}{b}}\\
 &\sqrt{-s} - \sqrt{-r} = \sqrt{\frac{2(a-b)}{b}}\\
\end{align*}

$J_{\alpha}$ に関連しては、次の記号・関係式を用いる。

\begin{align*}
 &\{p,q\} := \{z | bz^{2} - 2az + b = 0 \} \quad (s<r)\\
 &p = \frac{a - \sqrt{a^{2}-b^{2}}}{b}, \qquad q = \frac{a + \sqrt{a^{2}-b^{2}}}{b}\\
 &0<p<1<q, \qquad pq = 1, \qquad p-q = -\frac{2\sqrt{a^{2}-b^{2}}}{b}\\ 
 &J_{n} := \int_{0}^{\pi}\!\frac{\cos{n{x}}}{a-b\cos{x}}\,dx \qquad (n \in \natl)
\end{align*}

つまり、 $p,q \quad (p<q)$$bz^{2} - 2az + b = 0$ の根である。そして $p,q$ は正の実数であって $p=-r, q=-s$ を満たす。

当然

\begin{align*}
 &(\sqrt{a+b}+\sqrt{a-b})^{2} = 2(a+\sqrt{a^{2}-b^{2}}) = 2bq\\
 &(\sqrt{a+b}-\sqrt{a-b})^{2} = 2(a-\sqrt{a^{2}-b^{2}}) = 2bp\\
 &\sqrt{q} = \inverse{\sqrt{2b}}(\sqrt{a+b}+\sqrt{a-b})\\
 &\sqrt{p} = \inverse{\sqrt{2b}}(\sqrt{a+b}-\sqrt{a-b})\\
 &\sqrt{p} + \sqrt{q} = \sqrt{\frac{2(a+b)}{b}}\\
 &\sqrt{q} - \sqrt{p} = \sqrt{\frac{2(a-b)}{b}}\\
\end{align*}

ここで、注意すべきは、$r$ が負の実数であるために、$\alpha$ が整数でない時には、

\[
 \frac{r^{\alpha}}{b(r-s)} = \inverse{{2\sqrt{a^{2}-b^{2}}}}\Big(\frac{\sqrt{a^{2}-b^{2}}-a}{b}\Big)^{\alpha}\\
\]
が、実数にならないことである。具体的には
\[
 \frac{e^{\alpha\pi{i}}}{{2\sqrt{a^{2}-b^{2}}}}\Big(\frac{a-\sqrt{a^{2}-b^{2}}}{b}\Big)^{\alpha}\\
\]
になる。これに対し、積分 $I_{\alpha}$ は、$\alpha$ が整数であるのとないのとに関わらず、実数にしかなりえない。

実は、この矛盾の解明が、$\alpha$ が非整数の時の表式を求めようと思った、第一の動機である。

ここて、後の計算のために 次の条件を満たす2つの実数 $\delta$ 及び $\varepsilon$ を導入する。

\[
  0< \delta < -r, \quad \delta <1+r, \quad 0< \varepsilon < -r-\delta
\]

[ $I_{\alpha}$ の計算]

さて

\[
 f(z,\alpha):= \inverse{i}\cdot\frac{z^{\alpha}}{bz^{2} + 2az + b} = \inverse{bi}\cdot\frac{z^{\alpha}}{(z-r)(z-s)} \qquad (z \in \cfd, \alpha \in \rfd, \alpha\geq{0})
\]
を考えると、$f(z,\alpha)$ は、$\alpha$ が (非負)整数でない限り、複素平面上、$z$ が原点を周回することに応じた多価性を有する。

これに従って、以下の議論では、$z$ の偏角の範囲を $-\pi\leq\arg{z}\leq\pi$ に制限し、更に、負実数半直線を、偏角 $\pi$ を有するものと、偏角 $-\pi$ を有するものとの 2 本が、別々に存在するものと考えて、その総体を定義域とする。すると、$f(z,\alpha)$ は、この定義域では $z$ に就いての一価函数となる。

この定義域に於いて、次の8つ部分 $A_{o},B_{uo},H_{u},B_{ui},A_{i},B_{li},H_{l},B_{lo}$ からなる経路 $C$ を考える。

1. $A_{o}$ : 外円。原点を中心とする単位円。ただし、偏角が $-\pi$ の点 ( $z=e^{-i\pi}$ ) から出発して、偏角 $\pi$ の点 ( $z=e^{i\pi}$ ) に至るもの (反時計回り)。

2. $B_{uo}$ : 上外橋。偏角 $\pi$ の半直線上、原点からの距離 $1$ の点 ( $z=e^{i\pi}$ ) から出発して、原点からの距離 $-r+\delta$ の点 ( $z=(-r+\delta)e^{i\pi}$ ) に至る線分。

3. $H_{u}$ : 上半円。偏角 $\pi$ の半直線上、原点からの距離 $-r$ の点 ( $z=-re^{i\pi}$ ) を中心とし、半径を $\delta$ とする、上半平面内の半円 (向きは時計回り)。

4. $B_{ui}$ : 上内橋。偏角 $\pi$ の半直線上、原点からの距離 $-r-\delta$ の点 ( $z=(-r-\delta)e^{i\pi}$ ) から出発して、原点からの距離 $\varepsilon$ の点 ( $z=\varepsilon{e^{i\pi}}$ ) に至る線分。$B_{uo}$$B_{ui}$ との、経路の向きを込めた合併を $B_{u}$ で表わすことにする。

5. $A_{i}$ : 内円。原点を中心とする半径 $\varepsilon$ の円。ただし、偏角が $\pi$ の点 ( $z=\varepsilon{e^{i\pi}}$) から出発して、偏角 $-\pi$ の点 ( $z=\varepsilon{e^{-i\pi}}$ ) に至るもの (時計回り)。

6. $B_{li}$ : 下内橋。偏角 $-\pi$ の半直線上、原点からの距離 $\varepsilon$ の点 ( $z=\varepsilon{e^{-i\pi}}$) から出発して、原点からの距離 $-r-\delta$ の点 ( $z=(-r-\delta)e^{-i\pi}$ ) に至る線分。

7. $H_{l}$ : 下半円。偏角 $-\pi$ の半直線上、原点からの距離 $-r$ の点 ( $z=-re^{-i\pi}$ ) を中心とし、半径を $\delta$ とする、下半平面内の半円 (向きは時計回り)。$H_{u}$$H_{l}$ との、経路の向き (時計回り) を込めた合併を $H_{s}$ で表すことにする。

8. $B_{lo}$ : 下外橋。偏角 $-\pi$ の半直線上、原点からの距離 $-r+\delta$ の点 ( $z=(-r+\delta)e^{-i\pi}$ ) から出発して、原点からの距離 $1$ の点 ( $z=e^{-i\pi}$ ) に至る線分。$B_{li}$$B_{lo}$ との、経路の向きを込めた合併を $B_{l}$ で表わすことにする。

さて、

\[
 f(z,\alpha) = \inverse{b(r-s)i}\Big(\frac{z^{\alpha}}{z-r} - \frac{z^{\alpha}}{z-s}\Big)
\]
に注意すると、個々に固定した $\alpha$ に対して、$z$ ( $-\pi\leq\arg{z}\leq\pi$ ) の函数 $f(z,\alpha)$ は、$z=r$ 及び$z=s$ に、それぞれ 1位の極を有する他は、上記定義域上で正則である。特に、経路 $C$ 上及びその内部では正則である (極 $z=r,\ z=s$ の位置は排除されている。)。

従って、

\begin{align*}
 &\int_{C}\!f(z,\alpha)\,dz\\
 &\quad = \int_{A_{o}}\!f(z,\alpha)\,dz
 + \int_{B_{uo}}\!f(z,\alpha)\,dz
 + \int_{H_{u}}\!f(z,\alpha)\,dz
 + \int_{B_{ui}}\!f(z,\alpha)\,dz\\
 &\qquad + \int_{A_{i}}\!f(z,\alpha)\,dz
 + \int_{B_{li}}\!f(z,\alpha)\,dz
 + \int_{H_{l}}\!f(z,\alpha)\,dz
 + \int_{B_{uo}}\!f(z,\alpha)\,dz\\
 &\quad = 0
\end{align*}

そして

\begin{align*}
 &\int_{A_{o}}\!f(z,\alpha)\,dz = \inverse{i}\int_{\substack{|z|=1\\-\pi\leq\arg{z}\leq\pi}}\frac{z^{\alpha}\,dz}{bz^{2} + 2az + b} = I_{\alpha}\\
 &\int_{B_{uo}}\!f(z,\alpha)\,dz\\
 &\quad= \inverse{b(r-s)i}\int_{1}^{-r+\delta}\Big(\frac{(\rho{e^{\pi{i}}})^{\alpha}}{\rho{e^{\pi{i}}}-\big((-r){e^{\pi{i}}}\big)} - \frac{(\rho{e^{\pi{i}}})^{\alpha}}{\rho{e^{\pi{i}}}-\big((-s){e^{\pi{i}}}\big)}\Big)e^{\pi{i}}d\rho\\
 &\quad= \frac{e^{\alpha\pi{i}}}{b(r-s)i}\int_{1}^{-r+\delta}\Big(\frac{\rho^{\alpha}}{\rho+r} - \frac{\rho^{\alpha}}{\rho+s}\Big)d\rho\\
%
 &\int_{H_{u}}\!f(z,\alpha)\,dz = \frac{-\pi{i}}{b(r-s)i}(-re^{\pi{i}})^{\alpha} = \frac{{-\pi}e^{\alpha\pi{i}}}{b(r-s)}(-r)^{\alpha}\\
%
 &\int_{B_{ui}}\!f(z,\alpha)\,dz\\
 &\quad= \inverse{b(r-s)i}\int_{-r-\delta}^{\varepsilon}\Big(\frac{(\rho{e^{\pi{i}}})^{\alpha}}{\rho{e^{\pi{i}}}-\big((-r){e^{\pi{i}}}\big)} - \frac{(\rho{e^{\pi{i}}})^{\alpha}}{\rho{e^{\pi{i}}}-\big((-s){e^{\pi{i}}}\big)}\Big)e^{\pi{i}}d\rho\\
 &\quad = \frac{e^{\alpha\pi{i}}}{b(r-s)i}\int_{-r-\delta}^{\varepsilon}\Big(\frac{\rho^{\alpha}}{\rho+r} - \frac{\rho^{\alpha}}{\rho+s}\Big)d\rho
%
\\
\\
%
 &\int_{A_{i}}\!f(z,\alpha)\,dz = \inverse{b}\int_{\pi}^{-\pi}\!\frac{\varepsilon^{(\alpha+1)}e^{(\alpha+1)i\theta}}{({\varepsilon}e^{i\theta}-r)({\varepsilon}e^{i\theta}-s)}\,d\theta\\
 &\int_{B_{li}}\!f(z,\alpha)\,dz\\
 &\quad = \inverse{b(r-s)i}\int_{\varepsilon}^{-r-\delta}\Big(\frac{(\rho{e^{-\pi{i}}})^{\alpha}}{\rho{e^{-\pi{i}}}-\big((-r){e^{-\pi{i}}}\big)} - \frac{(\rho{e^{-\pi{i}}})^{\alpha}}{\rho{e^{-\pi{i}}}-\big((-s){e^{-\pi{i}}}\big)}\Big)e^{-\pi{i}}d\rho\\
 &\quad = \frac{e^{-\alpha\pi{i}}}{b(r-s)i}\int_{\varepsilon}^{-r-\delta}\Big(\frac{\rho^{\alpha}d\rho}{\rho+r} - \frac{\rho^{\alpha}d\rho}{\rho+s}\Big)\\
%
 &\int_{H_{l}}\!f(z,\alpha)\,dz = \frac{-\pi{i}}{b(r-s)i}(-re^{-\pi{i}})^{\alpha} = \frac{{-\pi}e^{-\alpha\pi{i}}}{b(r-s)}(-r)^{\alpha}\\
%
 &\int_{B_{lo}}\!f(z,\alpha)\,dz\\
 &\quad= \inverse{b(r-s)i}\int_{-r+\delta}^{1}\Big(\frac{(\rho{e^{-\pi{i}}})^{\alpha}}{\rho{e^{-\pi{i}}}-\big((-r){e^{-\pi{i}}}\big)} - \frac{(\rho{e^{-\pi{i}}})^{\alpha}}{\rho{e^{-\pi{i}}}-\big((-s){e^{-\pi{i}}}\big)}\Big)e^{-\pi{i}}d\rho\\
 &\quad= \frac{e^{-\alpha\pi{i}}}{b(r-s)i}\int_{-r+\delta}^{1}\Big(\frac{\rho^{\alpha}}{\rho+r} - \frac{\rho^{\alpha}}{\rho+s}\Big)d\rho\\
\end{align*}

従って

\begin{align*}
 &\lim_{\delta, \varepsilon \rightarrow 0}\Big(\int_{B_{u}}\!f(z,\alpha)\,dz\Big) = \frac{e^{\alpha\pi{i}}}{b(r-s)i}\Big(\mathrm{vp\!}\int_{1}^{0}\frac{\rho^{\alpha}d\rho}{\rho+r} - \int_{1}^{0}\frac{\rho^{\alpha}d\rho}{\rho+s}\Big)\\
 &\lim_{\delta, \varepsilon \rightarrow 0}\Big(\int_{B_{l}}\!f(z,\alpha)\,dz\Big) = \frac{e^{-\alpha\pi{i}}}{b(r-s)i}\Big(\mathrm{vp\!}\int_{0}^{1}\frac{\rho^{\alpha}d\rho}{\rho+r} - \int_{0}^{1}\frac{\rho^{\alpha}d\rho}{\rho+s}\Big)\\
 &\lim_{\delta \rightarrow 0}\Big(\int_{H_{s}}\!f(z,\alpha)\,dz\Big) = \frac{{-\pi}(e^{\alpha\pi{i}}+e^{-\alpha\pi{i}})}{b(r-s)}(-r)^{\alpha}
\end{align*}

また $\varepsilon \rightarrow 0$ として $-r>2\varepsilon$ となってから以降は

\[
 \abs{{\varepsilon}e^{i\theta}-s} > \abs{{\varepsilon}e^{i\theta}-r} \geq -r-\varepsilon > -r-(-\frac{r}{2}) = -\frac{r}{2}
\]
だから
\[
 \Big|\frac{\varepsilon^{(\alpha+1)}e^{(\alpha+1)i\theta}}{({\varepsilon}e^{i\theta}-r)({\varepsilon}e^{i\theta}-s)}\Big| < \frac{4\varepsilon^{(\alpha+1)}}{r^{2}}
 \]
従って
\[
 0 \leq \lim_{\varepsilon\rightarrow 0}\Big|\int_{A_{i}}\!f(z,\alpha)\,dz\Big| < \lim_{\varepsilon\rightarrow 0}\int_{A_{i}}\!\frac{4\varepsilon^{(\alpha+1)}}{br^{2}}\,d\theta = \lim_{\varepsilon\rightarrow 0}\frac{8\pi{\varepsilon^{(\alpha+1)}}}{br^{2}} = 0
\]

だから、結局

\begin{align*}
&I_{\alpha} = \int_{\substack{|z|=1\\-\pi\leq\arg{z}\leq\pi}}f(z,\alpha)\,dz \\
&\qquad =\frac{2{\pi}\cos{\alpha\pi}}{b(r-s)}(-r)^{\alpha} + \frac{2\sin{(\alpha\pi)}}{b(r-s)}\Big(\mathrm{vp\!}\int_{0}^{1}\frac{\rho^{\alpha}d\rho}{\rho+r} - \int_{0}^{1}\frac{\rho^{\alpha}d\rho}{\rho+s}\Big)\\
&\qquad =\frac{\pi\cos{\alpha\pi}}{\sqrt{a^{2}-b^{2}}}\Big(\frac{a-\sqrt{a^{2}-b^{2}}}{b}\Big)^{\alpha} + \frac{\sin{(\alpha\pi)}}{\sqrt{a^{2}-b^{2}}}\Big(\mathrm{vp\!}\int_{0}^{1}\frac{\rho^{\alpha}d\rho}{\rho+r} - \int_{0}^{1}\frac{\rho^{\alpha}d\rho}{\rho+s}\Big)
\end{align*}

[ $I_{n}$ ]

特に、$\alpha$ が非負整数 $\alpha=n$ であるなら

\begin{align*}
 I_{n} &= \int_{\substack{|z|=1\\-\pi\leq\arg{z}\leq\pi}}f(z,n)\,dz\\
 &= \frac{(-1)^{n}\pi}{\sqrt{a^{2}-b^{2}}}\Big(\frac{a-\sqrt{a^{2}-b^{2}}}{b}\Big)^{n}\\
 &= \frac{\pi}{\sqrt{a^{2}-b^{2}}}\Big(\frac{\sqrt{a^{2}-b^{2}}-a}{b}\Big)^{n}
\end{align*}

[理科年表] の公式において、非負整数であるべき $\alpha$ の偶奇に応じた符号の反転は $\cos(\alpha\pi)$ に起因したものであることか分かる。

[ $I_{1/2}$ ]

では $\alpha$ が非整数、例えば $\alpha=\inverse{2}$ の時はどうなるかというと、

\begin{align*}
 \int_{\substack{|z|=1\\-\pi\leq\arg{z}\leq\pi}}f(z,1/2)\,dz &= \frac{1}{\sqrt{a^{2}-b^{2}}}\Big(\mathrm{vp\!}\int_{0}^{1}\frac{\sqrt{\rho}}{\rho+r}d\rho - \int_{0}^{1}\frac{\sqrt{\rho}}{\rho+s}d\rho\Big)
\end{align*}

$\rho = t^{2}\quad (t\geq{0})$ と変数変換すると (この変数変換で、主値は変化しない)、

\begin{align*}
 &\mathrm{vp\!}\int_{0}^{1}\!\frac{\sqrt{\rho}}{{\rho}+r}\,d\rho - \int_{0}^{1}\!\frac{\sqrt{\rho}}{{\rho}+s}\,d\rho = \mathrm{vp\!}\int_{0}^{1}\!\frac{t}{t^{2}+r}(2t\,dt) - \int_{0}^{1}\!\frac{t}{t^{2}+s}(2t\,dt)\\
&\quad= 2\Big(\mathrm{vp\!}\int_{0}^{1}\!\frac{t^{2}}{t^{2}+r}\,dt - \int_{0}^{1}\!\frac{t^{2}}{t^{2}+s}\,dt\Big)\\
&\quad= -2\Big(\mathrm{vp\!}\int_{0}^{1}\!\frac{r}{t^{2}+r}\,dt - \int_{0}^{1}\!\frac{s}{t^{2}+s}x\,dt\Big)\\
&\quad= -2\Big(\mathrm{vp\!}\int_{0}^{1}\!\frac{r}{t^{2}-(\sqrt{-r})^{2}}\,dt - \int_{0}^{1}\!\frac{s}{t^{2}-(\sqrt{-s})^{2}}\,dt\Big)\\
&\quad= 2(-r)\mathrm{vp\!}\int_{0}^{1}\!\frac{dt}{t^{2}-(\sqrt{-r})^{2}} - 2(-s)\int_{0}^{1}\!\frac{dt}{t^{2}-(\sqrt{-s})^{2}}\\
\end{align*}

ここで

\begin{align*}
 &\mathrm{vp\!}\int_{0}^{1}\!\frac{dt}{t^{2}-(\sqrt{-r})^{2}} = \frac{1}{2\sqrt{-r}}\Big\{\mathrm{vp\!}\int_{0}^{1}\!\Big(\frac{1}{t-\sqrt{-r}}-\frac{1}{t+\sqrt{-r}}\Big)\,dt\Big\}\\
 &\quad  = \frac{1}{2\sqrt{-r}}\Big(\mathrm{vp\!}\int_{0}^{1}\!\frac{dt}{t-\sqrt{-r}}-\int_{0}^{1}\!\frac{dt}{t+\sqrt{-r}}\Big)\\
 &\quad = \frac{1}{2\sqrt{-r}}\Big(\Big[\log(t-\sqrt{-r})\Big]_{2\sqrt{-r}}^{1} - \Big[\log(t+\sqrt{-r})\Big]_{0}^{1}\Big)\\
 &\quad = \frac{1}{2\sqrt{-r}}\log\frac{1-\sqrt{-r}}{1+\sqrt{-r}}\\
\end{align*}

\begin{align*}
 &\int_{0}^{1}\!\frac{dt}{t^{2}-(\sqrt{-s})^{2}} = -\frac{1}{2\sqrt{-s}}\int_{0}^{1}\!\Big(\frac{1}{\sqrt{-s}+t}+\frac{1}{\sqrt{-s}-t}\Big)\,dt\\
 &\quad = -\frac{1}{2\sqrt{-s}}\Big[\log\frac{\sqrt{-s}+t}{\sqrt{-s}-t}\Big]_{0}^{1}\\
 &\quad = -\frac{1}{2\sqrt{-s}}\log\frac{\sqrt{-s}+1}{\sqrt{-s}-1}
\end{align*}

まとめると

\begin{align*}
 &\mathrm{vp\!}\int_{0}^{1}\!\frac{\sqrt{\rho}}{{\rho}+r}\,d\rho - \int_{0}^{1}\!\frac{\sqrt{\rho}}{{\rho}+s}\,d\rho\\
&\quad = \sqrt{-r}\log\frac{1-\sqrt{-r}}{1+\sqrt{-r}} + \sqrt{-s}\log\frac{\sqrt{-s}+1}{\sqrt{-s}-1}\\
&\quad = \frac{\sqrt{a+b}-\sqrt{a-b}}{\sqrt{2b}}\log\frac{1-\sqrt{-r}}{1+\sqrt{-r}}\\
&\qquad\qquad + \frac{\sqrt{a+b}+\sqrt{a-b}}{\sqrt{2b}}\log\frac{\sqrt{-s}+1}{\sqrt{-s}-1}\\
&\quad = \inverse{\sqrt{2b}}\Bigg(\sqrt{a+b}\log\frac{(1-\sqrt{-r})(\sqrt{-s}+1)}{(1+\sqrt{-r})(\sqrt{-s}-1)}\\
&\qquad\qquad -\sqrt{a-b}\log\frac{(1-\sqrt{-r})(\sqrt{-s}-1)}{(1+\sqrt{-r})(\sqrt{-s}+1)}\Bigg)
\end{align*}

しかるに

\begin{align*}
 &\frac{(1-\sqrt{-r})(\sqrt{-s}+1)}{(1+\sqrt{-r})(\sqrt{-s}-1)} = \frac{1+(\sqrt{-s}-\sqrt{-r})-\sqrt{rs}}{-1+(\sqrt{-s}-\sqrt{-r})+\sqrt{rs}} = 1
\\
\\
 &\frac{(1-\sqrt{-r})(\sqrt{-s}-1)}{(1+\sqrt{-r})(\sqrt{-s}+1)} = \frac{-1+(\sqrt{-r}+\sqrt{-s})-\sqrt{rs}}{1+(\sqrt{-r}+\sqrt{-s})+\sqrt{rs}}\\
 & \quad = \frac{-2+\sqrt{\frac{2(a+b)}{b}}}{2+\sqrt{\frac{2(a+b)}{b}}} = \frac{\sqrt{a+b} - \sqrt{2b}}{\sqrt{a+b} + \sqrt{2b}}
\end{align*}
だから
\begin{align*}
 &\mathrm{vp\!}\int_{0}^{1}\!\frac{\sqrt{\rho}}{{\rho}+r}\,d\rho - \int_{0}^{1}\!\frac{\sqrt{\rho}}{{\rho}+s}\,d\rho\\
 & \quad = \sqrt{\frac{a-b}{2b}}\log\frac{\sqrt{a+b} + \sqrt{2b}}{\sqrt{a+b} - \sqrt{2b}}\\
\end{align*}

最終的には

\begin{align*}
 \int_{\substack{|z|=1\\-\pi\leq\arg{z}\leq\pi}}f(z,1/2)\,dz &= \frac{1}{\sqrt{a^{2}-b^{2}}}\Big(\mathrm{vp\!}\int_{0}^{1}\frac{\sqrt{\rho}}{\rho+r}d\rho - \int_{0}^{1}\frac{\sqrt{\rho}}{\rho+s}d\rho\Big)\\
 & \quad = \frac{1}{\sqrt{2b(a+b)}}\log\frac{\sqrt{a+b} + \sqrt{2b}}{\sqrt{a+b} - \sqrt{2b}}\\
\end{align*}

検算をしてみよう。実は $\alpha=1/2$ の時、問題の積分は、三角函数の有理関数を有理化する周知の解法により、バカバカしいほど簡単に計算できる

\[
 I_{1/2} = \int_{0}^{\pi}\!\frac{\cos{(\frac{x}{2}})}{a+b\cos(x)}\,dx = \int_{0}^{\pi}\!\frac{\cos{(\frac{x}{2}})}{a+b\big(1-2\sin^{2}(\frac{x}{2})\big)}\,dx
\]
だから $t=\sin(x/2)$ と変数変換すると
\begin{align*}
 I_{1/2} &= 2\int_{0}^{1}\!\frac{dt}{a+b(1-2t^{2})}\\
 &\quad=\inverse{b}\int_{0}^{1}\!\frac{dt}{\frac{a+b}{2b}-t^{2}}\\
 &\quad=\inverse{b}\cdot\inverse{2\sqrt{\frac{a+b}{2b}}}\Bigg[\log\frac{\sqrt{\frac{a+b}{2b}}+t}{\sqrt{\frac{a+b}{2b}}-t}\Bigg]_{0}^{1}\\
 &\quad=\inverse{\sqrt{2b(a+b)}}\log{\frac{\sqrt{a+b}+\sqrt{2b}}{\sqrt{a+b}-\sqrt{2b}}}
\end{align*}

ここで $I_{\alpha}$ の被積分関数において、分子の $\cos$ の係数を負に変えた場合はどうなるか興味が湧いてくる。そこで

\begin{align*}
  &J_{\alpha} := \int_{0}^{\pi}\!\frac{\cos{\alpha{x}}}{a-b\cos{x}}\,dx  \qquad (a>b>0,\quad \alpha\geq{0})\\
 & \qquad = -\inverse{i}\int_{\substack{|z|=1\\-\pi\leq\arg{z}\leq\pi}}\frac{z^{\alpha}dz}{bz^{2} - 2az + b} \quad (z = e^{ix}, dx=\frac{dz}{iz})
\end{align*}
として、以下、これに就いて検討してみよう。

これを念頭に置いて

\begin{align*}
 g(z,\alpha) &:= -\inverse{i}\cdot\frac{z^{\alpha}}{bz^{2} - 2az + b}\\
 &= -\inverse{i}\cdot\frac{1}{b(p-q)}\Big(\frac{z^{\alpha}}{z-p}-\frac{z^{\alpha}}{z-q}\Big)
\end{align*}
を導入する。更に、次の4つの部分 $A_{o},B_{u}^{\prime},A_{i}.B_{l}^{\prime}$ からなる 経路 $C^{\prime}$ を、次のように定める。

1. $A_{o}$ : 外円。原点を中心とする単位円。ただし、偏角が $-\pi$ の点 ( $z=e^{-i\pi}$ ) から出発して、偏角 $\pi$ の点 ( $z=e^{i\pi}$ ) に至るもの (反時計回り)。

2. $B_{u}^{\prime}$ : 上橋。偏角 $\pi$ の半直線上、原点からの距離 $1$ の点 ( $z=e^{i\pi}$ ) から出発して、原点からの距離 $\varepsilon$ の点 ( $z=\varepsilon{e^{i\pi}}$ ) に至る線分。

3. $A_{i}$ : 内円。原点を中心とする半径 $\varepsilon$ の円。ただし、偏角が $\pi$ の点 ( $z=\varepsilon{e^{i\pi}}$) から出発して、偏角$-\pi$ の点 ( $z=\varepsilon{e^{-i\pi}}$) に至るもの (時計回り)。

4. $B_{l}^{\prime}$ : 下橋。偏角 $-\pi$ の半直線上、原点からの距離 $\varepsilon$ の点 ( $z=\varepsilon{e^{-i\pi}}$) から出発して、原点からの距離 $1$ の点 ( $z=e^{-i\pi}$ ) に至る線分。

今回は、 $C^{\prime}$ 内部に、1位の極 $z=p$ を含むから

\[
 \int_{C^{\prime}}\!g(z,\alpha)\,dz = \frac{-2\pi}{b(p-q)}p^{\alpha}
\]
であることを踏まえたうえで、 $g(z,\alpha)$ に、$f(z,\alpha)$ に行ったのと並行する議論を適用するなら
\begin{align*}
 &\int_{A_{o}}\!g(z,\alpha)\,dz = J_{\alpha}\\
%
 &\int_{B_{u}^{\prime}}\!g(z,\alpha)\,dz\\
 &\quad= -\inverse{b(p-q)i}\int_{1}^{\varepsilon}\Big(\frac{(\rho{e^{\pi{i}}})^{\alpha}}{\rho{e^{\pi{i}}}-p} - \frac{(\rho{e^{\pi{i}}})^{\alpha}}{\rho{e^{\pi{i}}}-q}\Big)e^{\pi{i}}d\rho\\
 &\quad= -\frac{e^{\alpha\pi{i}}}{b(p-q)i}\int_{1}^{\varepsilon}\Big(\frac{\rho^{\alpha}}{\rho+p} - \frac{\rho^{\alpha}}{\rho+q}\Big)d\rho\\
\\
\\
 &\int_{A_{i}}\!g(z,\alpha)\,dz = -\inverse{b}\int_{\pi}^{-\pi}\!\frac{\varepsilon^{(\alpha+1)}e^{(\alpha+1)i\theta}}{({\varepsilon}e^{i\theta}-p)({\varepsilon}e^{i\theta}-q)}\,d\theta\\
%
 &\int_{B_{l}^{\prime}}\!g(z,\alpha)\,dz\\
 &\quad= -\inverse{b(p-q)i}\int_{\varepsilon}^{1}\Big(\frac{(\rho{e^{-\pi{i}}})^{\alpha}}{\rho{e^{-\pi{i}}}-p} - \frac{(\rho{e^{-\pi{i}}})^{\alpha}}{\rho{e^{-\pi{i}}}-q}\Big)e^{-\pi{i}}d\rho\\
 &\quad= -\frac{e^{-\alpha\pi{i}}}{b(p-q)i}\int_{\varepsilon}^{1}\Big(\frac{\rho^{\alpha}}{\rho+p} - \frac{\rho^{\alpha}}{\rho+q}\Big)d\rho\\
\end{align*}

従って

\begin{align*}
 &\lim_{\varepsilon \rightarrow 0}\Big(\int_{B_{u}^{\prime}}\!g(z,\alpha)\,dz\Big) = -\frac{e^{\alpha\pi{i}}}{b(p-q)i}\Big(\int_{1}^{0}\frac{\rho^{\alpha}d\rho}{\rho+p} - \int_{1}^{0}\frac{\rho^{\alpha}d\rho}{\rho+q}\Big)\\
 &\lim_{\varepsilon \rightarrow 0}\Big(\int_{B_{l}^{\prime}}\!g(z,\alpha)\,dz\Big) = -\frac{e^{-\alpha\pi{i}}}{b(p-q)i}\Big(\int_{0}^{1}\frac{\rho^{\alpha}d\rho}{\rho+p} - \int_{0}^{1}\frac{\rho^{\alpha}d\rho}{\rho+q}\Big)\\
 &\lim_{\varepsilon\rightarrow 0}\Big|\int_{A_{i}}\!f(z,\alpha)\,dz\Big|= 0
\
\end{align*} /></div>

だから

<div style=\begin{align*}
 J_{\alpha} &= \int_{C^{\prime}}\!g(z,\alpha)\,dz - \frac{e^{\alpha\pi{i}}-e^{-\alpha\pi{i}}}{b(p-q)i}\Big(\int_{0}^{1}\frac{\rho^{\alpha}d\rho}{\rho+p} - \int_{0}^{1}\frac{\rho^{\alpha}d\rho}{\rho+q}\Big)\\
 &= \frac{-2\pi}{b(p-q)}p^{\alpha} - \frac{2\sin(\alpha\pi)}{b(p-q)}\Big(\int_{0}^{1}\frac{\rho^{\alpha}d\rho}{\rho+p} - \int_{0}^{1}\frac{\rho^{\alpha}d\rho}{\rho+q}\Big)\\
 &= \frac{\pi}{\sqrt{a^{2}-b^{2}}}\Big(\frac{a-\sqrt{a^{2}-b^{2}}}{b}\Big)^{\alpha} + \frac{\sin(\alpha\pi)}{\sqrt{a^{2}-b^{2}}}\int_{0}^{1}\Big(\frac{\rho^{\alpha}d\rho}{\rho+p} - \int_{0}^{1}\frac{\rho^{\alpha}d\rho}{\rho+q}\Big)
\end{align*}

[ $J_{n}$ ]

特に、$\alpha$ が正整数 $\alpha=n$ であるなら

\begin{align*}
 J_{n} &= \frac{\pi}{\sqrt{a^{2}-b^{2}}}\Big(\frac{a-\sqrt{a^{2}-b^{2}}}{b}\Big)^{n}
\end{align*}

$I_{n}$ と異なり、$n$ の偶奇による符号の反転はないことに注意。

[ $J_{1/2}$ ]

この場合も $\alpha=\inverse{2}$ の時はどうなるか調べてみよう。

\begin{align*}
 J_{1/2} = 
\frac{\pi}{\sqrt{a^{2}-b^{2}}}\Big(\frac{a-\sqrt{a^{2}-b^{2}}}{b}\Big)^{1/2} + \frac{1}{\sqrt{a^{2}-b^{2}}}\Big(\int_{0}^{1}\frac{\rho^{1/2}d\rho}{\rho+p} - \int_{0}^{1}\frac{\rho^{1/2}d\rho}{\rho+q}\Big)
\end{align*}

だが、左辺第1項は

\begin{align*}
 &\frac{\pi}{\sqrt{a^{2}-b^{2}}}\Big(\frac{a-\sqrt{a^{2}-b^{2}}}{b}\Big)^{1/2} = \frac{\pi}{\sqrt{a^{2}-b^{2}}}\cdot\frac{\sqrt{a+b}-\sqrt{a-b}}{\sqrt{2b}}\\
 &\qquad = \frac{\pi}{\sqrt{2b}}\Big(\frac{1}{\sqrt{a-b}}-\frac{1}{\sqrt{a+b}}\Big)
\end{align*}
であり、第2項のカッコ内は
\begin{align*}
 &\int_{0}^{1}\frac{\rho^{1/2}d\rho}{\rho+p} - \int_{0}^{1}\frac{\rho^{1/2}d\rho}{\rho+q} = 2\int_{0}^{1}\frac{t^{2}dt}{t^{2}+p} - 2\int_{0}^{1}\frac{t^{2}dt}{t^{2}+q}\\
 & \qquad = -2p\int_{0}^{1}\frac{dt}{t^{2}+p} + 2q\int_{0}^{1}\frac{dt}{t^{2}+q}\\
 & \qquad = -2\sqrt{p}\arctan(1/\sqrt{p}) + 2\sqrt{q}\arctan(1/\sqrt{q})\\
 & \qquad = -\sqrt{\frac{2}{b}}(\sqrt{a+b}-\sqrt{a-b})\arctan(\sqrt{q})\\
 & \qquad\qquad + \sqrt{\frac{2}{b}}(\sqrt{a+b}+\sqrt{a-b})\arctan(\sqrt{p})\\
 & \qquad = \sqrt{\frac{2}{b}}\sqrt{a+b}\big(\arctan(\sqrt{p})-\arctan(\sqrt{q})\big)\\
 & \qquad\qquad + \sqrt{\frac{2}{b}}\sqrt{a-b}\big(\arctan(\sqrt{p})+\arctan(\sqrt{q})\big)\\
 & \qquad = \sqrt{\frac{2(a+b)}{b}}\left(\arctan\left(\frac{\sqrt{p}-\sqrt{q}}{1+\sqrt{p}\sqrt{q}}\right)\right)\\
 & \qquad\qquad + \sqrt{\frac{2(a-b)}{b}}\Big(\frac{\pi}{2}\Big)\\
 & \qquad = \pi\sqrt{\frac{a-b}{2b}} - \sqrt{\frac{2(a+b)}{b}}\left(\arctan\sqrt{\frac{a-b}{2b}}\right)\\
\end{align*}

従って、

\begin{align*}
 J_{1/2} &= 
\frac{\pi}{\sqrt{2b}}\Big(\frac{1}{\sqrt{a-b}}-\frac{1}{\sqrt{a+b}}\Big)\\
 &+ \frac{1}{\sqrt{a^{2}-b^{2}}}\left(\pi\sqrt{\frac{a-b}{2b}} - \sqrt{\frac{2(a+b)}{b}}\left(\arctan\sqrt{\frac{a-b}{2b}}\right)\right)\\
 &= \sqrt{\frac{2}{b(a-b)}}\left(\frac{\pi}{2}-\arctan\sqrt{\frac{a-b}{2b}}\right)\\
 &= \sqrt{\frac{2}{b(a-b)}}\arctan\left(\sqrt{\frac{2b}{a-b}}\right)
\end{align*}

なお、上記の式の変形では、公式

\begin{align*}
 &\arctan x + \arctan \frac{1}{x} = \frac{\pi}{2} \quad (x\geq{0})\\
 &\arctan x \pm \arctan y = \arctan \frac{x\pm{y}}{1\mp{xy}}% \quad (|\arctan x + \arctan y|\leq{\frac{\pi}{2}})
\end{align*}
を用いている。

こちらの方も、「検算」しておく。 $I_{1/2}$ におけるのと同じく、変数変換 $t=\sin(x/2)$ を行えば、やはり簡単に結果を求めることができる。

\begin{align*}
 J_{1/2} &= \int_{0}^{\pi}\frac{\cos(\frac{x}{2})}{a-b\cos(x)}\,dx = \int_{0}^{\pi}\frac{\cos(\frac{x}{2})}{a-b\big(1-2\sin^{2}(\frac{x}{2})\big)}\,dx\\
 &= 2\int_{0}^{1}\frac{dt}{a-b+2bt^{2}}\\
 &= \frac{1}{b}\int_{0}^{1}\frac{dt}{\frac{a-b}{2b}+t^{2}}\\
 &= \frac{1}{b}\cdot\frac{1}{\sqrt{\frac{a-b}{2b}}}\arctan\left(\frac{1}{\sqrt{\frac{a-b}{2b}}}\right)\\
 &= \sqrt{\frac{2}{b(a-b)}}\arctan\left(\sqrt{\frac{2b}{a-b}}\right)
\end{align*}

こうして、両方の計算値が一致していることが確かめられた。

[ $J_{\alpha}$ の表式への補足]

$J_{\alpha}$ に就いて $\alpha$ が、一般の正値実数 ( $\alpha>0$ ) の時の議論を、もう少し進めておこう (話を単純にするために $\alpha$$0$ にはならないとしておく)。

まず $0<p<1<q$ を念頭に置いて、変数変換 $\rho=pe^{-t}$ 及び $\rho=qe^{-t}$ により

\begin{align*}
 &\int_{0}^{1}\frac{\rho^{\alpha}d\rho}{\rho+p} - \int_{0}^{1}\frac{\rho^{\alpha}d\rho}{\rho+q}\\
 &= \int_{\infty}^{\log{p}}\frac{p^{\alpha}e^{-\alpha{t}}}{pe^{-t}+p}(-pe^{-t}dt) - \int_{\infty}^{\log{q}}\frac{q^{\alpha}e^{-\alpha{t}}}{qe^{-t}+q}(-qe^{-t}dt)\\
 &= p^{\alpha}\int_{\log{p}}^{\infty}\frac{e^{-(\alpha+1){t}}}{1+e^{-t}}dt - q^{\alpha}\int_{\log{q}}^{\infty}\frac{e^{-(\alpha+1){t}}}{1+e^{-t}}dt\\
 &= p^{\alpha}\int_{\log{p}}^{0}\frac{e^{-(\alpha+1){t}}}{1+e^{-t}}dt + p^{\alpha}\int_{0}^{\infty}\frac{e^{-(\alpha+1){t}}}{1+e^{-t}}dt - q^{\alpha}\int_{\log{q}}^{\infty}\frac{e^{-(\alpha+1){t}}}{1+e^{-t}}dt\\
 &= p^{\alpha}\int_{0}^{-\log{p}}\frac{e^{(\alpha+1)t}}{1+e^{t}}dt + p^{\alpha}\int_{0}^{\infty}\frac{e^{-(\alpha+1){t}}}{1+e^{-t}}dt - q^{\alpha}\int_{\log{q}}^{\infty}\frac{e^{-(\alpha+1){t}}}{1+e^{-t}}dt\\
 &= q^{-\alpha}\int_{0}^{\log{q}}\frac{e^{\alpha{t}}}{1+e^{-t}}dt + p^{\alpha}\int_{0}^{\infty}\frac{e^{-(\alpha+1){t}}}{1+e^{-t}}dt - q^{\alpha}\int_{\log{q}}^{\infty}\frac{e^{-(\alpha+1){t}}}{1+e^{-t}}dt\\
%
 &= q^{-\alpha}\int_{0}^{\log{q}}e^{\alpha{t}}\left(\sum_{n=0}^{\infty}(-1)^{n}e^{-nt}\right)dt\\
 &\qquad + p^{\alpha}\int_{0}^{\infty}e^{-(\alpha+1){t}}\left(\sum_{n=0}^{\infty}(-1)^{n}e^{-nt}\right)dt\\
 &\qquad - q^{\alpha}\int_{\log{q}}^{\infty}e^{-(\alpha+1){t}}\left(\sum_{n=0}^{\infty}(-1)^{n}e^{-nt}\right)dt\\
%
 &= q^{-\alpha}\sum_{n=0}^{\infty}(-1)^{n}\int_{0}^{\log{q}}e^{(\alpha-n)t}dt\\
 &\qquad + p^{\alpha}\sum_{n=0}^{\infty}(-1)^{n}\int_{0}^{\infty}e^{-(n+\alpha+1){t}}dt\\
 &\qquad - q^{\alpha}\sum_{n=0}^{\infty}(-1)^{n}\int_{\log{q}}^{\infty}e^{-(n+\alpha+1){t}}dt\\
%
 &= q^{-\alpha}\sum_{n=0}^{\infty}(-1)^{n}\left(\frac{q^{\alpha-n}-1}{\alpha-n}\right)
 - p^{\alpha}\sum_{n=0}^{\infty}(-1)^{n}\left(\frac{-1}{n+\alpha+1}\right)\\
 &\qquad + q^{\alpha}\sum_{n=0}^{\infty}(-1)^{n}\left(\frac{-q^{-(n+\alpha+1)}}{n+\alpha+1}\right)\\
 &= \sum_{n=0}^{\infty}(-1)^{n}\left(\frac{q^{-n}-q^{-\alpha}}{\alpha-n}\right)
 + p^{\alpha}\sum_{n=0}^{\infty}\frac{(-1)^{n}}{n+\alpha+1} + \sum_{n=0}^{\infty}\frac{(-q)^{-(n+1)}}{n+\alpha+1}
\end{align*}

ところが

\begin{align*}
 &\sum_{n=0}^{\infty}\frac{(-1)^{n}}{n+\alpha+1} = -\sum_{n=0}^{\infty}\frac{(-1)^{n+1}}{n+\alpha+1}\\
 &= -\sum_{n=0}^{\infty}\frac{(-1)^{n}}{n+\alpha} + \frac{1}{\alpha}\\
 &;\\
 &\sum_{n=0}^{\infty}\frac{(-q)^{-(n+1)}}{n+\alpha+1} = \sum_{n=0}^{\infty}\frac{(-q)^{-n}}{n+\alpha} - \frac{1}{\alpha}\\
\end{align*}

だから、結局

\begin{align*}
 &\int_{0}^{1}\frac{\rho^{\alpha}d\rho}{\rho+p} - \int_{0}^{1}\frac{\rho^{\alpha}d\rho}{\rho+q}\\
 &= \sum_{n=0}^{\infty}\frac{(-q)^{-n}}{\alpha-n} - q^{-\alpha}\sum_{n=0}^{\infty}\frac{(-1)^{n}}{\alpha-n}\\
 &\qquad + p^{\alpha}\sum_{n=0}^{\infty}\frac{(-1)^{n}}{n+\alpha+1} + \sum_{n=0}^{\infty}\frac{(-q)^{-(n+1)}}{n+\alpha+1}\\
 &= -q^{-\alpha}\sum_{n=0}^{\infty}\frac{(-1)^{n}}{\alpha-n}
 + p^{\alpha}\left(-\sum_{n=0}^{\infty}\frac{(-1)^{n}}{n+\alpha} + \frac{1}{\alpha}\right)\\
 &\qquad  + \sum_{n=0}^{\infty}\frac{(-q)^{-n}}{\alpha-n} 
+ \left(\sum_{n=0}^{\infty}\frac{(-q)^{-n}}{n+\alpha} - \frac{1}{\alpha}\right)\\
 &= -q^{-\alpha}\sum_{n=0}^{\infty}\frac{(-1)^{n}}{\alpha-n}
 - p^{\alpha}\sum_{n=0}^{\infty}\frac{(-1)^{n}}{n+\alpha}\\
 &\qquad  + \sum_{n=0}^{\infty}\frac{(-q)^{-n}}{\alpha-n} + \sum_{n=0}^{\infty}\frac{(-q)^{-n}}{n+\alpha}  + \frac{p^{\alpha}-1}{\alpha}\\
 &= -p^{\alpha}\sum_{n=0}^{\infty}\frac{(-1)^{n}}{\alpha-n}
 - p^{\alpha}\sum_{n=0}^{\infty}\frac{(-1)^{n}}{n+\alpha}\\
 &\qquad  + \sum_{n=0}^{\infty}\frac{(-p)^{n}}{\alpha-n} + \sum_{n=0}^{\infty}\frac{(-p)^{n}}{n+\alpha}  + \frac{p^{\alpha}-1}{\alpha}
\end{align*}
が得られる。

そして、これら4つの級数は全て、定数係数を除けば、(Gauss の) 超幾何級数になっている

\begin{align*}
 &p^{\alpha}\sum_{n=0}^{\infty}\frac{(-1)^{n}}{n-\alpha} = -\frac{p^{\alpha}}{\alpha}F(1,-\alpha,-\alpha+1,-1)\\
 &-p^{\alpha}\sum_{n=0}^{\infty}\frac{(-1)^{n}}{n+\alpha} = -\frac{p^{\alpha}}{\alpha}F(1,\alpha,\alpha+1,-1) = -p^{\alpha}\int_{0}^{1}\frac{t^{\alpha-1}dt}{1+t}\\
 &-\sum_{n=0}^{\infty}\frac{(-p)^{n}}{n-\alpha} = \frac{1}{\alpha}F(1,-\alpha,-\alpha+1,-p)\\
 &\sum_{n=0}^{\infty}\frac{(-p)^{n}}{n+\alpha} = \frac{1}{\alpha}F(1,\alpha,\alpha+1,-p) = \int_{0}^{1}\frac{t^{\alpha-1}dt}{1+pt}
\end{align*}

従って

\begin{align*}
 &\int_{0}^{1}\frac{\rho^{\alpha}d\rho}{\rho+p} - \int_{0}^{1}\frac{\rho^{\alpha}d\rho}{\rho+q}\\
 &\qquad = -\frac{p^{\alpha}}{\alpha}\Big(F(1,-\alpha,-\alpha+1,-1) + F(1,\alpha,\alpha+1,-1) - 1\Big)\\
 &\qquad\quad + \frac{1}{\alpha}\Big(F(1,-\alpha,-\alpha+1,-p) + F(1,\alpha,\alpha+1,-p) - 1\Big)
\end{align*}

次の変形も可能である。

\begin{align*}
 &\int_{0}^{1}\frac{\rho^{\alpha}d\rho}{\rho+p} - \int_{0}^{1}\frac{\rho^{\alpha}d\rho}{\rho+q}\\
 &= -\sum_{n=0}^{\infty}\frac{(-1)^{n}(p^{n}-p^{\alpha})}{n-\alpha}
 + \sum_{n=0}^{\infty}\frac{(-1)^{n}(p^{n}-p^{\alpha})}{n+\alpha} + \frac{p^{\alpha}-1}{\alpha}\\
 &= 2\alpha\sum_{n=0}^{\infty}\frac{(-1)^{n}(p^{\alpha}-p^{n})}{n^{2}-\alpha^{2}} + \frac{p^{\alpha}-1}{\alpha}
\end{align*}

[beta 函数]

なお、上記の式の変形中に現れる積分

\[
 \int_{0}^{1}\frac{t^{\alpha-1}dt}{1+t}
\]
は、所謂 beta 函数 (Beta 函数ではない) である。beta 函数 $\beta(z)$ は、ディ・ガンマ関数
\[
 \psi(z) := \frac{d}{dz}{\log\Gamma(z)} = \frac{\Gamma^{\prime}(z)}{\Gamma(Z)}
\]
を用いて
\[
 \beta(z) := \frac{1}{2}\left(\psi\Big(\frac{z+1}{2}\Big) - \psi\Big(\frac{z}{2}\Big)\right) = \psi(z) - \psi\Big(\frac{z}{2}\Big) - \log{2}
\]
で表されるが
\[
 \int_{0}^{1}\frac{t^{\alpha-1}dt}{1+t} = \beta(\alpha)
\]
が成り立っている。

[ $I_{\alpha}$ の表式への補足]

$I_{\alpha}$ の表式に現れる

\[
 \mathrm{vp\!}\int_{0}^{1}\frac{\rho^{\alpha}d\rho}{\rho+r} - \int_{0}^{1}\frac{\rho^{\alpha}d\rho}{\rho+s}
\]
に就いても、同様の処理をすると $s<-1<r<0$ に注意して
\begin{align*}
 &\mathrm{vp\!}\int_{0}^{1}\frac{\rho^{\alpha}d\rho}{\rho+r} - \int_{0}^{1}\frac{\rho^{\alpha}d\rho}{\rho+s}\\
 &\quad = \mathrm{vp\!}\int_{\infty}^{\log(-r)}\frac{(-re^{-t})^{\alpha}(re^{-t})dt}{-re^{-t}+r}\\
 & \qquad\qquad - \int_{\infty}^{\log(-s)}\frac{(-se^{-t})^{\alpha}(se^{-t})dt}{-se^{-t}+s}\\
 &\quad = (-r)^{\alpha}\mathrm{vp\!}\int_{\infty}^{\log(-r)}\frac{e^{-\alpha{t}}dt}{-1+e^{t}} - (-s)^{\alpha}\int_{\infty}^{\log(-s)}\frac{e^{-\alpha{t}}dt}{-1+e^{t}}\\
 &\quad = -(-r)^{\alpha}\mathrm{vp\!}\int_{\log(-r)}^{\infty}\frac{e^{-(\alpha+1){t}}dt}{1-e^{-t}} + (-s)^{\alpha}\int_{\log(-s)}^{\infty}\frac{e^{-(\alpha+1){t}}dt}{1-e^{-t}}\\
 &\quad = -(-r)^{\alpha}\mathrm{vp\!}\int_{\log(-r)}^{-\log(-r)}\frac{e^{-(\alpha+1){t}}dt}{1-e^{-t}} - (-r)^{\alpha}\int_{-\log(-r)}^{\infty}\frac{e^{-(\alpha+1){t}}dt}{1-e^{-t}}\\
 &\qquad\qquad + (-s)^{\alpha}\int_{\log(-s)}^{\infty}\frac{e^{-(\alpha+1){t}}dt}{1-e^{-t}}\\
 &\quad = -(-r)^{\alpha}\lim_{u\rightarrow 1+0}\left\{\int_{\log(-r)}^{-\log{u}}\frac{e^{-(\alpha+1){t}}dt}{1-e^{-t}}
+ \int_{\log{u}}^{-\log(-r)}\frac{e^{-(\alpha+1){t}}dt}{1-e^{-t}}\right\}\\
 &\qquad\qquad  - (-r)^{\alpha}\int_{-\log(-r)}^{\infty}\frac{e^{-(\alpha+1){t}}dt}{1-e^{-t}} + (-s)^{\alpha}\int_{\log(-s)}^{\infty}\frac{e^{-(\alpha+1){t}}dt}{1-e^{-t}}\\
\end{align*}

しかるに、上記最終辺の中カッコ内の式は

\begin{align*}
 &\int_{\log(-r)}^{-\log{u}}\frac{e^{-(\alpha+1){t}}dt}{1-e^{-t}}+ \int_{\log{u}}^{-\log(-r)}\frac{e^{-(\alpha+1){t}}dt}{1-e^{-t}}\\
 &\qquad = -\int_{-\log(-r)}^{\log{u}}\frac{e^{(\alpha+1){t}}dt}{1-e^{t}}+ \int_{\log{u}}^{-\log(-r)}\frac{e^{-(\alpha+1){t}}dt}{1-e^{-t}}\\
 &\qquad = -\int_{-\log(-r)}^{\log{u}}\frac{e^{(\alpha+(1/2)){t}}dt}{e^{(-t/2)}-e^{(t/2)}}+ \int_{\log{u}}^{-\log(-r)}\frac{e^{-(\alpha+(1/2)){t}}dt}{e^{(t/2)}-e^{-(t/2)}}\\
 &\qquad= -\int_{\log{u}}^{-\log(-r)}\frac{e^{(\alpha+(1/2)){t}}dt}{e^{(t/2)}-e^{-(t/2)}}+ \int_{\log{u}}^{-\log(-r)}\frac{e^{-(\alpha+(1/2)){t}}dt}{e^{(t/2)}-e^{-(t/2)}}\\
 &\qquad = -\int_{\log{u}}^{-\log(-r)}\frac{\sinh\big(\alpha+(1/2){t}\big)}{\sinh(t/2)}dt
\end{align*}

第2項と第3項は

\begin{align*}
 &-(-r)^{\alpha}\int_{-\log(-r)}^{\infty}\frac{e^{-(\alpha+1){t}}dt}{1-e^{-t}} + (-s)^{\alpha}\int_{\log(-s)}^{\infty}\frac{e^{-(\alpha+1){t}}dt}{1-e^{-t}}\\
 &\qquad =-(-r)^{\alpha}\int_{-\log(-r)}^{\infty}\frac{e^{-(\alpha+1){t}}dt}{1-e^{-t}} + (-s)^{\alpha}\int_{-\log(-r)}^{\infty}\frac{e^{-(\alpha+1){t}}dt}{1-e^{-t}}\\
 &\qquad =-\big((-r)^{\alpha} - (-s)^{\alpha}\big)\int_{-\log(-r)}^{\infty}\frac{e^{-(\alpha+1){t}}dt}{1-e^{-t}}
\end{align*}
だから
\begin{align*}
 &\mathrm{vp\!}\int_{0}^{1}\frac{\rho^{\alpha}d\rho}{\rho+r} - \int_{0}^{1}\frac{\rho^{\alpha}d\rho}{\rho+s}\\
 &\quad = (-r)^{\alpha}\lim_{u\rightarrow 1+0}\int_{\log{u}}^{-\log(-r)}\frac{\sinh\big(\alpha+(1/2)\big){t})}{\sinh(t/2)}dt\\
 &\qquad\qquad - \big((-r)^{\alpha}-(-s)^{\alpha}\big)\int_{-\log{(-r)}}^{\infty}\frac{e^{-(\alpha+1){t}}dt}{1-e^{-t}}\\
 & = (-r)^{\alpha}\int_{0}^{-\log(-r)}\frac{\sinh\big(\alpha+(1/2)\big){t})}{\sinh(t/2)}dt\\
 &\qquad\qquad - \big((-r)^{\alpha}-(-r)^{-\alpha}\big)\int_{-\log{(-r)}}^{\infty}\frac{e^{-(\alpha+1){t}}dt}{1-e^{-t}}\\
\end{align*}

ところで

\begin{align*}
 &(-r)^{\alpha}\int_{0}^{-\log(-r)}\frac{\sinh(\big(\alpha+(1/2)\big){t})}{\sinh(t/2)}dt\\
 &= (-r)^{\alpha}\int_{0}^{-\log(-r)}\Big(\frac{\sinh(\alpha{t})\cosh(t/2)}{\sinh(t/2)} + \cosh(\alpha{t})\Big)dt\\
 &= (-r)^{\alpha}\int_{0}^{-\log(-r)}\frac{\sinh(\alpha{t})\cosh(t/2)}{\sinh(t/2)}dt\ + \frac{(-r)^{\alpha}}{2\alpha}\big((-r)^{-\alpha}-(-r)^{\alpha}\big)
\end{align*}

そして

\begin{align*}
 &\int_{-\log{(-r)}}^{\infty}\frac{e^{-(\alpha+1){t}}dt}{1-e^{-t}} = \sum_{n=0}^{\infty}\int_{-\log{(-r)}}^{\infty}e^{-(\alpha+n+1)t}dt\\
 &\qquad = \sum_{n=0}^{\infty}\Big[-\frac{e^{-(\alpha+n+1)t}}{\alpha+n+1}\Big]_{-\log{(-r)}}^{\infty}\\
 &\qquad = \sum_{n=0}^{\infty}\frac{(-r)^{(\alpha+n+1)}}{\alpha+n+1}\\
 &\qquad = (-r)^{(\alpha+1)}\sum_{n=0}^{\infty}\frac{(-r)^{n}}{\alpha+n+1}\\
 &\qquad = (-r)^{(\alpha+1)}\int_{0}^{1}\frac{t^{\alpha}}{1+rt}dt\\
\end{align*}

結局

\begin{align*}
 &\mathrm{vp\!}\int_{0}^{1}\frac{\rho^{\alpha}d\rho}{\rho+r} - \int_{0}^{1}\frac{\rho^{\alpha}d\rho}{\rho+s}\\
 & = (-r)^{\alpha}\int_{0}^{-\log(-r)}\frac{\sinh(\alpha{t})\cosh(t/2)}{\sinh(t/2)}dt\\
 &\qquad - (-r)^{(\alpha+1)}\big((-r)^{\alpha}-(-r)^{-\alpha}\big)\int_{0}^{1}\frac{t^{\alpha}}{1+rt}dt + \frac{(-r)^{\alpha}}{2\alpha}\big((-r)^{-\alpha}-(-r)^{\alpha}\big)\\
 & = (-r)^{\alpha}\Bigg\{\int_{0}^{-\log(-r)}\frac{\sinh(\alpha{t})\cosh(t/2)}{\sinh(t/2)}dt\\
 & \qquad + \big((-r)^{\alpha}-(-r)^{-\alpha}\big)\left(\int_{0}^{1}\frac{rt^{\alpha}}{1+rt}dt - \frac{1}{2\alpha}\right)\Bigg\}
\end{align*}

これで $I_{1/2}$ を計算してみる。

\begin{align*}
 I_{1/2} &= \frac{(-r)^{1/2}}{\sqrt{a^{2}-b^{2}}}\Bigg\{\int_{0}^{-\log(-r)}\cosh(t/2)dt\\
 &\qquad + \big((-r)^{1/2}-(-r)^{-1/2}\big)\left(\int_{0}^{1}\frac{rt^{1/2}}{1+rt}dt - 1\right)\Bigg\}
\end{align*}
だが、まず
\[
 (-r)^{(1/2)}-(-r)^{-(1/2)} = \sqrt{-r}-\sqrt{-s} = -\sqrt{\frac{2(a-b)}{b}}
\]
及び
\begin{align*}
 \int_{0}^{-\log(-r)}\cosh(t/2)dt &= \Big[2\sinh(t/2)\Big]_{0}^{-\log(-r)}\\
 &= (-r)^{-(1/2)}-(-r)^{(1/2)}\\
 &= \sqrt{\frac{2(a-b)}{b}}
\end{align*}
に注意すると
\begin{align*}
 I_{1/2} &= \frac{(-r)^{1/2}}{\sqrt{a^{2}-b^{2}}}\Bigg\{\sqrt{\frac{2(a-b)}{b}} - \sqrt{\frac{2(a-b)}{b}}\left(\int_{0}^{1}\frac{rt^{1/2}}{1+rt}dt - 1\right)\Bigg\}\\
 &= \frac{(-r)^{1/2}}{\sqrt{a^{2}-b^{2}}}\sqrt{\frac{2(a-b)}{b}}\left\{-\int_{0}^{1}\frac{rt^{1/2}}{1+rt}dt + 2\right\}\\
 &= \sqrt{\frac{2(-r)}{b(a+b)}}\left\{-\int_{0}^{1}\frac{rt^{1/2}}{1+rt}dt + 2\right\}
\end{align*}

結局

\begin{align*}
I_{1/2} 
 &= -\sqrt{\frac{2(-r)}{b(a+b)}}\left(\int_{0}^{1}\frac{2ru^{2}}{1+ru^{2}}du - 2\right)\\
 &= -\sqrt{\frac{2(-r)}{b(a+b)}}\left(\int_{0}^{1}(2 - \frac{2}{1+ru^{2}})du - 2\right)\\
 &= 2\sqrt{\frac{2(-r)}{b(a+b)}}\int_{0}^{1}\frac{1}{1+ru^{2}}du\\
 &= \frac{2}{(-r)}\sqrt{\frac{2(-r)}{b(a+b)}}\int_{0}^{1}\frac{1}{(-\frac{1}{r})-u^{2}}du\\
 &= \frac{2}{(-r)}\sqrt{\frac{2(-r)}{b(a+b)}}\Bigg[\frac{1}{2\sqrt{-\frac{1}{r}}}\log\frac{\sqrt{-\frac{1}{r}}+u}{\sqrt{-\frac{1}{r}}-u}\Bigg]_{0}^{1}\\
 &= \sqrt{\frac{2}{b(a+b)}}\log\frac{\sqrt{-\frac{1}{r}}+1}{\sqrt{-\frac{1}{r}}-1}\\
\end{align*}

ところが

\[
 \log\frac{\sqrt{-\frac{1}{r}}+1}{\sqrt{-\frac{1}{r}}-1} = \log\frac{1+\sqrt{-r}}{1-\sqrt{-r}} = \frac{1}{2}\log\frac{(1+\sqrt{-r})^{2}}{(1-\sqrt{-r})^{2}}
\]
であって、更に
\[
 \frac{1+\sqrt{-r}}{1-\sqrt{-r}} = \frac{1+\sqrt{-(1/s)}}{1-\sqrt{-(1/s)}} = \frac{\sqrt{-s}+1}{\sqrt{-s}-1}
\]
だから、結局
\begin{align*}
 &\frac{(1+\sqrt{-r})^{2}}{(1-\sqrt{-r})^{2}} = \frac{(1+\sqrt{-r})(\sqrt{-s}+1)}{(1-\sqrt{-r})(\sqrt{-s}-1)}\\
 &\qquad = \frac{2+(\sqrt{-r}+\sqrt{-s})}{-2+(\sqrt{-r}+\sqrt{-s})}\\
 &\qquad = \frac{2+\sqrt{2(a+b)/b}}{-2+\sqrt{2(a+b)/b}}\\
 &\qquad = \frac{\sqrt{a+b}+\sqrt{2b}}{\sqrt{a+b}-\sqrt{2b}}
\end{align*}

つまり

\[
 \log\frac{\sqrt{-\frac{1}{r}}+1}{\sqrt{-\frac{1}{r}}-1} = \frac{1}{2}\log\frac{\sqrt{a+b}+\sqrt{2b}}{\sqrt{a+b}-\sqrt{2b}}
\]

まとめると

\begin{align*}
 I_{1/2} &= \sqrt{\frac{2}{b(a+b)}}\cdot\frac{1}{2}\log\frac{\sqrt{a+b}+\sqrt{2b}}{\sqrt{a+b}-\sqrt{2b}}\\
 &= \sqrt{\frac{1}{2b(a+b)}}\log\frac{\sqrt{a+b}+\sqrt{2b}}{\sqrt{a+b}-\sqrt{2b}}
\end{align*}

| | コメント (0) | トラックバック (0)

本ブログ記事「2018年 (平成30年) 版 [理科年表] 附録「数学公式」[附17 (1097) 頁] における誤植」(2018年8月31日[金]) 補足。[一般式] Executive Summary

$a>b>0, \alpha\geq{0}$ の時、$r,s,p,q$

\begin{align*}
 & r := \frac{-a + \sqrt{a^{2}-b^{2}}}{b}, \quad s := \frac{-a - \sqrt{a^{2}-b^{2}}}{b};\\
 & p := \frac{a - \sqrt{a^{2}-b^{2}}}{b}, \quad  q := \frac{a + \sqrt{a^{2}-b^{2}}}{b}
\end{align*}
と定めると、次の等式が成り立つ ( $s<-1<r<0<p<1<q$ に注意)。

\begin{align*}
 &\int_{0}^{\pi}\!\frac{\cos{(\alpha{x})}}{a+b\cos{x}}\,dx =\\
 &\qquad \frac{\pi{p^{\alpha}}\cos{(\alpha\pi)}}{\sqrt{a^{2}-b^{2}}} + \frac{\sin{(\alpha\pi)}}{\sqrt{a^{2}-b^{2}}}\Big(\mathrm{vp\!}\int_{0}^{1}\frac{\rho^{\alpha}d\rho}{\rho+r} - \int_{0}^{1}\frac{\rho^{\alpha}d\rho}{\rho+s}\Big)\\
\\
 &\int_{0}^{\pi}\!\frac{\cos{(\alpha{x})}}{a-b\cos{x}}\,dx =\\
 &\qquad \frac{\pi{p^{\alpha}}}{\sqrt{a^{2}-b^{2}}} + \frac{\sin{(\alpha\pi)}}{\sqrt{a^{2}-b^{2}}}\Big(\int_{0}^{1}\frac{\rho^{\alpha}d\rho}{\rho+p} - \int_{0}^{1}\frac{\rho^{\alpha}d\rho}{\rho+q}\Big)
\end{align*}

特に、$\alpha$ が、非負整数 $n$ である時は

\begin{align*}
 &\int_{0}^{\pi}\!\frac{\cos{(nx)}}{a+b\cos{x}}\,dx = \frac{\pi{r^{n}}}{\sqrt{a^{2}-b^{2}}} = \frac{\pi}{\sqrt{a^{2}-b^{2}}}\left(\frac{-a + \sqrt{a^{2}-b^{2}}}{b}\right)^{\!\!n}\\
 &\int_{0}^{\pi}\!\frac{\cos{(nx)}}{a-b\cos{x}}\,dx = \frac{\pi{p^{n}}}{\sqrt{a^{2}-b^{2}}} = \frac{\pi}{\sqrt{a^{2}-b^{2}}}\left(\frac{a - \sqrt{a^{2}-b^{2}}}{b}\right)^{\!\!n}
\end{align*}

である。

参考: 本ブログ記事「2018年 (平成30年) 版 [理科年表] 附録「数学公式」[附17 (1097) 頁] における誤植」(2018年8月31日[金])

読み物・書き物・刷り物, 備忘, 数学 | | コメント (0) | トラックバック (0)

本ブログ記事「2018年 (平成30年) 版 [理科年表] 附録「数学公式」[附17 (1097) 頁] における誤植」(2018年8月31日[金]) への注意

本ブログ記事2018年 (平成30年) 版 [理科年表] 附録「数学公式」[附17 (1097) 頁] における誤植: nouse (2018年8月31日[金]) において、$\alpha$ は非負整数でなければならないことを言及し忘れていた。

当該 [理科年表] でも、また同じ公式が示されている [岩波数学公式 I] 第247頁でも、同様の注意が必要てある。

これは留数を用いた積分計算に於いて、被積分関数が原点の周りで多価性を発現しないようにするための限定である。

また、結果として得られた公式の右辺のカッコ内は負の実数であるから、$\alpha$ が整数でないと、右辺は実数でなくなる。これは、左辺が実数であることに反することを指摘しておいても良いだろう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年 (平成30年) 版 [理科年表] 附録「数学公式」[附17 (1097) 頁] における誤植

2018年 (平成30年) 版 [理科年表] (ISBN-13: 978-4-621-30217-0) 附録「数学公式」中 [附17 (1097)] 頁、下から5つ目の等式には誤植がある。

つまり


\[
 \int_{0}^{\pi}\!\frac{\cos{ax}}{a+b\cos{x}}\,dx =\frac{\pi}{\sqrt{a^{2}-b^{2}}}\Big(\frac{\sqrt{a^{2}-b^{2}}-a}{b}\Big)^{\alpha} \qquad (a>b>0,\quad \alpha>0)
\]

の左辺の被積分函数の分子の函数 $\cos$ の変数中の係数 $a$ は誤りである。

この $a$$\alpha$ に置き換えて


\[
 \int_{0}^{\pi}\!\frac{\cos{\alpha{x}}}{a+b\cos{x}}\,dx =\frac{\pi}{\sqrt{a^{2}-b^{2}}}\Big(\frac{\sqrt{a^{2}-b^{2}}-a}{b}\Big)^{\alpha} \qquad (a>b>0,\quad \alpha>0)
\]

とすべきだろう。

元の形が誤っているのは一目瞭然である。右辺は $\alpha$ に依存して値が変化するが、その変数 $\alpha$ が左辺に現れないからだ。

勿論、これだけの根拠では、誤っているのが左辺ではなく、右辺 (又は、左右両方) である可能性を排除できないが、表式右のカッコ内に $\alpha$ の範囲に就いての限定がある以上、表式中に$\alpha$ が含まれることは所与の要件として認めざるを得ない。このことの結果として、蓋然性の低くなる場合を排除するなら、左辺のみが誤っていると、まず想定すべきだろう。

そうすると、「正解」の候補として、とりあえず考えられるのが、左辺中に2つある $a$ のどちらかを $\alpha$ で置き換えることだが (両方を置き換えると、左辺中に $a$ が存在しなくなる)、右辺の形式をみると、一番期待できるのが、分子の $a$ のみ1つを $\alpha$ で置き換えることである。

だから、当面の課題は、それが正しく右辺の形式の式を導き出すかと云うことになる。

この[訂正形] が正しいのは次のように確かめられる。まず


\[
 I := \int_{0}^{\pi}\!\frac{\cos{\alpha{x}}}{a+b\cos{x}}\,dx
\]

とすると、その被積分函数は $x$ に就いての偶関数だから、当然

\[
 2I = \int_{-\pi}^{\pi}\!\frac{\cos{\alpha{x}}}{a+b\cos{x}}\,dx
\]

となる。

ここで、更に奇関数

\[
 \frac{i\sin{\alpha{x}}}{a+b\cos{x}}
\]

を取って $-\pi$ から $\pi$ まで積分すると、積分値は勿論 $0$ になるから、次の等式が成り立つ。


\[
 2I = \int_{-\pi}^{\pi}\!\frac{\cos{\alpha{x}}+i\sin{\alpha{x}}}{a+b\cos{x}}\,dx
\]

そして、

\begin{align*}
 &\cos{\alpha{x}} +i\sin{\alpha{x}} = e^{i\alpha{x}}\\
 &a+b\cos{x} = a + \frac{b}{2}(e^{ix}+e^{-ix}) = \inverse{2e^{ix}}(be^{2ix} + 2ae^{ix} +b)
\end{align*}

だから、変数変換 $z = e^{ix}$ を行うと ( $dx={dz}/{(iz)}$ に注意)

\[
 2I = \inverse{i}\int_{|z|=1}\frac{2z^{\alpha}}{bz^{2} + 2az + b}\,dz
\]

つまり

\[
 I = \inverse{i}\int_{|z|=1}\frac{z^{\alpha}}{bz^{2} + 2az + b}\,dz
\]

である。

これから、積分値 $I$ は被積分函数

\[
 \frac{z^{\alpha}}{bz^{2} + 2az + b}
\]

の極のうち、複素平面単位円に含まれるものの留数の総和、の $2\pi$ 倍であることが分かる。

しかるに2次方程式 $bz^{2} + 2az + b = 0$ の2つの根を考えて、それを $r,s$ とすると、a>b>0$ だったから、判別式は $4a^{2}-4b^{2}>0$ となり、$r,s$ は異なる実数であることが分かる。

ここで、一般性を失うことなく $r>s$ と仮定することができるが、更に $\displaystyle rs = (b/b) =1$ だから、$r,s$ の絶対値は、一方のみが $1$ より小さく、他方は $1$ より大きい。

実際、2つの根の表式

\[
 \inverse{b}(-a \pm\sqrt{a^{2}-b^{2}})
\]

を念頭において、それぞれの値が、如何なる範囲に含まれるか調べてみると次のようになる。
\begin{align*}
 &a+b>a-b>0\\
 &a^{2}>a^{2}-b^{2}>(a-b)^{2}>0\\
 &a>\sqrt{a^{2}-b^{2}}>a-b>0>b-a>-\sqrt{a^{2}-b^{2}}\\
 &0>-a+\sqrt{a^{2}-b^{2}}>-b>-a-\sqrt{a^{2}-b^{2}}\\
 &0>r = \inverse{b}(-a + \sqrt{a^{2}-b^{2}})>-1>s = \inverse{b}(-a - \sqrt{a^{2}-b^{2}})
\end{align*}

これより複素平面単位円に含まれる極は

\[
 z = r = \inverse{b}(-a +\sqrt{a^{2}-b^{2}})
\]

のみであることが分かる。

結局、求める留数は

\begin{align*}
 \frac{r^{\alpha}}{b(r-s)} &= \frac{((\sqrt{a^{2}-b^{2}}-a)/b)^{\alpha}}{b(2\sqrt{a^{2}-b^{2}}/b)}\\
                           &= \inverse{{2\sqrt{a^{2}-b^{2}}}}\Big(\frac{\sqrt{a^{2}-b^{2}}-a}{b}\Big)^{\alpha}
\end{align*}

これの $2\pi$ 倍は

\[
 \frac{\pi}{\sqrt{a^{2}-b^{2}}}\Big(\frac{\sqrt{a^{2}-b^{2}}-a}{b}\Big)^{\alpha}
\]

で、求めるものが得られた。

2018年 (平成30年) 版 [理科年表] は、現時点 (2018年8月31日) での最新版だが、旧版では、本件がどうであったかは、未確認。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

メモ: [赤づきん] における [狩人] の役割に就いて (既投稿記事への補足)

本ブログ [メモ: 童謡 "I know an old lady who swallowed a fly" に就いて] (2018年3月31日 [土]) に於いて

さらに飛躍するなら、「あかづきん」では、オオカミは、[あかづきん] を呑み込む前に、その祖母を呑み込むことにも注意すべきだろう。オオカミは、[あかづきん] を呑み込むためには、その前に、[おばあさん] を呑み込んで、彼女と一体化する必要があったのだ。これは、[あかづきん] を呑み込むのが、[オオカミ-老婆] 複合体であることを意味する。そして、ここでも、オオカミは、たまたま通りかかった狩人 (Deus ex machina) により [あかづきん] 及び祖母の代わりに、腹の中に石を詰め込まれて、それがもとで死んでしまう。
--メモ: 童謡 "I know an old lady who swallowed a fly" に就いて
と書いたが、この [狩人] は、[切断者]・[分離者] の機能を有することを指摘しておくべきだった。

ギリシア神話を引き合いにだすなら、次のようになるだろう。

地母神複合体娘 (コレー)切断者・分離者
ウラノス+ガイア アプロディテ クロノス
クロノス+レア ? ゼウス
オオカミ+老婆 あかづきん 狩人

一応、注意しておくと、このことは [童話] としての 「赤づきん」誕生の歴史的経緯と、直線的に対応するものではない。アトラクター的な神話プロットには、物語がそれに近づいていく個別例が存在したと考える方が順当だろう。


補足の補足 (2018年8月7日[火曜])

「あかづきん」を呑み込んだのは「祖母を呑み込んだオオカミ」であるのと同時に、「オオカミの皮を被った祖母」でもある。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

警句三題

Oscar Wilde

A man who moralizes is usually a hypocrite, and
a woman who moralizes is invariably plain.
--Oscar Wilde | Quotes
--"Lady Windermere's Fan" 3rd Act

道徳を振り回す男は大体クズであり
道徳を振り回す女は絶対ブスである。
--「ウィンダミア卿夫人の扇」第3幕

この "plain" は婉曲語法 (euphemism) だろう。

「ブス」ではなく「凡庸な」と云う語感である可能性は否定できないが、この戯曲の始まりの方で、

Crying is the refuge of plain women but the ruin of pretty ones.
泣き叫ぶことは、不細工な女にとっての逃げ道になるが、美女にとっては破滅への道である。
と述べられていることを勘案すると、「美醜」の「醜」の方と考えた方が良い。

上記引用句の前後は次のようになっている (なお、主人公 ウィンダミア卿夫人は清教徒として育てられている)。

Cecil Graham. Oh! gossip is charming! History is merely gossip. But scandal is gossip made tedious by morality. Now, I never moralise. A man who moralises is usually a hypocrite, and a woman who moralises is invariably plain. There is nothing in the whole world so unbecoming to a woman as a Nonconformist conscience. And most women know it, I'm glad to say.

セシル・グラハム: あー、ゴシップには魅力があるよ。歴史なんてゴシップに過ぎないしね。スキャンダルとは、道徳のために退屈にされたゴシップのことさ。そこで、僕は、決して道徳を振り回さない。道徳を振り回す男は大体クズだし、道徳を振り回す女は絶対ブスなんだ。この世で、非国教会派風の良心ほど御婦人に似つかわしくないものはないよ。そして、婦人の大多数は、そのことに気づいていると、断言するね。

Philip Guedalla

The preface is the most important part of a book. Even reviewers read a preface.
--Philip Guedalla quote: The preface is the most important part of a book...
--"The missing muse, and other essays" p.vii

書物に於いて一番大切なのは序文である。序文なら、書評家でさえ読むのだ。

この一句は、"The missing muse, and other essays" の序文に書かれている。

Daniel M. Greenberger

Einstein said that if quantum mechanics were correct then the world would be crazy. Einstein was right - the world is crazy.
--Quotes About Quantum Mechanics (80 quotes)

アインシュタインは「量子力学が真実であるとするならば、世界は狂っていると云うことになってしまう」と言った。アインシュタインは正しかった。世界は狂っているのだ。

アインシュタインが「量子力学が真実であるとするならば、世界は狂っていると云うことになってしまう」と、言葉通りに発言したことは、私は、寡聞にして承知していない。しかし、EPR 論文を発表したアインシュタインがそう考えていたことは確かだろう。

Daniel M. Greenberger は量子力学、特に量子もつれ (Quantum entanglement) の研究者。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

メモ: 用語 "attractive nuisance" に就いて

英語 と云うべきか、「米語」と言った方が良いかもしれないが "attractive nuisance" と云う言葉がある。

この "attractive nuisance" をネット (google) で検索すると、少なくとも私の端末上では、日本語サイトとしては

attractive nuisanceの意味・使い方 - 英和辞典 Weblio辞書
が、筆頭に提示されるが、その語釈、
子供を危険または害悪に導く根拠のどれか (anything on your premises that might attract children into danger or harm)
は、文意が成立していない。「危険に導く根拠」や「害悪に導く根拠」は、恣意性なしに含意を構成できないからだ。

この日本文は、後続の英語文に対応して (つまり、意図としては、和訳して) いるのだろうが、文中の「根拠」は、premises の「訳語」として不適切なのである。ここでは "premises" は「敷地」を意味する (文脈によっては「管理地」、「所有地」、「不動産」、更には「構内」としても良い)。

"harm" を「害悪」としたのも不適切だが、これは "premises" を「根拠」にしてしまったために起こった付随的なものだろう。

実は、"attractive nuisance" に、ヨリ適切な語義を与えているサイトが存在する。例えば attractive nuisanceの意味 - goo辞書 英和和英 が、それで、そこでは次のように説明されている。

1.〔法律〕 誘引的ニューサンス:子供が入りたくなるような危険を伴う状況を所有地に作り出したり,放置した場合に,不法侵入者でも,こうむった損害に対して,土地所有者が責任を負わねばならないという不法行為法上の理論. 2. 1の理論が適用され得るような危険な状態[物体].

参考: Attractive nuisance doctrine - Wikipedia

| | コメント (0) | トラックバック (0)

xyzzy で template-insert が効かなくなった。

まぁ、タイトル通り。

最近、私が行った操作/誤操作が引き起こしたことなのか、Windows (10) のアップデートの(副)作用なのか (その組み合わせもありうる)、あるいは、別の原因があるのか、私には一切不明である。単純に、私が必要な手順を忘却している可能性もある。もう、そういう年齢なんでね。。。

しかし、「私のミスである」と云う原因推定は、気休めに過ぎないたろうことは、私自身が承知している。私の手が届かないところで、何が起きたと覚悟した方が良いようなのだ。

template-insert が発動するのは、私の場合、TeX ファイルを作成する時だけなので、 (使い分けていないので1つしかない) preamble挿入専用の関数を作れば、問題を回避することは容易な筈だ。それでも、胸に重苦しいものが蟠る。

このこと以前にも、lisp ファイルのコンパイルができなくなっていたのだが、これは、私が今 (多分 Windows 8 以降) 使っているxyzzy が unicode ベースであるのに、lisp ファイルは、亀井氏によるオリジナル xyzzy が Shift-JIS ベースであることを反映して、Shift-JIS でコードされているためだと、それなりに納得していた。つまり、そのうち改善される可能性に希望をもっていたのだ。

しかし、亀井氏が撤退した後、引き継がれた開発 (xyzzy 0.2.2.253 リリースノート) は停止してしまって、4年が経過している。結局、頓挫してしまったと理解すべきだろう。

(勿論、unicode で動く、今の xyzzy には、多大の恩恵を被っており、その点に、私は感謝している。)

そして、私はそれを深刻に気にしていなかった。自分の書き癖にあわせて以前書いた、無慮数十又は百ほどの lisp 函数で、取り敢えずの用を弁ずることができていたので、「現状維持」のままで異存はないと思っていた。

つまり、私は、「現状維持」は「放置」ではない事実を、「放置」していた。しかし、放置されたシステムは腐朽する。末端利用者にも、その事実はのしかかる。

私は、今、かって美しい花々が萬朶と咲き誇った壮木が、老いると云うほど老いることなく立ち枯れていく姿を見ているのだと思う。樹木医の登場は期待できない。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

メモ: 童謡 "I know an old lady who swallowed a fly" に就いて

英語の童謡に "I know an old lady who swallowed a fly" と云う歌い出しで始まるものがある。a real Mother Goose と呼べるほど起源が古いものではないらしい。

日本にも既に紹介されており、ネット上でも記事が散見されるが、日本語版ウィキペディアでは、現在少なくとも独立した項目が立てられていない。対して、英文版 Wikipedia では "There Was an Old Lady Who Swallowed a Fly" (Wikipedia 12 March 2018, at 20:55) が存在する。 Nursery Rhymes のご多分に漏れず、変異形が存在するが、Wikipedia に採録されているのは次のものである。

There was an old lady who swallowed a fly;
I don't know why she swallowed a fly - perhaps she'll die!

There was an old lady who swallowed a spider;
That wriggled and jiggled and tickled inside her!
She swallowed the spider to catch the fly;
I don't know why she swallowed a fly - Perhaps she'll die!

There was an old lady who swallowed a bird;
How absurd to swallow a bird!
She swallowed the bird to catch the spider;
That wriggled and jiggled and tickled inside her!
She swallowed the spider to catch the fly;
I don't know why she swallowed a fly - Perhaps she'll die!

There was an old lady who swallowed a cat;
Imagine that! She swallowed a cat!
She swallowed the cat to catch the bird,
She swallowed the bird to catch the spider;
That wriggled and jiggled and tickled inside her!
She swallowed the spider to catch the fly;
I don't know why she swallowed a fly - Perhaps she'll die!

There was an old lady that swallowed a dog;
What a hog, to swallow a dog!
She swallowed the dog to catch the cat,
She swallowed the cat to catch the bird,
She swallowed the bird to catch the spider;
That wriggled and jiggled and tickled inside her!
She swallowed the spider to catch the fly;
I don't know why she swallowed a fly - Perhaps she'll die!

There was an old lady who swallowed a goat;
She just opened her throat and swallowed a goat!
She swallowed the goat to catch the dog,
She swallowed the dog to catch the cat,
She swallowed the cat to catch the bird,
She swallowed the bird to catch the spider;
That wriggled and jiggled and tickled inside her!
She swallowed the spider to catch the fly;
I don't know why she swallowed a fly - Perhaps she'll die!

There was an old lady who swallowed a cow;
I don't know how she swallowed a cow!
She swallowed the cow to catch the goat,
She swallowed the goat to catch the dog,
She swallowed the dog to catch the cat,
She swallowed the cat to catch the bird,
She swallowed the bird to catch the spider;
That wriggled and jiggled and tickled inside her!
She swallowed the spider to catch the fly;
I don't know why she swallowed a fly - Perhaps she'll die!

There was an old lady who swallowed a horse;
...She's dead, of course!

--There Was an Old Lady Who Swallowed a Fly (Wikipedia 12 March 2018, at 20:55)

why/fly/die, spider/inside her, absurd/bird, that/cat/catch, hog/dog, throat/goat, how/cow, が韻を踏んでいる。
「翻訳」には、到底なりえないが、原文の雰囲気を伝える程度のものを示しておく。

婆さんハエを呑み込んだ。
どうしてだかは分からない。
婆さん多分死ぬんだろう。

婆さんクモを呑み込んだ。
モゾモゾウロウロココチョコチョ腹の中
ハエ獲るクモを呑み込んだ。
最初にハエを呑み込んだ。
どうしてだかは分からない。
婆さん多分死ぬんだろう。

婆さんトリを呑み込んだ。
馬鹿げたことだが呑み込んだ。
モゾモゾウロウロコチョコチョの
クモ獲るトリを呑み込んだ。
ハエ獲るクモを呑み込んだ。
最初にハエを呑み込んだ。
どうしてだかは分からない。
婆さん多分死ぬんだろう。

婆さんネコを呑み込んだ
ネコだよ。ネコを呑み込んだ。
トリ獲るネコを呑み込んだ。
モゾモゾウロウロコチョコチョの
クモ獲るトリを呑み込んだ。
ハエ獲るモを呑み込んだ。
最初にハエを呑み込んだ。
どうしてだかは分からない。
婆さん多分死ぬんだろう。

婆さんイヌを呑み込んだ。
イヌだよ。イヌを呑み込んだ。
ネコ獲るイヌを呑み込んだ。
トリ獲るネコを呑み込んだ。
モゾモゾウロウロコチョコチョの
クモ獲るトリを呑み込んだ。
ハエ獲るクモを呑み込んだ。
最初にハエを呑み込んだ。
どうしてだかは分からない。
婆さん多分死ぬんだろう。

婆さんヤギを呑み込んだ。
口をアングリ、ヤギ呑んだ。
イヌ獲るヤギを呑み込んだ。
ネコ獲るイヌを呑み込んだ。
トリ獲るネコを呑み込んだ。
モゾモゾウロウロコチョコチョの
クモ獲るトリを呑み込んだ。
ハエ獲るクモを呑み込んだ。
最初にハエを呑み込んだ。
どうしてだかは分からない。
婆さん多分死ぬんだろう。

婆さんウシを呑み込んだ。
どうやったんだか分からない。
ヤギを獲るウシを呑み込んだ。
イヌを獲るヤギを呑み込んだ。
ネコ獲るイヌを呑み込んだ。
トリ獲るネコを呑み込んだ。
モゾモゾウロウロコチョコチョの
クモ獲るトリを呑み込んだ。
ハエ獲るクモを呑み込んだ。
最初にハエを呑み込んだ。
どうしてだかは分からない。
婆さん多分死ぬんだろう。

婆さんウマを呑み込んだ。
もちろん婆さん死んじゃった。

この童謡を知ったのは、多分2年ほど前のことだ。その切っ掛けが、今となっては記憶が曖昧なのだが、思い出そうとして立ち上がってくる頭の中の情景から判断するに、英文のコラムか何かを流し読みしていた際に、「 悪手を弥縫するために、更に酷い悪手を採る」例えとして、この童謡のなかの一句が使われていて、その出典として行き当たったのだと云う気がする。

それ以来、何かの時に、この童謡に就いて、このブログに記事を書いてみようと思ったまま放置してしまっていたものを、今取り出して書き始めているのだが、時間の経過による違和感が私自身にある。まとまりが悪くなりそうだが、このまま、進めることにする。

この童謡に、近代的な意味での「作者」がいた可能性は否定できないし、更に、その上で「作意」が存在した可能性があって、それが「 悪手を弥縫するために、更に酷い悪手を採る」ことへの風刺だったこともありうるだろう。

しかし、この童謡を聞いていてワクワクする感じは、童謡の結末で死んでしまうとは言え、次から次へと大きくなっているものを片端から呑み込んでいく「婆さん」のバケモノ性である。Wikipedia でも、この点を

The humour of the song stems from the absurdity that the woman is able to inexplicably and impossibly swallow animals of preposterous sizes without dying, suggesting that she is both superhuman and immortal;
この童謡の可笑しみは、老婆が、非常識な大きさの動物を、説明不能かつ実現ができる筈がない仕方で、死にもせずに呑み込めること (これは、彼女が超人間的かつ不死なる存在であることを示唆する) に基づいている。

--There Was an Old Lady Who Swallowed a Fly (Wikipedia 12 March 2018, at 20:55)
と的確に指摘している。つまり、この「婆さん」は変装した神 (より正確には地母神) なのだ。

しかし、Wikipedea で、上記引用部分のセミコロンに続いて

however, the addition of a horse is finally enough to kill her. Her inability to survive after swallowing the horse is an event that abruptly and unexpectedly applies real-world logic to the song, directly contradicting her formerly established logic-defying animal-swallowing capability.
しかし、最後にウマが登場して彼女は死ぬことになる。彼女が、ウマを呑み込んだ後生きていけないのは、それ迄彼女のものであった反論理的な動物を呑み込む能力に真っ向から矛盾する現実世界の論理が、突然予見不可能な形で、この童謡に適用されるからである。

--There Was an Old Lady Who Swallowed a Fly (Wikipedia 12 March 2018, at 20:55)
とあるのは、いただけない。

「最後に死ぬ」のも彼女に内在する論理の帰結だからだ。「死ぬのは最後に決まっている」と云う反論は、この場合当たっていない。死んだことで物語が終わるのでなく、死ぬことが、物語の重要なピースなのだ。何故なら、それは、原初的には永遠に循環する死と再生の物語、または、その変異形 (「母の死」ではなく「母から娘への代替わり」) の断片だからだ。

ギリシア神話では、主神が男性であるため、男性神間の代替わりの話になっているが、クロノスからゼウスへの「政権交代」では、クロノスはゼウス以前に生まれた自分の子供たちを次々に呑み込んでいる (対応するローマ神話をゴヤが絵画化しているのは良く知られている。「我が子を食らうサトゥルヌス」)。しかし、末子のゼウスは、母にしてクロノスの妻であるレアに救われる。レアは、夫のクロノスに、赤子だと偽って、[大きな石] を呑み込ませる (「呑み込む」は、「受精」と「埋葬」双方の隠喩になっている)。その後、クロノスはゼウスに討たれて、追放される。

そして、クロノスの敗北とゼウスへの代替わりは、クロノスが、その父ウラノス (と母ガイア) により予言されていたことだった。語られた神話上では、予言の成就を阻止するために、クロノスは我が子たちを次々と呑み込んでいったとされている (そして、「阻止」に失敗する) が、これを目的論的にパラフレーズするならば、クロノスは、次世代の神々を、その主神の誕生まで留保するために自らの体内にとどめ、最後に [大きな石] を呑み込んで、それを次世代の主神ゼウスに metamorphosis させてから (これは、クロノスがゼウスとして転生することでもある)、それらオリュンポス諸神を産み出すのだ。つまり、神々たちの倒木更新がおきていると言える。

ここで連想されるのはグリム童話の「狼と七匹の子山羊」だ。そこでは、オオカミは、末っ子以外の6匹の子ヤギを呑み込むが、結局は、帰ってきた母親ヤギにより、呑み込まれた子ヤギたちと入れ替わりに腹の中に石を詰め込まれて、その重みで泉に落ちて死んでしまう。

この童話では、[6匹の子ヤギ/石] と云う二項対立と、[オオカミ/母親] と云う二項対立が存在して、オオカミと母親との間、子ヤギたちと石との間には緩い等価性が存在する (オオカミは [母親のフリ] をして子ヤギたちを騙す。石は子ヤギの代わりに、オオカミの体内 --むしろ、胎内-- に入れられる)。そして、[オオカミ/母親] は子ヤギたちの母であり、石を体内に蓄える存在として地母神に連なっている。

ここで、石の埋め込みと、子ヤギたちの再生の生起時間が、クロノス-ゼウス説話とは異なり、ほぼ同時であることには留意しておく (恐らく、表見的な相違点)。

ただし、これら2つの説話の平行性は既知。参考:「グリム童話 KHM5 オオカミと七匹の子ヤギ

さらに飛躍するなら、「あかづきん」では、オオカミは、[あかづきん] を呑み込む前に、その祖母を呑み込むことにも注意すべきだろう。オオカミは、[あかづきん] を呑み込むためには、その前に、[おばあさん] を呑み込んで、彼女と一体化する必要があったのだ。これは、[あかづきん] を呑み込むのが、[オオカミ-老婆] 複合体であることを意味する。そして、ここでも、オオカミは、たまたま通りかかった狩人 (Deus ex machina) により [あかづきん] 及び祖母の代わりに、腹の中に石を詰め込まれて、それがもとで死んでしまう。

ただし、「赤ずきん - Wikipedia」によるなら、「赤ずきんとおばあさんが狼のお腹から生きたまま救出されるというエピソードを追加したのは彼ら --引用者註:グリム-- 兄弟である」。

"I know an old lady who swallowed a fly" に帰るなら、この歌は、ピート・シーガー (Pete Seeger) や ピーター・ポール&マリー(Peter, Paul and Mary)などにより、カヴァーされている。詳しくは、上記 "Wikipedia の記事"における "Representative renditions" の項や、"References" の項を参照のこと。引用した2例に就いては、リンクを貼っておく。

  1. Pete Seeger. "Birds, Beasts, Bugs and Fishes (Little and Big) - Smithsonian Folkways"
  2. Peter, Paul and Mary. Peter, Paul and Mary - I Know an Old Lady Who Swallowed a Fly - YouTube

以下、参考になるかもしれないサイト。

  1. 08 I Know an Old Lady Who Swallowed a Fly) - YouTube
  2. I Know An Old Woman Who Swallowed A Fly - YouTube
  3. Burl Ives - I Know An Old Lady - YouTube
  4. There Was An Old Lady Who Swallowed A Fly Nursery Rhyme - YouTube
  5. BBC - School Radio - Nursery songs and rhymes - Nursery rhymes and songs: I know an old lady who swallowed a fly
  6. There Was An Old Woman
  7. I Know An Old Lady Lyrics
  8. Words for Life - There was an old lady
  9. Since 9-11 America’s Insane Foreign Policy — Continued Under Obama — Has Killed a Million and Created ISIS | Global Research - Centre for Research on Globalization
  10. There Was a Fed Chairman Who Swallowed a Fly | Euro Pacific Capital

| | コメント (0) | トラックバック (0)

PHP研究所 [ABC予想入門] の誤植と微妙箇所

以前 (出版当時) に卒読した [ABC予想入門] (発行:株式会社PHP研究所/2013年4月1日。著者:黒川信重・小川信也) の誤植を纏めておく。瑕疵は後半 (第4章以降) に集中しており、表式上のケアレスミスばかりである。

内容は、「ABC予想」や関連する話題 (ファルマー予想・リーマン予想・ラマヌジャン予想・佐藤テイト予想・スピロ予想・カタラン予想。そして、「予想」の「整数版」と「多項式版」) に亘っており、充分面白かった。

[ABC予想入門] 正誤表
第4章第1節 p.124 第4行
a\left(\frac{c^{\prime}}{c}-\frac{a^{\prime}}{a}\right) = bc\left(\frac{b^{\prime}}{b}-\frac{c^{\prime}}{c}\right) a\left(\frac{c^{\prime}}{c}-\frac{a^{\prime}}{a}\right) = b\left(\frac{b^{\prime}}{b}-\frac{c^{\prime}}{c}\right)
備考:右辺の因子 $c$ は不要。
第4章第1節 p.125 第1行-第2行
\begin{align*}
 \frac{a}{b} &= \frac{\displaystyle\frac{c^{\prime}}{c}-\frac{a^{\prime}}{a}}{\displaystyle\frac{b^{\prime}}{b}-\frac{c^{\prime}}{c}}\\
&= \frac{\displaystyle\rad{abc}\left(\frac{c^{\prime}}{c}-\frac{a^{\prime}}{a}\right)}{\displaystyle\rad{abc}\left(\frac{b^{\prime}}{b}-\frac{c^{\prime}}{c}\right)}
\end{align*} \begin{align*}
 \frac{a}{b} &= \frac{\displaystyle\frac{b^{\prime}}{b}-\frac{c^{\prime}}{c}}{\displaystyle\frac{c^{\prime}}{c}-\frac{a^{\prime}}{a}}\\
&= \frac{\displaystyle\rad{abc}\left(\frac{b^{\prime}}{b}-\frac{c^{\prime}}{c}\right)}{\displaystyle\rad{abc}\left(\frac{c^{\prime}}{c}-\frac{a^{\prime}}{a}\right)}
\end{align*}
備考:中辺と右辺とで、分子・分母を交換する。左辺だけの分子・分母を交換しても正しい等式になるが、後続の議論が、本式で、中辺と右辺を補正した形のものに準じた表式になっているので、こちらの方が、全体としての訂正箇所が少なくなる。
第4章第1節 p.126 第8行
a\Bigm|\rad{abc}\!\left(\frac{c^{\prime}}{c}-\frac{a^{\prime}}{a}\right) a\Bigm|\rad{abc}\!\left(\frac{b^{\prime}}{b}-\frac{c^{\prime}}{c}\right)
備考:p.125 第2行での変更に合わせる。
第4章第1節 p.127 第1行
b\Bigm|\left(\frac{b^{\prime}}{b}-\frac{c^{\prime}}{c}\right) b\Bigm|\rad{abc}\!\left(\frac{c^{\prime}}{c}-\frac{a^{\prime}}{a}\right)
備考:p.125 第2行での変更に合わせ
\[
 \frac{b^{\prime}}{b}-\frac{c^{\prime}}{c}
\]

\[
 \frac{c^{\prime}}{c}-\frac{a^{\prime}}{a}
\]
に変更する。
さらに $\rad{abc}$ を補足する必要がある。
第5章第4節 p.179 第8行
\wp(z)^{2}=y^{2} \wp^{\prime}(z)^{2}=y^{2}
備考:ここでの ワイエルシュトラス (Weierstraß) の $\wp$ 函数 (ペー函数) は微分されていなければならない (p.174 での記述を参照)。
第5章第4節 p.186 第6行
\wp(z_{3}) \neq \wp(z_{2}) \wp(z_{3}) \neq \wp(z_{1})
備考:この式は $f(z_{3})=\wp(z_{3})-\wp(z_{1})\neq{0}$ から導かれたものである。
第6章第3節 p.207 第6行
c_{n+1}=a^{2}_{n} c_{n+1}=c^{2}_{n}
備考:p.209第7行には正しい式が示されている。
第6章第3節 p.208 第10行-第12行
\begin{align*}
 &a_{n}=3^{2n}\cos^{2}(2^{n-1}\theta)\\
 &b_{n}=3^{2n}\sin^{2}(2^{n-1}\theta)\\
 &c_{n}=3^{2n}\\
\end{align*} \begin{align*}
 &a_{n}=3^{2^{n}}\cos^{2}(2^{n-1}\theta)\\
 &b_{n}=3^{2^{n}}\sin^{2}(2^{n-1}\theta)\\
 &c_{n}=3^{2^{n}}\\
\end{align*}
備考:右辺の $3$ の指数は $2n$ ではなくて、$2^{n}$ にする必要がある。高校数学レベルの計算だが、確認しておこう (p.207 の $a_{n},b_{n},c_{n}$ の漸化式を参照されてたい)。
$n=1$ の時は
\begin{align*}
 &a_{1}=3^{2}\cos^{2}(\theta)=9*\left(\sqrt{\frac{8}{9}}\right)^{2}=8\\
 &b_{1}=3^{2}\sin^{2}(\theta)=9*\left(\sqrt{\frac{1}{9}}\right)^{2}=1\\
 &c_{1}=3^{2}=9
\end{align*}

$n\geq{2}$ では
\begin{align*}
&(a_{n}-b_{n})^{2}=\left(3^{2^{n}}\cos^{2}(2^{n-1}\theta)-3^{2^{n}}\sin^{2}(2^{n-1}\theta)\right)^{2}\\
&\qquad=\left(3^{2^{n}}\right)^{2}*\left(\cos^{2}(2^{n-1}\theta)-\sin^{2}(2^{n-1}\theta)\right)^{2}\\
&\qquad=\left(3^{2*(2^{n})}\right)*\left(\cos(2*(2^{n-1}\theta))\right)^{2}\\
&\qquad=3^{2^{(n+1)}}\cos^{2}(2^{n}\theta)\\
&4a_{n}b_{n}=4\left(3^{2^{n}}\cos^{2}(2^{n-1}\theta)\right)\left(3^{2^{n}}\sin^{2}(2^{n-1}\theta)\right)\\
&\qquad=\left(3^{2^{n}}\right)^{2}*\left(4\sin^{2}(2^{n-1}\theta)\cos^{2}(2^{n-1}\theta)\right)\\
&\qquad=\left(3^{2*(2^{n})}\right)*\left(2\sin(2^{n-1}\theta)\cos(2^{n-1}\theta)\right)^{2}\\
&\qquad=3^{2^{(n+1)}}\sin^{2}(2*2^{n-1}\theta)\\
&\qquad=3^{2^{(n+1)}}\sin^{2}(2^{n}\theta)\\
&c^{2}_{n}=\left(3^{2^{n}}\right)^{2} =3^{2*(2^{n})} = 3^{2^{(n+1)}}
\end{align*}
第6章第3節 p.209 第3行
S_{0}(a_{n+1},b_{n+1},c_{n+1})=\frac{(a_{n+1},b_{n+1},c_{n+1})^{\frac{1}{3}}}{\rad{a_{n+1},b_{n+1},c_{n+1}}} S_{0}(a_{n+1},b_{n+1},c_{n+1})=\frac{(a_{n+1}b_{n+1}c_{n+1})^{\frac{1}{3}}}{\rad{a_{n+1}b_{n+1}c_{n+1}}}
備考:p.206 における $S_{\varepsilon}(a,b,c)$$\varepsilon=0$ を当てはめた式に従う。

最後に、誤りとは言えないが、読んでいてビミョーな気分になった所を書いておこう。

「スピロ予想」に関連して、その条件 $\varepsilon>0$ を外して $\varepsilon=0$ とした時には「予想」が成立しなくなることを説明しているなかで、第6章第3節 p.209 第11行の「$a_{n},b_{n},c_{n}$ の中には必ず偶数がある・・・」と云う箇所がある。たしかに、これは、論理的には誤りではない。だが、この $c_{n}$ は蛇足である。何故なら、$c_{n}$ は必ず奇数 ($\displaystyle 3^{2^{n}}$) になるからだ。更に言うなら、

$n=1$ の時は $a_{1}$ が偶数 (定義により $8$) で、$b_{1}$ が奇数 (定義により $1$)。
$n\geq{2}$ では、$a_{n}$ は常に奇数で、$b_{n}$ は常に偶数になる。
全体としては、$a_{n}$ 又は $b_{n}$ のどちらかが必ず偶数になる (他方は必ず奇数)。これは $a_{n}+b_{n}=c_{n}$ と云う関係式が満たされていて、さらに $c_{n}$ が奇数なのだから当然である。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

$\int_{0}^{\varphi}\sin^{m}(\theta)\cos^{n}(\theta){\sqrt{1-k^{2}\sin^{2}(\theta)}}d\theta$ 及び $\int_{0}^{\varphi}\frac{\sin^{m}(\theta)\cos^{n}(\theta)}{\sqrt{1-k^{2}\sin^{2}(\theta)}}d\theta$ の計算

以下は、これまで本ブログの [三角関数の幾つかの2次無理式の積分] (2017年10月31日 [火])、[「三角関数の幾つかの2次無理式の積分 (2017年10月31日 [火])」補足その1] (2017年11月30日[木])、及び [[三角関数の幾つかの2次無理式の積分]補足その2] (2017年12月31日[日]) において計算した結果を、まとめたものである。表式に若干手を入れたが、内容に変化はない。

まず、主要な記号の定義を示しておく。

\begin{align*}
 &0<k<1, 0\leq \varphi \leq \frac{\pi}{2}\\
 &\Delta_{\theta} := \sqrt{1-k^{2}\sin^{2}(\theta)} = \sqrt{1-k^{2}+k^{2}\cos^{2}(\theta)}\\
 &\Delta_{\varphi} := \sqrt{1-k^{2}\sin^{2}(\varphi)} = \sqrt{1-k^{2}+k^{2}\cos^{2}(\varphi)}\\
 &E(\varphi,k) := \int_{0}^{\varphi}\Delta_{\theta}d\theta, \quad F(\varphi,k) := \int_{0}^{\varphi}\frac{d\theta}{\Delta_{\theta}}\\
 &I^{(m,n)} := \int_{0}^{\varphi}\sin^{m}(\theta)\cos^{n}(\theta){\Delta_{\theta}}d\theta\\
 &J^{(m,n)} := \int_{0}^{\varphi}\frac{\sin^{m}(\theta)\cos^{n}(\theta)}{\Delta_{\theta}}d\theta\\
\end{align*}

言うまでもなかろうが $F(\varphi,k)$ 及び $E(\varphi,k)$ は、それぞれ「第一種の楕円積分」及び「第二種の楕円積分」である。そして、次の関係式は自明だろう。

\begin{align*}
 &E(\varphi,k) = I^{(0,0)} = I^{(2,0)}+I^{(0,2)}\\
 &F(\varphi,k) = J^{(0,0)} = J^{(2,0)}+J^{(0,2)}\\
\end{align*}

漸化式の纏め。

$m{\geq}2$ の時

\begin{align*}
 &I^{(m,n)} = I^{(m-2,n)} - I^{(m-2,n+2)}\\
 &J^{(m,n)} = J^{(m-2,n)} - J^{(m-2,n+2)}\\
 &J^{(m,n)} = \inverse{k^{2}}\left(J^{(m-2,n)}-I^{(m-2,n)}\right)\\
 &\int_{0}^{\varphi}\sin^{m}(\theta)\cos^{m}(\theta){\Delta_{\theta}}d\theta = \inverse{(2m+1)k^{2}}\Big\{-\sin^{m-1}(\varphi)\cos^{m-1}(\varphi)\Delta_{\varphi}^{3}\\
 &\qquad\qquad\qquad + (m-1)I^{(m-2,m)} - (m-1)(1-k^{2})I^{(m.m-2)}\Big\}\\
 &\int_{0}^{\varphi}\frac{\sin^{m}(\theta)\cos^{m}(\theta)}{\Delta_{\theta}}d\theta = \inverse{(2m-1)k^{2}}\Big\{-\sin^{m-1}(\varphi)\cos^{m-1}(\varphi)\Delta_{\varphi}\\
 &\qquad\qquad\qquad + (m-1)J^{(m-2,m)} - (m-1)(1-k^{2})J^{(m,m-2)}\Big\}\\
\end{align*}

$n{\geq}2$ の時

\begin{align*}
 &I^{(m,n)} = I^{(m,n-2)} - I^{(m+2,n-2)}\\
 &J^{(m,n)} = J^{(m,n-2)} - J^{(m+2,n-2)}\\
 &J^{(m,n)} = \inverse{k^{2}}\left(-(1-k^{2})J^{(m,n-2)}+I^{(m,n-2)}\right)\\
 &\int_{0}^{\varphi}\sin(\theta)\cos^{n}(\theta){\Delta(\theta,k)}d\theta = -\inverse{(n+2)k^{2}}\left\{(n-1)(1-k^{2})I^{(1,n-2)} + \cos^{n-1}(\varphi)\Delta_{\varphi}^{3} - 1\right\}\\
 &\qquad = -\inverse{(n+2)k^{2}}\Big\{(n-1)(1-k^{2})I^{(1,n-2)} + \Big((1-k^{2})\cos^{n-1}(\varphi) + k^{2}\cos^{n+1}(\theta)\Big)\Delta_{\varphi} - 1\Big\}\\
 &\int_{0}^{\varphi}\frac{\sin(\theta)\cos^{n}(\theta)}{\Delta_{\theta}}d\theta = -\inverse{nk^{2}}\left\{\left(\cos^{n-1}(\varphi)\Delta_{\varphi}-1\right) + (n-1)(1-k^{2})J^{(1,n-2)}\right\}\\
\end{align*}

$m,n \geq 2$ の時

\begin{align*}
 &\int_{0}^{\varphi}\sin^{m}(\theta)\cos^{n}(\theta){\Delta_{\theta}}d\theta = \inverse{({m+n+1})k^{2}}\Big\{-\sin^{m-1}(\varphi)\cos^{n-1}(\varphi)\Delta_{\varphi}^{3}\\
 &\qquad\qquad\qquad\qquad\qquad\qquad + (m-1)I^{(m-2,n)} - (n-1)(1-k^{2})I^{(m,n-2)}\Big\}\\
 &\int_{0}^{\varphi}\frac{\sin^{m}(\theta)\cos^{n}(\theta)}{\Delta_{\theta}}d\theta = \inverse{(m+n-1)k^{2}}\Big\{-\sin^{m-1}(\varphi)\cos^{n-1}(\varphi)\Delta_{\varphi}\\
 &\qquad\qquad\qquad\qquad\qquad\qquad + (m-1)J^{(m-2,n)} - (n-1)(1-k^{2})J^{(m,n-2)}\Big\}\\
\end{align*}

$m \geq 4, n>0$ の時

\begin{align*}
 &\int_{0}^{\varphi}\sin^{m}(\theta)\cos^{n}(\theta){\Delta_{\theta}}d\theta = \inverse{(m+n+1)k^{2}}\Big\{\sin^{m-3}(\varphi)\cos^{n+1}(\varphi)\Delta_{\varphi}^{3}\\
 &\qquad\qquad\qquad\qquad\qquad + (m+n-2 + mk^{2})I^{(m-2,n)} - (m-3)I^{(m-4,n)}\Big\}\\
 &\int_{0}^{\varphi}\frac{\sin^{m}(\theta)\cos^{n}(\theta)}{\Delta_{\theta}}d\theta = - \inverse{(m+n-1)k^{2}}\Big\{-\sin^{m-3}(\varphi)\cos^{n+1}(\varphi)\Delta_{\varphi}\\
 &\qquad\qquad\qquad\qquad\qquad + (m-3)J^{(m-4,n)} - \left(m+n-2+(m-2)k^{2}\right)J^{(m-2,n)}\Big\}\\
\end{align*}

個別の関係式

\begin{align*}
 &I^{(0,n)}: n=1,2,3\\
 &\int_{0}^{\varphi}\cos(\theta)\Delta_{\theta}d\theta = \frac{\sin(\varphi)\Delta_{\varphi}}{2} + \frac{\arcsin(k\sin(\varphi))}{2k}\\
 &\int_{0}^{\varphi}\cos^{2}(\theta)\Delta_{\theta}d\theta = \frac{\sin(\varphi)\cos(\varphi)\Delta_{\varphi}}{3} + \frac{1+k^{2}}{3k^{2}}E(\varphi,k) - \frac{1-k^{2}}{3k^{2}}F(\varphi,k)\\
 &\int_{0}^{\varphi}\cos^{3}(\theta)\Delta_{\theta}d\theta  = \frac{2k^{2}\cos^{2}(\varphi)+2k^{2}+1}{8k^{2}}\sin(\varphi)\Delta_{\varphi} + \frac{4k^{2}-1}{8k^{3}}{\arcsin(k\sin(\varphi))}\\
\end{align*}

\begin{align*}
 &I^{(1,n)}: n=0,1,2,3\\
 &\int_{0}^{\varphi}\sin(\theta)\Delta_{\theta}d\theta = \frac{1-\cos(\varphi)\Delta_{\varphi}}{2} - \frac{1-k^{2}}{2k}\ln\left\{\frac{k\cos(\varphi)+\Delta_{\varphi}}{k+1}\right\}\\
 &\int_{0}^{\varphi}\sin(\theta)\cos(\theta)\Delta_{\theta}d\theta = \frac{1-\Delta_{\varphi}^{3}}{3k^{2}}\\
 &\int_{0}^{\varphi}\sin(\theta)\cos^{2}(\theta)\Delta_{\theta}d\theta = -\frac{2k^{2}\cos^{2}(\varphi)+1-k^{2}}{8k^{2}}\cos(\varphi)\Delta_{\varphi} + \frac{1+k^{2}}{8k^{2}}\\
 &\qquad\qquad\qquad\qquad\qquad\qquad\qquad - \frac{(1-k^{2})^{2}}{8k^{3}}\ln\left(\frac{\Delta_{\varphi}-k\cos(\varphi)}{1-k}\right)\\
 &\int_{0}^{\varphi}\sin(\theta)\cos^{3}(\theta)\Delta_{\theta}d\theta = -\inverse{15k^{4}}\left\{3\Delta_{\varphi}^{5} - 5(1-k^{2})\Delta_{\varphi}^{3} - 5k^{2} +2\right\}\\
 &\qquad\qquad = -\frac{3k^{4}\sin^{4}(\varphi)-k^{2}(5k^{2}+1)\sin^{2}(\varphi)+5k^{2}-2}{15k^{4}}\Delta_{\varphi} + \frac{5k^{2}-2}{15k^{4}}\\
\end{align*}

\begin{align*}
 &I^{(2,n)}: n=0,1,2,3\\
 &\int_{0}^{\varphi}\sin^{2}(\theta)\Delta_{\theta}d\theta = -\frac{\Delta_{\varphi}\sin(\varphi)\cos(\varphi)}{3} + \frac{2k^{2}-1}{3k^{2}}E(\varphi,k) + \frac{1-k^{2}}{3k^{2}}F(\varphi,k)\\
 &\int_{0}^{\varphi}\sin^{2}(\theta)\cos(\theta)\Delta_{\theta}d\theta = \frac{2k^{2}\sin^{2}(\varphi)-1}{8k^{2}}\sin(\varphi)\Delta_{\varphi} + \frac{\arcsin(k\sin(\varphi))}{8k^{3}}\\
 &\int_{0}^{\varphi}\sin^{2}(\theta)\cos^{2}(\theta)\Delta_{\theta}d\theta = \inverse{15k^{2}}\Big\{(-3k^{3}\cos^{2}(\theta)+2k^{2}-1)\sin(\varphi)\cos(\varphi)\Delta_{\varphi}\\
 &\qquad\qquad\qquad\qquad\qquad\qquad + \frac{2(k^{4}-k^{2}+1)}{k^2}E(\varphi,k) - \frac{(1-k^{2})(2-k^{2})}{k^{2}}F(\varphi,k)\Big\}\\
 &\int_{0}^{\varphi}\sin^{2}(\theta)\cos^{3}(\theta)\Delta_{\theta}d\theta = \frac{-8k^{4}\sin^{4}(\varphi)+2k^{2}(6k^{2}+1)\sin^{2}(\varphi)-6k^{2}+3}{48k^{4}}{\sin(\varphi)\Delta_{\varphi}}\\
 &\qquad\qquad\qquad\qquad\qquad\qquad\qquad  + \frac{(2k^{2}-1)\arcsin(k\sin(\varphi))}{16k^{5}}
\end{align*}

\begin{align*}
 &I^{(3,n)}: n=0,1,2,3\\
 &\int_{0}^{\varphi}\sin^{3}(\theta)\Delta_{\theta}d\theta = -\frac{2k^{2}\sin^{2}(\varphi)+3k^{2}-1}{8k^{2}}\cos(\varphi)\Delta_{\varphi} + \frac{3k^{2}-1}{8k^{2}}\\
 &\qquad\qquad\qquad\qquad\qquad + \frac{3k^{4}-2k^{2}-1}{8k^{3}}\ln\left(\frac{k\cos(\varphi)+\Delta_{\varphi}}{k+1}\right)\\
 &\int_{0}^{\varphi}\sin^{3}(\theta)\cos(\theta)\Delta_{\theta}d\theta = \inverse{15k^{4}}\left\{3\Delta_{\varphi}^{5}-5\Delta_{\varphi}^{3}+2\right\}\\
 &\qquad\qquad\qquad\qquad\qquad = \frac{(3k^{4}\sin^{4}(\varphi)-k^{2}\sin^{2}(\varphi)-2)\Delta_{\varphi}}{15k^{4}}+\frac{2}{15k^{4}}\\
%& = \inverse{15k^{4}}\left\{3\Delta_{\varphi}^{5}-5\Delta_{\varphi}^{3}+2\right\}\\
 &\int_{0}^{\varphi}\sin^{3}(\theta)\cos^{2}(\theta)\Delta_{\theta}d\theta =\\
 &\qquad\qquad \inverse{6k^{2}}\Bigg\{\frac{8k^{4}\sin^{4}(\varphi) - 2k^{2}(k^{2}+1)\sin^{2}(\varphi) - 3k^{4} + 2k^{2} - 3}{8k^{2}}\cos(\varphi){\Delta_{\varphi}}\\
 &\qquad +\frac{3k^{4}-2k^{2}+3}{8k^{2}} + \frac{3(1-k^{2})^{2}(1+k^{2})}{8k^{3}}\ln\left(\frac{k\cos(\varphi)+{\Delta_{\varphi}}}{k+1}\right)\Bigg\}\\
 &\int_{0}^{\varphi}\sin^{3}(\theta)\cos^{3}(\theta)\Delta_{\theta}d\theta = \inverse{k^{6}}\Big\{\frac{\Delta_{\varphi}^{7}}{7} - \frac{(2-k^{2})\Delta_{\varphi}^{5}}{5} + \frac{(1-k^{2})\Delta_{\varphi}^{3}}{3} + \frac{14k^{2}-8}{105}\Big\}\\
 &\qquad\qquad= \Big(\frac{k^{4}\sin^{4}(\varphi)}{7}-\frac{(7k^{4}-4k^{2})\sin^{2}(\varphi)}{35}-\frac{14k^{2}-8}{105}\Big)(1-k^{2}\sin^{2}(\varphi)){\Delta_{\varphi}}\\
 &\qquad\qquad\qquad\qquad\qquad\qquad\qquad\qquad\qquad\qquad\qquad\qquad +\frac{14k^{2}-8}{105}
\end{align*}

\begin{align*}
 &I^{(4,1)}\\
 &\int_{0}^{\varphi}\sin^{4}(\theta)\cos(\theta)\Delta_{\theta}d\theta = \inverse{6k^{2}}\Big\{\frac{\sin(\varphi)\Delta_{\varphi}}{8k^{2}}\Big(8k^{4}\sin^{4}(\varphi) - 2k^{2}\sin^{2}(\varphi) - 3\Big)\\
 &\qquad\qquad\qquad\qquad\qquad\qquad\qquad\qquad\qquad + \frac{3\arcsin(k\sin(\varphi))}{8k^{3}}\Big\}
\end{align*}

\begin{align*}
 &J^{(0,n)}: n=1,2,3\\
 &\int_{0}^{\varphi}\frac{\cos(\theta)}{\Delta_{\theta}}d\theta = \inverse{k}\arcsin(k\sin(\varphi))\\
 &\int_{0}^{\varphi}\frac{\cos^{2}(\theta)}{\Delta_{\theta}}d\theta = \frac{E(\varphi,k)}{k^{2}} - \frac{1-k^{2}}{k^{2}}F(\varphi,k)\\
 &\int_{0}^{\varphi}\frac{\cos^{3}(\theta)}{\Delta_{\theta}}d\theta = \frac{\sin(\varphi)\Delta_{\varphi}}{2k^{2}} + \frac{2k^{2}-1}{2k^{3}}\arcsin(k\sin(\varphi))
\end{align*}

\begin{align*}
 &J^{(1,n)}: n=0,1,2,3\\
 &\int_{0}^{\varphi}\frac{\sin(\theta)}{\Delta_{\theta}}d\theta = \inverse{k}\ln\left(\frac{\Delta_{\varphi}-k\cos(\varphi)}{1-k}\right)\\
 &\int_{0}^{\varphi}\frac{\sin(\theta)\cos(\theta)}{\Delta_{\theta}}d\theta = \frac{1-\Delta_{\varphi}}{k^{2}}\\
 &\int_{0}^{\varphi}\frac{\sin(\theta)\cos^{2}(\theta)}{\Delta_{\theta}}d\theta = -\frac{\cos(\varphi)\Delta_{\varphi}}{2k^{2}} + \inverse{2k^{2}} - 
\frac{1-k^{2}}{2k^{3}}\ln\left(\frac{\Delta_{\varphi}-k\cos(\varphi)}{1-k}\right)\\
 &\int_{0}^{\varphi}\frac{\sin(\theta)\cos^{3}(\theta)}{\Delta_{\theta}}d\theta = -\frac{(k^{2}\cos^{2}(\varphi)-2+2k^{2})\Delta_{\varphi}}{3k^{4}} + \frac{3k^{2}-2}{3k^{4}}
\end{align*}

\begin{align*}
 &J^{(2,n)}: n=0,1,2,3\\
 &\int_{0}^{\varphi}\frac{\sin^{2}(\theta)}{\Delta_{\theta}}d\theta = \frac{F(\varphi,k)-E(\varphi,k)}{k^{2}}\\
 &\int_{0}^{\varphi}\frac{\sin^{2}(\theta)\cos(\theta)}{\Delta_{\theta}}d\theta = -\frac{\sin(\varphi)\Delta_{\varphi}}{2k^{2}} + \frac{\arcsin(k\sin(\varphi))}{2k^{3}}\\
 &\int_{0}^{\varphi}\frac{\sin^{2}(\theta)\cos^{2}(\theta)}{\Delta_{\theta}}d\theta = -\frac{\sin(\varphi)\cos(\varphi)\Delta_{\varphi}}{3k^{2}} + \frac{2-k^{2}}{3k^{4}}E(\varphi,k) + \frac{2k^{2}-2}{3k^{4}}F(\varphi,k)\\
 &\int_{0}^{\varphi}\frac{\sin^{2}(\theta)\cos^{3}(\theta)}{\Delta_{\theta}}d\theta = \inverse{8k^{4}}\Big\{(2k^{2}\sin^{2}(\varphi)-4k^{2}+3){\sin(\varphi)\Delta_{\varphi}} + \frac{4k^{2}-3}{k}\arcsin(k\sin(\varphi))\Big\}\\
\end{align*}

\begin{align*}
 &J^{(3,n)}: n=0,1,2,3\\
 &\int_{0}^{\varphi}\frac{\sin^{3}(\theta)}{\Delta_{\theta}}d\theta = \frac{\cos(\varphi)\Delta-1}{2k^{2}} - \frac{1+k^{2}}{2k^{3}}\ln\left(\frac{k\cos(\varphi)+\Delta_{\varphi}}{k+1}\right)\\
 &\int_{0}^{\varphi}\frac{\sin^{3}(\theta)\cos(\theta)}{\Delta_{\theta}}d\theta = -\frac{(k^{2}\sin^{2}(\varphi)+2)\Delta_{\varphi}}{3k^{4}} + \frac{2}{3k^{4}}\\
 &\int_{0}^{\varphi}\frac{\sin^{3}(\theta)\cos^{2}(\theta)}{\Delta_{\theta}}d\theta = \inverse{4k^{2}}\Bigg\{\frac{\cos(\varphi)\Delta_{\varphi}}{2k^{2}}\Big(2k^{2}\cos^{2}(\varphi)-k^{2}-3\Big) - \frac{k^{2}-3}{2k^{2}} \\
 &\qquad\qquad - \frac{k^{4}+2k^{2}-3}{2k^{3}}\ln\left(\frac{k\cos(\varphi)+\Delta_{\varphi}}{k+1}\right)\Bigg\}\\
 &\int_{0}^{\varphi}\frac{\sin^{3}(\theta)\cos^{3}(\theta)}{\Delta_{\theta}}d\theta = \inverse{15k^{6}}\Big\{\Big(3\Delta_{\varphi}^{4} - 5(2-k^{2})\Delta_{\varphi}^{2} + 15(1-k^{2})\Big)\Delta + 10k^{2} - 8\Big\}\\
 &\qquad\qquad\qquad = \frac{\Delta_{\varphi}}{15k^{6}}\Big(3k^{4}\sin^{4}(\varphi)-(5k^{4}-4k^{2})\sin^{2}(\varphi)-10k^{2}+8\Big)+\frac{10k^{2}-8}{15k^{6}}
\end{align*}

\begin{align*}
 &J^{(4,1)}\\
 &\int_{0}^{\varphi}\frac{\sin^{4}(\theta)\cos(\theta)}{\Delta_{\theta}}d\theta = \inverse{4k^{2}}\Big\{-\frac{\sin(\varphi)\Delta_{\varphi}}{2k^{2}}\Big(2k^{2}\sin^{2}(\varphi)+3\Big) + \frac{3\arcsin(k\sin(\varphi))}{2k^{3}}\Big\}
\end{align*}

| | コメント (0) | トラックバック (0)

[三角関数の幾つかの2次無理式の積分]補足その2

$m,n$ を非負整数とし、$k,k^{\prime}$$0<k,k^{\prime}<1,\;k^{2}+k^{\prime2}=1$ を満たすとし、さらに、


\begin{align*}
 \Delta(x,k) :&= \sqrt{1-k^{2}\sin^{2}(x)}\\
&= \sqrt{1-k^{2}+k^{2}\cos^{2}(x)} = \sqrt{k^{\prime2}+k^{2}\cos^{2}(x)}
\end{align*}
と定義する時、$I^{(m,n)}$ 及び $J^{(m,n)}$
\begin{align*}
 I^{(m,n)} &:= \int_{0}^{\varphi}\sin^{m}(\theta)\cos^{n}(\theta){\Delta(\theta,k)}d\theta\\
 J^{(m,n)} &:= \int_{0}^{\varphi}\frac{\sin^{m}(\theta)\cos^{n}(\theta)}{\Delta(\theta,k)}d\theta\\
\end{align*}
を意味するものとする (以下、文脈から明らかな場合は $\Delta(x,k)$ の変数を明示しないで $\Delta$ とのみ書くことがある。また、以下実際には、記法 $k^{\prime2}$ ではなく $1-k^{2}$ が用いられている)。

[三角関数の幾つかの2次無理式の積分: nouse (2017年10月31日 (火))] 及び [「三角関数の幾つかの2次無理式の積分 (2017年10月31日 [火]」補足その1: nouse (2017年11月30日 (木))] により、現段階では $0{\leq}m+n{\leq}3$$I^{(m,n)}$, $J^{(m,n)}$、そして $I^{(2,2)}$ 及び $J^{(2,2)}$ の表式が得られている。本稿では、それ以降の $I^{(m,n)}$ 及び $J^{(m,n)}$ を、階数 ($=m+n$) に従う漸化式により求めていくことにする。従って、以下では $m+n>3$ が満たされていることを前提とする。

その準備として確認しておくが、[補足その1] の初めの方で既に導いてある関係式より
$m{\geq}2$ の時

\begin{align*}
 &I^{(m,0)} = I^{(m-2,0)} - I^{(m-2,2)}\\
 &J^{(m,0)} = J^{(m-2,0)} - J^{(m-2,2)}
\end{align*}
$n{\geq}2$ の時
\begin{align*}
 &I^{(0,n)} = I^{(0,n-2)} - I^{(2,n-2)}\\
 &J^{(0,n)} = J^{(0,n-2)} - J^{(2,n-2)}
\end{align*}
が成り立つことに注意すると、$I^{(m-2,0)}$, $J^{(m-2,0)}$, $I^{(0,n-2)}$, $J^{(0,n-2)}$ の漸化式と、 $I^{(m-2,2)}$, $J^{(m-2,2)}$, $I^{(2,n-2)}$, $J^{(2,n-2)}$ の漸化式とが得られるなら、$I^{(m,0)}$,$J^{(m,0)}$, $I^{(0,n)}$, $J^{(0,n)}$ の漸化式も得られることが分かる。そして $m+n>3$ が前提となっているから、以下の $I^{(m,n)}$ 及び $J^{(m,n)}$ の計算では $m,n>0$ の場合に限定することにする。

すると

\begin{align*}
 &I^{(m,n)}\\
&\quad = \int_{0}^{\varphi}\sin^{m}(\theta)\cos^{n}(\theta){\Delta}d\theta\\
&\quad = \int_{0}^{\varphi}\sin^{m-1}(\theta)\cos^{n-1}(\theta)(\sin(\theta)\cos(\theta){\Delta})d\theta\\
&\quad = -\inverse{3k^{2}}\int_{0}^{\varphi}\sin^{m-1}(\theta)\cos^{n-1}(\theta)\left(\odiff{(\Delta^{3})}{\theta}\right)d\theta\\
&\quad = -\inverse{3k^{2}}\Big[\sin^{m-1}(\theta)\cos^{n-1}(\theta)\Delta^{3}\Big]_{0}^{\varphi}\\
&\qquad + \inverse{3k^{2}}\int_{0}^{\varphi}\Big\{(m-1)\sin^{m-2}(\theta)\cos^{n}(\theta)\\
&\qquad\qquad\qquad\qquad - (n-1)\sin^{m}(\theta)\cos^{n-2}(\theta)\Big\}{\Delta^{3}}d\theta
\end{align*}

まず、$m=1$ 又は $n=1$ の時、上記の最後の式中の $\sin^{m-2}(\theta)$ 又は $\cos^{n-2}(\theta)$ を含む項は不適切になるが、それぞれ、係数 $m-1=0$ 又は $n-1=0$ がかかっており、その不適切性を無視してよいことに注意。

さて $m>1$ なら

\begin{align*}
 I^{(m,n)} &= -\inverse{3k^{2}}\sin^{m-1}(\varphi)\cos^{n-1}(\varphi)\Delta(\varphi,k)^{3}\\
&\qquad + \frac{m-1}{3k^{2}}\int_{0}^{\varphi}\sin^{m-2}(\theta)\cos^{n}(\theta){\Delta^{3}}d\theta\\
&\qquad - \frac{n-1}{3k^{2}}\int_{0}^{\varphi}\sin^{m}(\theta)\cos^{n-2}(\theta){\Delta^{3}}d\theta\\
&= -\inverse{3k^{2}}\sin^{m-1}(\varphi)\cos^{n-1}(\varphi)\Delta(\varphi,k)^{3}\\
&\qquad + \frac{m-1}{3k^{2}}\int_{0}^{\varphi}\sin^{m-2}(\theta)\cos^{n}(\theta)(1-k^{2}\sin^{2}(\theta)){\Delta}d\theta\\
&\qquad - \frac{n-1}{3k^{2}}\int_{0}^{\varphi}\sin^{m}(\theta)\cos^{n-2}(\theta)(1-k^{2}+k^{2}\cos^{2}(\theta)){\Delta}d\theta\\
&= -\inverse{3k^{2}}\sin^{m-1}(\varphi)\cos^{n-1}(\varphi)\Delta(\varphi,k)^{3}\\
&\qquad + \frac{m-1}{3k^{2}}\left\{I^{(m-2,n)} - k^{2}I^{(m,n)}\right\}\\
&\qquad - \frac{n-1}{3k^{2}}\left\{(1-k^{2})I^{(m,n-2)} + k^{2}I^{(m,n)}\right\}\\
\end{align*}

従って

\begin{align*}
 \frac{m+n+1}{3}I^{(m,n)} &= -\inverse{3k^{2}}\sin^{m-1}(\varphi)\cos^{n-1}(\varphi)\Delta(\varphi,k)^{3}\\
&\qquad + \frac{m-1}{3k^{2}}I^{(m-2,n)} - \frac{n-1}{3k^{2}}(1-k^{2})I^{(m,n-2)}\\
\end{align*}

つまり

\begin{align*}
 I^{(m,n)} &= \inverse{({m+n+1})k^{2}}\Big\{-\sin^{m-1}(\varphi)\cos^{n-1}(\varphi)\Delta(\varphi,k)^{3}\\
&\qquad + (m-1)I^{(m-2,n)} - (n-1)(1-k^{2})I^{(m,n-2)}\Big\}\\
\end{align*}

特に $m=n{\geq}2$ の場合は、次のようになる。

\begin{align*}
 I^{(m,m)} &= \inverse{(2m+1)k^{2}}\Big\{-\sin^{m-1}(\varphi)\cos^{m-1}(\varphi)\Delta(\varphi,k)^{3}\\
&\qquad + (m-1)I^{(m-2,m)} - (m-1)(1-k^{2})I^{(m.m-2)}\Big\}
\end{align*}

また $m=1$ なら (前記の仮定により $n>2$ であることに注意)

\begin{align*}
 I^{(1,n)} &= -\inverse{3k^{2}}\left\{\cos^{n-1}(\varphi)\Delta(\varphi,k)^{3} -1\right\}\\
&\qquad - \frac{n-1}{3k^{2}}\int_{0}^{\varphi}\sin(\theta)\cos^{n-2}(\theta){\Delta^{3}}d\theta\\
&\quad = -\inverse{3k^{2}}\left\{\cos^{n-1}(\varphi)\Delta(\varphi,k)^{3} -1\right\}\\
&\qquad\quad  - \frac{n-1}{3k^{2}}\int_{0}^{\varphi}\sin(\theta)\cos^{n-2}(\theta)(1-k^{2}+k^{2}\cos^{2}(\theta)){\Delta}d\theta\\
&\quad = -\inverse{3k^{2}}\left\{\cos^{n-1}(\varphi)\Delta(\varphi,k)^{3} -1\right\}\\
&\qquad\quad  - \frac{(n-1)(1-k^{2})}{3k^{2}}I^{(1,n-2)} - \frac{n-1}{3}I^{(1,n)}
\end{align*}

従って

\begin{align*}
 \frac{n+2}{3}I^{(1,n)} &= - \frac{(n-1)(1-k^{2})}{3k^{2}}I^{(1,n-2)} - \inverse{3k^{2}}\left\{\cos^{n-1}(\varphi)\Delta(\varphi,k)^{3} -1\right\}\\
&= -\inverse{3k^{2}}\left\{(n-1)(1-k^{2})I^{(1,n-2)} + \cos^{n-1}(\varphi)\Delta(\varphi,k)^{3} -1\right\}
\end{align*}

つまり

\[
 I^{(1,n)} = -\inverse{(n+2)k^{2}}\left\{(n-1)(1-k^{2})I^{(1,n-2)} + \cos^{n-1}(\varphi)\Delta(\varphi,k)^{3} - 1\right\}
\]

ここで $\Delta$ の次数を 1 に下げるなら

\begin{align*}
 I^{(1,n)} &=  -\inverse{(n+2)k^{2}}\Big\{(n-1)(1-k^{2})I^{(1,n-2)}\\
&\qquad + \cos^{n-1}(\varphi)(1-k^{2}+k^{2}\cos^{2}(\theta))\Delta(\varphi,k) -1\Big\}\\
&= -\inverse{(n+2)k^{2}}\Big\{(n-1)(1-k^{2})I^{(1,n-2)}\\
&\qquad + \Big((1-k^{2})\cos^{n-1}(\varphi) + k^{2}\cos^{n+1}(\theta)\Big)\Delta(\varphi,k) - 1\Big\}\\
\end{align*}

他方

\begin{align*}
&J^{(m,n)}\\
&= \int_{0}^{\varphi}\frac{\sin^{m}(\theta)\cos^{n}(\theta)}{\Delta}d\theta\\
&= \int_{0}^{\varphi}\sin^{m-1}(\theta)\cos^{n-1}(\theta)\left(\frac{\sin(\theta)\cos(\theta)}{\Delta}\right)d\theta\\
&= -\inverse{k^{2}}\int_{0}^{\varphi}\sin^{m-1}(\theta)\cos^{n-1}(\theta)\left(\odiff{\Delta}{\theta}\right)d\theta\\
&= -\inverse{k^{2}}\Big\{\Big[\sin^{m-1}(\theta)\cos^{n-1}(\theta)\Delta\Big]_{0}^{\varphi}\\
&\quad - \int_{0}^{\varphi}\Big((m-1)\sin^{m-2}(\theta)\cos^{n}(\theta) - (n-1)\sin^{m}(\theta)\cos^{n-2}(\theta)\Big)\left(\frac{\Delta^{2}}{\Delta}\right)d\theta\Big\}
\end{align*}

いま $m>1$ ならば

\begin{align*}
 J^{(m,n)} &= -\frac{\sin^{m-1}(\varphi)\cos^{n-1}(\varphi)\Delta(\varphi,k)}{k^{2}}\\
&\qquad + \frac{m-1}{k^{2}}\int_{0}^{\varphi}\frac{\sin^{m-2}(\theta)\cos^{n}(\theta)\Delta^{2}}{\Delta}d\theta\\
&\qquad - \frac{n-1}{k^{2}}\int_{0}^{\varphi}\frac{\sin^{m}(\theta)\cos^{n-2}(\theta)\Delta^{2}}{\Delta}d\theta\\
&= -\frac{\sin^{m-1}(\varphi)\cos^{n-1}(\varphi)\Delta(\varphi,k)}{k^{2}}\\
&\qquad + \frac{m-1}{k^{2}}\int_{0}^{\varphi}\frac{\sin^{m-2}(\theta)\cos^{n}(\theta)(1-k^{2}\sin^{2}(\theta))}{\Delta}d\theta\\
&\qquad - \frac{n-1}{k^{2}}\int_{0}^{\varphi}\frac{\sin^{m}(\theta)\cos^{n-2}(\theta)(1-k^{2}+k^{2}\cos^{2}(\theta))}{\Delta}d\theta\\
&= -\frac{\sin^{m-1}(\varphi)\cos^{n-1}(\varphi)\Delta(\varphi,k)}{k^{2}}\\
&\qquad + \frac{m-1}{k^{2}}\left\{J^{(m-2,n)}-k^{2}J^{(m,n)}\right\}\\
&\qquad - \frac{n-1}{k^{2}}\left\{(1-k^{2})J^{(m,n-2)}+k^{2}J^{(m,n)}\right\}\\
&= -\frac{\sin^{m-1}(\varphi)\cos^{n-1}(\varphi)\Delta(\varphi,k)}{k^{2}}\\
&\qquad + \frac{m-1}{k^{2}}J^{(m-2,n)} - \frac{n-1}{k^{2}}(1-k^{2})J^{(m,n-2)}\\
&\qquad - (m+n-2)J^{(m,n)}\\
\end{align*}

従って

\begin{align*}
 (m+n-1)J^{(m,n)} &= -\frac{\sin^{m-1}(\varphi)\cos^{n-1}(\varphi)\Delta(\varphi,k)}{k^{2}}\\
&\qquad + \frac{m-1}{k^{2}}J^{(m-2,n)} - \frac{n-1}{k^{2}}(1-k^{2})J^{(m,n-2)}\\
\end{align*}

つまり

\begin{align*}
 J^{(m,n)} &= \inverse{(m+n-1)k^{2}}\Big\{-\sin^{m-1}(\varphi)\cos^{n-1}(\varphi)\Delta(\varphi,k)\\
&\qquad + (m-1)J^{(m-2,n)} - (n-1)(1-k^{2})J^{(m,n-2)}\Big\}\\
\end{align*}

特に $m=n{\geq}2$ の場合は、次のようになる。

\begin{align*}
 J^{(m,m)} &= \inverse{(2m-1)k^{2}}\Big\{-\sin^{m-1}(\varphi)\cos^{m-1}(\varphi)\Delta(\varphi,k)\\
&\qquad + (m-1)J^{(m-2,m)} - (m-1)(1-k^{2})J^{(m,m-2)}\Big\}\\
\end{align*}

$m=1$ (従って $n>2$) なら

\begin{align*}
 J^{(1,n)} &= -\inverse{k^{2}}\Big\{\left(\cos^{n-1}(\varphi)\Delta(\varphi,k)-1\right)\\
&\qquad + (n-1)\int_{0}^{\varphi}\sin(\theta)\cos^{n-2}(\theta)\left(\frac{\Delta^{2}}{\Delta}\right)d\theta\Big\}\\
&= -\inverse{k^{2}}\left(\cos^{n-1}(\varphi)\Delta(\varphi,k)-1\right)\\
&\qquad -\frac{n-1}{k^{2}}\int_{0}^{\varphi}\frac{\sin(\theta)\cos^{n-2}(\theta)(1-k^{2}+k^{2}\cos^{2}(\theta))}{\Delta}d\theta\\
&= -\inverse{k^{2}}\left(\cos^{n-1}(\varphi)\Delta(\varphi,k)-1\right)\\
&\qquad -\frac{(n-1)(1-k^{2})}{k^{2}}J^{(1,n-2)} -(n-1)J^{(1,n)}
\end{align*}

従って

\begin{align*}
 nJ^{(1,n)} &= -\inverse{k^{2}}\left(\cos^{n-1}(\varphi)\Delta(\varphi,k)-1\right)\\
&\qquad -\frac{(n-1)(1-k^{2})}{k^{2}}J^{(1,n-2)}
\end{align*}

つまり

\[
 J^{(1,n)} = -\inverse{nk^{2}}\left\{\cos^{n-1}(\varphi)\Delta(\varphi,k)-1 + (n-1)(1-k^{2})J^{(1,n-2)}\right\}
\]

さて $I^{(m,n)}$ の表式

\begin{align*}
 I^{(m,n)} &= \inverse{({m+n+1})k^{2}}\Big\{-\sin^{m-1}(\varphi)\cos^{n-1}(\varphi)\Delta(\varphi,k)^{3}\\
&\qquad + (m-1)I^{(m-2,n)} - (n-1)(1-k^{2})I^{(m,n-2)}\Big\}\\
\end{align*}
に戻って、右辺の $I$ の階数を若干引き下げる変形を考えると (ただし $m{\geq}4$ する)

\begin{align*}
 I^{(m,n)} &= I^{(m-2,n)} - I^{(m-2,n+2)}\\
&= I^{(m-2,n)}\\
&\qquad - \inverse{(m+n+1)k^{2}}\Big\{
-\sin^{m-3}(\varphi)\cos^{n+1}(\varphi)\Delta(\varphi,k)^{3}\\
&\qquad\qquad\qquad + (m-3)I^{(m-4,n+2)}\\
&\qquad\qquad\qquad - (n+1)(1-k^{2})I^{(m-2,n)}\Big\}\\
&= I^{(m-2,n)}\\
&\qquad - \inverse{(m+n+1)k^{2}}\Big\{
-\sin^{m-3}(\varphi)\cos^{n+1}(\varphi)\Delta(\varphi,k)^{3}\\
&\qquad\qquad\qquad + (m-3)(I^{(m-4,n)}-I^{(m-2,n)})\\
&\qquad\qquad\qquad - (n+1)(1-k^{2})I^{(m-2,n)}\Big\}\\
&= \inverse{(m+n+1)k^{2}}\Big\{\sin^{m-3}(\varphi)\cos^{n+1}(\varphi)\Delta(\varphi,k)^{3}\\
&\qquad\qquad\qquad + (m+n-2 + mk^{2})I^{(m-2,n)}\\
&\qquad\qquad\qquad - (m-3)I^{(m-4,n)}\Big\}\\
\end{align*}

$J^{(m,n)}$ の表式

\begin{align*}
 J^{(m,n)} &= \inverse{(m+n-1)k^{2}}\Big\{-\sin^{m-1}(\varphi)\cos^{n-1}(\varphi)\Delta(\varphi,k)\\
&\qquad + (m-1)J^{(m-2,n)} - (n-1)(1-k^{2})J^{(m,n-2)}\Big\}\\
\end{align*}
に就いても同様に計算すると (やはり $m{\geq}4$ とする)

\begin{align*}
 J^{(m,n)} &= J^{(m-2,n)} - J^{(m-2,n+2)}\\
&= J^{(m-2,n)}\\
&\qquad - \inverse{(m+n-1)k^{2}}\Big\{-\sin^{m-3}(\varphi)\cos^{n+1}(\varphi)\Delta(\varphi,k)\\
&\qquad + (m-3)J^{(m-4,n+2)} - (n+1)(1-k^{2})J^{(m-2,n)}\Big\}\\
&= J^{(m-2,n)}\\
&\qquad - \inverse{(m+n-1)k^{2}}\Big\{-\sin^{m-3}(\varphi)\cos^{n+1}(\varphi)\Delta(\varphi,k)\\
&\qquad + (m-3)\left(J^{(m-4,n)}-J^{(m-2,n)}\right)\\
&\qquad - (n+1)(1-k^{2})J^{(m-2,n)}\Big\}\\
&= - \inverse{(m+n-1)k^{2}}\Big\{-\sin^{m-3}(\varphi)\cos^{n+1}(\varphi)\Delta(\varphi,k)\\
&\qquad + (m-3)J^{(m-4,n)} - \left(m+n-2+(m-2)k^{2}\right)J^{(m-2,n)}\Big\}
\end{align*}

ここで、一般の漸化式の $(m,n)$ に、幾つかの具体的な値を代入してみよう

$(m,n)=(3,1)$

\begin{align*}
 I^{(3,1)} &= \inverse{5k^{2}}\left\{-\sin^{2}(\varphi)\Delta^{3}+2I^{(1,1)}\right\}\\
&= \inverse{5k^{2}}\left\{-\sin^{2}(\varphi)\Delta^{3}+2\left(\inverse{3k^{2}}(1-\Delta^{3})\right)\right\}\\
&= \inverse{15k^{4}}\left\{-(3k^{2}\sin^{2}(\varphi)+2)\Delta^{3}+2\right\}\\
&= -\frac{(3k^{2}\sin^{2}(\varphi)+2)\Delta^{3}}{15k^{4}}+\frac{2}{15k^{4}}\\
&= -\frac{(3k^{2}\sin^{2}(\varphi)+2)(1-k^{2}\sin^{2}(\varphi))\Delta}{15k^{4}}+\frac{2}{15k^{4}}\\
&= \frac{(3k^{4}\sin^{4}(\varphi)-k^{2}\sin^{2}(\varphi)-2)\Delta}{15k^{4}}+\frac{2}{15k^{4}}\\
\end{align*}

\begin{align*}
 J^{(3,1)} &= \inverse{3k^{2}}\left\{-\sin^{2}(\varphi)\Delta + 2J^{(1,1)}\right\}\\
&= \inverse{3k^{2}}\left\{-\sin^{2}(\varphi)\Delta + \frac{2}{k^{2}}(1-\Delta)\right\}\\
&= \inverse{3k^{4}}\left\{-k^{2}\sin^{2}(\varphi)\Delta + 2(1-\Delta)\right\}\\
&= -\frac{(k^{2}\sin^{2}(\varphi)+2)\Delta}{3k^{4}} + \frac{2}{3k^{4}}
\end{align*}

$(m,n)=(1,3)$

\begin{align*}
 I^{(1,3)} &= -\inverse{5k^{2}}\left\{2(1-k^{2})I^{(1,1)}+\cos^{2}(\varphi)\Delta^{3} - 1\right\}\\
&= -\inverse{5k^{2}}\left\{2(1-k^{2})\Big(\inverse{3k^{2}}(1-\Delta^3)\Big)+\cos^{2}(\varphi)\Delta^{3} - 1\right\}\\
&= -\inverse{15k^{4}}\left\{2(1-k^{2})(1-\Delta^3)+3k^{2}\cos^{2}(\varphi)\Delta^{3} - 3k^{2}\right\}\\
&= -\inverse{15k^{4}}\left\{2-5k^{2}-(2-2k^{2}-3k^{2}\cos^{2}(\varphi))\Delta^{3}\right\}\\
&= -\inverse{15k^{4}}\left\{2-5k^{2}-(2-5k^{2}+3k^{2}\sin^{2}(\varphi))(1-k^{2}\sin^{2}(\varphi))\Delta\right\}\\
&= -\frac{(3k^{4}\sin^{4}(\varphi)-k^{2}(5k^{2}+1)\sin^{2}(\varphi)+5k^{2}-2)\Delta}{15k^{4}} + \frac{5k^{2}-2}{15k^{4}}
\end{align*}

\begin{align*}
 J^{(1,3)} &= -\inverse{3k^{2}}\left\{\cos^{2}(\varphi)\Delta-1+2(1-k^{2})J^{(1,1)}\right\}\\
&= -\inverse{3k^{2}}\left\{\cos^{2}(\varphi)\Delta-1+2(1-k^{2})\Big(\frac{1-\Delta}{k^{2}}\Big)\right\}\\
&= -\inverse{3k^{4}}\left\{k^{2}\cos^{2}(\varphi)\Delta-k^{2}+2(1-k^{2})(1-\Delta)\right\}\\
&= -\frac{(k^{2}\cos^{2}(\varphi)-2+2k^{2})\Delta}{3k^{4}} + \frac{3k^{2}-2}{3k^{4}}
\end{align*}

$(m,n)=(2,3)$

\begin{align*}
 I^{(2,3)} &= \inverse{6k^{2}}\left\{-\sin(\varphi)\cos^{2}(\varphi)\Delta^{3} + I^{(0,3)}-2(1-k^{2})I^{(2,1)}\right\}\\
&= \inverse{6k^{2}}\Big\{-\sin(\varphi)\cos^{2}(\varphi)\Delta^{3}\\
&\qquad + \frac{\sin(\varphi)\Delta}{8k^{2}}(2k^{2}\cos^{2}(\varphi)+2k^{2}+1) + \frac{4k^{2}-1}{8k^{3}}{\arcsin(k\sin(\varphi))}\\
&\qquad - 2(1-k^{2})\Big(\inverse{8k^{2}}\Delta(2k^{2}\sin^{2}(\varphi)-1)\sin(\varphi) + \inverse{8k^{3}}{\arcsin(k\sin(\varphi))}\Big)\Big\}\\
&= \inverse{6k^{2}}\Big\{\frac{\sin(\varphi)\Delta}{8k^{2}}\Big(-8k^{2}\cos^{2}(\varphi)\Delta^2\\
&\qquad + ((2k^{2}\cos^{2}(\varphi)+2k^{2}+1) - 2(1-k^{2})(2k^{2}\sin^{2}(\varphi)-1)\Big)\\
&\qquad + \frac{\arcsin(k\sin(\varphi))}{8k^{3}}\Big(4k^{2}-1-2(1-k^{2})\Big)\Big\}\\
&= \frac{-8k^{4}\sin^{4}(\varphi)+2k^{2}(6k^{2}+1)\sin^{2}(\varphi)-6k^{2}+3}{48k^{4}}{\sin(\varphi)\Delta}\\
&\qquad  + \frac{(2k^{2}-1)\arcsin(k\sin(\varphi))}{16k^{5}}
\end{align*}

\begin{align*}
 J^{(2,3)} &= \inverse{4k^{2}}\left\{-\sin(\varphi)\cos^{2}(\varphi)\Delta + J^{(0,3)} - 2(1-k^{2})J^{(2,1)}\right\}\\
&= \inverse{4k^{2}}\Big\{-\sin(\varphi)\cos^{2}(\varphi)\Delta\\
&\qquad + \Big(\frac{\sin(\varphi)\Delta}{2k^{2}} + \frac{2k^{2}-1}{2k^{3}}\arcsin(k\sin(\varphi))\Big)\\
&\qquad - 2(1-k^{2})\Big(-\inverse{2k^{2}}\sin(\varphi)\Delta + \inverse{2k^{3}}\arcsin(k\sin(\varphi))\Big)\Big\}\\
&= \inverse{4k^{2}}\Big\{-\frac{\sin(\varphi)\Delta}{2k^{2}}(2k^{2}\cos^{2}(\varphi)+2k^{2}-3)\\
&\qquad\qquad + \frac{\arcsin(k\sin(\varphi))}{2k^{3}}(4k^{2}-3)\Big\}\\
&= \inverse{8k^{4}}\Big\{(2k^{2}\sin^{2}(\varphi)-4k^{2}+3){\sin(\varphi)\Delta}\\
&\qquad\qquad + \frac{\arcsin(k\sin(\varphi))}{k}(4k^{2}-3)\Big\}\\
\end{align*}

$(m,n)=(3,2)$

\begin{align*}
 I^{(3,2)} &= \inverse{6k^{2}}\left\{-\sin^{2}(\varphi)\cos(\varphi)\Delta^{3} + 2I^{(1,2)} - (1-k^{2})I^{(3,0)}\right\}\\
&= \inverse{6k^{2}}\Bigg\{-\sin^{2}(\varphi)\cos(\varphi)\Delta^{3}\\
&\qquad\qquad + 2\Bigg(-\frac{\cos(\varphi){\Delta}}{8k^{2}}(2k^{2}\cos^{2}(\varphi)+1-k^{2}) + \frac{1+k^{2}}{8k^{2}}\\
&\qquad\qquad\qquad\qquad + \frac{(1-k^{2})^{2}}{8k^{3}}\ln\left(\frac{k\cos(\varphi)+{\Delta}}{k+1}\right)\Bigg)\\
&\qquad\qquad - (1-k^{2})\Bigg(-\frac{2k^{2}\sin^{2}(\varphi)+3k^{2}-1}{8k^{2}}\cos(\varphi){\Delta} + \frac{3k^{2}-1}{8k^{2}}\\
&\qquad\qquad\qquad\qquad\qquad + \frac{3k^{4}-2k^{2}-1}{8k^{3}}\ln\left(\frac{k\cos(\varphi)+{\Delta}}{k+1}\right)\Bigg)\Bigg\}\\
&= \inverse{6k^{2}}\Bigg\{\frac{\cos(\varphi){\Delta}}{8k^{2}}(8k^{4}\sin^{4}(\varphi) - 2k^{2}(k^{2}+1)\sin^{2}(\varphi) - 3k^{4} + 2k^{2} - 3)\\
&\qquad +\frac{3k^{4}-2k^{2}+3}{8k^{2}} + \frac{3(1-k^{2})^{2}(1+k^{2})}{8k^{3}}\ln\left(\frac{k\cos(\varphi)+{\Delta}}{k+1}\right)\Bigg\}\\
\end{align*}

\begin{align*}
 J^{(3,2)} &= \inverse{4k^{2}}\Big\{-\sin^{2}(\varphi)\cos(\varphi)\Delta + 2J^{(1,2)} - (1-k^{2})J^{(3,0)}\Big\}\\
&= \inverse{4k^{2}}\Bigg\{-\sin^{2}(\varphi)\cos(\varphi)\Delta\\
&\qquad -\frac{\cos(\varphi)\Delta}{k^{2}} + \inverse{k^{2}} + \frac{1-k^{2}}{k^{3}}\ln\left(\frac{k\cos(\varphi)+\Delta}{k+1}\right)\\
&\qquad - (1-k^{2})\Bigg(\inverse{2k^{2}}(\cos(\varphi)\Delta-1) - \frac{1+k^{2}}{2k^{3}}\ln\left(\frac{k\cos(\varphi)+\Delta}{k+1}\right)\Bigg)\Bigg\}\\
&= \inverse{4k^{2}}\Bigg\{-\frac{\cos(\varphi)\Delta}{2k^{2}}\Big(2k^{2}\sin^{2}(\varphi) + 2 + (1-k^{2})\Big)\\
&\qquad + \frac{3-k^{2}}{2k^{2}} + \frac{1-k^{2}}{2k^{3}}\ln\left(\frac{k\cos(\varphi)+\Delta}{k+1}\right)(2+(1+k^{2}))\Big)\Bigg\}\\
&= \inverse{4k^{2}}\Bigg\{\frac{\cos(\varphi)\Delta}{2k^{2}}\Big(2k^{2}\cos^{2}(\varphi)-k^{2}-3\Big) - \frac{k^{2}-3}{2k^{2}} \\
&\qquad\qquad - \frac{k^{4}+2k^{2}-3}{2k^{3}}\ln\left(\frac{k\cos(\varphi)+\Delta}{k+1}\right)\Bigg\}\\
\end{align*}

$(m,n)=(3,3)$
$(3,3)$ に就いては、$\Delta$ を軸にして式を纏める。そのため、式を遡って

\begin{align*}
 I^{(1,3)} &= -\inverse{15k^{4}}\left\{2(1-k^{2})(1-\Delta^3)+3k^{2}\cos^{2}(\varphi)\Delta^{3} - 3k^{2}\right\}\\
&\qquad = -\inverse{15k^{4}}\left\{2(1-k^{2})(1-\Delta^3)-3(1-k^{2}-\Delta^{2})\Delta^{3} - 3k^{2}\right\}\\
&\qquad = -\inverse{15k^{4}}\left\{3\Delta^{5} - 5(1-k^{2})\Delta^{3} - 5k^{2} +2\right\}\\
 I^{(3,1)} &= \inverse{15k^{4}}\left\{-(3k^{2}\sin^{2}(\varphi)+2)\Delta^{3}+2\right\}\\
&\qquad = \inverse{15k^{4}}\left\{-(-3\Delta^{2}+5)\Delta^{3}+2\right\}\\
&\qquad = \inverse{15k^{4}}\left\{3\Delta^{5}-5\Delta^{3}+2\right\}\\
\end{align*}
であることに注意する。

\begin{align*}
 I^{(3,3)} &= \inverse{7k^{2}}\Big\{-\sin^{2}(\varphi)\cos^{2}(\varphi)\Delta^{3} + 2I^{(1,3)} - 2(1-k^{2})I^{(3,1)}\Big\}\\
&= \inverse{7k^{2}}\Bigg\{\Big(\frac{1-\Delta^{2}}{k^{2}}\Big)\Big(\frac{1-k^{2}-\Delta^{2}}{k^{2}}\Big)\Delta^{3}\\
&\qquad - \frac{2}{15k^{4}}\left\{3\Delta^{5} - 5(1-k^{2})\Delta^{3} - 5k^{2} +2\right\}\\
&\qquad - \frac{2(1-k^{2})}{15k^{4}}(3\Delta^{5}-5\Delta^{3}+2)\Bigg\}\\
&= \inverse{105k^{6}}\big\{15(1-\Delta^{2})(1-k^{2}-\Delta^{2})\Delta^{3}\\
&\qquad - 2\left\{3\Delta^{5} - 5(1-k^{2})\Delta^{3} - 5k^{2} +2\right\}\\
&\qquad - 2(1-k^{2})(3\Delta^{5}-5\Delta^{3}+2)\big\}\\
&= \inverse{105k^{6}}\Big\{15\Delta^{7} - 21(2-k^{2})\Delta^{5} + 35(1-k^{2})\Delta^{3} + 14k^{2} - 8\Big\}\\
&= \inverse{k^{6}}\Big\{\frac{\Delta^{7}}{7} - \frac{(2-k^{2})\Delta^{5}}{5} + \frac{(1-k^{2})\Delta^{3}}{3} + \frac{14k^{2}-8}{105}\Big\}
\end{align*}

この場合、漸化式によらない次の別解が存在する。まず

\begin{align*}
 &\sin^{3}(\theta)\cos^{3}(\theta)\Delta\\
&\qquad = \sin(\theta)^{2}\cos^{2}(\theta)\Big(\sin(\theta)\cos(\theta)\Delta\Big)\\
&\qquad = \Big\{\frac{1-\Delta^{2}}{k^{2}}\Big\}\Big\{\frac{-(1-k^{2}-\Delta^{2})}{k^{2}}\Big\}\Big(\sin(\theta)\cos(\theta)\Delta\Big)\\
&\qquad = -\inverse{k^{4}}\Big\{1-k^{2}-(2-k^{2})\Delta^{2}+\Delta^{4}\Big\}\Big(\sin(\theta)\cos(\theta)\Delta\Big)\\
&\qquad = -\inverse{k^{6}}\Big\{(1-k^{2})k^{2}\sin(\theta)\cos(\theta)\Delta\\
&\qquad\qquad\qquad\qquad - (2-k^{2})k^{2}\sin(\theta)\cos(\theta)\Delta^{3}\\
&\qquad\qquad\qquad\qquad + k^{2}\sin(\theta)\cos(\theta)\Delta^{5}\Big\}\\
\end{align*}
に注意する。これより
\begin{align*}
 I^{(3,3)} &= \int_{0}^{\varphi}\sin^{3}(\theta)\cos^{3}(\theta){\Delta}d\theta\\
&= \inverse{k^{6}}\Big[\frac{(1-k^{2})\Delta^{3}}{3} - \frac{(2-k^{2})\Delta^{5}}{5} + \frac{\Delta^{7}}{7}\Big]_{0}^{\varphi}\\
&= \inverse{k^{6}}\Big\{\frac{(1-k^{2})\Delta^{3}}{3} - \frac{(2-k^{2})\Delta^{5}}{5} + \frac{\Delta^{7}}{7}\\
&\qquad\qquad - \Big(\frac{1-k^{2}}{3} - \frac{2-k^{2}}{5} + \frac{1}{7}\Big)\Big\}\\
&= \inverse{k^{6}}\Big\{\frac{\Delta^{7}}{7} - \frac{(2-k^{2})\Delta^{5}}{5} + \frac{(1-k^{2})\Delta^{3}}{3} + \frac{14k^{2}-8}{105}\Big\}
\end{align*}

ここで、$\Delta$ の冪乗中、$\sin(\varphi)$ の有理式で置き換えられる部分を、実際に置き換えると

\begin{align*}
 I^{(3,3)} &= \Big(\frac{\sin^{4}(\varphi)}{7k^{2}}-\frac{(7k^{2}-4)\sin^{2}(\varphi)}{35k^{4}}-\frac{14k^{2}-8}{105k^{6}}\Big)(1-k^{2}\sin^{2}(\varphi)){\Delta}\\
&\qquad\qquad\qquad\qquad\qquad\qquad\qquad\qquad\qquad\qquad\qquad\qquad +\frac{14k^{2}-8}{105k^{6}}
\end{align*}

同様にして

\begin{align*}
 J^{(3,3)} &= \inverse{5k^{2}}\Big\{-\sin^{2}(\varphi)\cos^{2}(\varphi)\Delta + 2J^{(1,3)} - 2(1-k^{2})J^{(3,1)}\Big\}\\
&= \inverse{5k^{2}}\Big\{-\sin^{2}(\varphi)\cos^{2}(\varphi)\Delta\\
&\qquad\qquad + 2\Big\{-\frac{(k^{2}\cos^{2}(\varphi)-2+2k^{2})\Delta}{3k^{4}} + \frac{3k^{2}-2}{3k^{4}}\Big\}\\
&\qquad\qquad - 2(1-k^{2})\Big\{-\frac{(k^{2}\sin^{2}(\varphi)+2)\Delta}{3k^{4}} + \frac{2}{3k^{4}}\Big\}\Big\}\\
&= \inverse{15k^{6}}\Bigg\{-3k^{4}\sin^{2}(\varphi)\cos^{2}(\varphi)\Delta\\
&\qquad\qquad + 2\Big\{-(k^{2}\cos^{2}(\varphi)-2+2k^{2})\Delta + 3k^{2}-2\Big\}\\
&\qquad\qquad - 2(1-k^{2})\Big\{-(k^{2}\sin^{2}(\varphi)+2)\Delta + 2\Big\}\Bigg\}\\
&= \inverse{15k^{6}}\Big\{-\Big(3k^{4}\sin^{2}(\varphi)\cos^{2}(\varphi) + 2k^{2}\cos^{2}(\varphi)\\
&\qquad\qquad\qquad -2(1-k^{2})k^{2}\sin^{2}(\varphi) - 8(1-k^{2})\Big)\Delta +10k^{2} -8\Big\}\\
&= \inverse{15k^{6}}\Big\{-\Big(3(1-\Delta^{2})(-1+k^{2}+\Delta^{2}) + 2(-1+k^{2}+\Delta^{2})\\
&\qquad\qquad\qquad - 2(1-k^{2})(1-\Delta^{2}) - 8(1-k^{2})\Big)\Delta\\
&\qquad\qquad\qquad\qquad +10k^{2} -8\Big\}\\
&= \inverse{15k^{6}}\Big\{\Big(3\Delta^{4} - 5(2-k^{2})\Delta^{2} + 15(1-k^{2})\Big)\Delta + 10k^{2} - 8\Big\}\\
\end{align*}

別解:

\begin{align*}
  J^{(3,3)} &= \int_{0}^{\varphi}\frac{\sin^{3}(\theta)\cos^{3}(\theta)}{\Delta}d\theta\\
&= -\inverse{k^{6}}\int_{0}^{\varphi}\Big\{(1-k^{2})\Big(\frac{k^{2}\sin(\theta)\cos(\theta)}{\Delta}\Big)\\
&\qquad\qquad\qquad\qquad - (2-k^{2})k^{2}\sin(\theta)\cos(\theta)\Delta\\
&\qquad\qquad\qquad\qquad + k^{2}\sin(\theta)\cos(\theta)\Delta^{3}\Big\}d\theta\\
&= \inverse{k^{6}}\Big[(1-k^{2})\Delta - \frac{(2-k^{2})\Delta^{3}}{3} + \frac{\Delta^{5}}{5}\Big]_{0}^{\varphi}\\
&= \inverse{15k^{6}}\Big[15(1-k^{2})\Delta - 5(2-k^{2})\Delta^{3} + 3\Delta^{5}\Big]_{0}^{\varphi}\\
&= \inverse{15k^{6}}\Big\{15(1-k^{2})\Delta - 5(2-k^{2})\Delta^{3} + 3\Delta^{5}\\
&\qquad\qquad - \Big(15(1-k^{2}) - 5(2-k^{2}) + 3\Big)\Big\}\\
&= \inverse{15k^{6}}\Big\{3\Delta^{5} - 5(2-k^{2})\Delta^{3} + 15(1-k^{2})\Delta + 10k^{2} - 8\Big\}\\
%&= \inverse{15k^{6}}\Big\{\Big(3\Delta^{4} - 5(2-k^{2})\Delta^{2} + 15(1-k^{2})\Big)\Delta + 10k^{2} - 8\Big\}\\
\end{align*}

ここでも、$\Delta$ の有理式で置き換えられる部分を、実際に置き換えると

\begin{align*}
 J^{(3,3)} &= \frac{\Delta}{15k^{6}}\Big(3k^{4}\sin^{4}(\varphi)-(5k^{4}-4k^{2})\sin^{2}(\varphi)-10k^{2}+8\Big)\\
&\qquad\qquad\qquad\qquad\qquad\qquad\qquad\qquad\qquad\qquad +\frac{10k^{2}-8}{15k^{6}}\\
\end{align*}

$(m,n)=(4,1)$

\begin{align*}
 I^{(4,1)} &= \inverse{6k^{2}}\Big\{\sin(\varphi)\cos^{2}(\varphi)\Delta^{3} + (3 + 4k^{2})I^{(2,1)} - I^{(0,1)}\Big\}\\
&= \inverse{6k^{2}}\Big\{\sin(\varphi)\cos^{2}(\varphi)\Delta^{3}\\
&\qquad + (3 + 4k^{2})\Big(\inverse{8k^{2}}\Delta(2k^{2}\sin^{2}(\varphi)-1)\sin(\varphi) + \inverse{8k^{3}}{\arcsin(k\sin(\varphi))}\Big)\\
&\qquad - \Big(\frac{\sin(\varphi)\Delta}{2} + \inverse{2k}{\arcsin(k\sin(\varphi))}\Big)\Big\}\\
&= \inverse{6k^{2}}\Big\{\frac{\sin(\varphi)\Delta}{8k^{2}}\Big(8k^{2}\cos^{2}(\varphi)\Delta^{2} + (3+4k^{2})(2k^{2}\sin^{2}(\varphi)-1) - 4k^{2}\Big)\\
&\qquad\qquad + \frac{\arcsin(k\sin(\varphi))}{8k^{3}}\Big((3+4k^{2})-4k^{2}\Big)\Big\}\\
&= \inverse{6k^{2}}\Big\{\frac{\sin(\varphi)\Delta}{8k^{2}}\Big(
8k^{4}\sin^{4}(\varphi) - 2k^{2}\sin^{2}(\varphi) - 3\Big)\\
&\qquad\qquad + \frac{3\arcsin(k\sin(\varphi))}{8k^{3}}\Big\}
\end{align*}

\begin{align*}
 J^{(4,1)} &= - \inverse{4k^{2}}\Big\{-\sin(\varphi)\cos^{2}(\varphi)\Delta + J^{(0,1)} - \left(3+2k^{2}\right)J^{(2,1)}\Big\}\\
&= -\inverse{4k^{2}}\Big\{-\sin(\varphi)\cos^{2}(\varphi)\Delta + \inverse{k}\arcsin(k\sin(\varphi))\\
&\qquad\qquad - (3+2k^{2})\Big(-\inverse{2k^{2}}\sin(\varphi)\Delta + \inverse{2k^{3}}\arcsin(k\sin(\varphi))\Big)\Big\}\\
&= -\inverse{4k^{2}}\Big\{-\frac{\sin(\varphi)\Delta}{2k^{2}}\Big(2k^{2}\cos^{2}(\varphi)-(3+2k^{2})\Big)\\
&\qquad\qquad + \frac{\arcsin(k\sin(\varphi))}{2k^{3}}\Big(2k^{2}-(3+2k^{2})\Big)\Big\}\\
&= \inverse{4k^{2}}\Big\{-\frac{\sin(\varphi)\Delta}{2k^{2}}\Big(2k^{2}\sin^{2}(\varphi)+3\Big) + \frac{3\arcsin(k\sin(\varphi))}{2k^{3}}\Big\}
\end{align*}

オマケ:
$(m,n)=(4,0)$

\begin{align*}
 I^{(4,0)} &= I^{(2,0)}-I^{(2,2)}\\
&= -\frac{\Delta(\varphi,k)\sin(\varphi)\cos(\varphi)}{3} + \frac{2k^{2}-1}{3k^{2}}E(\varphi,k) + \frac{1-k^{2}}{3k^{2}}F(\varphi,k)\\
&\qquad -\inverse{30k^{4}}\Big\{\Big(2k^{2}(-3k^{2}\cos^{2}(\theta)+2k^{2}-1)\Big)\sin(\varphi)\cos(\varphi)\Delta(\varphi,k)\\
&\qquad\qquad + 4(k^{4}-k^{2}+1)E(\varphi,k) - 2(1-k^{2})(2-k^{2})F(\varphi,k)\Big\}\\
&= \inverse{30k^{4}}\Big\{-\Big(10k^{4}+2k^{2}(-3k^{2}\cos^{2}(\theta)+2k^{2}-1)\Big)\sin(\varphi)\cos(\varphi)\Delta(\varphi,k)\\
&\qquad + \Big(10k^{2}(2k^{2}-1)-4(k^{4}-k^{2}+1)\Big)E(\varphi,k)\\
&\qquad + \Big(10k^{2}(1-k^{2})+2(1-k^{2})(2-k^{2})\Big)F(\varphi,k)\Big\}\\
&= \inverse{30k^{4}}\Big\{-2k^{2}(5k^{2}-3k^{2}\cos^{2}(\theta)+2k^{2}-1)\sin(\varphi)\cos(\varphi)\Delta(\varphi,k)\\
&\qquad + 2\Big(5k^{2}(2k^{2}-1)-2(k^{4}-k^{2}+1)\Big)E(\varphi,k)\\
&\qquad + 2(1-k^{2})(5k^{2}+2-k^{2})F(\varphi,k)\Big\}\\
&= \inverse{30k^{4}}\Big\{-2k^{2}(3k^{2}\sin^{2}(\theta)+4k^{2}-1)\sin(\varphi)\cos(\varphi)\Delta(\varphi,k)\\
&\qquad + 2(8k^{4}-3k^{2}-2)E(\varphi,k) + 4(1-k^{2})(2k^{2}+1)F(\varphi,k)\Big\}\\
&= -\frac{3k^{2}\sin^{2}(\theta)+4k^{2}-1}{15k^{2}}\sin(\varphi)\cos(\varphi)\Delta(\varphi,k)\\
&\qquad + \frac{8k^{4}-3k^{2}-2}{15k^{4}}E(\varphi,k) + \frac{2(1-k^{2})(2k^{2}+1)}{15k^{4}}F(\varphi,k)\\
\end{align*}

\begin{align*}
 J^{(4,0)} &= J^{(2,0)}-J^{(2,2)}\\
&\qquad \inverse{k^{2}}\left(F(\varphi,k)-E(\varphi,k)\right)\\
&\qquad  - \Big(-\frac{\Delta(\varphi,k)\sin(\varphi)\cos(\varphi)}{3k^{2}} + \frac{2-k^{2}}{3k^{4}}E(\varphi,k) + \frac{2k^{2}-2}{3k^{4}}F(\varphi,k)\Big)\\
&= \frac{\sin(\varphi)\cos(\varphi)\Delta(\varphi,k)}{3k^{2}} - \frac{2(1+k^{2})}{3k^{4}}E(\varphi,k) + \frac{2+k^{2}}{3k^{4}}F(\varphi,k)
\end{align*}

$(m,n)=(0,4)$

\begin{align*}
 I^{(0,4)} &= I^{(0,2)}-I^{(2,2)}\\
&= \Big(\frac{\Delta(\varphi,k)\sin(\varphi)\cos(\varphi)}{3} + \frac{1+k^{2}}{3k^{2}}E(\varphi,k) - \frac{1-k^{2}}{3k^{2}}F(\varphi,k)\Big)\\
&\qquad -\inverse{30k^{4}}\Big\{\Big(2k^{2}(-3k^{2}\cos^{2}(\theta)+2k^{2}-1)\Big)\sin(\varphi)\cos(\varphi)\Delta(\varphi,k)\\
&\qquad\qquad + 4(k^{4}-k^{2}+1)E(\varphi,k) - 2(1-k^{2})(2-k^{2})F(\varphi,k)\Big\}\\
&= \frac{\sin(\varphi)\cos(\varphi)\Delta(\varphi,k)}{30k^{4}}\Big\{10k^{4}-2k^{2}\big(-3k^{2}\cos^{2}(\theta)+2k^{2}-1)\big)\Big\}\\
&\qquad + \frac{E(\varphi,k)}{30k^{4}}\Big\{10k^{2}(1+k^{2})-4(k^{4}-k^{2}+1)\Big\}\\
&\qquad - \frac{F(\varphi,k)}{30k^{4}}\Big\{10k^{2}(1-k^{2})-2(1-k^{2})(2-k^{2})\Big\}\\
&= \frac{\sin(\varphi)\cos(\varphi)\Delta(\varphi,k)}{15k^{4}}\big(5k^{2}-(-3k^{2}\cos^{2}(\varphi)+2k^{2}-1)\big)\\
&\qquad + \frac{E(\varphi,k)}{15k^{4}}\big(5k^{2}(1+k^{2})-2(k^{4}-k^{2}+1))\big)\\
&\qquad - \frac{F(\varphi,k)}{15k^{4}}(1-k^{2})\big(5k^{2}-(2-k^{2})\big)\\
&= \frac{3k^{2}\cos^{2}(\varphi)+3k^{2}+1}{15k^{2}}\sin(\varphi)\cos(\varphi)\Delta(\varphi,k)\\
&\qquad + \frac{3k^{4}+7k^{2}-2}{15k^{4}}E(\varphi,k) + \frac{2(1-k^{2})(1-3k^{2})}{15k^{4}}F(\varphi,k)
\end{align*}

\begin{align*}
 J^{(0,4)} &= J^{(0,2)}-J^{(2,2)}\\
&= \Big(\inverse{k^{2}}E(\varphi,k) - \frac{1-k^{2}}{k^{2}}F(\varphi,k)\Big)\\
&\qquad  - \Big(-\frac{\Delta(\varphi,k)\sin(\varphi)\cos(\varphi)}{3k^{2}} + \frac{2-k^{2}}{3k^{4}}E(\varphi,k) + \frac{2k^{2}-2}{3k^{4}}F(\varphi,k)\Big)\\
&= \frac{\sin(\varphi)\cos(\varphi)\Delta(\varphi,k)}{3k^{2}} - \frac{2(1-2k^{2})}{3k^{4}}E(\varphi,k) + \frac{(1-k^{2})(2-3k^{2})}{3k^{4}}F(\varphi,k)\\
\end{align*}

| | コメント (0) | トラックバック (0)

«「三角関数の幾つかの2次無理式の積分 (2017年10月31日 [火]」補足その1